【GAME46-5】暴君とサイコパスの化かし合い!!
◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔忍野龍牙 HP1000 手札4枚 EG:②〕
・ユニット:【鬼火玉】
・カスタム・ツールカード:【シノビブレード】
★〔デルタのデクルックス HP1300 手札2枚 EG:②〕
・ユニット:【愚者を貪る大トカゲ】【アンノウンカード】
――忍者をも翻弄させる正体不明・アンノウンカード。
カードの裏からめくれば正体は、死体をも貪り食う大トカゲだったんですから、フィールドに伏せた2枚目のアンノウンカードもガタイのデカいユニットか。いやいやもっとデカい化け物か。
鬼が出るか蛇が出るかどっち付かずのグレーゾーンに立たされた龍牙。本日初のドローカードを引き抜いて、立ち止まっていた忍び足を再び動き出す黒い影!
『アクションカード、【影がが葬る手向け】!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクションカード>
【影が葬る手向け】EG:③
属性:黒
効果:フィールド上に黒属性ユニットが
存在する場合、ユニット1体を破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
「消えちまいなぁ、アンノウンカード!!」
これは単純明快、半ばリスクはあるがストレートなユニット除去カード。龍牙には丁度黒属性の《鬼火玉》なるユニットがいる為発動条件はクリア。向ける矛先はアンノウンカード!
「何だよせっかちだなぁ、衝動性駆られてると女にモテないぞ? ――アンノウンカード解除!」
アンノウンカードの裏伏せ状態を解除するコスト発動は自由に使える。アクションカード発動解決前にデクルックスはアンノウンの正体をEG②支払って明かす!
「アンノウンカードの正体は、青属性ユニット【リフレクション・エスパー】!!」
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【リフレクション・エスパー】EG:②
AP:100 DP:100 AS:5
属性:青 ユニット/エスパー
効果:[アンノウン]解除/EG②
このカードの[アンノウン]状態が解除された時
他のカードの効果対象を変更させる。
◎――――――――――――――――――◎
「小型ユニットかよ、しかもソイツは……」
「効果対象変更カード……!?」
これには龍牙も瑞希も舌を巻く。発動中のカードの対象を無理やり捻じ曲げる事が何を意味するのか。
「これで《影が葬る手向け》の対象を、アンノウンカードからアンタのユニット《鬼火玉》に変えてやるよ! 自分のカードで自分の首を絞めちまえ!!」
何と意地の悪い返り討ちの仕方! しかし彼の粋がった態度からか、周りを見る事を知らないらしい。
◎――――――――――――――――――◎
・龍牙の《影が葬る手向け》の効果により
デクルックスの《リフレクション・エスパー》破壊!
◎――――――――――――――――――◎
「………ふぇ??」
おっと対象変更した筈のエスパーが倒されて豆鉄砲食らった顔してますよデクルックスさん! 龍牙さん、説明してやんなさい!
「簡単な話だ、《リフレクション・エスパー》効果解決前にプレイヤースキルを使ったまでだ」
そうです! このゲームはカードだけでは御座いません、己のスキルを使って突破口を作る事を忘れてませんよね!? 読者の皆さん!!
◎――――――――――――――――――◎
・忍野龍牙のプレイヤースキル
【金縛りの術】発動!
プレイヤーかユニット1体を対象に
効果発動・行動を20秒間無効にする!
◎――――――――――――――――――◎
「なっ、能力の無効スキル!? そんなのを登録してたのか!」
【金縛りの術】とは、龍牙さんのような“忍者”のジョブを属する者だけが使えるプレイヤースキル。こういった設定も読者の皆様は忘れてませんよねぇ?
「こいつもアンノウンカードと同じく、発動タイミングが自由なスキルで便利だからなぁ。もっとも、アンノウンの正体が分かった時点で無理に使う事も無かったけどな。重要なポイントがやっと掴めた」
「何だよ重要なポイントって」
「序盤に出鼻を挫かれたから警戒し過ぎたが、アンノウンカードってのは騙し討ちがメインで、正体明かした後の能力自体大した事ねぇって事や。コソコソ身を隠すような腰抜け相手に恐る事ぁ無いんだよ!!」
アンノウンカードに“腰抜け”とまで豪語した龍牙。調子付いた暴君は危なかしい所があるが、推察した点に狂いは無かった。
「そこまで言うなら《愚者を貪る大トカゲ》を倒してから言ったら? アンタの持ってる忍刀は飾りかよ」
「……飾りかー、その減らず口も直ぐに黙らしてやるよ。――《鬼火玉》でダイレクトアタック!!」
ここで龍牙唯一のブロッカー、《鬼火玉》に攻撃コマンド。飛行能力を持ってる故デクルックスはユニットの防御は出来ない。そのまま彼に向かってユラユラと火玉は飛ぶ。このままではAPが0で無駄撃ちとなるが……?
「《鬼火玉》の攻撃時に[シノビ変化]発動! そのユニットを手札に戻し、俺様の手札に眠る忍者ユニットを姿を現す!! ――――【濃霧の忍者】、推参ッッ!!!」
人も知れず、世も知れず、影となりて敵を討つ! 鬼火からドロンっと参上仕るは、龍牙操る七色装束纏いし忍者ユニットのご登場でござる。
初お披露目は水色装束を身に隠し、霧隠才蔵も真っ青の隠れ身戦術お手の物。《濃霧の忍者》推参!!
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【濃霧の忍者】EG:③
AP:100 DP:100 AS:5
属性:青 ユニット/シノビ/ヒューマン
効果:[シノビ変化]EG:①
①このユニットが攻撃で相手プレイヤー
・ユニットにダメージを与えたとき、
フィールド上の相手ユニット1体を
手札に戻す。
◎――――――――――――――――――◎
ザシュッッ!!
「痛っ……!」
〔デクルックス HP1300→1200〕
遂にデクルックスに負わせた切り傷一つ、その刃が向けられた瞬間に忍者の真髄が開化する。
「《濃霧の忍者》のバウンス効果だ。《愚者を貪る大トカゲ》を手札に戻しな」
「嘘だろ……僕のユニットが消えた!?」
しかも《愚者を貪る大トカゲ》のアンノウンカード解除は手札の黒属性カードを捨てる事、通常召喚も出来るがコストは高い。デクルックスにとってかなりの痛手となった。
「さぁて……これでも俺様の忍刀は飾りか? 言ってみろや、あ゛ぁ!!?」
暴君龍牙に対して刃物は“持たせるな危険”の注意喚起があるように、まるで刀を鉄パイプでも持つかのようにデクルックスに迫っては叩き殴る始末。
彼だけでなく束縛された《リフレクション・エスパー》も叩き斬って破壊、刃の特性などガン無視に大きく刀を振りかぶってデクルックスを徹底的に痛め付ける。良い子は真似しないでね!
〔デクルックス HP1200→500〕
「くっ……クソぉぉッ!」
◎――――――――――――――――――◎
・デクルックスのプレイヤースキル
【ライフアップδ】発動!
手札を1枚捨ててHPを1000回復!
◎――――――――――――――――――◎
〔デクルックス HP500→1500〕
デクルックスもプレイヤースキルを発動して、痛めつけられたダメージを手札も消費させて大型回復を促した。しかし盤上では武器+ユニットと龍牙が断然有利に立った事に変わりは無い!
「……どうしたよサイコパス、その程度か。サザンクロスの与える恐怖ってのは口だけか?」
煽ってますねぇ龍牙さん……デクルックスに出鼻挫かれただけあって、ノリノリじゃないですか。
「…………………全然っ! こんなの序の口だよ。これくらいやってくれないと面白くないだろう、マナー知らずの関西人の癖に」
最後だけ余計ですよデクルックスさん!!
「無理すんなよ。どんだけ減らず口叩こうが負けるのはてめぇだ」
「そうかなぁ? ゲームは最後まで結果は分からないもんだよ。ゲームってのは楽しくやらなくちゃ☆」
字だけで見るとピュアな面が垣間見えますが……その反動で余計に腹黒く見えるのは私の錯覚でしょうか?
「Mr.Gの言う通りよ、こっちはデスゲームヤラされて死ぬ思い一杯なのに……」
良かった、瑞希さんが同意してくれた!
「まぁ怒るな眼鏡先輩。こっちが有利なのに乱されちゃ敵の思う壺だぜ。つまんねぇヘイトコメントは流せよ」
一番キレやすいアンタに言われたくないんですが……
「……なぁアンタさぁ、ゲームやり過ぎて人の命軽視してるとか大人に散々嫌味言われただろうけどさ。リアルで命のやり取りするゲーム程スリルは無いよ。だってそうだろ?
――――闘争心を削がれた人間なんて、死んだも同然なんだしさ☆」
「………まぁ、一理あるわな」
デルタのデクルックスのドス黒い思考が、龍牙にどう影響を及ぼしたか。それは定かではありませんが。
ともかくアンノウンカードの突破口を見つけ出した龍牙にゲームは動いた。そこから展開される決闘の続きはまた、一旦下がって次回お披露目致しましょう。
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




