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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
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【GAME46-3】正体不明・影に包まれたカード!!

 ――地底空間に潜む闇が、良からぬ者共による決闘を引き起こしたのでしょうか!?

 鳳凰堂孔雀からの刺客・忍野龍牙を始末せんと単身飢えた獣の如く襲いかかるサザンクロスの幹部・デルタのデクルックス。


 今まさに、正義もクソも無い真っ黒な殺伐殺戮なアメイジングバトルの火蓋が切られようとしていました! 今日は至って早めのゲーム展開ですな。……え、いつもと変わらない? まぁ細かい話は言いっこ無しって事で。何はともあれ先ずは序盤の展開。二人の初期ステータスはご覧の通り。


 〔忍野龍牙 HP1400〕

 〔デルタのデクルックス HP1300〕


 両者特に開けた差は無く僅差で龍牙の方が体力がある状況。更にデッキの内容も過去の戦いから存じ上げている読者の方々も居るでしょうが……対してデクルックスに至っては情報は皆無!

 デッキやファイティングスタイルに対して、何のヒントも無い状況で戦う事はかなりのリスクを負いますが、それでも臆せず戦うは龍牙。さぁ、どうなりますやら!


 ――ヒュッ!


「おっと?」


 大胆不敵にも龍牙にいきなり殴りかかったのはデクルックスだ! パンチの軌道からしてみれば素人の域、勢い余って体制が崩れかかる所を見ると無鉄砲この上なし。意地でも相手の血を見たいのか、サディスティックヴァイオレンスなデクルックスに龍牙も避ける他無し。


「開始早々殴り込みは、あんまり面白かねぇな」

 龍牙も呆れる程に暴れん坊なデクルックスを対処しつつ、ブレスからカードを引いて装填口にスキャン!


『ユニットカード、【メカニカル・ウォーカー】!!』



 ◎――――――――――――――――――◎

 <ユニットカード>

【メカニカル・ウォーカー】EG:0

 AP:0 DP:300 AS:0


 属性 無 ユニット/アーティファクト

 効果:なし

 ◎―――――――――――――――――◎


 出ました龍牙の序盤立ち回り、EGが0のアーティファクトユニットを盾に様々なサポートを展開するパターン。今回はDPが高いが効果が無いバニラカードからの布陣でスタートだ。


「何だよ、木偶坊なんざ出しちゃって……」


 等とデクルックスもボヤくが、素手でも倒せそうなユニット相手に何を思ったか攻撃もカード展開もせず、EGを蓄積させるだけで構えている。


(警戒してやがるなアイツめ。……こう張り合うとやりにくいな)


 龍牙のデッキの特徴は、自分の場のユニットを手札に戻してEG消費で入れ替わりに参上仕る[シノビ変化]能力の忍者ユニットが主流。

 相手の攻撃やカード発動など図るタイミングがほぼ自由な能力だが、こうも相手がアクションを起こさないと先立って戦略ミスになる可能性が高くなる。つまり何もせず構えられる時が、一番龍牙のデッキにとってネックになる瞬間なのだ。


(もう俺様の手札に忍者ユニットがある。……が、今は出さねぇ方が利口だ。ならばこっちだな)


『ツールカード、【型破りな捕食】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

<ツールカード>

【型破りな捕食】EG:②

 属性:青/黒


 ・効果:発動コストとして自分のユニットの

 ステータスをAP/DP共に200ダウンさせる。

 その後自分はデッキから2枚ドローする。

 ◎――――――――――――――――――◎


 これは上手い、《メカニカル・ウォーカー》のステータスを削る事によって手札を補充するカード。しかも減少させてもDPは100残る為、ユニットは場に留まっていてリスクも少ない。ユニットも只の盾では収まりません。


(え、ドローに徹した……? 相手はまだユニットが出てないのに)


 そんなクエスチョンを醸し出しているのは、龍牙達の決闘をVR空間外で固唾を呑んで見守る瑞希。故に龍牙らしくない戦い方に不安も募っていく。

 そしてその不安は次に起こるアクションで拭われる事となる。


『アクションカード、【フレイム&フリーズ】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

<アクションカード>

【フレイム&フリーズ】EG:②

 属性:赤/青


 ・効果:自分は次の能力のうち1つを選ぶ。

 ①フィールド上のユニット、

 またはプレイヤーに200ダメージ。

 ②フィールド上のユニットの行動を

 15秒間不能にする。

 ◎――――――――――――――――――◎


 おおっとこれは二者選択のカード! 文字通り炎でダメージか、氷で硬直かを発動したデクルックスが選ぶ事が出来る!


「僕はこのカードの①の効果を選択! 《メカニカル・ウォーカー》に200ダメージ!」

 これは先程のコストが仇になったか、龍牙のDP100のアーティファクトユニットが破壊された。


「……よし、これで少しは火力カードを消費出来たか」

 破壊されたユニットの様子を見て若干安堵の表情を浮かべている龍牙。と云うのも、


(……そうか! もしさっきの火力カードの前にアーティファクトと交代に忍者ユニットの[シノビ変化]で召喚されてたら、忍者が除去対象にされて不利になっちゃう。だから捨てる覚悟でドローを選んだのね……)


 お陰でデクルックスの手札の火力カードを使わせる事に成功した。龍牙も先読みに関しては並外れた感性を持つ男。切れる頭に瑞希も解説を交えて感心している。


「え? やだ、私ってば何であんなバカの事心配してるのよ!」

 しかし瑞希も命を狙われてる身、それを龍牙に守られているとなれば嫌でも応援せざるを得なかった。


(仕掛けて来るとしたら……時期としてもうすぐか。サザンクロスの幹部がどれ程の強さか知らねぇが、WGCですら最高レベルで警戒している程の実力なら、舐めたら死ぬだろうな)


 乱暴者の龍牙とて、自分より危険な思考を持つ者には恐れを成すのも道理。実力主義の現代を生き抜く為には時に自分の頭を冷やして、状況把握を徹する知恵も身に付かねばならない。龍牙にはそれが熟知されていた。



 ―――さて皆さん、ここからが本題ですよ。この実力未知数のデルタのデクルックスが繰り出すキーカードとは何か? その答え合わせであります!


「じゃ答案用紙出してー、これからその答えを見せるよ!」


 いや読者の皆様答案用紙持ってませんから。


 発動するカードのEGは③、デクルックスのデッキから取り出した1枚のカードが装填される……!!



『――――()()()()()()()()、スキャニング』


「………………!!?」


 “アンノウンカード”なる新たな種のカードが召喚された時、龍牙は我が眼を疑うが如く驚愕した! だってねぇ、私だって驚きましたとも!


 召喚されたカードの表側表記が、()()()なんですもの!! テキストもカード名もイラストも何もかも真っ黒クロスケ!!

 しかも驚くのはもう一つ、ブレスのビジョンモニターで表記されたテキストもこの通り。


 ◎――――――――――――――――――◎

<アンノウンカード>

 AP:100 DP:100 AS:10

 属性:???

 効果:???

 ◎――――――――――――――――――◎


 属性も効果も全く不明、しかしステータスは軽型のユニットを思わせる印象だけが残っていた。これは一体どういう事なのでしょうか……?


「これはね、ある特定のカードだけが持つ事が出来る【アンノウン】能力っていう、真の能力を相手に悟られないようにする正体不明の能力さ!」



 カード能力【アンノウン】。その能力を持つカードはEGを③消費する事で、本来のカードのステータス・効果を隠して『アンノウンカード』としてAP/DPが100の仮初の状態で召喚される。

 そしてアンノウンカードとして場に出た状態で、アンノウン状態を解除させるコストにもう一度EGを消費させる事で、本来のカードの正体を明らかにする事が出来るトリッキーな能力なのだ!


「つまり本当のカードの正体を現すのはお前の気分次第、アンノウン能力を解除するまで分からないって訳か……」

「これじゃ、迂闊に攻撃も除去も出来ない……!」


 カードの裏に隠された本性をもグレーにさせる正体不明の能力“アンノウン”に龍牙も瑞希も動揺を隠せない。

 まさにゲーム戦士の心理に突いたデクルックスの戦法に、どう対処していくのでしょうか……?


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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