【GAME41-14】ユニットウォーリアーと三つのバトライザー!!
――皆さん、ゲーム・ウォーリアー史上大変長い決闘で御座いました『アメイジング・サバイバーモード』。
間もなく決着、ファイナルラウンドへ突入であります!!
フィールドは半径100メートル、即ち直径は200メートルと隅々は肉眼で把握できる程の縮小規模。小さな建物と岩が並ぶ平野にて、生き残ったゲーム戦士合計7名が激突するという事になります!
しかしこのファイナルラウンドは、ファイアウォール縮小時間まで何と5分の猶予しか与えられていません。
それまでに決着が付かない場合はポータルタワーを中心にファイアウォールが迫り、決着までフィールドを焼き尽くします。
即ち理想は短期決着。7人の中でたった一人が栄光を勝ち取るサバイバー、生還するのは誰だ――!?
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――最終決戦の前に、ポータルタワー地下・敗者の牢屋では。
「よっ、お疲れさんみのり!」
「えへへ、負けちゃったぁ」
悔やむでも悲しむのでもなく、テヘぺろ感覚で牢屋に転送されたのは河合みのり。剣の元に駆け寄るなり彼の胸元で甘えて頬スリスリ。
「……しかし、改めて貴様のチームが優秀だと思わせるな。今の時点でまだ四人も生き残ってるんだ」
「運が良かった、と言えばそれまでだけどな。ただアイツらが生き残るとは正直俺も思わんかった」
「豪樹さんも凄い根性だったもの!」
銃司も舌を巻く程に、シャッフルオールスターズの生き残り率に剣もみのりも溜息がこぼれる。
ファイナルラウンドに生き残ったメンバーは、倭刀・穂香・レミ・豪樹の4名。勿論メンバー同士の激突も承知で戦いに挑みます。
「喜ぶのはまだ早いぞ剣。俺のメンバーにはまだサーブルズがいる。貴様の同胞とて遅れを取る筈も無かろう」
「お兄様がシャッフル相手に負ける筈が無いですの〜!!」
立海も負けじと意地を張る。サーブルズ・シェイパーが唯一の生き残りにして、立海のプライドを背負った一本の刃。彼も瞬発力・判断力に掛けてはお墨付きの実力。一人勝ちもあり得ない話ではない。
そして、今回のゲームのダークホースとなろう各方もいる。
「それよりも気になるのは『瑞鳳旋風堂』とかいうチームのゲーム戦士だ。年は私と同じくらいだが、覇気が凄まじい」
立海の参謀、史也も警戒する程の凄みがある瑞鳳旋風堂。更に彼女らを気になっているのが桐山剣と時実桜。
「……剣さん、瑞鳳と言えばあの弥風綾乃さんのチームでは……?」
「あぁ、俺もゲーム中に勘付いたが……あれが綾乃の主将・副将って訳やな」
「む、二人は知っているのか?」
銃司さんが知らぬも無理は無い。
【GAME28】にてリロード樹海に遭難した剣を助けた桜。それになんの因果か同時に出会った弥風綾乃と共戦した記憶は新しいですが。
その綾乃は宮城は仙台を代表する『瑞鳳旋風堂』のゲームチームに加わっていており、先輩にしてキャプテンに当たる神奈と光照が、このサバイバーモードに参加していたという遠回しに繋がった因果の糸車でありました。
「その綾乃は今、槍ちゃんが受けてるオフィシャルプレイヤーの試練に出向いてるって話や」
「ほぅ、という事はあの二人は何れにしても貴様らのライバルという位置になるのか」
「……俺はあんまし敵は増やしたかねぇけど」
ゲームを通じて繋がった縁に、変な因縁を付けたくないと願う剣の複雑な心境を、みのりも知ってか遠目で見守る。……さて長話もそれくらいにして閑話休題、フィールドはどうなってるかと言えば――おおっ?!!
「お、オイ剣……! アイツお前のメンバーだろ、すげぇ装備してるぞ!?」
フィールドで起こった急変に戸塚もビックリ、私もビックリ。なんぞやと確認した剣もみのりもこれまたびっくらこいた!
「レミちゃん、うっそぉ!?」
「まだアーマーカードがあったのか!!?」
何と革命を起こしたのはシャッフルの畠田レミ。姿を見れば身体中にはプラチナの眩い装甲が輝く!
「なる程、カスタム・アーマーカードが3種類揃い踏みというわけか」
今回登場した新カード、カスタム・アーマーカード『バトライザー』なる装備は三つ用意されていた。
穂香が装備している『シルバーウィング』は天、サーブルズが装備の『ゴールドタンク』は地のバトライザー。そしてレミのバトライザーは……
「“人”のアーマーカード、【プラチナムテクノ・バトライザー】!!」
◎――――――――――――――――――◎
〈カスタム・アーマーカード〉
【プラチナムテクノ・バトライザー】
属性:無 装備:プレイヤー
・効果:《アーマーチェンジ》
・エンジンフォーム/エクストリームフォーム
◎――――――――――――――――――◎
これは人間の“技術”と“可能性”をモチーフにしたプラチナカラーのアーマーカード。
背中のエンジンパック以外に余計な装備は用意されてないものの、加速に最重視しダウンフォースにも適応したデザインはフォーミュラマシンさながら。更にまだ隠された切り札があるようだが……?
ともあれ、これで揃った三つのバトライザー!
天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。敵を倒せとゲーム戦士が呼ぶ。金銀プラチナ・三種の神器が戦場に煌めき恍惚する魂!
ゲーム戦士の誇りに掛けて、サバイバーモードに勝利をもたらせるか!?
だが驚くのはまだ早い、バトライザー相手に抵抗する切り札はまだある。
「あ! 瑞鳳の人達も……!!」
「いつの間にユニットウォーリアーを契約しやがった!?」
何と!? 神奈と光照、両者共に仕えしはユニットウォーリアー!!
神奈は巨大な盾を装備したユニット【ビッグシールダー】、光照は波長攻撃が得意な双子にして一人分のユニット【ジェミニ・スターズ】を契約していた。
あれよあれよと言う間にポータルタワーを囲むように、円となって集まる7人のゲーム戦士。
並びは時計回りに倭刀、穂香、レミ、豪樹、サーブルズ、光照、神奈の順。
傍から見れば最終決戦に因んだ儀式でもやるんじゃないかと見まごう神聖な展開にも見えるが、その気じゃなくとも7人は本気、睨み合って動きを伺う。
「これが最後……だよな?」
「えぇ、この状況で逃げる手段は無いもの」
「逃げる気はサラサラないけど!」
「そして真ん中にゃポータルタワーや」
「きっと主催の鳳凰堂孔雀と、散ったゲーム戦士達も、我々の戦いを見守ってる事でしょう」
「それなら、魅せるにはもってこいな場所だ」
「笑っても泣いても悔いは残すんじゃないよ。私達ゲーム戦士たるもの、最後まで全力で―――――」
「「「「「「「勝負だ!!!!!!!」」」」」」」
次回、サバイバーモード・堂々決着!! グリーンの宝珠『カーティシーオーブ』を獲得するのは果たして誰か!?
――本日のゲーム、これまでッッ!!!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




