【GAME41-12】失われたカードの力・シークレットミッション!!
――緊急事態発生! 生き残っている16名のゲーム戦士が所持しているカードの効果が無効化された!!
先程までユニットウォーリアーを契約していた者、カスタム・アーマーカードを装備していた者、切り札に残して温存しているであろうレジェンドカードも全て使用不可能となった。
「お陰で身が軽くなった……って言ってる場合じゃない! なんて事だ、バトライザーが使用できない!!」
攻守極振りのアーマーカードを装備していた立海最後の希望。サーブルズ・シェイパーも、その装備が無効となり、華奢な身体が目立って武器も鎧も無しの丸腰状態。しかしそれは戦う寸前であった相手の瑞鳳旋風堂の二人も同じ事だ。
「何で今更カードを使えなくさせたんだ? ここに来てカード抜きで殴り合いでもしろってのかな」
「そんなの風情もへったくれも無いじゃないか。恐らくこれは司令室が細工でもしたんだろうね」
などと戦う意志を抑えて推察に入る神奈と光照。すると突然、この緊急状況をいち早く説明しようと、各々のプレイギアから着信メールが。
予感は的中、そのメール内容はサバイバーモードの最後のミッションであった。
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【サバイバーモード イベント④】
現在生き残っているゲーム戦士達のカード発動
及び装備・契約は完全無効・禁止されている。
しかし、全カードを再度使用するには
フィールドの何処かにある〚封印の扉〛の
ロックを、赤・青・緑の鍵を使って解除し、
カードの召喚エネルギーを供給させる事。
これが最後の試練、この窮地を乗り越えて
完全制覇を目指せ!!
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これが、主催者の鳳凰堂孔雀が示唆していた【シークレットミッション】の詳細!
このフィールドに隠された『封印の扉』で、赤・青・緑の三つの鍵を使って扉のロックを解除する事によって、封印されたカードを再び使用するための召喚エネルギーが開放されるという。
つまり、このミッションを成功させねばサバイバーモードの決着は見えない! 再びカードの輝きを取り戻す為にゲーム戦士はどう動くのか!?
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一方、こちらはポータルタワー地下の敗者の牢屋。
「分からねぇなぁ、何で今更カードを封印させたんだろう」
「これじゃ装備も強さもリセットされてオジャンじゃない!」
ミッションの本意を探り合う戸塚と愛実。彼らとは裏腹に、ゲームに関しては鋭い思考を持つ史也や銃司にはこの意味が分かっていた。
「分からぬ割には正確な考案が出来てるじゃないか。君の言った通りこのミッションの本意は、“リセット”だ」
「それを終盤でやる理由あんのかよ?」
「大いにある。穂香やサーブルズのようにアーマーカードを装備した者、レアカード・ユニットウォーリアー契約者のパワーを無力化した上で何者かが先に力を得れば、どうなると思う?」
「もしかして……形勢逆転―――!!」
「鳳凰堂孔雀は決して強者ばかりにえこひいきなどせん。俺や剣を叩き落としたこのゲームに、理屈や理論での勝利への確信など断じてあり得ん事だ……!!」
早い話が、【ゲームは最後まで分からない】という事ですよ!
▶▶▶ NEXT▽
――さて閑話休題。ゲーム戦士達はシークレットミッションの道筋が分からず、対峙した者同士は一旦戦闘を中断して赤・青・緑の鍵の行方を探す。
しかし、そうしている間にも第5のファイアウォール縮小までのカウントダウンは10分を経過した所。早くしないとその鍵も炎壁によって、入手不可能となる危険もある。
そんな中で光を導き出したのは、御存知我らがヒロイン! シャッフルは河合みのりだ!!
「―――繋がったわ! あの赤い鍵はこれに使うんだ!!」
みのりはラウンド3開始時に既にカードカプセルから『赤い鍵』をゲットしていて、戦闘は一回も起こしてないのが幸いとなって、三つの内の一つの鍵を手中に収めていた!
しかし残りの青・緑の鍵に至っては、未だ誰も確認はされていない。
「そうだ! 剣くんは居ないけど、他の皆なら何か分かるかもしれない」
その手段はシャッフルオールスターズのメンバーとの情報交換。現在みのりを含めた5名が生き残った中で、みのりは順々に仲間の元へプレイギア連絡を取る。
「……もしもしレミちゃん? ミッションの内容見た?」
『見たわよ! せっかくジョロキア契約したのに消滅しちゃったのよ〜!!』
先程のユニットウォーリアーの消滅に嘆くレミ。それを同情しヨシヨシと慰めるみのりは本題へ。
「今ね、私三つの鍵の内の赤の鍵をゲットしてたの。レミちゃんとこに他の鍵持ってない?」
『どうだったかな……』
レミは通信をそのままにしながら、鍵を求めて建物に散らばるデスボックスを探り探り。すると……
『……あ、あった!! 青の鍵だ!!』
「やったぁ!」
運良く史也のデスボックスから『青の鍵』を回収したレミ。残りはあと一つ。
レミは後からみのりと合流する約束を交わして、次にみのりは穂香、倭刀と鍵の在り処を共有するが、残念ながら二人の方はからっきし。最後は豪樹さんだが、あの人何をしてるんでしょう?
「……もしもし豪樹さん?」
『おぅみのりちゃんか、丁度えぇ時に連絡くれたわ! 今ミッションの事で取り込んでんねん、スマンけどちょいと手伝ってくれへんか?』
「えぇ?」
なんの事やらみのりはサッパリ。そこで彼女はレミとも合流しながら、豪樹が示した中央から200メートル離れた東のエリアで立ち会う事に。
「あの……どうしたんですか、このデスボックスの山」
そこには豪樹さんと、無数に散らばった色とりどりのデスボックスの数々。フリーマーケットかと言う程に辺り一面カード展覧スペース。
「いやぁな、ワイってガタイデカいから他のゲーム戦士の奇襲に反撃してってな。気付いたらこんなに残骸が溜まってもうてん」
「何人撃破したんですか」
「せやな……13人くらいちゃうか?」
「「強ッッ!?」」
いつの間にか龍牙を抜いてキルリーダーになっていた豪樹さん。気づかぬ内に16名まで減っていたのは彼の奮闘があったからと言えば納得はするだろう。
「とにかくその緑の鍵っての探すんやろ? しらみつぶしにデスボックスから探すの手伝ってや!」
という訳でみのり&レミ、豪樹が撃破した13名プラス別に撃破されたデスボックスら約20個から緑の鍵を探す事に。……と、言ってる内に三人揃えば何とやら。みのりが発した感嘆の叫び。
「緑の鍵あったーーー!!!」
これで揃った三つの鍵、あとはこれらを使うために必要な『封印の扉』を探すだ――――
「封印の扉って、あれちゃうか?」
と、私が言い終わる前に豪樹が指差す所、ポータルタワーに隣接している巨大倉庫が……御名答!!
真っ赤な外壁に頑固かつ古びた大きな扉こそが【封印の扉】!! 決して横浜の赤レンガ的なアレではない。
「ここが簡略化されたって事は、そろそろ作者が字数気にしてる所ね」
「レミちゃん、しーーーッ!」
「よっしゃ早う解除させんと!」
善は急げ、みのり・レミ・豪樹は各々鍵を携えて巨大な扉の前へ。その扉の中央下には三角に連なる三つの錠前を示す窪みが。
「よし、入れるぞ……!」
三つの鍵を窪みに差し、時計回りに鍵を回すとカチャン!と明らかに錠が空いた音がした。……ところが。
「……あれ、扉開かないよ?」
そんな筈はない! 確かに鍵は反応した。気になって倉庫を見渡し変化を見るならば、微かに鈍く低い電動らしき音と振動が感じ取れた。更に最も大きな変化が表れたのは……!
「動かしたのは倉庫の方ちゃう、ポータルタワーが起動し始めてるんや!!」
つまり封印の扉とは、ポータルタワーの先端から発するVR空間と、召喚エネルギーをフィールド全域に放出する為のバッテリーを意味していた!!
まさに倉庫は巨大モーター。電動するエネルギーが地下からポータルタワーへと流れ込み、みるみるうちにタワー先端へとエネルギーが蓄電されていく……!
そして…………!!
ドォォォオオオオオオオン!!!!!!!
「「きゃああッ!!!」」
凄まじい爆音と衝撃と共に、ポータルタワー先端から失われたカード召喚エネルギーが各所に放出された!!
つまりここからは、各々放出したエネルギーの場所へ向かい、カード機能を復活させた者が有利となる。最終決戦への切符を掴むことになる!!
さぁ、再び力を取り戻すのは一体誰だ!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




