【GAME40-9】ゲーム戦士×ユニット戦士・バディバトル！！

　――さてさて、龍牙が危なーいって時に場面切り替えで申し訳ありませんが、決闘を行っていたのは連合軍らだけではない。

　桐山剣と立海銃司、エース同士が各々プライド引っ提げて裏プレイヤーに挑む。

　早い話がユニットウォーリアーを契約した者同士のガチンコ勝負だ！

　▶▶▶ NEXT▽

「悪いなキザンの空手兄ちゃん！ こちとらユニットウォーリアーも契約してん、２VS１じゃフェアじゃねぇだろうが……こうも血祭りに仕立てあげたアンタじゃ物足りねぇか？」

「構わん、ゲーム戦士だろうとユニットだろうとわたしの辻斬り相手になるならアンフェアでも上等！ 君もわたしの斬撃技で朽ち果てるが良い！！」

　殺気メラメラ、真っ赤な血で染まった武道着で着飾り殺傷衝動に駆られつつある裏プレイヤー『辻斬りのキザン』。

　対するは桐山剣と契約を交わしたユニットウォーリアー《サラ・チャンドレイユ》。確かにフェアじゃない展開かもしれない。だがそれでも受けて立つキザンの自信は何を物語っているのか。

(……なぁサラ、相手と距離がある今は、取り敢えずは『火炎弾』だ。そいつで牽制しつつ、俺の近距離技でフィニッシュ。ＯＫ？)

『分かったわ！ 任せて！』

　ジェスチャー並びにツーカーの呼吸でユニット戦士と意思疎通を交わす剣。

　このサバイバーモード、通常の決闘とは違いHPとカードが少ない分一瞬の判断で決着が決まるスピード勝負。

　剣のHPは現在600、サラはカードのDPと同じ数値の400。何れにしても悠長に構える暇はない。

　―――そしてユニット戦士・サラが仕掛けた！！

『火炎弾！！！』

　サラの両手の平から放つボール型の火炎弾。発射スピードは時速130キロ、APは100だがカードを消費しないユニット戦士の常備技だ。

　――ボムッ！！！

　〔辻斬りのキザン HP500→400〕

　その火炎弾がキザンに直撃、ダメージウィンドウの掲示に剣にHP数値を悟られた！

「なる程そんなにHPは高くないか、んなら短期決着と行くか！！」

　サラの先制攻撃に続いて、剣も加勢に動きキザンに急接近！ その身軽かつ滑らかな動きはキザンが火炎弾によって起こった土煙に翻弄される間もなく―――

「ハロー☆」

「うわッッッ？！！」

　キザンの顔にドアップで映った剣のアホ面。それにビックリ仰天怯んだ隙を見逃さない！！

　――――斬ッッ！！！

　〔辻斬りのキザン HP400→200〕

　剣の右手に掴んだロングソード《斬ブレイカー》、長い刃のリーチにAPは200と攻撃力も高い。僅かな数値であと一撃でノックアウト。まさに短期決着に相応しきフィニッシュを決められる――――

　シュッッッ

「！？」

　筈だった………！！

　〔桐山剣 HP600→300〕

　突如エフェクトに出された剣のダメージウィンドウ、それに反し衝撃・痛撃も感じず動転する剣。だがその刹那………

　ズキッッッッ

「ガアァッッッ！！！！！！」

　右手に稲妻が直撃したような想像を絶する痛み、衝撃に仰け反る剣！！ そしてやられた部分には青いアザのようなものが浮き上がっていた！

『剣くん！！！』　

（痛い、痛い痛い痛い痛いッッ、ごっつ痛い！！！！）

　サラも心配になる程に痛がる剣、痛みの度合いで例えるなら、歯の神経を麻酔無しでドリルで抉られるような失神前提の痛撃。これには右手の《斬ブレイカー》を地面に落とし、持つことすらままならない！

「どうだねわたしの斬撃は？ 空手における手刀・足刀技を極めた威力は打撃をも超越する。敵の皮膚、筋肉神経、更には骨をも斬る事の出来る斬撃拳。ゲームとはいえ痛感は現実と変わらん、さぞ痛かろう！」

　★――――――――――――――――――★

　〚辻斬りのキザン・ＰＡＳスキル〛

【辻斬り斬撃拳】

　キザンのＰＡＳ『カミソリ』によって実現する

　驚異の斬撃技。

　手刀・足刀技にAP300ダメージ、更に

　ヒットした部分を確実に『麻痺状態』に

　させる。

　★――――――――――――――――――★

　キザンが繰り出した斬撃技は『いざとなったら魂を込めろ！』と発動させたＰＡＳスキルであった！

　剣の右腕にヒットした斬撃は、神経をも切断させるエフェクトとして『麻痺』のデメリットステータスを付加させた。その威力は武器を拾おうとする剣に容赦無く襲いかかる！

「ッッ？！ 右手が動かね……！」

　余りの痛撃に武器すらも持てなくなった剣！ 利き手であるだけにこの麻痺は致命傷だ。

「終わりだッッ！！」

　それに対しキザンが剣に迫る！ だが剣は右手を失うも代わりの左手には《シルバープレート》なるライトな盾を装備しており、斬撃を跳ね返すに成功するも満身創痍でガードするのに精一杯だ！！

　そして頼みの盾も………

　シュッッッ、パリィィィイン！！！

　……っと真っ二つ！！ 丸腰状態の剣！！！

「まだまだぁ！！！」

　しかし左手が空いた事により、デッキのカードを加える事が可能に。3枚引いて装填口にセット、という事は……！？

「サラ頼むぞ！ 【サラマンダーシールド】！！」

　★――――――――――――――――――★

　〚スペシャルコマンド〛

【サラマンダーシールド】

　消費カード:3枚 DP700

　効果:ドーム状の炎のシールドを作り、

　20秒間全てのダメージを無効にする。

　※ファイアウォールも防御可能。

　★――――――――――――――――――★

『剣くんから離れろーーーー！！！』

　サラのスペシャルコマンド、ガード戦法！！ 両手をクロスさせて念じると同時にパイロキネシスよろしく自然発火でキザンの前に真っ赤なドームの炎壁を発生させた！

「くっ、これでは接近できん……！」

　キザンと距離を取ることに成功した剣。苦悶の表情で必死に右腕を抑えながらも間一髪ノックアウトは逃れた。

(やりやがったな……！ この痛み、倍にして返してやる！！)

　▶▶▶ NEXT▽

　さぁまだまだバトルは書きますよ、せっかくの夏休みですもの！！

　続いては同じくゲーム戦士とユニット戦士のバディ、立海銃司と《シルヴァー・メフィスト・ロード》！

　対するはトリガーハッピー女子の裏プレイヤー『弾丸豪雨警報のターニャ』だ！！

　ガガガガガガガガガガガッッッ

「ほら撃て撃て撃て撃て撃て撃て撃てぇぇぇぇ！！！！」

　視界に敵が見えれば、形振り構わず脚立式のガトリング砲でぶっ放す物騒な女のターニャ。このゲリラ弾丸豪雨にはさしもの銃司も翻弄されるかと思いきや。

「シルヴァー、俺を守れ。【ダークネスマント】！」

　★――――――――――――――――――★

　〚スペシャルコマンド〛

【ダークネスマント】

　消費カード:1枚 DP600

　効果:AP100以下の攻撃を跳ね返し

　無効にする。

　★――――――――――――――――――★

『……この人間、やるな。我をここまで冷徹に扱うとは悪魔的プレイとは言ったものだ』

　慌てず騒がずスペシャルコマンドでガトリングを対処する銃司。感情的な剣と対称的にクールなプレイスタイルにユニット戦士のシルヴァーも感心する程。

「何も焦る場面では無いだろう。弾丸の雨を防ぐ手立てがあれば痛くも痒くもない。それに……」

　ガガガガガ………カチッ、カチッ。

「ちぃぃッ、弾切れか……」

　銃型の武器に共通するデメリット、装填弾の空撃ちにリロードを余儀無くされるターニャ。その時銃司も高火力ピストル《フェザーボーイ》片手に反撃に出る！

「途切れぬ弾も良いが、仕留めるなら一発に全てを賭けたマグナム弾だ。頭に鉛玉、実食してみるがいい……！」

　などとターニャに負けじと物騒な台詞を吐く銃司。頭に狙いを定めヘッドショットで決める気だ……！

　――――BANG！！！ ………ビシッ！！

　ターニャの頭に確かに弾丸が直撃。しかし手応えとしては何やら金属が当たったかのような高い音、ヒットするには硬い感触に違和感があった。

　それもその筈、ターニャの周囲には透(・)明(・)バ(・)リ(・)ケ(・)ー(・)ド(・)が覆われていたから！！

「光反射で透明化したバリケードだと……！？」

　★――――――――――――――――――★

　〚弾丸豪雨警報のターニャ・ＰＡＳスキル〛

【フォートレスランチャー】

　発動と同時に自分の周囲にセットされる

　見えない壁『ミラージュバリケード』(DP500)と、

　ガトリング砲『ラピッドファイア』

(AP100×100)を装備出来る。

　★――――――――――――――――――★

　まさに掃射要塞！ 『いざとなったら魂を込めろ！』の一思いでこんな事まで出来るとは、ＰＡＳの力恐るべし！！

「あっはははははは！！！ 壁も無しにガトリングぶっ放してるとでも思ったかバーカ！！ 飛び火も守ってこそこの要塞が出来上がるのさ！！！」

　更にこれでもかと言わんばかりにターニャがブレスにカードスキャン！

『ツールカード、【バレットチャージ】！！』

　◎――――――――――――――――――◎

　〈アクションカード〉

【バレットチャージ】

　属性:赤

　効果:自分の銃型武器のAPを300アップする。

　◎――――――――――――――――――◎

　ここで火力強化カード、ターニャの『ラピッドファイア』のガトリングを強化してAP400にパワーアップ。これでは銃司のマントによる回避は不可能！

「さぁガトリング第二豪雨、受けてみな！！！」

　バリケードのお陰でリロード装填も完了したターニャ、再びゲリラ弾丸豪雨が二つの影目掛けて撃ち放つ！！

　―――もう字に起こすまでも無く喧しく鳴り響く掃射轟音。それが衝撃で土煙を起こすほどに銃司とユニットウォーリアーのシルエット目掛けて蜂の巣にしようと躍起になるターニャ。

　……だが、あれだけの弾丸を注いだにも関わらず、銃司らのダメージウィンドウが表示した様子は全く無かった。

「……あぁ！？ あの貴族バカが居ない……？ 何処だ！！」

　いいえ、ちゃんと居ますよ。タ(・)ー(・)ニ(・)ャ(・)の(・)後(・)ろ(・)に！！

「ユニットウォーリアーの能力を侮ったのが、貴様の致命的な敗因だ！！！」

　――――BANGッッ！！！！！！

　立海銃司、渾身のゼロ距離マグナム・ヘッドショット、クリティカルヒット！！

　この銃撃が、ゲーム戦士の底力を魅せる引き金へと変わる！！！

　――本日のゲーム、これまでッッ！！

　▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽