【GAME40-8】最凶激突・バトルラッシュ!!
――凶悪な戦意と殺意が立ち込めた裏プレイヤー達が待つ関所。彼らを討伐すべく動き出したゲーム戦士達。
彼ら裏と表の戦士らの決戦が行われようとしているその方角は北・西・東の3ヶ所。
だが関所は5ヶ所ある中で、全くその気配を漂わせない関所が2ヶ所あった。
南東エリアの小原、南西のエンヴィー。共に裏ゲーム失敗によって力が弱まった裏プレイヤー達。
「……オカシイ。拘束されテル割にハ一向に決闘の起こる気配がナイ」
「何なのよ全く……、粛清される覚悟はしてたのに放置プレイ!? クソッ鳳凰堂の癖して憎たらしい……!」
北半分の方角でゲーム戦士達が密集している故に、エンヴィーらには一向に目を付けられないという奇妙な展開。成敗されない焦れったさと、相手にされない事への苛立ちはある意味屈辱的であるが。
北側の方では激闘寸前まで近寄る中で、南の方は音も無く時だけが流れる。“嵐の前の静けさ”とは言ったものか。
――ところが、人気もない筈の南半分エリアに気配を消して、彼女らの関所に接近する2名のゲーム戦士の姿が。
(こりゃいけねぇわ、あの女共かなり弱ってる。生々しくて見てらんねぇよ!)
(それでも参加したからにはアイツらの悪行を吐かせるんだよ。鳳凰堂孔雀からの指令なんだから)
気配は無い故に文節でもグレーにシルエットを隠す二人組。何やら鳳凰堂と関わりがあるようなのですが……何はともあれ気を付けろと言うべきは、小原とエンヴィーではあるまいか?
▶▶▶ NEXT▽
――さぁ前置きはこれくらいにしていよいよ本題!
北・西・東の3ヶ所で繰り広げられる激戦三連続、まずは東エリアの倭刀ら連合軍VS単細破壊坊のギガントスとの決闘から、順々に3つのバトルの行方を展開していきます!
それでは参りましょう、本日のベストバウト・トップ3!!
「……ヌッ、マタ現レタカ――!!」
ギガントスの眼の先、ポータルタワーと東エリアを結ぶ大橋を渡り、関所に迫る無数のゲーム戦士達。
キラーの忍野龍牙を筆頭に、現れた池谷倭刀率いる討伐連合軍、急接近……!!
「やいやいやい裏プレイヤー!! 俺達を倒せるもんなら倒してみぃや、こっちは龍牙さんが殺りたくてウズウズしてんだ!!!」
倭刀は関西出身なのに江戸っ子気質で啖呵を切り、龍牙はそれに乗るように、ナイフの武器を片手に首を掻っ切るジェスチャーでギガントスを挑発する。
「何人来ヨウトモ、“破壊”アルノミダ……!!」
連合軍、総勢8人の軍勢を率いても臆することを知らないギガントス。再び巨大鉄球と鎖を担いだモーニングスターを振り回し、『来るなら来い!』とこっちも負けじと威嚇する。
倭刀、龍牙、戸塚、豪樹の四人漢が前列でガードを固めている中、気掛かりなのは残りの四人。
みのりや桜といった女子勢が、何やら全員黒いローブのような衣を纏って全身を隠していた。
(……じゃ龍牙さん、あのフランケンもどきは絶対豪快プレイかますだろうから、先ずは背後じゃなくて真正面で惹き付けといて下さい!)
(……ケッ、真正面勝負とか忍者らしくねぇが、しゃーねぇな)
ケチを付けながらも倭刀の作戦に乗る龍牙、狂犬でも味方に付けるとこれでもかと安心出来るのは、どういった魔力なのでしょうか?
「マダ懲リナイカ、忍者メ……!!」
破壊しそこねた相手に歯ぎしりを立てるギガントス。今度こそ仕留めんと躍起になる所ですが、倭刀には得策が控えていた!
「……よっしゃみのりさん達! 例のモン見せてやんな!!」
その時みのりら女性陣、男性陣の前に立って纏っていた黒いローブを脱ぎ捨てた!!
「「「「ジャジャーン☆☆♪」」」」
あーら不思議やら! ローブの脱いだ先には桃源郷……いやいや、ゲーム戦士ヒロインのストリートファッションが待っていたではないか!!!
――エントリーNo.1 河合みのり
ローズピンクの優しい桃色で着飾ったドレス、純真爛漫の汚れない白のティアラがチャームポイント。ゲームで戦うプリンセスモデル!
――エントリーNo.2 時実桜
みのりのロングと対称にショートドレスのダイヤモンドカラーワンピース、その上には純白エプロンで装い無機質なコーディネートながらも不思議な魅力を醸し出す。あぁこんなメイドにご奉仕されたいっ!!
――エントリーNo.3 水谷由佳
可憐な衣装の後は肉体美のボディは如何でしょう。スポーツインストラクター所以の動きやすさ重視な衣装はぴっちりタイトなスポーツウェア。
水色ベースのハーフパンツとスポーツブラからはみ出る素肌からは、鍛え上げた筋肉が強者を魅了する!
――エントリーNo.4 綾小路愛実
セレブたるもの、常に輝きを忘れるべからず。等と称すようにトップスもボトムスもキンキラキンの金ベース! 更にはやたら高そうな装飾品もチャラチャラ付けちゃってシノラーすらも口あんぐり。
サングラス必須の輝きに天井でも飾って照明替わりしたい所!(?)
以上ゲーム戦士ヒロイン4名、ファッションショー風にアバタースタイルを語ってみました!
(何で私達がこんな事を……)
(倭刀が立てた作戦ですから、龍牙さんを出し抜いたその器量に賭けてみました)
(あたしなんて語り部に照明呼ばわりされてんのよ!)
などと倭刀の作戦とやらにボヤいてるみのり達ヒロイン、ただその中で文句を言わなかったのは水谷さんだけ。大人ですな。
何故こんな事をする事になったか、ギガントスのPASの形と思われる『フランケンシュタイン』が、馬鹿力な割には女に弱いという弱点に着手しようと倭刀は考えたからなのです。
だが第三者から見れば『んな見え透いた作戦で通るか!』と無言のツッコミを出しそうな展開。だがこれは予測を斜め上に上回るこの小説、つまり……
「オオオオオオオオッッ、女ダアアアアアアアアッッッ☆☆☆」
変化球も何も無い、性欲どストレートでした!!!!
「……アホらし、アイツバカだけでなく童貞だったか」
「言ってる場合じゃないすよ龍牙さん。あの頭のツギハギ、狙うなら今っすよ」
弱点と思われる頭を隠さず、ムラムラも隠さず。ギガントスがヒロインに夢中になっている所でモーニングスターもブラブラと持ってるだけの今が襲撃のチャンス!
「ッッしゃ、くたばれギガントスゥゥゥッッ!!!」
雪辱を果たしに短刀カード《ブラッディナイフ》を逆手に飛び交う龍牙、ギガントスのPASから浮き出た頭部のツギハギを狙いに定めて一撃必殺を―――――
「飽キタ」
「え」
これまた意外、ギガントスは女に弱かったが思いの外飽きっぽかった!!
ヒロインから急に視点をゼロ距離まで迫った龍牙に変え、モーニングスターの破壊鉄球が飛び交う!!!
「ヤバいッッ!!!!」
龍牙、万事休すか!!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




