【GAME39-10】ユニットウォーリアーを超える者!!
【アメイジング・サバイバーモード近況報告】
※ゲーム開始20分経過※
・ゲーム戦士生き残り人数:69名
・ユニットウォーリアー契約者
桐山剣→《サラ・チャンドレイユ》
忍野龍牙→《爆炎の忍者》
フローレン・シェイパー→《ライトニング・ザ・ショット》
★そしてもう一人、ユニットウォーリアーの契約者が……!!
――そうなんです、実は桐山剣が激闘の末にユニットウォーリアーを契約したのと同時に、別エリアにて闘技場で勝利し契約をした者がいたのです!
「さぁ、この立海銃司に誠意を尽くすがいい。ユニットウォーリアー!!」
勝利品のコントラクトリングを装着し、ユニットとパートナーを組んだ銃司。そして肝心のユニットは長い銀髪を靡かせた黒紳士の悪魔、【シルヴァー・メフィスト・ロード】だ!!
『―――貴族よ、この悪魔である我と契約を交わす事は何を意味するか分かっておろうな?』
ありゃ、ユニットウォーリアーでも傲慢で高圧的な性格の者も居たんですね。誰かさんとそっくり!
「当たり前だ。俺は勝利の為なら悪魔とて魂を売り渡す男よ。それで負けたのならば、貴様も気の済むまで俺の魂を喰い荒らすが良い」
などと相変わらず命知らずな事を吐く銃司さんなのですが、ここは戦いを通じて契を交わした者同士。認め合った者にシルヴァーも彼の器に感服する。
『“敗北は死よりも屈辱”か。貴様の魂に恐るるものは無いと見た。―――良いだろう、ならば我の力を使いこなして見るが良い!!』
「フッ、俺はユニット使いが荒いんでな。せいぜい過労死はせんことだ……」
高貴な者同士の誇り高き絆をしかとこの眼で見た私Mr.Gなのでした。
▶▶▶ NEXT▽
さて、戦場の話題を掻っ攫うのはやはりユニットウォーリアー。
闘技場の誘惑に惑わされては後悔する者は続出する中で、そもそもこの“ユニットウォーリアー”を血眼に探す意味があるのか、存在意義に疑問を感じた者が現れた。
その男は、立海参謀・大門史也。
「……私もふと考えたのだが、何故に皆はユニット戦士を手に入れようとするのだ。残機が増える訳でも無しに、仮に手に入れたとしても自分も戦う事を疎かにしては隙を生むぞ」
ユニットウォーリアーはあくまでもゲーム戦士の戦闘力を補う為のパートナー。使い方次第では時に標的にされやすくなるというデメリットを持つと考えた史也は、無理に戦力強化をせず待機する事を決めた。
「銃司がユニットウォーリアーを手にしてるとしたら……命取りにならねば良いが」
▶▶▶ NEXT▽
史也さんの考察は、時々予言になる時があります。というのもユニットウォーリアーを獲得した一人、フローレン・シェイパーが闘志剥き出しに獲物を探そうとしていた。
「……あ、フローレン。標的を発見したぞ」
「ホントですのお兄様!」
「僕から見て2時の方向、一人発見だ」
中央から東の団地エリアの高台で監視する兄・サーブルズから敵発見の合図。その視線からはキョロキョロと警戒をしつつ移動するゲーム戦士の姿。
しかもその正体、優との同盟から逸れた戸塚であった。まさかのシェイパー兄妹と鉢合わせだ。
「よっしゃー行くですのライトニング!!」
『おう!!』
「え!? ちょっと待てフローレン!!」
「大丈夫ですのお兄様! こんな平民に遅れを取る私じゃないですの!! フローレン行きますの!!」
ユニットウォーリアーの強さに惚れ込んで早く敵を撃破したかったのか、兄の静止も構わずに突撃するフローレン。当然戸塚もその様相に否が応でも気付いた。
「ゲッ?! ユニットウォーリアーじゃんか!!」
「行くですの!! あのヒョンヒョロをやっつけるですのーーー!!!」
戸塚の逃避行トップギア! ユニットウォーリアーとゲーム戦士の猛進に反撃する力は自分には無いと悟った戸塚は、とにかく逃げに逃げる。
団地から逃げた先の北の方角は、裏ゲームで混乱したあの旧都エリア。次々に並ぶ建物の死角を利用し何とか巻こうとするが……
「何や……? 何か近付いて来る、っておぉッ?!!」
「あれはフローレンさんですね」
同エリアで張り込んでいたシャッフル格闘家・豪樹、立海メイド・桜もこの逃走劇に巻き込まれた! 戸塚より距離があった彼らは別々に距離を取りつつ戦いへ勃発せずに済んだ。
「ユニットウォーリアーを持っていたのはフローレンさんだったのね」
「あれはアカン! 幾らワイでもソロで相手は無勢やで!!」
プレイギアから報告されるログは撃破情報のみ。ユニットウォーリアーの獲得といった細かな情報が流れない分、ブラフを踏んだ状況把握の力が必須となる。
しかし先程の逃走劇で、フローレンがユニットウォーリアーを獲得した事を知った有力戦士がその警戒と標的を向ける一因になりつつあった。
(闘技場でのユニット戦士獲得は相当な戦闘センスを必要とする。幾らフローレンさんが一人で戦うにも隙が多い彼女だからあり得ないとして……自分で買ったんだわ!)
ユニット戦士獲得への経路を推理しつつ、フローレンの出処を探り始める桜。もしかと思いますが……チェックしておきましょう。
▶▶▶ NEXT▽
「ダメだ、フローレンの奴ユニットウォーリアーの力に自惚れてる。このままじゃ危ない!」
妹の独断行によって再びペアから離れた兄妹。強いものを手にしたフローレンがその力を試そうと躍起になる姿を見て、危惧した兄は必死に妹の元へと目指す。
「やっぱりユニットウォーリアー凄いですの〜♡ 男なんかみーんな後退りしていくですの」
高飛車な性格のフローレンは、兄の思惑通りユニットウォーリアーの力を使いたくてウズウズしてる様子。FPSでこのような心境に達した時が一番危険なコンディションらしい。
そして裏では、ゲーム戦士達の結託が行われようとしていた!
「貴方は……豪樹さんですか?」
「お、お前は桜ちゃんか」
豪樹と桜、そして戸塚。三人共立て籠もった者同士がフローレンの乱入と戸塚を巻き込んだ事で合流する事に。
「今の状況はかなり危ない状況です。一時だけ私と組みませんか?」
「せやな。今は驚異を払う事が優先や」
「俺も頼みます。優が居ない今だけは組もう」
かくして豪樹・桜・戸塚の異例のトリオが結成。しかし人の集まる所にまたゲーム戦士が現れた。
「……あ、優!!」
何とこんな非常時に逸れた綾小路優と合流。だが当の本人は何やら不穏な空気を漂わせる。
「戸塚さーん、中々有能じゃないですか。立海にシャッフルのゲーム戦士までカモにしてくれるなんて!」
「バカ何考えてんだ! 俺は今ユニットウォーリアー討伐の為に結託を――」
「関係ないね。このゲームは僕一人だけ勝ち残れば良いんだ。ユニットウォーリアーとやらが消えた後は、戸塚さんも僕の撃破の餌食になって貰うから」
「お前……最初から俺を嵌めやがったのか!!」
ようやく気付いた優の悪巧みに激昂する戸塚。と言う事は戸塚ら三人は優とフローレンの両合わせに挟まれたという訳だ。
「兄ちゃん、どーやらあっちのガキに一杯食わされたようやな」
「……そう言ってる間にも来ましたよ、フローレンさんも!」
街路をくぐり抜けて群がるゲーム戦士達の元へ辿り着いたフローレンとユニット戦士。
「―――あっ、シャッフルの豪樹に桜さんですの! 彼処のお子ちゃまはともかく、こうなったら皆やっつけてやるですの!!」
参加者皆平等のサバイバルゲームに、先輩でも容赦無しのフローレンがユニットウォーリアーの指示と共に大混戦を勃発させた!
「ライトニング、行くですのーーー!!!」
『了解!!』
―――BANG!! BANG!!
ユニット戦士の《ライトニング・ザ・ショット》、装備の二丁拳銃が唸る!!
何人か被弾しダメージを喰らう中で、フローレンは例の“スペシャルコマンド”を放つ!
「ライトニング、【ガトリングファイア】ですの!!」
『あいよぉ!!』
★――――――――――――――――――★
〚スペシャルコマンド〛
【ガトリングファイア】
消費カード:3枚 AP100×50
効果:50発連続掃射のガトリング砲
で敵を一掃する!
★――――――――――――――――――★
ガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッ
「うぉぉおおおぉぉお!!!!?」
降り注ぐ弾丸の夕立ち・ゲリラ豪雨! これには桜も豪樹も優も、ライトニングの発射距離や標的から避けて逃げるしかない中で、戸塚は一点にユニット戦士の標的になってしまった!
「ヒョンヒョロ君! 貴方からやっつけてやるですの!!」
「誰がヒョンヒョロだ、戸塚だよ!! そうはいくか!!!」
この逆境を抗う戸塚、決死のカードスキャン!!
『アクションカード、【心眼の構え】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【心眼の構え】
属性:青
効果:自分の『回避力』と『速度力』を
3段階上げる。
◎――――――――――――――――――◎
カードの力によって、心の眼を開眼した戸塚、降り注ぐガトリングの雨を完全に見切り、海老反りからのきりもみ交わしとアクロバティックにスペシャルコマンドを乗り越える。ゲーム戦士界のマトリックスだ!!
「きぃい〜〜!! 待ちなさいですの!!!」
フローレンもトサカに来たのか、執拗に戸塚を追い回す。既に三人はユニット戦士の驚異で混戦から離脱するも、彼はただ一人この修羅場を乗り越える!
「離れろ金髪!!」
「離れないですの!」
牽制し合う戸塚とフローレン、そこで追い打ちにと彼女が再びスペシャルコマンドを取り出そうとするが、
「―――あっ、カードが無いですの!!!」
痛恨のカード不足!! 度重なるカード消費によって遂にフローレンのカードが0枚になっていた!
そして彼女の火力切れの機会を待っていた者が―――
―――ヒュン、ドスッッッ!!
「あっ…………桜、さん…………!!!」
「迂闊ですよフローレンさん。同じ戦団の後輩とて、私が貴方を狙わない保証などありませんわ」
〔フローレン・シェイパー HP0 KNOCKOUT!〕
音も無くフローレンの懐に忍び寄り、《ハーケンナイフ》なる短刀で止めの一突きにより、撃破するは時実桜。一番容赦無かったのは立海の先輩であった!!
「ユニットウォーリアーのコマンドによるカード不足、それにフローレンさん自身の防御を怠った結果です。自身の防衛を疎かにして強い力に自惚れた罰です。今後の課題に加えておきなさい」
「うぅ……桜さん、厳しいですの……」
そしてしょんぼりと反省するフローレンは敗退による強制転送。並びにユニットウォーリアーは消滅して、残されたのはフローレンが残したなけなしのカードが入ったデスボックスのみ。
だがそれをネコババしようとする愚か者が約一名。
「はははは! また僕が傷付かずに一人消えたぞ。今のうちにカードを奪うとするか」
戦い散った者のカードを荒らす害虫、綾小路優がフローレンのデスボックスを漁ろうとするがそうは問屋が卸さない。
―――ジャキッ
「戦いに水を指し傷を受け与えしない者が、健闘を称え散った者の墓標を汚す事など言語両断。――即刻ここから立ち去りなさい。さもなくばフローレンさんの二の舞を演じる事になりますよ……?」
優の首根っこにナイフを向ける桜。戸塚を裏切った挙げ句、フローレンとの戦に関与しなかった者にデスボックスを荒らす事が許せなかったのだ。
「…………チェッ、分かったよ」
桜の言う通りに聞き、優は旧都エリアをゴキブリの如く速攻に立ち去った。
そして桜の後ろには同じく距離を取って戦闘に関わらなかった豪樹がいた。
「豪樹さん。……あの、戸塚という人は?」
「どうやら退避してどっか行ったらしいわ。可哀想にな、あんなガキと手ぇ組んだのが不運やで」
「そうですか。私も前まであんな卑怯者に成り下がりかけたと思うと、自分に恥じたくなりますわ」
かつて桜も極度の人間不信から、手段を選ばず容赦無く立海の敵を奇襲し続けた過去があった為、優と半ば共通していた事にやるせない気持ちになった。
気を取り直して桜はフローレンのデスボックスで戦力を蓄えようとしたその時。
(……何、この腕輪のカードは――?)
ボックスの中のカードには見知らぬ新カード、【コントラクトリング】というカードが眠っていた。
――アメイジング・サバイバーモード、現在生き残ったゲーム戦士は66名。
序盤の展開はこれまでと致しまして、次回よりは中盤戦へ突入。更に激化したサバイバルゲームをお送りする事と致しましょう!
その中盤戦に移る前に、前触れとなるフィールドの緊急報告アナウンスを一つ。
『―――緊急報告、緊急報告! サバイバーモード・フィールド、縮小中!! 直ちにエリア移動を開始せよ!!』
半径3キロの円型フィールドが、突如として真っ赤な炎の壁に包まれ、それがグングンと押し寄せようとしていた!!
―――本日のGAME39は読み終わり、アメイジング・サバイバーモード・ROUND2はネクストゲーム【GAME40】のお楽しみに!!
▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽
▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS▽
波乱のアメイジング・サバイバーモード、中盤戦突入!!
新たなミッション、新たに推参・ユニットウォーリアー、そして突如訪れる邂逅と激戦!!
ゲーム戦士に新たな驚異が迫る……!!!
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