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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
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【GAME43-5】募る後悔の後始末……!!

 ――復讐に駆られ、心を折らしたゲーム戦士の野望を阻止すべく、決闘に挑んだシャッフルのメンバー・大森穂香。


 そんな決闘も見事に勝利した穂香。対して凄まじきパワーを誇った3体のユニット総攻撃によって、尾羽打ち枯らすは復讐鬼と化した小原恵美。

 今は仰向けに地底の天井を眺めて無心の彼方。恨み憎しみの念は、決闘によってすっかり消えていた。


「………は……、ハハ、ハハハ、ハァ………」


 途切れ途切れ、且つ乾ききった笑いのちため息。その口元からは無念を滲ませつつも、憤り任せで動いた身体も動かず完全に体力はゼロの小原。


「参ったわチクショウ……、私の負けだぁ……」


 もう彼女に抗う力は何も残っていない。本人もそう悟ったか半ば清々しい顔でゆっくりとその倒れた身体を起こす。


「……穂香、つっタか。お前強ぇじゃネェか。アタイナリにも慢心を全部取って、カードが手元に揃ってリャなんて思ってみたが……振り返ってみてもあーすりゃ良かった、こーすりゃ良かったって思う所がありすぎらぁ」


 決闘の中で繰り広げた様々なフェイズ。小原は出来る限り思い起こしては見たが、結局は自分の強さに無意識に自惚れていた事が敗因の根本と知り、後悔ばかりが彼女に募るだけであった。


 選択にリセットが出来ない決闘において、逆境から生み出すチャンスを穂香は何度も物にした。それに対して小原は見逃し警戒を怠った。だとしたら振り返った敗因に対し、『たら』『れば』は時に言い訳にも捉えられかねないのです。


「それは、あくまでも()()()としての結論です。カードのわずか1枚でも違っていれば私の方が負けていました。それでも貴方は屈せずに最後まで戦い抜いたのです。私は貴方に対し『GG(グッドゲーム)』と讃えるべきだと思います」


「止セよ、余計惨めになるだろうが」


 こーゆー対戦の後に敗者に何の言葉を掛けるべきか、非常にデリケートな問題になるんですが……、今の小原さんには満更でも無かったようで。

 悔しさは募れど、改めて自分の実力の浅はかさを知った小原。鬼の肩書を持つ彼女にとって、“強さは正義”と信じていた分傷心も隠しきれない。だからこそ今回のプレイングミスの数々が心の髄まで刺さっていた。



(……確かにミスや甘さは無くはないと私は思うのだが、彼女は大山と同族の鬼の魂を持つゲーム戦士。心さえ折れてなければもしかしたら……と今言っても意味は持たないがな)


 冷淡に史也も結果論に沿って小原の心中を思う。


「まぁいいさ……とにかく決闘でのアンティは守る。復讐の制止とサザンクロスとの協力。もう何か鳳凰堂に反逆してもぜったい勝てないって分かったし。もう帰ってイイか? それともここでアタイを捕まえとくか?」


 小原は穂香との決闘で完全に心を折られたようだ。穂香は復讐を止めに戦いに挑んだが、彼女を自棄にさせる程懲らしめるつもりは毛頭なかった。

 そんな様子に同情したか、悲しげな顔を時折見せつつも穂香はある提案を出した。



「………では帰る前に、私のちょっとした昔話を聞いて下さい。―――私を退治師・パニッシャープレイヤーに育て上げたゲーム戦士の話を」


「……成程、パニッシャープレイヤーと言うからには余程強い奴に師事されてたノカ」

「いいえ、あの方に教えて貰ったのは数々のゲームのルールだけ。テクニックまで教えて頂いた事は殆どありません」


 という事は、あの多彩なゲームテクは全て穂香の独学かと思うと、彼女の才能に驚きは隠せませんが。話の本筋は穂香を預かったゲーム戦士の話。その者は他ならぬあの方。



「―――神崎紗由理(かんざきさゆり)、というゲーム戦士を聞いた事がありませんか?」


「紗由理……!? 聞いたことがあるぞ……! 関西において囲碁・将棋・花札といった古典ゲームの冠を総獲得したオールラウンダーのゲーム戦士だよナ!? 大山から話は聞いてた!!」


 今ここで紗由理の謎めいたベールが明らかになった。


 五十数年前に開拓された超次元ゲーム時代の黎明期から数十年間、主に古典・アナログゲームを中心に活躍していた紗由理は、人並み外れた戦略と知力を駆使し、大会タイトルを総なめしていった一人一ゲーマーな伝説のゲーム戦士と呼ばれていった。

 一瞬にして盤上が化けるタクティクスから、彼女の事を通称【盤上の魔女】と呼ばれていたそうな。


「ダガ最近は引退して、ゲームとは無縁にガーデニングに凝り始めタトいう変わりもんが、何故……?」


「そうですね。私が知る限りでは一回もゲームで戦った事はありませんし、決闘の道具もカードも持ってません。でも私はあの人に戦う意志が無くても、尊敬に値する程の存在でもあるのです」



 ―――はい、という訳で。決闘はもう終わりましたがこれだけでは味気無いし後味悪い! ここからはボーナスポイントとして、穂香と紗由理さんに纏わる過去の回想をもう一度お届けしましょう!

 そこからは意外な人物が、既に彼女と関わっていたのです……! その詳細はまた次回のお楽しみに!!


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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