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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME40-5】団結の時・ゲーム戦士同盟!!

――TIPS――

【裏プレイヤー・データファイル】

データNo.882『単細破壊坊のギガントス』


サザンクロスの口車に乗せられて勧誘、【ゲーム細胞強化剤】を打たれて破壊思考に乗っ取られた。

この作用を利用し、サザンクロスの裏ゲームに乗っ取りWGC主催のゲームイベント会場を数多く全壊・半壊させた罪でブラックリスト掲載済み。

 

 ――裏プレイヤーの強さに戸惑うゲーム戦士達。単独で動こうとしてもその圧倒的なパワーで潰される始末。

 11キルを奪った龍牙でさえもユニットウォーリアーを潰され、八方塞がりの様子。


 そんな中で、一際冷静に判断して裏プレイヤー打破を企てる勇気あるゲーム戦士が一人。

 太陽の魂を宿したシャッフルの侍・池谷倭刀である。


「……俺はエンヴィーと戦ったから分かるけど、一人で戦った時のしんどさったら無いぜ。恐らくそいつら五人設けたって事はアイツ以上の強さを持ってる奴もいる。


 てことは……ここの周囲にいるゲーム戦士達を集めて、一斉に攻撃した方が効率良いと思う。だから俺が動かなアカン!」


 裏プレイヤーとの実戦経験済みの倭刀は、己の力量と状況を冷静に分析して、敵同士であるゲーム戦士達との協力を要請すべく自ら動き出した!


 現在倭刀が待機していたエリアは北東の鉄骨施設。そこから抜け出して北の方から招集しようとした所、都合良く第一要請者発見!


「……あ、水谷さん! 水谷さんこっちです!!」

「倭刀くん! どうしたの?」


 ゲームジムインストラクター、プルプルボディが強みの水谷由佳と再会。馴染みがある人だから話も通じやすい。


「今から裏プレイヤー討伐に行こう思ってるんすよ、でも俺一人じゃ心許ないから、水谷さんも一緒に行きませんか?」

「二人で行くの?」

「いやもっと人集めます。利害の一致繋がりで、勿論攻撃しない約束で!」


「……そうね、一緒の方が安心だしそうしましょ!」


 こーゆー場面こそ、人との繋がりが暖かく感じる瞬間でしょうか。協力してくれる水谷の感謝を忘れず、倭刀は更に人を集める。


「あ、彼処に居るよ」


 水谷が指を指す方向に人影一つ。その正体は、綾小路優に騙され疑心暗鬼に身を隠す戸塚だった。


「うわっ、な、何だよお前ら!!」


 神経を尖らせて警戒レベル最大の戸塚は倭刀らが近づく即座に武器のハンドガンを向ける。


「待って! 私達は攻撃はしないわ!!」

「今から俺らで裏プレイヤー討伐の同盟を組むんですわ。強制はせぇへんけど、アンタも一緒に行きまっか?」


「って、お前……この前ギガント加賀と決闘してた倭刀じゃないか? シャッフルオールスターズの()()()の」


(誰が腰巾着や)


 さり気なく第三者側の印象にカチンと来る倭刀であったが、戸塚はどうやら倭刀に対しても抵抗があるようで。と云うのも、


「俺はお前に散々罵詈雑言吐いた男だぞ? そんでさっきもガキに騙されたばっかで……もう誰も信用したくねぇんだ!」


 戸塚もまた、あの裏ゲームによって嫉妬心を操られた者の一人であった。本音も入り混じった罵りをぶつけた罪悪感と、優に騙されていた事が枷となって、自棄になりつつあったのです。


「俺は暴言の事は気にしてまへん。そんな事よりも騙されたって誰にやられたんすか?」

「綾小路優だ。同盟組むって言いながら、俺の事を盾やら餌にする気満々だったんだ」


(…………あの、ボケェ)


 どうしようもない捻くれ根性の優に倭刀も苦虫を噛む。すると戸塚も苛立ちの頂点に達し、何を考えたか倭刀に迫る。


「お前らも、どうせ俺を利用する為に迫ったんだろ!? だったら真っ平ゴメンだぁ!!!」


 ――パァン!!


 戸塚のハンドガン武器『EP-36』のゼロ距離で発砲した弾道が倭刀の頬にかすり、ダメージエフェクトを負わせる。


「やむを得ませんね……!」

 突如の戦闘に水谷も構えを取るが……



「そんな撃ちたきゃ撃てや!!!!」



 冷静さを失いつつある戸塚に激を飛ばす倭刀。逃げも防御もせず、胡座(あぐら)をかいて煮るなり焼くなり好きにしろ言わんばかりに戸塚に叫んだ。

 侍で例えるなら、白装束に辞世の句を垂れての切腹の覚悟……は言いすぎでしょうか?


「お前、何を……?!」


「撃つのじゃ躊躇うか? だったら刀か、刃なら裏切られた憂さを晴らせるか!?」

「な、な……?!!」


 ここで倭刀、何と自ら獲得した《村雨の刃》という両刃剣のカードを戸塚目掛けて投げ捨てる。これには戸塚も困惑の極地に達した。


「俺を斬ろうが撃とうが構へんけどな、裏プレイヤーの始末はアンタか、他の奴らがアクション起こさなゲームは終わらへんで。それでもアンタは俺を撃つ覚悟はあんのか!!?」

「―――!!」


「一度や二度の騙されが何や! 強い奴らは皆どっか狡猾で自分勝手な奴ばっかや、八つ当たりしたって直る連中やあらへんがな!!

 アンタがその優のアホタレを見返してぇって思うなら自分に勝たな、人を信じる心を捨てたらアカン!!!」


「……………」


 倭刀の鼓舞にも似た自己犠牲の精神に、戸塚の荒んだ心に良心が響き、武器やカードが手から離れた。


「…………やっぱ、剣んとこのシャッフルは強えなぁ……! ゲームの強さだけじゃなくて、心も……!!」

「アンタ、剣さんを知ってるんで?」

「ああ、G-1グランプリと巨大ピンボールで一緒になった。俺の常識なんかハードルのように容易く飛び越えやがる。……お前も心意気が剣となんとなく似てるわ」


「…………まさか。俺なんかまだまだ……」

 とは言いつつも、倭刀も満更でもない顔だ。


「疑って済まなかった。裏プレイヤーの討伐、俺も協力する!」

「―――あざます!!」


 “雨降って地固まる”。戸塚と倭刀に交わされた固い握手。これを期に倭刀達は東エリアを中心に、更にゲーム戦士を集めていく!


「―――あれ、彼処にいるのは愛実か?」


 ここで倭刀が再びゲーム戦士を目視、その相手は優とは相対的に大人しげの姉・綾小路愛実(めぐみ)だ。


「愛実の姉ちゃん!」

「倭刀……? なんか群がってるけど、何もしないよね?」

 愛実も倭刀の事は知っていたようですが、二人も連れていれば相手も警戒せざるを得ない。


「しないしない! 今から俺ら同盟組んで裏プレイヤー討伐しよか思ってんすよ!」

 倭刀の声掛けに水谷も戸塚もそうだそうだと促す。


「さっき彼処の方にハル◯みたいな裏プレイヤーが居たわよ?」

「あー、て事はパワー系か。じゃもっとメンバー増やすんで、愛実姉も協力してくれまっか?」


 愛実の答えは『OK』、これで四人目成立。



 ▶▶▶ NEXT▽


 更に東エリアの建物から、ある一人のゲーム戦士が移動を始めていた。


「裏プレイヤーをやっつけないとゲームが進まないんじゃ大変だわ! 私も非力だけど少しでも協力しなくちゃ!」


 優しいだけでなく正義一徹強い心を持つシャッフル・河合みのりも、ゲームに波乱を起こす裏プレイヤーに黙っちゃいられないと、果敢に行動を起こす。


「みのりさん!!」

「……あ、桜ちゃん! もしかして裏プレイヤー討伐に行くの?」


 偶然にも立海メイド・時実桜と出会ったみのり。チーム間を超えた仲良しさん達にいがみ合う道理は無し。


「こうなれば一人より二人ですわ。みのりさんも一緒に行動しましょう」

「勿論! 桜ちゃんがいれば安心ね」



 ――ゲーム戦士達が続々と合流していく中で、先程ギガントスに惨敗した龍牙は黙々と別エリアの裏プレイヤー関所の様子を隠密に確認した。


(……北エリアは『辻斬りのキザン』か、刃物相手じゃ悪くねぇが、今のカードじゃ厳しいか……クソっ)


 龍牙はユニットウォーリアー購入によって、戦力になるカードは消費。更にそのユニットもギガントスによって消滅した為に、単独行動すらもままならなかった。



 ▶▶▶ NEXT▽


 一方、倭刀ら裏プレイヤー討伐同盟を組んだゲーム戦士達。途中にてみのりと桜も合流して、これで6名が結集した!


「ここにいる皆は、不意の攻撃はしない約束で集まってるんだよね?」

「それを守れるのなら、私とみのりさんも一緒に向かいますわ」


 この誓いには全員が同意。利害の一致した者同士が、裏プレイヤー討伐を目的に協力し合う事を決める。



(だいぶ攻守整ったチームになったな……ただ群がるにしても、突撃して万が一メンバーがやられたら、また俺恨まれるだろうしな……)


 主権を握る倭刀は未だ不安の色が隠せない。

 何か裏プレイヤーの威嚇や、脅威となる用心棒的な存在も欲しいと願う中で、その願いは思わぬ所で叶った。



「なんだぁテメェら、弱いもんらが群がってえっちらおっちらと鬼退治かぁ!?」


「「「「え、げええぇえぇぇええ!!!??」」」」



 これにはゲーム戦士らの殆どが驚愕した! だってさぁ、その相手が他ならぬ…………



「忍野龍牙――――!!!!」



 まさかの狂犬がゲーム戦士同盟とコンタクト!! この波乱に池谷倭刀の決断がどう転ぶのでしょうか!?


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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