【GAME5-4】スコアサバイブ!生き残ったのは誰だ!?
――TIPS――
ゲームの完全制覇、或いはイベントにて大きな成績を残した証としてプレイヤーに『エンブレム』が送られる。
この『エンブレム』を多く獲得することによって開かれるエリアやゲームも解禁される。
名声は『エンブレム』と共にあり!!
――スコアサバイバル・ラストスパート!!
一つのゲームを極めてスコアを稼ぐ者、群れの流れを読み取って広く浅く複数のゲームに挑む者、予想外のミスに計画が狂い次のゲームを右往左往している者。
これぞプレイヤー心理カタログ。 個性の数だけタイムリミットが迫るなかでの行動が読み取れる。
そして、我らがシャッフルオールスターズも!
――剣に『ツイン◯ー』奮闘中。
――倭刀に『メタルスラ◯グⅡ』無双中。
――槍一郎に『グラディウ◯Ⅲ』……と思いきや残り時間15分頃に転じてレースゲーム『アウト◯ン』。
隣接していたシューティングコーナーに設置していたアウトランの筐体で列を作っていたプレイヤーが居なくなった所で、槍一郎は満を持してプレイ。
「『アウトラン』はシューティングに引けを取らない程にスコアの獲得が大きいんだ。列を作っていた程だから皆知っていたんだろうけど、そう簡単にはいかなかったようだね!」
何しろ『アウトラン』ドライブレースという陽気なゲームにも関わらず一回クリアで2000万もスコアを取れちゃうからトンでもない!
そこで何の因果か運営が難易度調整するもんだから良くてスコアは100万止まり、世の中そう上手くは行かない。
――だが槍一郎は違った!
「僕のドライブは一味違うよ!!!」
既に槍一郎のスコアは500万点越え! ハートはトップギア、アクセル全開!! アウトランコース制覇なるのだろうか!?
そして他の四人のメンバーも以前ご紹介したゲーム一択、一本集中! どんなスコアかは結果発表のお楽しみ。そんな今回ピックアップしたいのは、勿論彼女だ!!
▶▶▶ NEXT▽
――残り少ない時間の中で、スコアが通常の100倍得られるボーナスゲームを探し、見事一発で当てたみのり。
残り時間10分、『ドン◯ーコング』プレイから3周目を越え、みのりはがむしゃらにスコアを稼いでいき既に810万点を突破!
全ては大会を制して、誇れる自分を目指すために……
(もう3周目に入ったらば各エリア毎のクリアボーナスが一番の稼ぎ時。 ハンマーとか飛び越しなんかしてる暇はないわ。 ひたすらゴールしていくのみ――!!)
邪魔な敵キャラ眼中無し、取れれば敵もぺっちゃんこ無敵のアイテム『ハンマー』も移動に制限があるためにスルー。いち早いクリアを専念すべく、みのりはゴール一直線突き進む!
50メートル地点のベルトコンベアステージも梯子を駆け上って余裕のクリア、ボーナス6600点の所を100倍の66万点ボーナスと来たもんだ! スゴいね~!!
……しかし、それを良しとしないプレイヤーも残念ながら居るもんだ。
制限時間が10分と迫るなか、みのりと同じくして100倍ボーナスのゲームを探していたゴロツキプレイヤー達が彼女の健闘を見て気付いてしまった。
「オイあれ……、例の100倍スコアボーナスのゲームじゃねぇか!?」
「あ、本当だ! ちくしょうめ何であんな女に取られるんだ生意気な!!」
選んだゲームは早い者勝ち、連コイン禁止だからやりたきゃゲームが終わった後にやれば良い。ところが時間迫って切羽詰まってたのか、止せば良いのにゴロツキらしく良からぬ事を企み始めた。
「見てろよデカイスコア出す前に妨害してやる……!!」
するとゴロツキが手に取ったのは爆竹のような花火、これに火を付けて外からみのりのいる筐体の元までポーンと投げ置いた。そして……
――パパパパパパパパンッ!
「キャアアアアア!!!!」
集中していたみのりに爆竹の破裂音が彼女の不意を諸に打った。その直後に操作していたマリ◯がパタンキューとなって初の1ミス。 妨害でこれは酷すぎる!
「な……何て事してるのよ!!」
滅多に怒らないみのりはカンカンになって後ろを振り向けば、ガタイの悪さウルトラ級のゴロツキプレイヤー3名。これには流石の彼女もたじろいだ。
「別に? 俺らはただ見物してるだけだしぃ」
「100倍スコアのそのゲームを待ってるんだよ、嫌がらせが嫌ならさっさと終わらせちまいな嬢ちゃん」
しかしこんな相手でも強気で意志を曲げないのがみのりの強いところ。彼らに屈せず言い返す。
「ふざけないで!! 私が先に見つけてゲームしてるのやりたかったら大人しく待ってなさいよ!!!」
女子高生でダイヤモンド並の強気な精神、見習いたいものだ。だがそれがゴロツキ共の反感と悪乗りをエスカレートさせていく。
「はっ、舐めんなクソアマぁ!!!」
「だったら意地でも退かせてやるぜ!!!!」
「ちょっ、嫌! 止めてッッ!!」
ぬぬぬ……、何と卑劣な!!
ゴロツキが調子に乗ってみのりの椅子を蹴飛ばしたり、騒ぎ立てたり、挙げ句の果てにはみのりのアバターの髪の毛を引っ張られる始末。
ゲーム中で無抵抗状態の彼女にやりたい放題、『ドン◯ーコング』もせっかくスコア獲得で溜めていた残機もミス連続で減っていく! 店長あいつらです!!と言ってもここには店員さんは居ない。――と思ったその刹那!
「えー、精神面クソガキ以下のプレイヤーの皆様ぁ。ゲームは順番に並んで、静かに待ちましょう~☆」
「――――何だきさ」
ゴスッッッ!!!
冗談混じりのアナウンス口調に暴行を止め、ゴロツキが確認しようとした振り向き様に下された顔面ストレートパンチの天誅。
「…………剣くん!!」
まさにこの情景、事案間近のプリンセスを助けに来た騎士そのもの。桐山剣が助けに来てくれたのだ!!
「何だテメェッッ!!!!」
「……剣くん、どうしてここに……?」
「ほらみのり! 余所見してないでゲームに集中や!! このボケ共は俺に任せろ。軽く骨折ってやるからさ、首の」
「う……うん!!」
憤るゴロツキ共に対し、終始余裕の剣に強者の覇気も漂う。剣は相手を外へ放り出した途端にカードゲーム『アメイジング』の決闘状態に入り、粛清実行中!
その模様をお届けできないのは申し訳ないが、今はみのりの健闘を見守っていこうではないか!!
(剣くん、ゴメン……。ありがとう!)
残り時間はいつの間にか1分を切っていた。
現在みのりの到達エリアは3周目100メートル地点・鉄塔のボルトを全て引き抜いた時点でクリアだ!
まずは消去法で左サイド全てのボルトを引き抜く。 その間にも敵キャラの『お邪魔虫』が気まぐれ鉄塔ロードが行く手を塞ぐ。しかしグズグズしてる暇はない!
「こうなったら、『ハンマー』行くわよ!!」
上から2段目中央にある『ハンマー』をジャンプで取ってヤケクソに振り回す配管工おじさん。お邪魔虫を倒すことに3万点の大チャンスで大儲け!
そして残り時間10秒、カウントダウン!!
10,9,8……
ボルト残り2本、右下部分! 急げ!!
(あと、もうちょっと……!!)
4,3,2…………
「これで最後ッッ!!!」
ラストボルト引き抜いたその瞬間、頂上でふんぞり返っているゴリラが崩れる鉄塔諸ともまっ逆さま!!
――――ゼロッッ!!!!!
『――スコアサバイバル、これにて終了! これより参加プレイヤーの集計を行います。次のイベントまで暫くお待ち下さい……』
街中のアナウンスが、終了の合図を唱えた頃。 みのりの最終スコアの結末は……?
「剣く~~ん!!!!!」
――アメイジングに勝利し、ゴロツキを強制送還させた剣を抱き締めるみのり。――ドン◯ーコングを気絶させてレディを救った配管工。二つ揃ってハッピーエンド。そして……
~~☆♪
みのりにもドラク◯ファンにも縁起の良い通知音が彼女のプレイギアに鳴り響く。開いてみると……
◇――――――――――――――――――◇
【スコアサバイバル・1stゲーム突破!!】
1位・1068万9600点
よって2ndゲームに進出決定!
次の通知まで暫くお待ち下さい。
◇――――――――――――――――――◇
「やった……!! 私1位で突破したよ!!!」
「良くやったぜみのり!!!!」
感極まって更に強く抱き締める二人。これほど嬉しいことは無いだろう。何しろ剣さんも突破してるでしょうから…………ってあれ? 剣さん??
「――――ふぅ、まぁしゃーないか」
「どうしたの?」
剣はプレイギアで通知を確認するなり、無念そうな顔を浮かべていた。それにみのりも心配するが、その不安は的中した。
「――――悪いなみのり。今日は俺、主役になれそうにねぇや!」
悔しさも入り雑じったしかめ面でお手上げのジェスチャーを取る剣。彼のプレイギアの通知には……
◇――――――――――――――――――◇
【スコアサバイバル・失格】
終了時刻5分前前後に行った
『アメイジング・デュエルモード』
をプレイヤーと実行した為、反則行為として
獲得スコアは無効となりました。
◇――――――――――――――――――◇
「剣くん…………」
己の力で見事サバイブしたみのりと、それを犠牲に仲間を守りきって失格となった剣。大番狂わせの展開に、次なるゲームで彼が動き出す!!!!
「――――いよいよ僕の出番だね! スピリットプレイヤー・ジン、颯爽と登場!! キャハハハハ!!!」
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




