【GAME40-11】勇躍のゲーム戦士と戦場の絆!!
――裏プレイヤーとの決闘を制したゲーム戦士達。その勇気ある活躍は暫くして、フィールドアナウンス並びにプレイギアを通じて報告された。
『――サバイバーモード近況報告。全エリアの裏プレイヤーを撃破』
さて今回は、そんな激闘を終えたゲーム戦士達の心境を順々に読んでいきましょう。
▶▶▶ NEXT▽
――先ずは東エリア。池谷倭刀ら計8人の反裏プレイヤー連合軍の報告ログはこうだ。
『忍野龍牙ら8人の活躍により、東エリア関所・単細破壊坊のギガントスを撃破』
名前が乗ったのはギガントスを一撃必殺で倒した龍牙。倭刀の元で集まったのに名が呼ばれないのは多少解せませんが、それでも一人の犠牲を出さずに撃破出来たのは倭刀のお陰でもありましょう。
「やった勝った勝った勝ったーーーー!!!」
みのりはピュアに大喜び。全員が敵である戦場に魅せたチームワークで勝利した恍惚は中々味わえないもの。程なくして彼女らと合流した龍牙でさえも、この喜びは久方ぶりであろう。
(ホンマ、久々やこんな快感は。剣とバカやった時以来か。……悪くねぇな、たまにはこーゆーのも)
普段孤高に相手を痛めつける事を生き甲斐とする龍牙にとっては懐かしい感覚。
それを味わわせてくれたのは他ならぬ池谷倭刀。彼を無表情で横目に見つめて何を思うのでしょうか。
「やったな龍牙のあんちゃん!」
「お見事です」
「ナイスファイト!」
「ホント助かったわ!」
みのり達からはいきなり称賛の嵐。嫌われ性分の龍牙にとっては慣れない褒め言葉にむず痒くなる。
「……喧しい、テメェらが俺の撃破に使えたから勝てただけの事や。馴れ合うなんざ千年早いわボケ」
などと故意に相手を怒らせるような口調で突っぱねる龍牙。半ばのメンバーは怖いと思いつつも、素直じゃない部分は丸見えであった。
「……じゃ裏プレイヤーも倒したって事で、この連合軍も解散になるけども。どうします龍牙さん、この場でついでに俺らをキル稼ぎに撃破しまっか?」
「「「………!!」」」
何を血迷ったか、倭刀は念押しに龍牙に始末されるのか確認した。そりゃ龍牙のような戦闘狂はいつ彼らに牙を向くか分かったものじゃない。これには否でも警戒を強めて構えるゲーム戦士。そして龍牙は……?
「…………アホ、テメェらみたいなムカつかん奴と戦っても面白くもなんともねぇわ。潔く離れてやるよ、今はな」
「……そうですかい」
これを聞いて倭刀らチームは一旦の安堵。ギガントスを自らの手で潰した事で、気分を良くした龍牙に戦う理由が残っていないからであった。
「じゃ解散した時点で、俺達はまた敵同士。ただ不意打ちは今はしない事。次に会った時には正々堂々と戦う!」
倭刀の誓いを胸に互いに武器を重ね合い、健闘を称えつつ解散を宣言する。
「ほんじゃ―――解散ッッ!!!」
連合軍のメンバーは解散と同時にそそくさと走って逃げる者もいれば、手を振りながら別れる愛嬌のある者と個性が垣間見える。そんな散り散りになる中で叫び声が一つ。
「倭刀オオオオオオオオ!!!!」
その声の主は龍牙、やはりこの連合軍を発足させた倭刀に一言申したかったようだ。
「……テメェの事『凡人』つったけどよぉ! 取り消してやっから、精々俺に殺されんように悪あがきしとけーーーー!!」
それに対して倭刀と遠くから憎み口前提に叫び返す。
「―――――じゃ俺を殺る前に、アンタも剣さんにコテンパンにされんようにしとけーーーー!!!」
これらは宣戦布告の合図でしょうか、それとも龍牙が倭刀に興味に惹かれた証なのでしょうか? その真相は神のみぞ知る。
「…………あんがとよ」
▶▶▶ NEXT▽
――裏プレイヤーの討伐によって徐々に関所フィールドが消滅しつつある中、北と西を繋いでゲーム戦士同士の通話が行われていた。
「―――おう銃司。やったんやな、お前も裏プレイヤー撃破!」
『……貴様もな、剣』
その相手は桐山剣と立海銃司。それぞれ北・西エリアの裏プレイヤーをたった一人で制したエースが撃破報告に連絡を取っていた。
『だから言ったであろう、貴様と俺が結託せんでも、互いにあの程度の俗物に遅れは取らんと』
「まぁそこは戦状況の生き違いって奴や。お陰で俺もお前もユニットウォーリアー持ってるって分かったし」
このようにちょっとした連絡から互いの状態を相手に透かす事も出来てしまう。
剣も銃司もユニットウォーリアーを契約した者同士。まるで互いに激突する事を前提とした掛け合いに、既に二人の間に宿命が生まれていた。
『……貴様が俺と戦いたくてウズウズしてるのが口先で読めるわ。―――だがそれは早急すぎる』
「あ? お前と戦うのに何が早いんだよ」
『気付かぬのか、プレイギアの報告ログに南西・南東エリアの関所も同時に討伐されているのを』
気付いていないのは読者の皆様もなんですが、実は北・西・東の関所だけでなく、南西・南東の二つの関所も同時に討伐成功していたのです。
「………お前、ソイツらにやられるのを警戒してんのか?」
『俺は貴様との勝負に横入りされるのは大嫌いな性分でね。願わくば貴様と俺の二人きりで戦いたい。つまり―――』
「“俺とお前で最後まで生き残れ”……ってか?」
『……そこまで貴様に悟られては野暮だがな』
やはりここは好敵手の仲で通った絆。剣と銃司の戦いは、水を差されずに頂点で争うのが良く似合うのでしょうか。
『そういう事だ。それまで貴様が何処かの馬の骨に不意打ちを喰らわんことを願ってるぞ』
「じゃ俺もお前と同じ台詞をコピペで返してやんよ。グッドラック!」
若干皮肉ったような言い方で剣も応答し、プレイギアの着信は切断。そして剣は直様、報告ログのページを開いて南西・南東の関所の撃破情報を確認する。
『伊達神奈の活躍により、東西エリア関所・妬み嫉みのエンヴィーを撃破』
『松代光照の活躍により、南東エリア関所・小原恵美を撃破』
(“だてかんな”。 あれ、どっかで聞いたことがあるような………)
読者の皆様、このゲーム戦士の名前は実は前に一度や二度だけ出たことがあるのです。しかしてその実態は―――
「……ぬっ? 私に何か用か、Mr.G」
以前GAME29にて剣が桜と共に戦ったあの礼儀正しいお姉ちゃんの“弥風綾乃”が所属する仙台出身のゲームチーム【瑞鳳旋風堂】のメンバー!
キャプテンの伊達神奈、そして今ん所伊達の友達でもやしな松代光照が綾乃がWGCのオフィシャル試練奮闘の陰で、サバイバーモードに出場していたのです!!
「出番無いからってもやし扱いすんな!」
「語り部の話は無視しな光照、私らは鳳凰堂孔雀の縁で出場が決まったんだ、今は隠密ながらも最後まで生き残って、オーブを獲得するんだ」
綾乃さんのお師匠さんだけあって、生真面目ながら威勢の良い女性は伊達神奈さん! なる程これなら裏プレイヤーを一人で倒したってのも頷けます。
………あ、そういえばお二人共、確か鳳凰堂孔雀さんの司令で来たって言ってましたけども。その辺はどーなりました?
「あぁ、私らはただ裏プレイヤー討伐を手伝ってくれって話で来ただけさ。あの裏プレイヤーは私らや他のゲーム戦士が倒されれば別の場所へ転送される仕組みになるって鳳凰堂から聞いたよ」
別の場所? 具体的にどんな所で神奈さん?
「鈍いんだなーここの語り部は、仮にもアイツら裏プレイヤーは非道極道を平然と行った悪党だ。WGCを敵に思う連中が、WGCのゲームで負けた悪者が向かうのは当然……」
「早い話が処刑所だね。裏ゲームで鳳凰堂を混乱させた奴らを本人が黙ってる筈がないよ」
………鳳凰堂孔雀さん、改めて貴方って恐ろしい娘!!
さぁこれからの展開、色々気になりますがそれはさておき、現在生き残ったゲーム戦士は44名。
半分を切って間もなく第二のファイアウォール接近により半径1キロまでフィールド縮小しようとしております!
即ちサバイバーモード・クライマックス近し!!
強者共の戦いの連鎖は止まらない!!!
―――本日のGAME40はこれまで、アメイジング・サバイバーモードいよいよ後半戦に突入します!!
▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽
▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS▽
アメイジング・サバイバーモード、後半戦!!
次々に集結するゲーム戦士達、彼が激突する時勝利の女神は誰に微笑むか……!?
遂にグリーンオーブ・カーティシーオーブ獲得者現る!! 果たして一体誰だ!!?
この小説を読んで『面白かったぁ!』と思った皆様、是非とも下の「ブックマーク追加」や感想・レビュー等を何卒お願い致します!!
小さなポイントでも塵も積もれば何とやら、作者は跳ねて喜びます。(勿論ポイントも高ければ跳ねる高さも比例します)
更には後書きと広告より下の評価ボタンでちょちょいと『★★★★★』の5つ星を付けて、作者やこの物語を盛り上げて下さいませ!!




