【GAME46-1】鳳凰ゲーム戦士のジレンマ!!
――全国推定一億人以上のゲーム戦士の皆様、謹賀新年・明けましておめでとうございます!!
今年のお正月は沢山ゲームしましたか? 作者さんはね、夜中までずーーっとAP◯Xしてました!
さぁ今年最初のゲームウォーリアー、時期も時期なだけに何やら物騒な展開待ち構えておりますどないしょどないしょ。
本日からのゲームはズバリ、『鳳凰超勇士・忍野龍牙』VS『サザンクロス幹部・デルタのデクルックス』の真黒勝負と来たんもんだ! しかしね皆さん、今回はその龍牙さんが凶悪ぶりとは一変した格好良い展開が待ってますよ!
それでは2022年も張り切って参りましょう!
―――『オープン・ザ・ゲート』!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――ここは地底空間・B2層。時代に淘汰された者達の復讐を夢見て、物騒な魂を研いで地上に逆襲しようと企む物騒な連中。即ち『裏プレイヤー』の主な住処。
WGCへの恨みや復讐やら、テロ集団『サザンクロス』の横入りやらで何やら話がごちゃごちゃしましたが、ようやく裏プレイヤーの頂点同士の柵が解け、盃を交わして一件落着。と行った感じで前回【GAME45】は読み終わりとなったのですが……
残念、まだ他方にて別の柵が生まれてるようですよ。
▶▶▶ NEXT▽
前回の話、覚えてますか? 幾多に渡って地上の者達やB1層の者に危害を加えた『妬み嫉みのエンヴィー』ら裏プレイヤー達を粛清する為に、鳳凰堂孔雀からの刺客として龍牙を放ち、拉致しようとしたんですよ!
そこで現れた救世主が、孔雀らによって精神崩壊させられた恨みに復讐を誓っていた“茨木姉御の小原”。
小原恵美が自分のPASの力でB2・3層の大元締め、小原の親友である大山杏美を呼び、止む無く撤退せざるを得なくなった龍牙。というよりも彼の携帯着信からの呼び出しによるものであった。
「……さてと、B2層の連中はどーやら一件落着で済んだようだが……こっちに利がねぇ状態で曖昧に呼び出しやがって。――どういうつもりだ、瑞希」
龍牙の携帯プレイギアから呼び出した張本人は鳳凰堂孔雀……ではなく、そのチームの同胞である青髪の眼鏡っ娘。久々に登場は『鳳凰超勇士』のゲーム戦士、井鷺瑞希だ!
「………偉そうに言ってんじゃないよ新入り。私達のチームの枠組みから見れば、アンタが裏プレイヤー達に100%真っ黒な事してっから、止めにしたんだよ」
顔に似合わず結構強気、更に龍牙に対して妙に当たりが強い様子の瑞希。というのも、ココ最近主である鳳凰堂孔雀が龍牙にばかり信頼に置かれている事に気に食わなかった。早い話が嫉妬である。
「本当に、孔雀がそうする様言ったのか」
龍牙特有の鋭い眼圧が瑞希を詰めていく。それでも冷ややかな眼を怯まない彼女は無駄な足掻きもせずに白状した。
「…………アンタ分かって言ってんでしょ。私の独断よ。多忙な孔雀様から直に指令は来ないっての」
「だろうな、そこまでアイツは迅速にゃ動かねぇ。良かったよ、過失抜きでねちっこい説教を聞かんで済むわ」
等と故意に嫌味を口にする龍牙。しかし鳳凰堂の前に先輩からの説教が待っていた。
「“過失”って何よ。鳳凰堂の名で地底空間にこんな泥を塗るような真似して。孔雀様が本当にそれを望んでアンタに命令してると思ってたの?」
「その孔雀様御本人に命令されてやったんだよ。第一俺様かて、B2層がどーこーなんざ全く興味はねぇわ」
そういう所はかなりドライですね龍牙さんや。
「嘘だ……信じない! 幾らB2層を孔雀様が欲しがってるとしても、そこまでさせるなんて有り得ない……!」
「お前がそんな断言が出来るタマか? 御本人に聞いてもない奴が」
「うっ……、だって……!」
それは即ち、長年『鳳凰超勇士』のチームとして孔雀の側に居た瑞希だから言える信頼からのチグハグが生んだものであった。
「あのな、俺様はちゃんと孔雀から直接聞いて命令されたんだよ。苛立ちも予めセーブするつもりでな」
龍牙が語るには、孔雀はこう言ったのだという。
『……分かってますね龍牙さん。妬み嫉みのエンヴィーを霊長殿まで捕らえて来て下さい。今なら容易く成し遂げられます。勿論邪魔が入ったらやり返しも許します。殺さなければ』
相変わらず末端にドSな所を見せてるって事は、確かに孔雀様御本人ですな。
『但し、もしその前に大山杏美に発見された場合は無理せずに退いて下さい。彼女を敵に回す事は、こちらが多大なリスクを負うことになりますから』
頭の切れる政治家は先の先まで読んでゴーサインを起こすものでしょうか。心を読み取る孔雀のPASによって、先手に手札を温存するようなクレバーな命令を龍牙に下していたのでした。
「あん時大山の女将さんに挑発しかけたのは、何の利もなしに帰るのが癪だっただけだ。だが本気でやり合うつもりは毛頭なかった。―――言っとくがチームに入ってから、孔雀の言い付けを破った事は一回も無いぜ?」
「何だよそれ……、孔雀様が同じ故郷のゲーム戦士を踏み躙るような真似なんて……」
“信頼”とは、時に当たり前の思考に縛られるような呪いを意味する。長年孔雀の近くにいた瑞希にとって、彼女の成そうとする野望の本質が見えない事に恐ろしさも感じつつあった。このような状況を“疑心暗鬼”と申します。
「お前も面倒くせぇ奴だな。そんなに疑うなら本人に聞けば早いだろ」
「……んな事、言われなくたってそのつもりだよ! 見てなさいよ新人、孔雀様の名を借りて暴れ回った事を一生後悔させてやるから!!」
本来なら、これだけでも龍牙の癪に触りそうな修羅場パターンなんですが、ここは彼も成長の一角を魅せるゲーム戦士。苛立つ様相など全く無く瑞希に近寄る。
「……まぁ止めたのは正解としてやるよ。この俺様のみを悪者にして、清く正しい鳳凰堂孔雀様の名誉を守ったんだからな。一周回って頭良いじゃんか、図書委員タイプの姉ちゃんがよぉ〜」
「っ! 誰が図書委員よ、近づかないで!!」
「スタイル良い女が引きこもってるなんざ性に合わねぇぜ、この一件が俺様が良いとこ連れってやるよ」
…………前言撤回。龍牙に成長の一角も内閣もありません。先輩相手に壁ドン並びにセクハラ紛いのナンパするんじゃなーーーい!!!
「……私、アンタのそういう所大ッ嫌い! 成熟してない青二才がさも達観したような思考で人を平気で見下して……!!」
「それはお前も、俺様もお互い様だろうよ。だが精神年齢低いのはお前の方だろうがな」
「何ですって!? ボッチが自分の小説に勝手に自己満足してるような可哀想な奴に言われたくないわ!!!」
だから作者さんに飛び火するような事言うなっての!!!!
「ウルセェぞ、黙れ」
「何よ図星なの―――きゃんッッ?!!」
これには流石の龍牙もカチンと来たのか、急に瑞希に飛び掛かり勢い任せに地面に押し倒す。破るものまで破る事案にハラハラしそうだったが……次の瞬間!!
ドスッッ――――――!!
突如、さっきまで瑞希を壁ドンしていた遺跡の柱に棍棒かと見まごう程の巨大な矢が突き刺さった!
辛うじて押し倒した事によって貫通を避けられた龍牙と瑞希。刹那の展開に瑞希は何が起きたのか分からず憎み口も一瞬で黙った。
「……だから黙れつったんだよ」
おぉ〜龍牙さん、急に迫る矢を察知して瑞希さんを身を挺して守った! 貴方も中々やりますねぇ!
『あーらら、外しちゃった。そっちの青眼鏡の姉ちゃん狙ったのに』
瑞希に不意打ちを狙いに失敗した狙撃手、直に龍牙の前に現れたのは何とサザンクロス幹部、『デルタのデクルックス』!!
「ひっ……!? さ、サザンクロスの幹部……!?」
「何だよ小原を勧誘し損ねて帰ったと思ったぜ。まだB2層に用があるのか?」
「どーも、デクルックスでーす。鬼ごっこしーましょ★♪♬」
―――そう、これが前回の答え合わせ。突如として龍牙と瑞希の前に現れたデクルックス、果たして彼が仕掛ける『鬼ごっこ』とは何か? その詳細はまた次回。――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




