【GAME44-1】ぶらり・迷い道ゲームの旅!!
―――さぁネクストゲーム言ってみましょう! ……とは言ったものの、ちょっとアクシデントが起こってますねぇ。
G-パーツ獲得に向けたGWクエストを受注する為に旅立った剣・みのり・桜の一行は、何の因果か香川県に間違って行っちゃった! しかしどうして香川なんでしょう?
……あれ? 何やら私宛にメール。それに宛名は作者の慶さんから! 珍しいですねちょっと読んでみましょう。
なになに、【今回展開するストーリーを、ゲームが大好きな香川県の読者様、そしてゲーム戦士達に捧げます。偏見に惑わされず、ゲームを通じて地域を分かち合える交流が実現出来ますように】……ですって。
――――作者さん変なもの食べたのかな(困惑)
ともかく、香川で繰り広げられるゲームバトルに乞うご期待! ―――『オープン・ザ・ゲート』!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
ここは現実世界の地上、四国地方は香川県。
日本列島47都道府県の中で、最も面積が小さいと言われているのが香川。その次が僅差で大阪、東京と続く故の小さな県。
四国といえば、日本の主要四島の中で最も小さい島。4つの県で構成されている島と本州を繋ぐ橋で有名なのは、岡山と香川を繋ぐ『瀬戸大橋』。澄み切った青空に青い海、周りには小さな島々が旅行者をお出迎え。ドライブしたらとても気持ちいい事でしょう。
景色は良いし、うどんは美味い。一度はおいでよ香川の町!
………どうして急に香川を紹介したかというと。今回の主役であるゲーム戦士が地底空間から大阪へ帰ろうとした矢先、迷いに迷って辿り着いたのがこの香川であった。即ち方向音痴が招いたハプニングって話!
その御方こそ他ならぬ、桐山剣・河合みのり、そして立海は時実桜。
「………どーしたもんかな、マジで」
「知らないわよ。剣くんが方向音痴なのに先立って進むからでしょう」
「私としたことが、地底空間のマップを認識してないばかりに剣さんに任せたのが間違いでしたわ……うぅ」
剣はゲームでは格好良く決める男だが、ノーマルだと半ば格好の付かない所が目立つ。
特に方向感覚は壊滅的だ。何しろドラ◯エやF◯といった2Dダンジョンでも、外側の壁を伝っていけば突破できると自信満々に豪語してたくらいですから、東西南北の概念はからっきし。大阪育ちの剣がが良く梅田駅を超えられるものだと不思議に思うくらい。
「やっぱ宝塚本線を右に曲がっときゃ良かったかな?」
「だから梅田駅じゃないの!! もう、こんな事なら私が位置確認すれば良かったわ!」
等と剣とみのりが喧々と夫婦喧嘩……じゃなかった、揉め合いをする中で桜は。
(あの他者の意見も聞かず、修羅でも冥界でも強引に我が道を突き進む剣さんの胆力……銃司様にそっくりですわ)
既に傲慢な銃司の元で仕えるメイドの桜には、このようなハプニングでも動じず溜息だけが溢れる。やっぱり銃司と剣は似た者同士なんですな。
「とにかく大阪へ戻らないと。別に戻れない訳じゃないし、でも地底空間には戻れないからお財布使ってバスとか電車で自力で帰るしか無いわね。交通費負担は剣くんにしてもらうから!」
「わ、分かったよ。今日のみのりはヤケに高圧的やな……」
当たり前でしょう、ガールズ二人を巻き添えに迷わせたのは剣さんなんですから!
そんなみのりさんの圧に押されて剣は自分の財布の紐を緩めて所持金を確認した所……、彼の顔は青ざめていた。一度ならず二度までも、最悪な展開は痛い所にやって来る。
「…………まさか剣くん。お金持ってないの?」
みのりのドスの利いた声で剣に迫った所、予感的中。
「1000円しかねぇ……」
「バカーーーーーーーーッッッ!!!!!」
丸亀の街にみのりの怒号の叫びが木霊する。それを聞いて桜も頭を抱え始めた。もうここまできたら主人公の面目丸潰れの剣。それぞれのリアクションが絶望を物語る。
「だから常に1万円くらい持っててって言ったでしょう!? 電子マネーも空だし、道には迷うし! 女の子二人連れといて責任感ってのが無いの、剣くんには!?」
「誠に申し訳御座いません………(号泣)」
みのりさんがこんなにも怒るのは久々じゃないでしょうか? ガチな説教モードに入った彼女は誰にも止められない。桜も『お気の毒に……』と剣に同情するばかり。これはみのりさん、将来カカァ天下にでもなりそ
「語り部うるさいッッ!! 今説教中!!!」
誠に申し訳御座いません………(号泣)
剣に私までもみのりの剣幕に縮こまる中で、本当にこれからどうしようか真剣に悩む所まで陥った。
勿論責任は剣が追うことにしても、所持金はオケラ寸前。一瞬ヒッチハイクしようかという案にもなったが、ガールズ二人に負担は掛けたくはない。
悪条件な展開に切り札で切り抜けてきた桐山剣も、困ってしまった。…………と、思いきや!
「何やら喧しいから出向いてみれば、奇遇な事があるものだね。桐山剣じゃないかい!」
何やら剣の名を知る人物を確認! 即座に剣が振り向けば、零れ落ちるは救いが届いた歓喜の笑み!!
「あぁッ、貴方はもしかして! 瑞鳳旋風堂の伊達神奈さんじゃないですか!!」
これまた驚き! 何と剣らと邂逅したのは、アメイジング・サバイバーモードの初代覇者にして、カーティシーオーブを獲得したゲーム戦士。瑞鳳旋風堂の主将・伊達神奈! 今回も付き添いの松代光照と一緒のようだ。
(何かオイラだけ扱い軽くね?)
光照さんお気になさらず。しかし彼女らは反対側の宮城県のゲーム戦士、同じく地底空間から帰還した彼らは何故に香川へ?
「私らはちょいとした野暮用でね。しかしここで桐山剣と出会えるなんて奇跡に等しい事だ。忙しくて綾乃の件で御礼が言えなかったから丁度良かったよ」
【GAME28〜30】に渡って、剣と桜と共に『リロード樹海』で決闘にて共闘した同じく瑞鳳旋風堂のエース『弥風綾乃』。彼らの協力もあって無事に脱出出来た事を綾乃は離脱後も恩義に思っていたようで、その様相から神奈本人も剣に会って、礼をしたいと思っていたようだ。
「いえこちらこそ、綾乃とスッゲェゲームが出来て俺も良かったと思ってます!……オフィシャルプレイヤーの試練が終わったら、改めてまた綾乃に会いに行きます」
礼儀正しく剣も礼を返すも、その心境は後ろめたさが若干あった。何しろ剣と同じメンバーの槍一郎も、オフィシャルプレイヤー復権を掛けての試練に挑んでいる。状況が状況であって、事の複雑さは神奈にも伺えていた。
「……その顔からして、天野槍一郎の事も気にしているのだろう。確かに彼と綾乃は立場的に敵同士かもしれんが、綾乃も槍一郎との決闘の際は正々堂々と戦う覚悟だ。剣ならこの場合どうするか分かっているだろう?」
「……はい。もし対峙する事になったら、その時は贔屓無しで二人の決闘を見守ります。でないと綾乃とアイツの為になりません。二人の親友として、最後まで見届けます」
「分かってるじゃないか! 良い心構えだ。そういう意味でこれからも綾乃と仲良くしてやってな。私からのお願いさ」
なんと気持ちの良い姉御肌の神奈さん! 剣の立場も理解した上で綾乃と交流を深める事を約束する神奈。カリスマとはこの事を言うのでしょう。
「話は逸れたけど、剣達はどうして香川に来てるんだい?」
「それが………」
かくかくしかじかまーるかいてちょん☆ってな具合に、剣達は今置かれている状況を神奈達に説明した。
「なーんでぇ! つまりは地底空間の道を間違えちまったって訳か、初心者が良くぶつかる難題だな!!」
「からかうんじゃないよ光照、欠点は誰にでもあるものさ。それで女の子達にヤイヤイ言われてたって事か。合点が行ったよ」
「それで神奈さん、もやしさん。恥を忍んでお願いします。俺達を大阪まで送り返してくれませんか?」
(またオイラもやし言われてるじゃん……)
光照のツッコミはさておき、頭を深々と下げてお願いする剣を見て神奈、ある提案を思いついた。
「……それじゃ、剣達には私から手伝いをさせて貰おう。それが済んだら約束通り大阪まで送ってあげるよ。この条件でどうだい?」
「はいッッ!! バイトでもサーモン◯ンでも何でもやりますから!!!」
剣さん、サーモン◯ンはイカ達に任せれば良い話です。
「バイトって程じゃないさ。私らはこの香川で名を馳せているゲーム戦士をスカウトしに来たのさ。剣はその小手調べに相手してやるだけで良い。勝ち負けはカウントしないルールでね」
と、このように交渉は順々に進んでいく所で外部から質問の声が。時実桜であった。
「あの、話を割って申し訳ありませんが……香川に有名なゲーム戦士って居るんですか?」
それに対して神奈は躊躇いなしに言い放った。
「勿論、大勢居るさ。結構前にゲーム条例出して散々批判や偏見も飛んだだろうが、結局は私達と同じように皆のゲームを愛する心には敵わないし、香川の人達も自分の故郷に誇りを持って生きている。
それを批判する事は、まだまだゲームや人の心を分かっていない証拠だ。偏見言う奴には言わせておけばいいんだよ」
剣も神奈の答えに感慨を持っていた。勿論このゲームウォーリアー自体はフィクションですが、今読んでいる読者の皆様に届けたいメッセージだと作者さんが言ってました。
「どうだい剣、受けてみるかい?」
「………勿論、行きます!! 同じゲーム戦士同士、俺はどんな奴でも相手になる! その場所へ連れて行って下さい、神奈さん!! あともやしさん」
「オイ、またもやしつったろお前!!!」
―――旅は道連れ世は情け。伊達神奈がエスコートする香川のゲーム道中! 果たして剣たちに待ち構えるものとは果たして何か!? 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




