【GAME43-4】大型ユニット・底意地の大攻防戦!!
◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔穂香 HP1300 手札3枚 EG:④〕
・ユニット《精力の花びら》
《オーク・インカネーション》
《虹色の魔導戦士―マジェスティアス―》
《ビッグマウンテン・ゴーレム》
★〔小原 HP1600 手札4枚 EG:①〕
・ユニット《ゴブリントークン》
《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》×3
※《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》の百鬼夜行能力により、遂に3体同時召喚された!
[フライヤー]能力による飛行奇襲によって、穂香ノックアウトの危機迫る!!
――3体の《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》による攻撃コマンド発令! 飛行能力[フライヤー]を持つ復讐神連隊はがら空きの空中から我が物顔で復讐の炎を燃やさんと、穂香目掛けて襲いかかる!!
「そうはいきません! カウンター・レスポンス発動!!」
当然それらを阻むカードを用意していた穂香。1枚のカードをブレスにスキャン。
『アクションカード、【グラビティ・プレッシャー】!!』
グォオォォオオン……!!
重圧感のある波長を発すると共に、フィールド内の重力が過剰に圧力が掛かる。その影響はプレイヤー達だけではなく、ユニットに伸し掛かった!
「ナ、何!? ゴッドリベンジャーが飛べなくなっテいる!?」
過重力の影響によってゴッドリベンジャー3体は飛ぶ事すらままならなくなった! つまりユニットの[フライヤー]能力は、アクションカードによって無効になったのだ。
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【グラビティ・プレッシャー】EG:③
属性:青
・効果:①フィールド上のプレイヤーは
行動力が半減し、全てのユニットの
[フライヤー]能力は無効となる。
◎――――――――――――――――――◎
(チッ、やはりガードの仕掛けは用意してたか。まぁこの状況下で、みすみすと復讐神の攻撃を通すとは思わなかったが)
ここは小原、半ば困惑が消せない状況下でも目の前のカウンター・レスポンスには冷静に予測はしていたようだ。攻撃コマンドを発令したゴッドリベンジャーだが、カウンター・レスポンスによる相手のステータス変化が起きた場合は、攻撃は一旦巻き戻って自分はもう一回コマンド起動するか見送るかを決められる。
そして[フライヤー]効果が無効となり、穂香の大型ユニットらにブロックが可能となった今、無闇な攻撃は自滅を招くと考えた小原。復讐神の攻撃を見送った。
(構うもんか。アイツのデッキはテクニックに長けてるだけでなく防御にも優れる。アタイのような速攻型は手に取るように不利なんだ。となれば……!)
現在、小原に残された手札は4枚。ブレスを開いて自分のステータス画面から手札の内容を確認するならば、そこには4枚全てが、ユニットを強化させるカードが……!
(アイツのフィールドにはゴッドリベンジャーよりも攻守が上の巨人と虹色魔導師、他の役立たずな2体のユニットはさておいて、火力から考えれば口数じゃアタイのが上だ。―――つまりここでそいつらを押し切れば、小娘に勝てる………!!)
穂香の双璧を崩せるほどの自信は果たして、あの手札の中に入っているかは定かではないが、とにかく小原は何が何でも勝利を勝ち取りたい一心であった。
「……分かっテルよな? コッカらはユニットの総力戦だ。アタイかオマエか、どっちかのユニットが滅びた時点で決着が付く! アタイは次の一撃に全てを賭ける!! 覚悟しろ、大森穂香!!!」
ここで初めて、小原が敵である穂香の名を口にした。そは実力あるゲーム戦士と認めたのか、或いは己が勝ち誇り名指す為の最低限の礼儀か。
「…………望む、所です!!!」
当然穂香もこの激突に乗らない訳にはいかない! いよいよ決闘もクライマックスだ!!
(……殺るか、殺られるかの短期決戦か。小原め、角が折れた鬼の魂を掲げながら中々どうして、大胆な戦術で攻めてくるな。それに穂香も……)
等と感心しながら両者の健闘を静かに見守る史也。しかし、彼には既に決闘の結末についてある確信があった。
(今更思うのもあれだが、『常に冷静』なのと、『冷静を装う』とでは心構えがまるっきり違う。自分の事ばかりでなく、相手の事も視野に入れていれば既に気づいたであろう。
―――短期決戦を仕掛けようとしているのは、小原だけじゃない事を)
それ即ち、互いにここで決着を付けようとラストスパートを仕掛けているのだ……!
「小原恵美さん。……貴方は強いです。現に先程の《リライブ&リベンジ》と百鬼夜行を前に隙がなければ、既に私は敗北を期していた事でしょう」
「……今更何だよ、悪行染めといてサザンクロスの奴から貰ったデッキが本当の力とでも言いたいのかよ」
「いいえ。無謀を企てても同じ同胞のプライドを守りたいと思う意志の強さ、それは私よりも勝っていた事に他ありません。しかしそれでも私は、強さを求める理由に賛同はしません。何故なら私は――――
強さだけが、ゲーム戦士の本質だなんて思わないからです………!!!」
『ゲームは勝つことが全て』。強さに溺れた俗者がそう謳われた弱肉強食の世界に、異論を呈する穂香。
彼女をそう思わせた魂の裏には、愛すべき父や家族の他に恩義に思う人物が影があった。
―――いや、影ではなく太陽か。無数の向日葵畑を背に優しく微笑む、神崎紗由理の陰日向か……!
「激動に揺れる超次元ゲーム時代を受け入れ、己の持てる強さを全て後世の者達に託した麗しきゲーム戦士を知っているから! 私の未来に後押ししてくれたあの人の意志に報いる為に!! ―――私は絶対に、負けませんッッ!!!」
穂香の胸奥に新緑の波動が宿る! ――いざとなったら魂を込めろ、力溢れるゲーム戦士の魂を!!
◎――――――――――――――――――◎
・大森穂香のPAS【ソーサラーロッド】確認。
◎――――――――――――――――――◎
しかしまだPASスキルは発動しない。新緑色のPASの波動を宿しながら、穂香は手札から1枚をカードスキャン!!
『ツールカード、【天よりの知性開放】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈ツールカード〉
【天よりの知性開放】EG:⑤
属性:青
・効果:①自分のフィールドに存在する
カードの中でEGコストが最も大きい数値分
自分はカードをドローする。
◎――――――――――――――――――◎
「私がフィールドでコントロールするカードから、最もEGコストの高いカードの数値に等しい枚数のカードを引きます!」
穂香がフィールドで出しているカードの中で一番コストが高いのはEG⑧の《ビッグマウンテン・ゴーレム》。と言う事は……!!
「私はカードを8枚ドローです!!!」
どっひゃあぁ~~!!! スッゲェドローラッシュだあああああああ!!!!
「更に手札を増やした事で《オーク・インカネーション》のステータスも大強化です!!」
〔《オーク・インカネーション》AP/DP100→900〕
一気に9枚に増量した手札の変動によりオークもあっという間に巨大ユニットに化けた! 凄いです!! あのコモンカードの巨人が場に出ただけで、こんなに凄いコンボも生み出せるのです!! そして……
「ユニットの壁が、並ンダ…………!!!」
オーク、ゴーレム、マジェスティアス。3体ともゴッドリベンジャーに対抗できるほどのステータスを備えて迎撃準備は万端。これはどう足掻いても、それらを見過ごした小原の迂闊なミスであった。
(何でこうなるんだよ……! ずっと前から居た木偶坊が、手札も枯らして使い物にならんと思ってたのに、ゴーレムもマジェスティアスも、プレイヤーさえ潰せればどうってこと無いと思っていたのに……!!
何故そこまで、這い上がれるんだ…………!!!)
強さに自惚れた鬼は、踏み潰されても真っ直ぐ立ち、這い上がる者の強さも、己の甘さも知れずにその身を滅ぼす。傲慢と慢心が生んだ末路はもう間もなく迫ろうとしていた……!
「……では、参ります! オーク、マジェスティアス、ゴーレムの3体でアタック!!」
遂に穂香のユニットによる総攻撃が開始された! それに対して小原はまだ抗う意思を宿していた!
「マ……まだダ、マダだ!! 3体のゴッドリベンジャーで纏めてブロックだ!! アタイはまだ―――」
いや、その足掻きはもう通用しない!!
「PAS発動!! 【ソーサラーロッド】!!」
◎――――――――――――――――――◎
・PASスキル【セブンカラーアビリティ】
『カラーチェンジ』発動!!
・カラー/グリーン:自分のユニット全てに
手札の数×100のAPアップ!
◎――――――――――――――――――◎
「―――!!!」
〔《ビッグマウンテン・ゴーレム》AP1600 《オーク・インカネーション》AP1800 《虹色の魔導戦士―マジェスティアス―》AP1600〕
ユニットの破格なる大強化に更に畳み掛けてのカードスキャン!!
『アクションカード、【ガイア・ペネトレーション】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈ツールカード〉
【ガイア・ペネトレーション】EG:②
属性:緑
・効果:①フィールド上の自分の全ての
ユニットは、攻撃した時相手ユニットのDPを
APが超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
◎――――――――――――――――――◎
「こちらは私の全てのユニットに、敵ユニットがブロックしてもそのDPが上回ったAP数値分のダメージを与える。即ち貫通能力を得ます!!」
PASのパワーアップに、貫通効果カードの超力コンボ!!
対してブロックするゴッドリベンジャーのDPは400。どうあがいても小原のHP1600を守る事は……
(だ、ダメだ……!! アタイの持っている4枚の強化カードにDPを強化するカードが無い!! それじゃ……また、オーバーキルか…………!!?)
追い詰められた小原。強情張った鬼が追い打ちとばかりにまた再び鳳凰堂のトラウマを呼び起こし、遂に耐えきれなくなり大粒の涙が溢れ出る。
“鬼の目にも涙”……いや、意味が違うしこれ以上言ったら可哀想だ。
「嫌……イヤダ………!! モウあたいは、アタイは……ッッッ――――マケタクナイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!」
遂に半壊した脳内がキャパオーバーを知らせるように狂乱する小原。それを見兼ねてか穂香は躊躇わず3体のユニットによる攻撃コマンドを繰り出した!!
「もう、止めにしましょう……こんな辛いだけの復讐は……! ―――ユニット・総攻撃指令!! 『天地神明・トライビッグバン』!!!」
魔導師・巨人・大樹の化身による天地も揺るがす一撃が、復讐神の御霊をも粉々に打ち砕き、それが貫通する先には狂乱する小原。その嘆きをも打ち砕く大地の鉄槌……!!
「ぐふぉぉおぁ………………!!!!」
〔小原恵美 HP1600→0 KNOCKOUT!〕
復讐色に溺れ、ボロボロの魂を引きずっても戦い抜いた暴走の鬼は、大地の力によって尾羽打ち枯らした。
そして勝ち抜いた穂香の傍らの地には、地底空間に奇跡的に咲いた名もなき一輪の花が。
あれだけの激闘を他所に真っ直ぐとした根を張り、戦いを見守っていた花は言葉を発さずとも気付いていた。
“あのおっぱいデカい金髪の姉ちゃん、ずっとウチの事気にして戦ってはったなぁ。気遣い上手い娘やでぇ。”と。……何で関西弁なんでしょね。
▶▶▶ HONOKA OMORI WIN!▽




