【GAME42-1】鳳凰堂孔雀の野望!!
――裏プレイヤーとの対峙、そしてビッグゲーム『アメイジング・サバイバーモード』を展開しました怒涛の3rdSTAGE。大変長かったですね〜
さて今回からはネクストステージ、4thSTAGEへ突入であります! 地上と地底のゲーム戦士が本格的にぶつかり合う過激なステージ、シャッフルオールスターズや立海遊戯戦団、まだ見ぬゲーム戦士はこの戦いを制する事が出来るか!?
そしてこんな展開、誰が予想できたのでしょうか……!?な事も有るかもしれませんよ?
それではご唱和下さい、『オープン・ザ・ゲート』!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――ここは現実世界の地下に創られた地底空間・アンダーグラウンドエリア。
この超次元ゲーム時代においては、この地底空間は元々ゲームで破れ、地位も名誉も失った者達が追いやられてお天道様ですらも拝めないという。
上級国民ならぬ上級プレイヤーが創り出した非道かつ無慈悲な敗者の空間として蔑まれていたのです。
しかし近年、そんなアンダーグラウンドは大きな改革に乗り出そうとしていました。
それは地上の者と地底空間の者達との垣根を無くそうとする事。言うなれば差別・格差無く二つの空間に住む人々達の共存。
長い間雁字搦めに自由を抑制された地底空間育ちの人々を、共有を深め認知していく為に改革に乗り出した。
―――その御方こそ、現在のWGCのゲームワールド副管理者にまで出世した地底空間育ちのゲーム戦士、鳳凰堂孔雀なのです!!
▶▶▶ NEXT▽
……さて、その話題沸騰なる鳳凰堂孔雀は現在何処に行ったんでしょうねと、私Mr.Gが広ーい地底空間を彷徨い移動するならば、辿り着いたのは重層された空間の7階、B7層にあたるエリア。
横長の和風御殿は平等院か桃源郷か、いえいえこれこそ孔雀さんの活動拠点にして憩いの場。彼女が組織するゲームチーム『鳳凰超勇士』の本拠地・霊鳥殿であります。……さて彼女は一体何処かしら―――
「孔雀姉ちゃーん!」「しごとおつかれさま!」「サバイバーモードすっごく面白かったよー!」「私も大きくなったらやりたーい」「ユニットウォーリアーっての使いたいよー」「んでけーやくしておっぱい大っきいユニットと……」「アンタいくつなのよ」
「……皆、私の考えたゲーム楽しんで観ててくれたのね。ありがとう」
キャッキャワイワイと賑わう子供達のお世話してるのが……いました。鳳凰堂孔雀さん!
前回、孔雀が総指揮して実行されたビッグゲーム『アメイジング・サバイバーモード』が無事に大成功を収め、優勝者にオーブの授与、並びに閉会式にて参加したゲーム戦士達に裏プレイヤーの討伐、特にテロ集団『サザンクロス』の幹部の撲滅を要請した所で第3章はお終い。
あれから暫くして大会は終了し、新ゲームにおける全ての業務を終えた孔雀は一旦帰路に着いた。
無情なる仕事の時をも忘れ、彼女は子供達と満面の笑みで戯れている。
……しかし個室に居たのは彼女らだけでは無かった。
「……あら、龍牙さん。いつの間に帰っていたのですね」
孔雀は天井の上を見上げ、隠れていた龍牙の気配に気付いた。そして龍牙も音も無くスタッと降りて孔雀の元へ。
「どうしたのですか、眉間が歪んだような変な顔して」
「ほっとけ。……ホンマにお前って喰えない奴だなって思っただけや」
「今に始まった事でも無いでしょう。新ゲームが不満だったんですか」
「その逆や。……お前剣よりも面白いゲーム戦士の事を知ってて俺を参加させたな?」
怒っているかと思いきや、眉間がしわくちゃながらも新ゲームを終えて、久々に満足している様子の龍牙。それを証拠に先程まで旧友であり目の敵にしていた桐山剣の他に、気になったゲーム戦士の事で好奇心が湧き上がったようですね。
そんな龍牙の興味を引かせたゲーム戦士は誰か、鳳凰堂孔雀の能力『孔雀の眼』が全てを見通した。
「……シャッフルオールスターズの池谷倭刀ですね」
「あぁ……クソ生意気で大した素質も風格も無ぇ癖に、根性と勘だけは一人前に気取ってやがる。……あんなガキは初めて見たぜ」
「『桐山剣を超える男だ』、彼が言った言葉が龍牙さんの心を動かしたようですね」
「主催者のお前のこった、ミッションに託けて俺をあーさせるように仕組んだんだろ?」
それはどうでしょう……? 幾ら相手の心を読める孔雀さんとてそこまで誘導させる事までは難しいかと。
「……それは、ゲーム戦士同士で結んだ因果が生み出したものに過ぎません。私が新ゲームで龍牙さんと倭刀さんとの好カードを出したとしても、何れはシャッフルと貴方との因縁が彼とぶつかる可能性もあったでしょう」
「…………ケッ、都合良くこじつけやがって」
上手く理屈こねた感じの孔雀の言い方に若干苛立つ龍牙。しかし彼女がこれから話す本意は真剣そのものだった。
「私は、龍牙さんを情の無い殺人鬼に育てるつもりはありませんから」
「あ……?」
「桐山剣に執着し、苛立つ標的を一方的に傷付けるだけでは真の頂点には立てません。時に力のみならず心の強者と出合い、貴方を更に高みへ目指すのも私の望みなのです。敗れた事に私は責めませんが、過去と決別したいのなら、それに屈しない心を持ち続けて下さい」
「…………」
WGCの副管理者にして龍牙をスカウトしたゲームチームの主将、更に人の心を熟知している鳳凰堂孔雀だからこそ成し得るカリスマと説得力。これには狂犬の龍牙も言い返す言葉が見つからなかった。
「……やっぱお前には敵わねぇ。キャプテンのお言葉なら痛み入って受け止めとくぜ」
「ありがとうございます」
ともあれ龍牙さんも納得したようで一安心。とここで、
―――RRRRR……
霊鳥殿の自宅電話に一通の着信。確か前にもこんなのあったような。そして孔雀が受話器を取る。
「―――どうしました? 瑞希」
孔雀からの着信相手はメンバーの『青鷺火のミズキ』。何やら彼女の方は静かに慌ててる様子で。
『あっ、孔雀様ごめんなさいこんな時に……。実はサバイバーモードで確保した5人の裏プレイヤーの事で厄介な事が……』
ミズキが言うには、サバイバーモードでミッションの為に見せしめとして捕らえていた5人の裏プレイヤー。キザンやらターニャやら、曲者揃いのプレイヤーは敗れた後にWGCが管轄している処刑所へと転送されたのだが……。
「……なる程、妬み嫉みのエンヴィーと小原恵美さんが脱走を」
『そうなんです! 早く捕まえないとまた裏ゲームか何かで良からぬ事を……』
「そう焦ることは無いわ瑞希。彼らもPASの使用で疲労も隠せないでしょう、ここはゲーム戦士の皆様のお力を借りますから。瑞希は引き続き監視をお願い」
『わ、分かりました……』
流石、アクシデントにも全く動じず冷静に対処する孔雀さん! しかし着信を切った後に一瞬見せた腹黒い顔を我々は見逃さなかった。
(……小原さん、見かけに寄らずしぶといですねぇ……死に損ないの癖に)
「オイ孔雀、本性出てるぞ」
と言い咎めた龍牙にハッとした孔雀、またいつもの温和な顔に戻る。それを見かねて龍牙は念押しに孔雀に問う。
「……なぁ余計なお節介かもしれねぇが、過去に決別したいのはお前も一緒じゃねぇのか。同じ地底育ちのゲーム戦士で傲慢な強者ばかり嫌悪感見せるのもどうよ?」
言いたい事をズバッと言うのは龍牙も同じ事。それに対して孔雀は、
「…………私が今言えるのは、地上と地底の人々の共存を果たすのに、傍若無人な裏プレイヤーがどうしても邪魔なだからです。勝手すぎるからこそ地上の人々に蔑まれ迫害される。それが私にとって我慢ならない。
……これ以上答え求めたらプライバシー侵害で訴えますよ?」
「……あぁ、もう言わねぇ」
龍牙も孔雀も、抱える恨みは紙一重なのでしょうか……?
新たに展開される新章・4th STAGE、激化するであろう裏表のゲーム戦士達との激突は、凄まじい野望を抱える鳳凰堂孔雀の手で左右される事でしょう!
装いも新たに面白さも倍増間違いなしのゲームウォーリアー、ゲーム戦士の運命は如何なるものとなるのでしょうか? 引き続きお楽しみ下さいませ!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




