【GAME39-9】闘技場決戦・契約に相応しき者!!
――TIPS――
【アメイジング・サバイバーモード⑦】
余計な確認だが、ユニットウォーリアーの獲得は所謂『戦闘力の強化』であって、ゲーム制覇の必須条件ではない。
獲得したカードだけでも生き延びる術は沢山ある。
己の知力を結集して、サバイバルに勝ち残れ!!
――ユニットウォーリアー・ゲットへのチャンス、【闘技場・ウォーリアーアリーナ】がオープン。
これによりユニットウォーリアーの獲得条件が緩和され、生き残るために我こそはと闘技場へ意気揚々と進む者が続出。行動によるリスクも顧みず、コロシアム施設に足を踏み入れたのは……
「……あ、あった! 闘技場や!!」
シャッフルのスキンヘッド格闘家・高橋豪樹。フィールド位置は北東の工場地帯エリア。
無機質なファクトリーに外観の色とりどりなLED照明が一際目立つ六角形のドーム型施設、これこそが闘技場・ウォーリアーアリーナ。大きさはテニスコート二つ分とコンパクトなサイズ。
更にスライドドアの入り口の前には、エントリー役として例のAIロボット『ゲーミングネーター』がいる。
『アリーナニ参加サレマスカ?』
「おうよ! この豪樹様がエントリーを申し込みに来たで!」
などと意気揚々の豪樹に対し、淡々とエントリーの準備に勤しむゲーミングネーター。
『デハ参加料トシテ手持チノカードト、戦ウユニットカードヲ合ワセテ10枚出シテクダサイ』
現在豪樹の手持ちのカードは13枚。ショップで整えた事もあって、そこから10枚減ることはかなりの痛手だが、それでも豪樹は勝利を信じ挑戦を受ける事になった。
『……カード、確認シマシタ。ソレデハ奥マデオ進ミクダサイ』
ゲーミングネーターの案内によりスライドドアのクリアーな扉が開かれ、いよいよ闘技場のフィールドの全貌が明らかになる。
「頼もーーーーう!!!!」
道場破りよろしく異性の良い掛け声で挨拶を交わす豪樹。フィールドは半透明なガラスで覆われた六角形のドーム、半々に赤と黒の仕切りで分けられた平面なフィールド、豪樹は俯瞰から見て左サイド。
そして右サイドからは対戦相手となるユニットが転送エフェクトと共に、豪樹の前に姿を現した!!
「……ほんじゃま、お手合わせ願うぜ。【空手皇・リクザン】!!」
格闘王ユニット《空手皇・リクザン》。真っ白な空手着に腰に巻かれた黒帯が一際輝く伝説の空手家。
両手両足から繰り出す技からは途轍もない覇気を漂わせ、彼と戦う者全てを圧巻させる。
格闘家同士、『押忍』の一声に互いに一礼を交わして正々堂々と戦う事を誓い合う。
人とユニットが混じり合う軌跡の一戦。ここからは実況感覚でバトルをお楽しみ下さい。―――Mr.F、出番だよーー!!
▶▶▶ STORYTELLER CHANGE《語り部交代》▽
――現実では丁度梅雨明けの季節、爽やかな陽射しと圧倒する熱気で、翻弄する灼熱の太陽が輝く夏の季節となりました!
そして私、情熱の実況ナビゲーター・Mr.Fも『スマッシュ・ブレイカーズ』以来の再登場であります!
さぁ戦いの舞台は闘技場・ウォーリアーアリーナから、ゲーム戦士とユニットの邂逅合戦だ!!
強さを手にする為のアライブか、或いは破滅へのデッドか、己の矜持を掛けた真っ向勝負。ならば証明してみせよう我こそが、ユニットウォーリアーを手にするに相応しい契約者である事を!!!
『3、2、1、GO!!!』
さぁ始まりましたアリーナバトル! ゲーム戦士側・高橋豪樹、既に装備しております武器もとい手甲を携えて先手の正拳、真っ向勝負だ。
―――シュッ、ビュッッ!!
だがユニットウォーリアー・リクザンも俊敏な動き、残影のサイドステップからのカウンターアタック! それを回避する豪樹も早いぞ!
瞬時に間合いを取る豪樹、大股に移動しつつ体制を整えるパワーだけではなくスピードも長けたかなりのストライド。格闘系だけに飛び道具ではないガチンコ勝負が期待されますこの決闘。
しかし、ユニットウォーリアーの称号は伊達ではない!!
『―――波動噴射!!!』
ゴオォオォオオ!!!
「ッ?!!」
おおっとここでリクザンの派生秘技、己の闘気を放出し遠距離の相手にダメージを与える『波動噴射』、こちらはスペシャルコマンドの技だ!
その豪樹が怯んだ隙を、リクザンは決して見逃さなかった!!
『うぁたアアアアアアアアアア!!!!!』
―――バシュッッッ
〔CRITICAL HIT!! 高橋豪樹 HP0〕
やはり空手の帝皇に一切の死角は無かった! 豪樹を持ってしても、ユニット戦士の力を超えられなかったのか!!
飛び道具からの急接近、回し蹴りを繰り出したリクザンの瞬殺コンボに豪樹敢え無く破れました!
▶▶▶ STORYTELLER CHANGE▽
はい、変わってまたMr.Gの語りですよ!
「……こらアカンわ、全然手も足も出ぇへんかった……」
アリーナで破れた豪樹、試合終了と同時にユニットは消滅。結果彼はカードを10枚無駄にしてしまった。
ユニットウォーリアーを手にするには、ゲーム戦士もそれを超越する高い戦闘能力が無いといけない事がこれで証明されたのでした。
「またやりたいが、カードが足りひん。下手こいたわぁ……!!」
悔しさにため息溢れる豪樹、残ったのは消費しなかったカード3枚と武器の装備だけ。
▶▶▶ NEXT▽
ところが、悔しい思いをしているのは豪樹だけでは無かった。
エリア各所にてウォーリアーアリーナに出向き、ユニットウォーリアーに挑戦したゲーム戦士は多数確認されたが、これらは全て敗北の結果に終わっていた。
勇んで参加したは良いが、ユニット戦士の圧倒的な力を前に破れ、終わった時には参加した事への後悔と醜態を晒しただけの虚しさだけが残る。ギャンブルの破産と類似した結末。
「あ゛あぁ〜!! コイツ強すぎ〜〜!!!」
……残念ながら、畠田レミもその一人。体力のみならず大事なカードも失った。
―――しかし、この世に突破出来ないゲームは存在しない。熱き魂が昂る限りそれはユニットウォーリアーをも超える力を持つ。
「……じゃカード10枚、参加お願いします!!」
桐山剣がその突破口を開く!!!
▶▶▶ STORYTELLER CHANGE▽
―――出て参りましたご覧ください!!
シャッフルオールスターズ、“切り札騎士”でピーンと来たらご存知、桐山剣だぁ!! ドームの周囲は無観客ですが、当の本人は集中するにも丁度良い所でしょう!
そして相対するユニットウォーリアーは、何と桐山のマイフェイバリットカード【サラ・チャンドレイユ】だ!! 奇跡の邂逅、戦う運命の個別面談か!!
(木枝田から取ったサラのカードを温存してて良かったぜ! こうしてサバイバーモードでも俺の元に出逢えたのも何かの縁や。この決闘に絶対勝って、一緒に戦おうぜサラ!!)
桐山の熱い視線は、契約を約束する絆にも似た契を意味するのでしょうか。対してユニットのサラは冷ややかな眼で剣を威圧するのみ。
この運命のタッグ、実現するは彼の実力に掛かっている!!
『3、2、1、GO!!!』
念願のユニットウォーリアー獲得への激闘が火蓋を切られた! さぁ片手にショットガンピストル《ファルコンブレイク》で威嚇の射撃、広範囲の散弾でジワジワとサラ・チャンドレイユにダメージを蓄積させる!
『業火の玉!!!』
巨大なファイアボールが剣目掛けてシュート、それを紙一重で交わす剣! 更に回避に拍車を掛けるカードをスキャン!!
『アクションカード、【シャドウイリュージョン】!!』
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【シャドウイリュージョン】
属性:黒
効果:自分の『回避力』を3段階上げる。
◎――――――――――――――――――◎
己の影が剣の身体へと変化し、本物を含め五人に分身した剣。サラは実体を見分けられず戸惑うが、影の剣は動きはそのままコピーされるが攻撃は出来ない。即ち繰り出す攻撃は1/5人の確率!
――ズバッ、斬!!!
サラに斬撃二連ダメージ!! 右手の《シルバーソード》で近距離で攻める剣、電光石火の辻斬りは騎士さながらの早業だ!!
『―――火神業炎波!!!』
剣の速攻に刺激されたサラ、破れかぶれに業火の玉よりも特大の炎の玉で剣を仕留めようというのか!? その炎玉がフィールドの地面に着火した時、一瞬の内に火の海と化した!!
これには影の剣もダメージによって消滅、しかしこの攻撃による剣本体へのダメージを知らせるウィンドウが出ていない!
ということは彼は無傷、だが実体は何処かと実況側も周りを見渡せば………天井だ!!
必殺技の着火と同時に天井に飛び乗り、そこから足で蹴り出すように反動を付けて、サラ・チャンドレイユに急接近!!
「切札騎士剣武術・五騎の陣!! 『天空破断・Vの字スラッシュ』ッッ!!!!」
上からの急降下による斜め斬り、更に地面に着地し下段に下がった刃をまた上に斬り上げての二段斬り!!!
その斬り口はVの字になってフィニッシュ、まさにローマ数字の『V』に見立てての“五騎の陣”。そしてビクトリーに相応しき決め技となった!!
〔サラ・チャンドレイユ HP0〕
「ッッッしゃあ!!!!!」
桐山剣、我々の期待を裏切らないプレイセンスで、見事闘技場にてユニットウォーリアーを獲得しました!!!
▶▶▶ STORYTELLER CHANGE▽
しつこく交代、Mr.G。それを他所に見事闘技場で勝利した剣は、ユニットウォーリアー契約の証である『コントラクトリング』を獲得し、撃破したサラ・チャンドレイユに装着して晴れて剣の契約を成立させた!
リング装着により、再び意識を取り戻したサラ。そして先程の決闘とは裏腹に天真爛漫な笑顔を剣に魅せた。
『……剣くん! 私を契約してくれてありがとーー♡』
「うぉ!? スゲェや声までみのりとソックリやんか」
ユニットウォーリアーになって、剣と意思疎通・会話が可能となったサラ。烈火のアーマーを装着しているが顔付きだけでなく声も河合みのりとクリソツな事に剣は驚いた。
「てか待て、何で俺の名前知ってるん?」
『記憶データに何でか剣くんが私をデッキに入れて戦った思い出とか残ってたみたい。でも別個体とパートナーやるよりやりやすいでしょう?』
「ま、まぁ……別個体は語弊があるが……」
『とにかく宜しくね、剣くん!!』
「……おぅ、頼むぜサラ!!」
今ここに硬い握手で繋がれたゲーム戦士とユニットの確かな絆!
桐山剣を筆頭にこれから有力なゲーム戦士達が続々とユニットウォーリアーを獲得していく事になるが、果たして次は誰か!?
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




