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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
4th STAGE―ゲーム戦士魂大爆発・本当の正義は何処だ……!?―
320/468

【GAME42-10】鬼をも恐れた魂の恐怖!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆〔穂香 HP800 手札2枚 EG:①〕

 ・ユニット《精力の花びら》

《オーク・インカネーション》

《虹色の魔導戦士―マジェスティアス―》



 ★〔小原 HP1600 手札3枚 EG:⑥〕

 ・ユニット《ゴブリントークン》

  《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》

 ――シャッフル・大森穂香のユニット群に真の切り札あり。


 前作の終盤で一回のみ使用された伝説級の虹色魔導戦士が、長い年月の時を経て再び戦場にて招来、降臨なされた! その名も高き、【虹色の魔導戦士―マジェスティアス】!!


 対する裏プレイヤー・小原が操る復讐神によって劣勢に立たされた穂香が、このユニットを使って逆転しようという訳だ!


「レインボーなマントを羽織ったマジシャン風情が、アタイの復讐神に敵うと思ってんのか!? シャラクセェ、ならばこの猛追受けてみろや!!」


 小原のエースカード《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》、早いペースの攻撃頻度と飛行能力[フライヤー]を持つ攻撃特化型ユニット。

 しかし残念な事に穂香の切り札、マジェスティアスはその[フライヤー]能力を持っていない。即ち先陣切ってもその猛追を止めることは出来ない!


 この復讐神の三度目の攻撃が通れば穂香は瀕死の大ピンチ確定。どないしましょ!?


「私の切り札を、甘く見ないでください! 《虹色の魔導戦士―マジェスティアス―》の効果発動!!」


 穂香のEGを②消費して起動するマジェスティアスの効果。確認ついでにもう一度見るならば。


 ◎――――――――――――――――――◎

【虹色の魔導戦士―マジェスティアス―】


 〔能力〕・自分はEG②を消費する。

 自分のデッキに入っているランダムな色の

≪マリオネットトークン≫を召喚する。

 ◎――――――――――――――――――◎


 なんとこのマジェスティアス、穂香のデッキに入っている属性色に沿った《マリオネットトークン》、つまりは操り人形を出す事が出来るのだ。そして起動した効果で出す色は……?


「私が出すマリオネットは“黒”! おいでませ『ブラックマリオネット』!!」


 マジェスティアスの魔導力によって生成された操り人形トークン。その真っ黒な身体の人形からは悍ましき殺意がこもっていた!


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎トークンカード◎

【ブラックマリオネット】

 AP:0 DP:100 AS:10

 属性:黒 トークン/マリオネット

 ・能力:このトークンがフィールドに出たとき、

 フィールド上のユニットを1体破壊する。

 ◎――――――――――――――――――◎


「この効果で私は《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》を破壊します!」


 黒い操り人形の放つザキよろしくな死の閃光! それに小原は素早く対応した。


『カウンター・レスポンス発動』


「ちぃイ! ただデ死なれてたまるか!!」


『アクションカード、【生贄事業の香典】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【生贄事業の香典】EG:②

 属性:黒

 ・効果:①自分フィールド上にいる

 ユニット1体を墓地に送る。

 その後自分はカードを2枚ドローする。

 ◎――――――――――――――――――◎


 穂香のマリオネットトークンによる防げない破壊効果の前に、自分のカードによって墓地に送らせて別の利益を生ませる。このような上級カード技術を『サクリファイス・エスケープ』と呼びます。

 結果小原の手札を2枚肥やしてアドバンテージを詰めていった!


(クッソぉ……、これでゴッドリベンジャー3枚全部が墓地に送られちまった。墓地蘇生のカードは無論用意されてるが、それを待っている余裕は無い。胸だけデケェ癖して小賢しい小娘め……!!)


 小原さんにもおっぱいの事指摘されてますよ穂香さん……。しかし小原が苦虫を噛む所を見ると、明らかに穂香のセンスが彼女に勝っているという証拠だ。


(穂香はシャッフルの中でも特に温厚な性格だが……、並外れたゲームのプレイングテクニックの多さを評価すれば、その実力は剣や銃司にも並ぶ程。要はテクニックの幅広さから一流の()()()と称されるゲーム戦士なのだ)


 敵チームの史也さんが評価すると、また違う趣向な穂香さんの観察になりますな。


(小原、貴様が油断と慢心を排除して挑むのは一向に構わんがな。一度や二度詰めた所で彼女を倒すのは決して容易では無いぞ。“暴走の鬼”に歯止めが効くのであればな……!)


 等と陰ながら皮肉めいて二人の実力を称し、分析する解説役の史也さん。ブレインはこうして第三者側に立ってしまうのはゲーム小説の性なのか。その辺はどう思ってるのでしょうか史也さん。


「知らんがな」


 ……だ、そうです。



(……アタイも意地張ってるが、明らかにあの切り札を出して怖気付いてる感じが否めない。

 前のアタイならそんな相手でも豪快に戦えたんだが……それすらも考える気が起きねぇ。今のアタイは勝つ事が全てなんだからよ――!!)


 そして再び30秒経過、二回目のドロータイム。


 《CARD DRAW》


 そのドローカードを握った小原は即座にブレスにスキャンした!


『ツールカード、【闇からの教示】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【闇からの教示】EG:④

 属性:黒

 ・効果:デッキからカードを1枚

 探して自分の手札に加える。

 その後デッキをシャッフルする。

 ◎――――――――――――――――――◎


 これは小原のデッキにある全てのカードの中から1枚をピックアップして手札に加える万能サーチカード。現在穂香側にマジェスティアスが居る状態を打破する為に持ってくるカードと言えば、HPを削る本体火力か。或いは……



(ゴッドリベンジャーを呼び戻す()()()()()……!)


「ソレじゃアタイは……このカードを手札に加えるぜ」


 デッキから加えた宝札を手札にし、我が物顔でデッキをシャッフルする小原に思わず穂香も身震いが走る。その不吉な予感は当たるのかどうか。それは小原がEGが蓄積して実際にカードを出さない事には分からない。


「……どうしたイ? そのマジェスナンチャラで攻撃は仕掛けて来ないのか?」

「マジェスティアスの攻撃は仕掛けません。サーチしたカードを手にした今は無闇にコマンドを繰り出す事を躊躇います」


「そうかい」

 史也に魔術師と称される穂香でも、慎重な時は慎重だ。


 マジェスティアスの効果でトークンは出せるが、仮に小原がサーチしたカードが蘇生カードで、そこから《飽くなき執念・ゴッドリベンジャー》を復活し、召喚効果で同名カードを3枚同時召喚されては再び危機に晒される。

 《オーク・インカネーション》のステータス変動の影響もあって、カードとEG温存に専念した穂香であった。



(……何か握ってんな、あの小娘。攻撃妨害か或いはダメージ無効、と言った所か?)


 穂香の警戒に感化されたか、小原も一旦暴走思考を停止させて思いに浸り始めた。


「…………アンタ、結構抜け目ねぇンダナァ。平和ボケしたおっとりチャンっぽいくせして相当優秀だ。惜しい限りだ、アタイも頭壊れなきゃ、お前とのゲームもっと楽しめたのによぉ……」

「……………」


 それは戻れない過去に対する切なさもこもった、小原の本心であった。それを同情に思ったか穂香が出した返答。


「それは……()()()()()()と仰るのですか?」


「だっテそうだろう? 頭がイカれて思うように喋れない、負けて地上から即追放、実力主義の時代にンナ呑気な考えしてる方が時代遅れな話さ。アタイらを“鬼”と称すような社会非適合者が、容易くガキや弱者にやられるわけにゃいかねぇんだよ」


「ガキや弱者……その考え自体が、時代遅れとは思わんのか」

 思わず史也も口出すほどに、小原の解釈が悪弊に満ちた言葉のように聞こえていた。


「“男は女より強い”、“偏差値や学歴がトップな奴が勝者”。優れた者が弱い者を名指しで見下せば己の面子が保てる時代なんかとうの昔に終わっているのだよ。――――それが、時代遅れな属の矜持(プライド)か?」


 それに対して小原は、怒るも嘆くのでもなく渇き笑い。


「……ハッ、アハハハァ……“時代遅れ”ねぇ。確かにそうかもしれない。ホントつくづく後悔してるさ、改革中のWGCの中でも15,6のガキを舐めてかかってブービー・トラップなゲームに挑んだ事を。………でもさぁ。



 ――――アタイら“鬼”をよ、どこぞの不良と一緒にされるのはお門違いってもんさね!!」


 焦点の合わない眼に、ギラリと穂香と史也を睨みつける小原。


「鬼ってのはさ、いつの時代もその有様にイチャモン付けれる程の恐怖を与えるもんさ! 時代の流れが何だ、同じ人間が作った政治如きに曲げる気はサラサラネェんだよ!!」


「……私の所の銃司も似たようなものだ。考え自体に否定する気はない」

「だからといって何でもしても良い訳ではありません! ……それに親友の大山杏美さんは、貴方の威厳を守るために銃司さんと戦ったと聞きました。貴方はその報いに泥を塗るつもりですか!?」


「…………!!」

 穂香が口にした親友・大山の事で気を咎めたか、一瞬戸惑いの顔を見せた小原。


「大山さんや、他の地底空間での同胞の事を思えば分かる筈です。復讐とは貴方にとって、魂を潰してでも為すべき事なんですか……!?」


 叱咤する穂香の問いに、小原の答えは。



「…………当たり前ダロ!! お前らに分かってたまるか、角を折らレた鬼の惨めさをよ!!! 無様に踏み潰サレタ屈辱をよ!!!!」


 その時、一年前に鳳凰堂孔雀らWGCの手によって精神崩壊された小原の脳裏に微かに残っていた忌まわしき記憶が、頭の中でフラッシュバックした。



『―――さて始末を終えたは良いですが、どう致しましょうかこのクズ……いえ、我々に楯突くことを目論んだ者がこの程度ではペナルティが軽すぎるかと』


『超次元ゲーム時代を受け入れぬ者に、WGCがとやかく言う権利も検討する道理も無い。好きに処理でもしておけ』

『ありがとうございます。あら、貴方頭が逝ってますねぇ……急いで精神病院に行かせないと。せっかくGWギアのテストに付き合ってくれたんですから、慰謝料くらいは払って―――――』



 ―――小原恵美は精神疾患と脳の障害を患っても、この時鳳凰堂孔雀とWGC代表取締役社長・本宮マサトが、彼女に魅せた()()()()を死んでも忘れなかった。



 本宮マサトの、死体に湧く蛆虫を見るかのような哀れを通り越して感情皆無な神類いの眼。

 同じ地底空間出身である鳳凰堂孔雀の、裏プレイヤーという存在を葬り去ろうとするドス黒い悪意に満ちた下衆の眼。



 ――――この時“鬼”は初めて、魂の底から【恐怖】を覚えた。


 ――――その魂は、尽く折れた…………………




 ……だがそれでも立ち上がったのはその“鬼”という個性故、頑固この上ないまでの意地が彼女を復讐鬼と化した。地上のゲーム戦士や、同族に哀れに思われバカにされる事がどうしても嫌だった。

 大山の待つ故郷にも、WGCの待つ治安にも何処にも帰る場所など無くていい。


 何より己が磨きかけた威厳も矜持も汚れたままで死ぬのも生きるのも、真っ平御免であった。




 全ては、堕落した己の威厳を取り戻す為に………!




『テメェラマトメテ、ブチコロシテヤルワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!』



 ―――ゲームは後半戦に移ります……!!



 ▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽


▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


穂香VS小原、後半戦!

復讐に燃える鬼か、優しさを貫き通す魔導師か!?


勝敗の先に待つ未来は何か!!?



この小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!!


更には後書きより下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!!!

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