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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
356/468

【GAME47-3】戦いにおけるエクスタシー!!

 ◎――――――――――――――――――◎

 ◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆〔忍野龍牙 HP500 手札4枚 EG:②〕

 ・ユニット:無し

 ・カスタム・ツールカード:【シノビブレード】

【シノビウェポン・手裏剣】(無装備)


 ★〔デルタのデクルックス HP800 手札4枚 EG:③〕

 ・ユニット:無し

 ・カスタム・ツールカード:

【闇晦ましの静弓―セイレーン―】

 ◎――――――――――――――――――◎

 ―――まさに盤上雑食主義か!? 必死に守っていたアンノウンカードを開放させた太龍デクルックス、その正体は何とアンノウン解除と共にフィールドのユニットを全滅させる《ライブプレデター・ワーム》であった!


 これにより戦場で残されたのは忍刀と、ポロッと落ちた手裏剣のみ! 龍牙に情け無用とばかりに太龍の火球をチャージし、間髪入れずに放射するデクルックス!!


 これが直撃すれば火球の500ダメージがジャストに龍牙のHPをゼロにする!

 ここだ、ココを耐えてくれ龍牙! カウンター・レスポンスのコールは…………出ない!!?


 まさか!? 本当に終わってしまうのか龍牙!!!?



 ――――ドオオオオオオオオンッッッ!!!!


 ああっと太龍火球、龍牙の身体に着弾! 最早これまでか、万事休すッッ!!


「う………そ………!?」


 瑞希、愕然としております。デクルックスに命を狙われた彼女の唯一の希望が潰えた、その絶望と恐怖が血の気を失せて、項垂れる様がそれを物語っておりま………………いや、ちょっと待った!!?


「…………意外としぶといね」


 デクルックス本人も『仕留め損ねた』と言わんばかりの曇り顔、それに加えてダメージを示すクリアウィンドウが流れていません!

 そして火球着弾と共に湧いた土煙がようやく晴れて、ポツンと落ちているのは忍装束を着せた()()()。これはもしや!?



 ◎――――――――――――――――――◎

 ・龍牙のプレイヤースキル

【忍法・変わり身の術】発動!


 変わり身を使って

 致死ダメージを一度だけ無効にする!

 ◎――――――――――――――――――◎


 藁人形で敵を欺き、龍牙本体への致死ダメージを身代わりにさせるプレイヤースキル! 当の龍牙はこれによってノーダメージ、五体満足で生き延びた! お見事!!


 〔龍牙 HP500〕


「……ふぅ、ツイてるぜ。あのスキル発動の成功確率60%だから、まだ冷や汗が出てらぁ」

 生き延びたとはいえ、延命も最低30秒まで。またデクルックスのPASスキルが起動すれば今度こそ始末される事には変わりない。


「例えそうであっても、僕はもうこれ以上アンタにチャンスは掴ませないけどね!」


 万事休す転じて絶体絶命。火球が駄目なら両手に携えた《闇晦ましの静弓―セイレーン―》を用意し、上空から無音の矢が龍牙を襲う。彼のアクロバティックな身のこなしが矢を回避するが、その分彼に思考の余地を与えてはくれない!


「ほらほら逃げろ逃げろ!!」


 流石の龍牙も、何も出来なければデクルックスの成すがまま。一命は取り留めたもののここまで翻弄される龍牙の様に瑞希の焦燥は抑えきれなかった。


(もう駄目だ……、ここまでひっくり返されちゃアイツに攻略の余地なんて無いよ……!)

 だが瑞希も叡智(えいち)を駆使して戦うゲーム戦士の一人。戦いでは蚊帳の外の彼女だが、命が掛かっている分頭も冴えた。


(そうだ、アイツの言いなりになって観戦してる必要無いんだ。戦ってる隙を見て助けを呼ばないと……!)


 瑞希は陰で手元のプレイギアを開き、ダイヤルを入力させて同胞やWGCに緊急通報を出そうとしたが……


 ―――ビュンッッ


「きゃあ!!!」

 VRフィールドを突き抜けて、瑞希にスレスレの位置に一本の矢が跳んだ。撃ったのは静弓を携えたデクルックスであった。


「分かってるよねー眼鏡っ娘。WGCの犬共に通報とか変な素振り見せたら、今度はお前の眉間に矢が刺さるよ。多分脳みそ貫通☆」

「ッッ………!!??」


 己の欲求の為なら殺人も躊躇わないデクルックスのサイコパスな笑いが瑞希を戦慄させる。当然通報・密告といった姑息なやり方など認める筈が無い。


「………てか思ったんだけどさ、眼鏡っ娘も同じ地底空間出身なんだろ? 同胞が同じ育ちのゲーム戦士の自由を縛ってる癖に、自分はされるのが嫌とか何処の身勝手なんですかぁ?」

「わ、私はそんな事……!」


 それを為しているのは鳳凰堂孔雀。彼女と同じチームである瑞希を批判するデクルックス。アンタも同じ穴のムジナだろうと思う方も居るでしょう。だがこの暴挙に待ったを掛けたのは、龍牙であった。


「その辺にしとけサイコパス。余所見してっとお前の口が裂けるぜ」

 その時フィールドを確認すれば、ユニットの代わりに《シノビウェポン・手裏剣》を装備した龍牙による手裏剣乱桜がデクルックスの顔に突き刺さった!


「痛ぁ………ッ」

 〔デクルックス HP800→500〕


 おおっ、これでHP差はお互いイーブン。これならどちらかがカードかスキルを使って止めをさせる領域に達した!


「まだ勝ちを確信するなんざ1000万年早ぇよ。今度は首元狙ってやろうか!?」

 気づけば龍牙の顔には無数の青筋が浮かび上がっている。散々舐められた分のツケか、瑞希に危害を与えた事への報復か。どっちにしても怒りの頂点を達するのも時間の問題だ。


「まぁまぁまぁそう怒んないでよ! 勝とうと負けようとゲームは楽しくやるものでしょ? ルールを守って楽しく決闘!ってね?」


「…………あぁ? ダボ(関西方言で“ドアホ”って意味やで)かお前は。負けて『あー楽しかったぁ♡』って言うボケが何処にいる。ここは親善会じゃねぇんだよ、しょうもな」


 デクルックスの吐き気がする程の白々しさに対して放った龍牙の愚痴。そこには彼のゲームに対する熱を表す事になる。



「人ってのはよ、何事も“勝つ”為に努力するもんや。勝負事は無論、病気にも課題にも、運命にも。てめーが鍛え上げて培った強さで、理不尽みたいなシャラクセェ柵をぶち破るのが最高に気持ち良いんだろうが」

「じゃーアンタはぶち破られる弱い柵側かな?」



「………ダボは人の話を何も分かってねぇな。ゲーム戦士ってのはよ、自分より強い敵を叩きのめした時、その瞬間から強くなったと実感する為に力を磨き上げるもんだ。―――【レベルアップ】って言葉、俺様が最高に気に入ってる言葉なんだよ」



 ――忍野龍牙。彼もまた、強さの高みを目指し、敵わぬ相手にも臆せず立ち向かう勇気を持つゲーム戦士。戦い方は粗暴この上ないが、願いは純粋・単純明快。我々と変わらない熱い魂を持った男。地獄から這い上がりし闇の使者に怖いものなど有りはせぬ!!


「………俺が“弱い柵”と罵るなら、さっさと俺様を殺してみろよ少年院送致野郎。もっと俺様を楽しませろぉ、精々頂点への踏み台にしてやるよ!!!!」


 血と戦いに渇望する刃を携えた黒い狼が吠えた。その欲は生温い世を送るだけでは決して味わえないエクスタシー。心臓に刃物を向けられる覚悟を持つからこそ味わえる真剣勝負故の輝きだ!!!


「正直だなーーーー、綺麗事なんざ言わねぇで芯突き通した奴はさぁ!! そーゆー奴の心こそ粉々にしてやりたいよ!!!」

「さぁて、粉々にされんのは一体どいつか? 俺の刃か、()()()()()()()のお前の翼か? 死んで剥製にするのも勿体ねぇや!!」


 煽りに煽って殺気はいよいよピークに達した! 命掛かっているというのに、それを恍惚の糧として俄然と闘志を湧き立てる両者。そして瑞希は……



(“真っ直ぐ”過ぎる。自分の欲に素直すぎて、まるで死んでも戦えれば本望みたいな事を平気で口にして。――そんなになってまで守る価値があるの? アンタを目の敵にして(うと)んじてるこの私を……?)


 ―――己への純粋な欲望か、仲間を守る為の盾か。


 忍野龍牙よ、お前は誰がために戦うか!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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