【GAME41-3】激化サバイバー・減りゆく挑戦者たち!!
――新たなゲームシステム、『レジェンドスロット』と『カードクリエイター』による戦力強化装置の登場によって、今に見てろと力を蓄えようとアクションを起こすゲーム戦士達が続出!
そしてこれら以外で、意外な所で戦力アップを図ることになった者がいた。―――時実桜だ。
「……少し前にフローレンさんからのデスボックスで獲得したこのカード。やはりユニットウォーリアーに関連するカードだったのね」
先にリタイアしたフローレン・シェイパーのデスボックスからカードをゲットしていた桜。その中で気掛かりであった腕輪のカードを改めて確認し、合点がいった。
◎――――――――――――――――――◎
〈スペシャルカード〉
【コントラクトリング】
効果:このカードの発動後、
続けてユニットカードを召喚する事で
そのユニットは〘ユニットウォーリアー〙となる。
◎――――――――――――――――――◎
これはユニットウォーリアーを獲得した際に、ユニットとゲーム戦士間に契約の証として装着される腕輪のカード。フローレンが撃破された際にユニット戦士は消滅したが、その置き土産として契約腕輪が一緒に入っていたのだ。つまりこれを発動すると……
「私もユニットウォーリアーを契約出来るという事……!!」
それなら出し惜しみせずに使えば良かった!と半ば後悔しつつ、桜は早速そのカードをブレスに装填。
『【コントラクトリング】セット、契約するユニットをお選び下さい』
いつもの召喚詠唱とは裏腹に丁寧なアナウンス、先に桜から契約腕輪が自動的に装着されて残りは契約するユニットを出すだけ。
「……改めて倭刀に感謝せねばなりませんね。ハイパーレアの報酬カードが充分に発揮されるのですから!」
取り出したのは裏プレイヤー討伐で獲得したハイパーレアカード、それを躊躇いなくカードスキャン!!
『【ミラージュノイド・バルトス】、契約!! ユニットウォーリアー・サモンアップ!!!』
通常のユニット召喚よりも豪華、アナウンスのエコー効果と腕輪のリングをモチーフにした召喚エフェクトと共にクリスタルなボディを持つ《ミラージュノイド・バルトス》を契約した! 早い話が透明人間のユニットである!!
「バルトスさん、宜しくお願いしますわ!」
『おーぅ、いつでも戦う準備は出来てるぜ嬢ちゃん。気分はまるで……えっと、何かいい例え無いかい?』
(私に聞かれても知りませんよ……)
飄々とした性格の透明人間は、意思も透明なのでしょうかねぇ?
▶▶▶ NEXT▽
各箇所でシステムを有に使い、戦いに備えるゲーム戦士達。しかしそれらを使わずとも正攻法で戦う者も当然いた。
「ギャンブルとか、作製で強化するのはどーもワイの性には合わへんねんな。やっぱここは力で撃破するに限るわ」
不覚にもユニットウォーリアー欲しさに闘技場で痛い目を見た高橋豪樹。ここは邪念を捨てて立ちはだかる敵を片っ端から倒すやり方に出たようだ。そして、
「豪樹さん!!」
「……おぅ水谷君か、ワイとやろうってか?」
豪樹とバッタリ対峙したのは、ゲームジムのアシスタントインストラクター・水谷由佳。無論彼らは仕事内でも実力でも信頼している間柄。言うなればこれは、上司と部下の下剋上職員対決だ!
「ここは先輩も後輩も関係ない戦場です。一度豪樹さんとは一戦交えたいと思ってました! 決闘を申し込みます!!」
「嬉しいねぇ、自分から真っ向に挑んでくるたぁ度胸が据わって結構結構! えぇよ掛かってこいや!!」
ジリジリッと水谷の方から間合いに近づく、互いに武器は手甲やグローブといった近距離の肉弾戦型。片や格闘家、片や柔軟を生かした体操戦術とまさに『剛』と『柔』の相対性理論が生み出される好カード。
水谷は豪樹の持ち味を知り尽くしている。故に彼女が仕掛けるのはこの技!
「ゼリーのPASで編み出した闘技、受けてみなさい!!」
ビヨーーーンッ
「おっと!!?」
水谷のPASで弾力感たっぷしのプルンプルンのゼリーボディになり、その烈脚から振りかぶる遠心力によって伸びた3メートルの長いリーチの足刀技! 名付けて【エクステンド・ゼリーキック】!!
「私のゼリーボディは豪樹さんの打撃技をもダメージを促します! これで私もシャッフルオールスターズに―――」
あら水谷さんってば、ちゃっかりシャッフルに入りたげな事言ってますよ! でもそれだけでは問屋で大根卸さないのが豪樹さん。
――ガシッ!!
「あっ?! 脚が……!!!」
伸びるゼリーキックも何のその、水谷のスラッとした御御足を両手でガッチリグリップした豪樹はしたり顔で物申す。
「まだまだ修行が足らへんで水谷君! しなっちゃいるが脚技を打つスピードを掴まれちゃ、隙を生むだけやでッッ!!」
豪樹はその反動を逆利用し、脚を肩に背負って一気に投げ降ろす!!
「ああぁっ!!!」
空中投下で身動きが出来ない水谷、そのチャンスを豪樹はこの1枚のカードで決める!!
『アクションカード、【フリーズフィスト】!!』
「覇ァァァァアアアア!!!!」
バシュッッッ……!!
空中で舞う水谷に狙いを定めた凍結の拳が唸るスカイアッパー炸裂!!! 氷はゼリーをも凍結させる性質を活かし、ヒットした胴体にはゼリーボディが凍っていた。
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【フリーズフィスト】
属性:青 AP:400
効果:30%の確率で相手を『凍結』
状態にさせる。
◎――――――――――――――――――◎
〔水谷由佳 HP400→0 KNOCKOUT!〕
水谷由佳、ジャストキルの一撃必殺によりこのまま地面に叩きつけられた!
「―――押忍ッ!!」
最近影も薄く、裏プレイヤーの討伐にもそんなに活躍出来なかった豪樹さん、華麗なる一本決め!!
「要らんこと言わんでえぇねん」
失礼しました。
「あぁ、やっぱ強いなぁ豪樹さん! 完敗ですぅ……」
「こんなんじゃシャッフルはまだ遠いな水谷君! だが筋は前よか俄然良ぅなっとるで、ナイスファイトや」
破れた後輩の健闘を称える豪樹、そして破れて悔い無しの水谷はデスボックスを残して強制転送された。
▶▶▶ NEXT▽
そして、敗れる者はまだ他にいた……!!
「………やりますか。愛実さん、ですよね?」
「えぇ、うちの弟が貴方にバカやらかしたみたいで。結構怒ってるでしょう?」
先程スロットで《薬草》を貰って複雑気分の戸塚が、綾小路愛実と対峙。戸塚が弟の優に騙された事を知った姉は勝負をするか駆け引きをするが、
「一緒に裏プレイヤー討伐した仲でやり合うのは気が引けますよ。それに姉の方は関係無いし」
「じゃ、まだ戦うには早いって事?」
などと互いに戦闘に躊躇しあい、往生する二人。
地底空間の建物並ぶ街路の屋根の上から………忍野龍牙が構えている事も知らずに――!!!
「戦場で戦うの迷ってんじゃねぇぞテメェら!!!!」
―――ザクッ、ズシャッッ!!!
「「!!!!?」」
〔戸塚晃司・綾小路愛実 HP0 KNOCKOUT!〕
一瞬の出来事、屋根上から音も無くヒラリと飛び降りた龍牙は刀武器《闇黒の刀・ムラマサ》を構えて不意打ちの暗殺・太刀の一突き!!
サバイバーモードで戦う事を戸惑う者に容赦しない龍牙の襲撃! 13キル目・ダブルキル獲得!!
「な……龍牙、いつの間に……!!」
「あの倭刀の討伐ごっこは利害の一致って言ってた筈だ。それに囚われてたテメェらが間抜けだっただけの事だろ」
「やっぱアイツ怖い……!!」
二人の甘さ、そして龍牙の恐ろしさを身を持って知った戸塚と愛実。ここでリタイア。
―――さぁ生き残りは現在36名! 徐々に減りつつあります。
スロットに明け暮れる者、クリエイトする者、片っ端から撃破する者と生き残る為にあらゆる術を駆使して戦いを制する意気込み。
そんな中でクリエイターで作製中のレミ達に大きな変化があったようです!
「出来たーーーー!!! これだよ、これがユニットウォーリアーを契約する腕輪だよ!!」
(レミちゃん、ホントに創っちゃった……)
ブラックボックス冴え渡り、まさかの《コントラクトリング》獲得に成功したレミにみのりはポカーン。
ある者は戦いに消え、ある者は窮すれば通ずとばかりに活路を開く者が現れる過酷なサバイバー。
これが佳境に差し掛かった時、どのようなドラマが生むのでありましょうか!? 間もなくクライマックス近し!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




