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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME41-6】何の為に戦い、生き残る……!?

 ――――“戦わなければ生き残れない”。


 誰かがそう(うた)われたように、ゲームの中で必死に戦うゲーム戦士の心の中に()()()()が求められようとしております。


 真剣勝負を楽しむ者、名声を求める者、報酬を狙う者。それぞれの欲が渦巻くゲームの世界に何が真の正義か、などと論ずる事自体野暮なのかもしれない。


 そんな意地と意地とのぶつかり合い。このサバイバーモードでも繰り広げられようとしております……!!



「もうここまで来たら戦う必要なんか何も無いんだ、5分間逃げ切ってカード売っぱらってやる!!」


 ドロップアウト宣言をし、レアカードをデッキに蓄えてそのまま戦線離脱を企む綾小路優。報酬カードは自分の戦力アップに使う気は全く無いようで、完全に買い取りする気満々だ。


 それに対して、他のゲーム戦士達は……?


「冗談じゃねぇぞあんにゃろ! 銃司を仕留めて、その上カード蓄えたままトンズラなんざさせっか!!」


 銃司との決闘を約束していた剣は、仇討ちとばかりにドロップアウトしようとする優を狙いに討つようだ。

 いや、剣だけではなく他のゲーム戦士達も、離脱するからにはレアカードも背負ってるだろうと推察し、群れに群れて優を狙おうとする。



 さて、一方の優は一体何処かいなと辺りを見渡せば、フィールドの標高が最も高い北エリアの断崖の上で敵を見渡せるように避難待機をしていた。


「フン、単細胞な奴らもここには来られまい。絶対にカード貰って逃げてやるからな!」


 ▶▶▶ NEXT▽


 その様相をモニターで確認する敗者の牢屋では……?


「清々しいほどに一貫した()()の立ち回り方だな」

「ここまでブレない方もあまり居ませんわ……」


 銃司も桜も、優に対してエライ言われようですね……勿論戸塚の方も同意見。


「お前の弟、散々な評価だな。どう思うよ姉さんは」

 戸塚は優の姉である愛実に意見を求めた。


「優はお父さんが事業に失敗して借金が積み重なった事にヤケになってるのよ。金持ちで裕福な暮らしが当たり前だって思ってたから余計に。それ以来金や名誉に眩んで……」

「それじゃ姉が説得しても聞かない訳だ」


「甘ったれたボンボンめ、一片死ぬ思いでもせんとその性根は治らんだろうよ。……俺と同じようにな」


 かつて銃司は己の甘さで兄を見殺しにした事もあり、似通った遭遇に同情しながらも辛辣な口を放つ。


 ▶▶▶ NEXT▽


「ハハッ、崖の上で辺りはファイアウォールの鉄壁! これならバカ共も来られまい!」


 などとドロップアウト成立残り2分で既に勝ち誇った顔を見せる優。到達不可能と想定する位置で離脱を確信したか。


「レジェンドレアが4枚、ハイパーレアが7枚、ついでに《コントラクトリング》も手に入りゃ、どれくらい金貰えるか―――」

「へー、じゃそのカード売っぱらった金で俺と叙々苑連れてってくれや!」


 優の後ろの正面に立つゲーム戦士、だーれだ?


「ゲッ?!!! 桐山剣!!!」


 通常では到達出来ない崖の上に忍び寄った剣とサラ。アクションカード《ビハインド・ムーブ》によって敵の背後に瞬間移動して優に急接近したのだった!


「嘘だろ、何で僕の居場所が分かった!?」


「お前のPASの波動が居場所をバラしてたんよ。その虫みてぇなドローンと隅に隠れる習性、まさに()()()()やな!」


「僕のPASはゴキブリじゃない! コガネムシだバーカ!!」

「どっちにしても害虫やろ。俺の銃司(ライバル)討ち取りやがって……!」

 戦々恐々、剣はソードを構えてサラは火炎弾を込めて優を撃破しようとやる気満々。


「……フン! そんなに銃司とやりたけりゃ自滅でもすれば!!」

『アクションカード、【Gの逃走術】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【Gの逃走術】

 属性:黒

 効果:10秒間『回避力』を5段階上げる。

 ◎――――――――――――――――――◎


 と、剣に皮肉を吐いて即座にカードを発動すれば、後ろに茶羽音も無く逃げ去る優のエスケープ。……やっぱゴキブリじゃないですか。


「あっ、てめ待てッ!!」

『待ちなさーい!!』


 ゴキブリ走法の優に必死に追いかける剣とサラ。だが殺虫剤かホイホイを仕掛けない限りその足を追い越す事が出来ない。


「絶対父さんの借金を返すんだ、姉さんを踏み台にしても、人を裏切っても、どんな汚い手を使ってでも僕は―――」



「それが貴方の()()()()なら、決して最強のゲーム戦士の器にはなれません!!」



 ビュシュンンン――――!!!



 地底の山路に鳴り響く声、その刹那に轟く一閃のチャージレーザー!!

 そのレーザーが無情にも綾小路優の身体を貫いた……!!!



(な、に………ぃぃぃぃ!??!)



 〔CRITICAL HIT!! 綾小路優 HP400→0 KNOCKOUT!〕


 手足を痙攣させ文字通り()()()となった優の呆気ない末路。罠でも殺虫剤でもなく一筋のレーザーで敗れた優。因果応報と呼ぶには余りにも無惨な撃破。それを撃ち放った張本人は……


「………穂香!!」


 剣と同じシャッフルのメンバー、大森穂香!! 終盤を向け満を持して彼女も行動、遠距離武器の《エンドバーストレーザー》で優を仕留めたのでした!


「いやー助かったぜ、お陰で銃司の仇も討てて清々した! あんがとな!!」


 と、普段なら『どういたしまして』と優しげに対応する筈の穂香でしたが……


 ―――スチャッ


「………おっとぉ?」


 剣に近距離でレーザーを構え、戦闘態勢の穂香。自分以外全員敵のサバイバーモードでは当たり前の対応だが、優しいキャラにこの対応は余りにもギャップが効く。


「何や、あん時お前に怒鳴ったのまだ根に持ってんのか穂香? 穏やかじゃねぇな」

「いいえ、剣さんが私を叱咤した事は寧ろ感謝として受け取っています。だからこそ、この場で剣さんに確かめたい事があるのです」


「………何を?」


「倭刀は裏プレイヤーの戦いを通じて、『剣さんを超える』という夢を創りました。きっと槍一郎さんも、みのりちゃんも、レミちゃんも、豪樹さんも、そして私も……

 これからゲームを通じて“戦う意味”を見つけていくんだと私は思うのです! だからこそ私は知りたい。



 ――――剣さんは、何の為にゲームに挑み、戦うのですか……?」


「……………………」


 穂香の緑の眼を真っ直ぐに剣を見つめる、真剣な眼差し。

 間違いなく剣の仲間は成長する為に変わろうとしている。そんな想いを一途に突き進もうとする穂香の想いを応えない桐山剣ではない――!



「……その答えを、この場で穂香の前で魅せて欲しいってリクエストか。ユニットウォーリアーも居るのに分が悪いやろ、それでもえぇんか?」


「構いません。これは立場の優劣の問題ではありません。素直なのはゲームに挑む時、“ゲーム戦士の魂”が輝く時ですから……!!」



「分かった……! じゃ久々にやるか、お前とのガチンコ勝負!!」



 一体何が、大森穂香の心を昂らせたのでしょうか!?

 いきなりの桐山剣への宣戦布告、穏和な彼女が本気と書いてガチな顔で挑戦する、その真意は如何に!?



 ……え、優はどうしたって? あぁ、もうほっといても良いですよそんなのは。



 次回は桐山剣VS大森穂香、スピードバトル乞うご期待! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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