【GAME5-2】プレイヤーは誰でも主人公!!
――TIPS――
ゲームのプレイに支払う料金は『コイン制』『プレイギアPAY制』『電子マネー制』等様々。
中にはプレイ1回10000円のゲームもあるのでご利用は計画的に。
――剣&みのり、ツイン◯ー快進撃は一瞬の気の緩み故にその勢いを断絶させた!!
敵機接触によって剣操るツイン◯ーは撃破された……かと思いきや。 みのりがその異変を直ぐ様察知した。
(――! ツイン◯ーが生きてる!!)
接触した事によりツイン◯ーに付いていたファンシーな両腕が取れただけ。
しかしこれでは地上迎撃用の爆弾が撃てない為ピンチには変わりない、と焦る剣達の耳に聞こえるイージーリスニング……!
――――ピーポーピーポーピーポー
ん? 誰かがゲームのやりすぎで倒れた!?
いやそうじゃ御座いません! これはツイン◯ーの救済システムのサイレン音、それと同時に上から球体のようなものがやってくる!!
「剣くんまだ終わってないよ!! 【救急車】!!!」
ツイン◯ーが敵に被弾または接触した時、機体の腕が片方ずつ失われて対地攻撃を連続で行えなくなり、両方とも失うと爆弾が投下不可能になる。
そこで画面上部から【救急車】が現れ、1機につき一度だけ、救急車と合体することで手を修理する事ができる。因みに万が一救急車を取り逃がした場合には、時間をおいてもう1度だけ出現する仕組みとなっているのだ。
剣は敵の群れを掻い潜りながら、急いで天からの支援・救急車様々な球体とツイン◯ーを合体。
お陰様で私の腕が治りました先生! と言わんばかりにツイン◯ー復活!! しかし……
「せっかくのパワーアップ装備が……」
そう、剣が色とりどりのベルをジャグリングしてまで獲得した分身・ツイン砲の装備がリセット、水泡へと帰されてしまった。
一度のミスでパワーアップ装備が消えてしまうこのシビアなシステムもレトロゲームの醍醐味とも言える。だから面白いんですよ☆
「んな呑気に語ってる場合じゃねぇよ! またあの装備戻すのマジキツイんだからさ!!」
今やツイン◯ーは3面。 敵の攻撃も激しくなって今や上空はエイやらタコやら動物型敵機でドッタンバッタン大騒ぎ。 剣も今はひたすらに撃っては避けてのヒット&アウェイで精一杯。
そんな中で再び雲の中のベルを取るのは、流石に酷だ……しかし、それは一人だけならの話ですが!!
「へ!?」
剣の代わりにみのりが、パワーアップ用のベルを確保しているぞ!!!
「剣くんボーッとしない!! 先に白ベル取って!!!」
「お、おう!!」
みのりから授かった白ベルで剣はツイン砲再びゲット! あとはベルに15発当てる『緑ベル』を取れば分身能力が元に戻る。 みのりの奮闘が続くが――?
(ヤバイぞ、みのりのバリアが縮まってる……!)
有限な光のバリアは被弾や敵の接触で徐々に縮小して消える。剣は我が身を盾に、がむしゃらでベルを獲得しようとするみのりの根性に気付いた。
「オイみのり止めろ無茶すんな! そこまでする事――」
「緑ベル出来たよッッ!!!!」
彼の停止を振り切り、みのりは丁度15発目に色付いた緑ベルを落としたと同時に……
――――ドォォォォオオオオン!!!
みのり・ウイン◯ー撃墜。 その直後に剣のツイン◯ーに緑ベルが受け取られ、分身能力が戻った。
「……よし、これで大丈夫!」
剣の装備復帰に呈した事で今度はみのりのウイン◯ーの装備が無くなってしまった。 しかしからは満足そうな表情が垣間見えた。
「みのり……、何でそこまで――!?」
「……下手っぴな私に出来ることはこれしかないもの。 せめて剣くんの力になれれば、御荷物の私は本望だもん!!」
(…………御荷物?)
その一言で剣の本心に諦めかけていた魂の炎を着火させた。自分への不甲斐なさとみのりの存在意義に違和感を感じた故の憤り、転じてエネルギーに変えて放出する。
「――――しらけた事言ってんじゃねぇぞッッ!!!!!」
その時丁度、地上に爆弾を投下させたツイン◯ーの上には『地上ベル』という野球ボールが発生。 そして獲得したと同時に無数の敵機を画面所狭しと跳ね回り一気に全滅させた!!
そしてフィールドが一瞬の静けさを取り戻した所で剣はみのりに叱咤した。
「俺はみのりを御荷物だとか思ったことなんか一度もねぇ!! 俺のサポートは別に構へんけどな、みのり自身はどうなんだよ? ――このゲームや大会で主役になってやるみたいな気持ちはお前にはあんのか!!」
これを聞いて今まで謙遜していたみのりも、ここまで来てとうとう自分の本音を打ち明けた。
「……私だってなりたいわよ!! でも剣くんや皆みたいに『PAS』やセンスも無いのにどうやってトップになれるの!? 教えてよ!!!」
みのりは7人の中でただ一人、魂の能力『PAS』を覚醒していない。 自分のアイデンティティの確立が遅いのか、或いは闘志が足りないのか定かでは無いが。 一年間の空白でも覚醒への兆しは見せなかった。
それ故にいつしかメンバーとの違いが自分のコンプレックスになっていったのだ。それを剣は知らなかった筈もなく、3面のボスと対峙しながら冷静に話し合った。
「…………なぁみのり。 この一年の間でみのりは俺や皆のような強さとは違った自分にしか出来ないことをやろうとしてたの覚えてるよな?」
「ん……『全てのゲームの事を触れあう事』でしょ? 私が一番分かってるわよ」
「それってさ、ゲームへの勝ちに固執したものじゃなくて、純粋にゲームの本質を知りたいが為にやろうって決めてたのも分かるやろ。―つまりゲームへの【愛情】! ゲームが大好きだっていうみのりの気持ちは絶対何らかの形で成就するって、俺はそう思うんよ」
いつもみのりの側に居て、共にゲームに挑み、自分の為皆の為に強くなろうとしていた彼女の姿を、剣はいつも見守っていた。
だからこそ『目に見えなくとも必ずある確信』が剣に言えたのかも知れない。そしてみのりの意思も変わろうとしていた。
「…………ねぇ剣くん。 私も主役になれるかな――?」
「――――なれるッッ!!!! 本気でゲームに挑む奴等は皆唯一人の英雄になりたいとか、何かの主人公になるために戦ってるんや!! 俺も、みのりも!!!」
剣の真っ直ぐな魂が、みのりの心に確かに届き輝いた時――!!
▶▶▶ NEXT▽
制限時間が半分切った所で、退屈そうに見物していたスピリットプレイヤー・ジンの様子にも変化が起きていた。
「う~ん、確かに皆の気迫が強いけども何か物足りないなぁ…… 何かこう、ゲームに愛が無いというか。こんなんじゃつまんないや!!」
するとジンは透明なオーブを片手に念を送る。……え、ちょっとジンくん? 何する気ですか!?
「皆スコアに囚われすぎ! せっかくのアーケードなんだからもっとゲーム楽しまないとね!! せーの、ドーーーン!!!」
スピリットプレイヤーからの天誅か!? オーブに蓄えた強大なエネルギー波が、大会をやっている横丁全体に包み込んだ!!
一体この気まぐれスピリットプレイヤーは何を仕出かしたのか、その詳細はみのりやプレイヤー達の着信によって早くも知ることとなった――!!
~~♪♪
プレイギアから奏でる良曲と言うべき8ビットのゲームミュージック着信。 みのりはいち早くそのプレイギアの通知を受け取った途端に表情が一変した。
「え――?! これって……」
◇――――――――――――――――――◇
【スコア100倍ボーナス・発生中!!】
スコアサバイバルに適応するゲームの中から
通常より100倍のスコアを得られる
筐体を10台見つけ出せ!!
◇――――――――――――――――――◇
緊急イベントボーナス発生!! それを目の当たりにしたみのりの決断が、このゲームの運命を大きく変える!!
気になる続きはまた次回申し上げる事にしましょう、本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
【ここぞに使えるゲーム豆知識】
ツインビーのキャラでは、ウインビーの2代目女子パイロット『パステル』が特に有名なんだって!
見た目も可愛くナイスバディだが、本人は太ももがコンプレックスなんだとか。
みのり「何なのよこの豆知識……」




