【GAME6-1】30VS1!ジンからの挑戦!!
アーケードタウンにて行われたアーケードゲーム・スコアサバイバル。
剣率いるシャッフルオールスターズ7人の中で勝ち残ったのは、みのり、槍一郎、穂香の3人!
その他見事サバイブした30名のプレイヤー達が、スピリットプレイヤー・ジンに挑む!!
――だが、ここで私は敢えて宣言しよう。
この闘いに生き残るのはたったの【1人】!!!
果たして勝利し、オーブを手にしたのは誰だ!!?
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――ゲームワールドのデータで創られた太陽が、パワースポット【EVO SPOT】を照らし、西に沈みかけた頃。
仮想空間に広がる空が黄金に染まり、夜の帳が降りようとする前触れ。 現実世界と時系列がリンクするゲームワールドの夕焼け。VRサンシャイン見納めのビッグゲームが行われようとしていた!
「そういうこと! それと僕夜暗くならないうちに6時にはお家帰らなきゃだから、アメイジングの多人数ルール『レイドバトルモード』で30人パーっと相手しちゃうからね!!」
やっぱりオーブを司るスピリットプレイヤーとはいえ、外見も中身も少年なのかしっかりと門限は守る体質らしい。実にお利口さんだ。
いやそんな事よりも! 今回のメインゲーム、またまた登場カードゲーム決闘『アメイジング』の多人数ルール【レイドバトルモード】について説明しよう!!
―――――――PLAY GAME―――――――
☆アーケードタウン ゲーム☆
[スコアサバイバル・2nd STAGE]
【アメイジング・レイドバトルモード―AMAZING・RAID BATTLEMODE―】
・ジャンル:カードゲーム
・プレイヤーレベル:30
概要・ルール
『アメイジング』における1人VS多人数でのチームバトルの事。言うなれば一人の『魔王』プレイヤーVS複数の『勇者』プレイヤーで戦うRPGっぽいアメイジングバトル。別名『アーチエネミールール』。
・このルールでの主な変更点は……
①勇者である多人数側のプレイヤーは共有せずに個々のHPが設けられ、0になった時点で脱落となる。
※ただし一人脱落してもゲーム自体は負けにならず、チームが一人でも残って魔王を倒せば勇者の勝利となる。全滅した場合は敗北。
②魔王には特別に初手から7枚の手札と、多人数側のプレイヤーの数×1000のHPが与えられる。
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このルール、自分が強ければ30人でも100人でも相手が出来るという、何とも自信ありげなのか自惚れてるのか無茶苦茶なシステム。
とはいえ孤軍奮闘やる気満々なスピリットプレイヤー・ジンにもそれなりのハンデはある。30人を相手に通常一人1000のHPのライフラインは用意されてる為、ジンはその30人分【HP:30000】用意されてるんだから恐ろしい。
「やった~いっぱいHP貰っちゃった~♪」
何か清々しい程にピュアですね……でも30人もの大勢のプレイヤーを相手にするけども大丈夫かな? 一気にオーブ取られちゃうんじゃないかい?
「大丈夫、僕結構強いから☆ ……あ、でも流石にいきなり戦うのも卑怯だと思うから、プレイヤーの皆はデッキの準備時間をあげるよ! 5分間セッティングして万全の状態で僕と勝負してね!」
……確信した。この子滅茶苦茶良い子だ。流石スピリットプレイヤーは礼儀を弁えていますな。
▶▶▶ NEXT▽
――という訳で、急遽アメイジングのデッキを編成する時間を与えられたプレイヤー達は急いでセッティングに向かった。本来のカードプレイヤーならば、相手の得意とする戦法やデッキの特性を分析して、それに応じたデッキ構成を作るのが基本らしいが……
そもそもスピリットプレイヤーの情報もほとんど入手出来てない皆無の境地で、アメイジングのデッキなんか尚更分析出来る筈もない。
そうなれば最早ヤケクソとばかりに、自分の得意な戦法を駆使したデッキにそれぞれ構築を始めていく。そして例の三人も……
「ねぇ、皆どうする? あのジンくんってスピリットプレイヤーがどんなカード出すか分からないし、構築のしようが無いわ」
見事スコアサバイバルを勝ち残ったみのり、槍一郎、穂香。特にみのりはこのようなイベントで勝ち抜いたことが無い為により不安の色合いが増している。
「そんなに焦ることはないよみのりちゃん。どんな相手だろうと持ち札と個性で勝負しなきゃならないんだから、自分の持てる力で出し切るしかない。だったら可能性を広げる為にもある程度準備はしていかないと!」
「つまり、自分の出来ることをカードを組み合わせて広げていくんです! 1枚入れ換えるだけでもデッキの形が変わることだってありますからね」
「うーん……」
デッキで織り成す戦略のタイプは多種多様。例えば剣みたいに攻守バランス良く展開するタイプや、倭刀のように猪突猛進にパワーで勝負するものなど、カードの組み合わせで個性が出てくる。そのタイプはどれも一長一短の千差万別だ。
今回勝ち残った槍一郎のデッキは『速攻』、穂香は攻守両立の『サポート』、そしてみのりは『防御・回復』のガードタイプだ。
「でも今のデッキを攻撃重視に変更したら殆どが変えなきゃいけなくなっちゃう。慣れない事はしたくないし、どうしよう……」
剣や倭刀みたいに喧嘩早いタイプでなく穏やか天使なみのりに急なスタイルチェンジな酷なもの。やはり今持つ自分の個性で戦うしかないかと一応自分が所持するカードのファイルをプレイギアで開いていると。
(……あれ、ちょっとこれもしかしたら、イケるかな……!?)
ファイルに眠っていたカードを見るなり、動きが止まったかと思いきや急に目が輝いたみのり。丁度それらのカードをデッキに編成し終えたその時。
『はいおしまーい!! プレイヤーの皆はデッキセッティングを止めて、僕のところに戻ってきてくださ~い!!』
ジンは自ら編成タイム終了を唱えて皆に呼び掛けた。 それがなんとなく小6の学級委員長の号令に聞こえたのは気のせいだろうか?
「……よし! 準備オッケー!!」
みのりもこの編成で納得のいくものが出来たようで満足している。
しかしこの咄嗟のひらめきが生み出した戦略が、これから展開するレイドバトルに大革命を起こすことになろうとは――!!
▶▶▶ AT THAT TIME (その頃)▽
――『EVO SPOT』全体がアメイジングのフィールドになろうとしていたその片隅にて。
「……で、何で倭刀リタイアしたん?」
「いや『メタルスラッ◯2』やってたんすけど、ヒャッハーしてたら全クリして300万くらいしかスコア届かんかって……」
「俺に大口叩いた癖になぁ、結局俺ら予選落ちだぜどうよ?」
「そんな殺生な事言わんといて下せぇよ……」
「んでレミと豪樹さんは、同じくしてスコア届かずと……」
「アカンかったわ298万点。 ス◯Ⅱだけじゃボーダーライン到達せぇへんのを気付けへんワイの知識不足やな」
「あたしなんて『テトリス』で100万点行かなかったのよ!!」
「そらレミさんが99万9999点でカウンターストップするの気付けんかったからでしょ!?」
「しー! 倭刀くんダメそんな事言っちゃ恥ずかしいでしょ!! お口チャック!!!」
何て雑談感覚でスコアサバイバルにリタイアした三人の話を聞いているうちに、剣は思わず大きな溜め息を吐きながら……
(みのりの為とはいえ、俺はコイツらと一緒に落ちたんか……何か虚しくなってきたわ)
今回剣はどうしてもみのりをサバイバルに進出させようと決め、敗退覚悟で彼女をスピリットプレイヤー勝負へと駒を進めさせた。……とは言うものの、自己犠牲は自分の為にはならず。惨めな所を悔やんでも先に立たず。今は次なるゲームまで耐え忍ぶだけ。
しかしそんな虚無感も一気に晴れるであろう。もうすぐこの区域は白熱のアメイジングフィールドと化すのだから!
「……あ! 皆準備が出来たみたい!!」
レミが途方にて準備が整った30名のプレイヤー達を指差す。 そこにはみのり達三人の仲間も覚悟を決めて戦場へ突き進む。
「オイ、みのり!! 槍ちゃんに穂香も!! 絶対勝てよ!!! とにかく自分の力を全部出し切れッッ!!!!」
せめてものエールにセコンド役に買って迫真の鼓舞を送る剣。それに三人はブイサイン、親指ポーズとジェスチャーで合図した。
……さぁ、舞台は整った。
――徒然と30人のプレイヤー達がフィールドに敢然と立つ!! 夕焼け染まる進化の聖域に戦いの警鐘を鳴らせ!!!
「それじゃあ……始めるよッッ!!!!! 『アメイジング・レイドバトルモード』・READY!?」
――――――『START UP』!!
気になる続きはまた次回、本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




