【GAME42-4】潜伏・ウエストOSエリア!!
―TIPS―
【裏プレイヤー討伐ミッション】
鳳凰堂孔雀の指揮の元、裏ゲームを執り行い地上の人々を混乱に陥れる指名手配級の裏プレイヤー討伐が開始された。
ミッションの中には既に位置を知らされている者も居れば、全く出処や情報が掴めない者の為の情報収集を目的にミッションなど必要に応じて発動される。
ゲーム戦士達のゲームで培った洞察力、判断力を持って裏プレイヤー討伐を目指そう。
――突如ゲーム戦士に通告された、裏プレイヤーの討伐ミッション!
そのプレイヤーとは、シャッフル・池谷倭刀や住民達を巻き込んでアンダーグラウンドにて反乱目的に裏ゲームを起こした『妬み嫉みのエンヴィー』と『小原恵美』。この二人がウォンテッドされた。
実はこの二人、サバイバーモードで既に鳳凰堂孔雀によって手中にて踊らされていた。
その屈辱と意地からか、WGCらが設けた処刑所から脱出し、現在アンダーグラウンドのウエストOSエリアにて隠れている情報が、ゲーム戦士達へと一斉に知らされた。
「ウエストOSって、確かサバイバーモードを行ったエリアやんか!」
「と言う事は、今私達が居るここがそうよ。だとしても彼処は地上でいう大阪の面積と同じくらい広いのよ? どうやって探せば……」
と提案を探り出す倭刀と穂香。その時史也があるものに気付いた。
「……待て、メールの続きにヒントがあるようだ」
史也が示したのは通知メールの下の行に送付されたアプリとヒントとなるデータであった。
□――――――――――――――――――□
《討伐手助け情報》
・二人が脱走したのは昨日、
サバイバーモードを終えた夜10時頃。
場所はB7層に設置した処刑場から。
・尚二人は一昨日ウエストOS地区にて
裏ゲームを起こしており、PASの影響で疲労困憊。
・既に我々の手で発信機を取り付けており、
位置は送付されている『レーダーダウジング
プログラム』を使って探知できる。
□――――――――――――――――――□
そしてその下には、アプリケーションのバナーも同封された状態でメールは末端まで既読された。
「……なんかさ、ゲーム感覚で犯人探ししてる感じしねぇか? 心做しか」
ゲーム戦士の技量を間接的に試されてる事を仄めかしている事に気付いた倭刀は、若干気に食わぬ顔でメールを傍観していた。
「でもこれだけヒントがあれば見つけられますよ! 何かまた良からぬ事を起こさないうちに見つけないと……」
と穂香も行動を促すようにミッションの参加に熱心だ。剣やみのりと桜は居ないが、立海と共同戦線を組むことになったシャッフルを合わせても、8人もゲーム戦士がここに居る。
早速一同は孔雀からの送付物でインストールした『レーダーダウジングプログラム』を起動するが、
赤外線レーダーの反応を記す円枠には光が二つ点のように記されていますが、その距離を示す音はとても小さく耳を澄ませば微かに聞こえるだけ。
「遠いのかしら?」
とレミが首を傾げながら疑問に思った所で、しゃしゃり出たのは立海の史也だ。
「遠いと思うのなら、さっきのメールを見て気付かんのかね。B1層に居るなどあり得んし、B7層の処刑場から逃げるにも時間は短い。となれば―――」
考えようとした所で横からペラペラ喋られては、流石のレミちゃんもムッとなる。
「今それを考えようとした所ですぅ〜!!」
「……なら良いんだ」
これには少し意地が悪いと思ったか、レミの膨れっ面を見ながら静かに嘲笑う史也さん。冷静沈着な貴方がちょっかい出すなんて珍しいですね。
(……成程、史也兄がこんなになるのも久々だな)
何やら銃司さんも続けてニヤリと笑う。それはさておいて、レミや史也の思考回路によって裏プレイヤーの出処をロックオンしていく。
「距離とレーダーから考えて、このウエストOSのエリアに間違いないわね」
「そして深さはB4から7と見た」
「それに五体満足に動ける感じじゃない」
「狙うなら今、か」
「それも今あたしが言おうとしたとこ!!」
等とレミと史也が互いに意見を出し合っているが……どーにもウマは合わない感じですねぇ。
しかし意見を出し合っていても、その場を動かなければリードしたとは言えない。
「悩む前に行動、とは言ったもんやな。他の奴らはもう動いてるで」
と、豪樹が指差す方向には地底の道をひたすらに進み、裏プレイヤー討伐に向かうゲーム戦士達の姿。それを証拠に片手にはレーダーを起動させたプレイギアが。
「ムムッ、我が立海が遅れを取っているではないか!」
「急いで手柄を立てるですの!」
と率先して切り込み隊長を勤めようとするはシェイパー兄妹の二人。だがその歩みにストップを止めるは銃司。
「待て二人共、B2層からは裏プレイヤーのゴロツキ共が彷徨いているのを忘れたか?」
「あ、そういえば!」
【GAME35】で裏プレイヤーの総元締めを務める酒吞女将の大山さんと喧嘩勝負していた銃司。
既にB2から先への裏プレイヤーと対戦経験をしたお陰か、無闇に動くべきでないとシェイパー兄妹を制止する。と言った側から
ドォォオオオオン!!!! ズズズズズ…………
B1層の奥の地下から、鈍い爆破音と地響きが鳴り響いく。その後に銃司達より先に進んでいったゲーム戦士達が、数分も立たずにボロボロになり退散していく様子も見られた。
「チクショー強ぇよあの裏プレイヤー!」
「全然歯が立たんかったわ……ガクッ」
モブがあんな様じゃ、幾ら銃司達とて突撃し見つけるまで身が持たないだろう。
「そういう事だ。まだ遮二無二に突っ込むには無謀過ぎる」
「銃司が冷静になるって事は相当の事だ。我々が居て良かったなシャッフルの諸君」
「むうぅ……」
高圧的にも己の技量を試されてると思ったレミも不満が募っていく。しかしこのように場所を推理しようにも辿り着けなければ何の意味もない。八方塞がりの状態。
だがその時、天からの助けならぬ“地底からの助け”が彼らを待ち受けていた!
「おー、こんなとこにいたんか豪樹あんちゃんに皆ぁ! 探しとったんやでぇ!」
「おっ? 何やツッチーやないか!」
銃司や倭刀達を呼びかける声の主は、なんとサバイバーモードにて【ドロップアウト】を宣言し、見事途中リタイアしながらもレアカードを獲得した一番美味しいゲーム戦士の土屋将司さんこと“ツッチー”さんじゃありませんか!
「何だ? ゲームを抜けた腰抜け商人が俺達に何の用だ」
銃司さん、それは流石に言いすぎでしょう……
「そない殺生な事言わんといてぇな。カードを手に入れるのはな、仕事でやらなアカン事やったんやて、良心も傷んどんねんって。
その詫びと言っちゃなんだが、豪樹あんちゃんの教え子と仲良うなった縁もあるさかい。ワテも討伐の手助けしたるわ!」
「手助けって……深部まで突っ込む為に加勢してくれるんか?」
「いやいやそない効率悪い事はせぇへん。ここはな、ワテのチームメイト印のアイテムを使うに限るわな。ちょいと待ちぃや……」
するとツッチーさん、プレイギアとはまた異なったタブレット端末をちょちょいと操作すれば、あら不思議!
―――PON!!
平べったい画面から浮かび上がるカプセルから、小型ドローンとリモコンが出てきたではないか!
「―――本日のトリガー・ツール、『ハイパーサーチドローン』!!」
タラリラッタラ〜〜♪何て効果音が流れそうな便利道具。これはゲームワールドや現実世界と両立してゲームの助けとなるアイテム【トリガー・ツールシステム】なる道具なのだ!
「コイツは喧しい音も出さずに忍び寄るステルス機能も付いてるさかい、そのドローンに隠した超小型カメラを使って裏プレイヤーの出処を急接近して探るんや」
これは今の倭刀達にはもってこいのアイテム! 改めてアンダーグラウンドの住民との交流の有難みを思い知った一同であったが……倭刀にはある既視感が浮かび上がっていた。
(あれ、このドローンどっかで見たような……そうや!)
そして倭刀は思い出した。
「なぁツッチーさん、そのドローンまさか……『怪盗ハリアー』が使っていたドローンとクリソツなんすけど、アンタ彼とあった事あるんすか?」
「んぉ!? 何でハリアーの事知ってんねんな?」
「俺、彼が要請したGWクエストに参加してたんすよ!」
倭刀が言っているのは、【GAME14】にて剣・槍一郎・みのりらと同行し風雲ツヨシ城に潜入するクエストの事。ニヒルな笑みと江戸っ子風吹かした『怪盗ハリアー』が城を詮索するのに使ったドローンと全く同じである事に気付いた。
「そうか……ハリアーが言うてたんゲーム戦士ってのは、あんさんも入ってたんか……!」
倭刀に更に好奇の目で見つめるツッチー。
……それにしても前に見せた四大精霊のノームの形をしたPASといい、ハリアーさんやら仲間の事を示唆してましたが、倭刀さんが我々を代表して、貴方に一言言いたいことがあります!
「………ツッチーさん。アンタ、一体何者なんすか――――?」
その問いに対して、ツッチーは躊躇わずカミングアウトした!
「倭刀らにも出会えたり、カードも手に入った礼に特別サービスや。単刀直入に教えたる。
このツッチーと、他の仲間のキッド・ハリアー・アリスの四人で結成したアンダーグラウンド出身のゲームチームを組んどんねん。
――――人呼んで【エレメント◇トリガーズ】!!」
モブと呼ぶには派手すぎる、セミレギュラーにしては主役感が漂いすぎる。そんなゲームチームがツッチーの口から明らかになった!
いよいよ次回からはツッチーを含めた『エレメント◇トリガーズ』の目的と、裏プレイヤー探索を徹底的に追求しつつゲームウォーリアー。外伝と挟みながら展開していきます!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




