【GAME39-6】初陣の超パワー! ユニットウォーリアー!!
――TIPS――
【アメイジング・サバイバーモード④】
ついにフィールドに出陣した『ユニットウォーリアー』!
ステータスはユニットによってHP数値が変わるが、ゲーム戦士同様にゲットしたカードを持たせることで発動や召喚する事も出来る。
またユニットウォーリアーは“特別な能力”も併せ持っているが、契約したゲーム戦士が撃破されるとユニットウォーリアーも消滅してしまうので注意!!
――さて、ここでもう一人ゲーム戦士をピックアップしましょう。
「えーとこのノーマル要らんから、レアカードのコイツを交換して、スーパーレアはこれや。あとは……」
北西エリア付近のサバイバーショップにてお買い物してるのはシャッフル・豪樹さん。
何分自分の格闘家スタンスはサバイバーモードでも貫きたいと考えた豪樹はコツコツと貯めたカードを交換しつつ、従来通りのスタイルを確立させた。
『オ買イ上ゲ、アリガトウゴザイマシタ!』
早速してカードをスキャンし、モデルチェンジを施す豪樹。ステータスはこうだ。
〔高橋豪樹 HP:900 デッキ:8枚 ・武器:《熱血手甲》・装備:《烈火のハチマキ》《空手家の服》〕
「うーむグレイト! やっぱワイは格闘家の格好が一番合うとるわ、ワハハハ!! ……まぁユニットウォーリアーも欲しかったけどな。交換カードは他に無いからしゃーないわ」
やはり豪樹さんも、話題のユニットウォーリアーが欲しかった様子。『捕らぬ狸の皮算用』という言葉もありますが、いずれはお目当てのものを手にする時までは、暫くは格好だけでも実現したいと願う豪樹さんでありました。
▶▶▶ NEXT▽
そんな豪樹さんとは対象的に、ユニットウォーリアーをゲットしたゲーム戦士が一人。
ガンマンユニット《ライトニング・ザ・ショット》と契約した、立海はフローレン・シェイパーだ!
『フローレンはただ前を見て敵に警戒だけするんだ。後ろは俺に任せろ』
「はぁん……銃司様ボイスで任せろって言われたらユニットなのに私、惚れちゃうですの〜〜♡」
殆ど私欲を肥やす為に、銃司に瓜二つなユニットを選んだフローレン。今まで銃司に素っ気無い態度で命令されていた彼女にとって、銃司ボイスで優しい声を掛けられる事で既にメロメロ状態だった。
(じゃ僕の存在意義は一体何なんだ……)
横ではそっちのけに置いてけぼりにされた兄のサーブルズ。ユニットウォーリアー獲得を手伝ったにも関わらず、金塊の残り金でハイパーレアカードを2枚貰っただけでフローレンからは相手にもされない。実に不憫だ。
「……あ、お兄様居たんだったっけ。でもユニットウォーリアー持ってるしどうしようですの……」
アンタって人は……これではお兄さんが可哀想ですよ!
「いや良いんだ、フローレンが欲しかったものが手に入っただけでも僕は十分だよ。それにフローレンは今は僕が必要じゃ無さそうだし、邪魔になるかもしれないからここで失礼するよ」
「え、あ、待ってお兄様!!」
妹の静止も顧みず、サーブルズはフローレンとの合流から離脱。主である銃司の次に妹の意思を最優先する程に他人に献身的な兄であるが、これには流石の妹もやり過ぎたと後悔への傷心が残った。
「そんなの、嫌ですの――――!!」
▶▶▶ NEXT▽
――変わって視点はサーブルズ。妹と離れて単独行を始めた兄は中央から更に東に離れた団地エリア。
二連三連と立ち並ぶマンションの壁の中は、ゲーム開催に伴ってここの住民は一時退却という形で立ち退かれている。
プライバシーが関わる為、個室を除けばマンションの中にも入れるが、そこはゲーム戦士の適材適所による。
(こうなったら中で芋っているプレイヤーを倒して強くするしかない。どのみち倒さないと先には進めない事は分かってるんだ、一か八かやってみよう!)
やはり立海の守衛の立場でフェンサーを名乗るだけあって、見えぬ驚異にも臆せず突き進むサーブルズ。
更に人の姿は無けれども、PASの波動からは複数の敵の反応が確認され、否が応でも神経を尖らせていく。明らかに数名がマンションの中に立て籠もり、侵入者を仕留める企みであろう。
――――スッ……
サーブルズは戦闘態勢に備えてカスタム・ツールカード《海賊のサーベル》を手に携える。別名『カットラス』と呼ばれる湾曲した刃の剣は、帆船のように狭く障害物の多いフィールドに適性があるんだとか。
言うなれば、無人マンションこそが帆船の如し適性にあったフィールド! サーブルズは固唾を飲みながらマンション入り口に近付き、自動ドアの扉を開く――――
「…………殺気!!!」
サーブルズ張り詰めた神経に反応したその刹那、ロビーに待ち伏せていたゲーム戦士達が四方八方、その数ざっと五名!! その不意打ち五連打ちをヒラリと交わし、一旦はマンションの外に逃げるサーブルズ。
「おのれ貴様らッ、敵同士で共謀とは何の理由があっての狼藉か!?」
「へへへへ……別に大した理由はねぇよ」
「俺達はただ一度で良いから『キル』って奴を楽しみたいだけさね」
「サシなんて正々堂々したやり方なんざしゃらくせええ!」
「相手を痛ぶる為なら、たとえ束になってでも仕留めてその味を噛み締めたいのよ!」
なんとまぁ悪趣味な方々でしょうか! 一人じゃ勝てないからって群がって、罠に掛かったゲーム戦士をリンチにしてでも仕留めようとは、根性ひん曲がってますな!
「うるせぇやい!! 勝てば官軍って言葉は戦場じゃセオリーなんだよ! 野郎どもやっちまえ!!」
親玉が号令を掛けると同時に、他のマンションからも大勢の者が群がり団地の外であっという間にサーブルズを包囲するゴロツキゲーム戦士達。数えてその数12名。戦場にて利害の一致で揃うには大層な数。
(こんな雑兵僕なら軽いものだが、肝心のフェンシング剣が無い事には実力も発揮出来ない! これが【多勢に無勢】という奴か……!!)
何しろ戦場内で集めたカードだけで戦うサバイバーモード、従来のフェンサー戦法もカードが無い事には使う事もままならない。
「さぁ地底空間で憂さの溜まった野郎ども! 思う存分痛めつけてやんな!!」
最悪リタイアも覚悟するべきか、サーブルズの脳裏に諦めの選択も考え、今にもゴロツキ連中が始末しようとした………その時!!!
「―――ユニットウォーリアー! お兄様を助けてですのーーーーー!!!!!」
――――ガガガガガガガガガガガガ!!!
突如何処からかリボルバーの二丁拳銃の火花が飛び散り、ゴロツキの背後から早撃ち・不意撃ち・乱れ撃ち! ビリー・ザ・キッドも真っ青の拳銃さばきに無数のターゲットもバッタバタ!
「フローレン! お前付いてきてたのか!!」
「コラーーそこの不良少年たち! 私の大好きなお兄様を虐めるのは止めるですのーーー!!」
リンチ寸前に駆けつけたフローレンの怒号が飛ぶ飛ぶ、ユニットウォーリアーの弾も飛ぶ!
「な、オイ! あの女、ユニットウォーリアーを持ってるぞ!!」
「あれが噂の新システムか!!」
「感心してる場合か! 俺らからすれば獲物が3倍に増えて大チャンスだ。ユニット戦士も潰してストレス発散するぞ!!」
初めてお目見えしたユニットウォーリアーに敵は怯みもせず、寧ろ倒す気満々血の気盛りな輩に彼女も気合いが入る。
「ライトニング、絶対にアイツらを倒してやるですの!」
『おう、任せろ! どうせならアンタからカードを分けて貰えると助かるんだがな』
「カード、ですの?」
「俺らユニットウォーリアーは契約したゲーム戦士からカードを与える事で【スペシャルコマンド】が3つも使えるんだ! アンタがカードを沢山与えてくれれば、必殺技も磨きがかかるってもんよ!」
これぞ、ユニットウォーリアー特有の超能力!
契約したユニットによって多種多様なスキルスロットが3つ備わっており、それを発動させるにはゲーム戦士がブレスからカードを装填し、契約の証である【コントラクトリング】を経由して力を与える必要があるのだ。
フローレンが所持しているカードは10枚。消費の加減を見る限り、出来れば早期決着が望まれる所だ。
『さぁ早く! モタモタしてるとやられちまうぞ!!』
「は、ハイですの!!」
ユニットが銃司ボイスでは、城主に命令され恐縮しがちなフローレン。確認にブレスでユニットのステータスを覗いてスペシャルコマンドを確かめる。
「行くですの、ライトニング!! 【グレネードキャノン】!!!」
ブレスからカードを5枚装填、ユニット戦士の《ライトニング・ザ・ショット》のリングからパワーが供給される!!
★――――――――――――――――――★
〚スペシャルコマンド〛
【グレネードキャノン】
消費カード:5枚 AP500
効果:発射周囲に円形の火柱を発生させる
グレネードランチャーを発射する。
★――――――――――――――――――★
『焼き尽くせ!! グレネードキャノン!!!』
ドォォンッッ!!!
大砲型の大型銃を両手に担いで、天に撃ち放つ特大花火。その大玉は空中で拡散し、丁度フローレンとサーブルズを包囲しているゴロツキゲーム戦士達に直撃した!!
「「「ぎゃああああちゃああああああ!!!!!!」」」
〔ゴロツキゲーム戦士×10 HP0 KNOCKOUT!!〕
特大グレネードの炎の海に諸に着弾したゴロツキ共はあれよあれよという間に火だるま状態。序盤で敵もそれ程強化されていない事もあってAP500のダメージはオーバーキル。一気に10人も撃破した!
「やったー! スゴイですのーー!!」
ユニットウォーリアーの超能力にはしゃぐフローレン。しかし油断大敵、敵は隠密に背後から迫る……!
「「この小娘があああああああ!!!!!」」
ユニットでなく契約したフローレンに迫る殺気の影!
――――ズバババババッッ、ザシュ!!!
目にも留まらぬ乱斬り、五月雨の名の如し斬撃音を響かせるは――――兄・サーブルズの抜刀術!
不意を仕掛けたゴロツキ二人に畳み掛けのカウンターで返り討ちだ!!
「て、めぇ……! この女とグルだったのか……」
「……グル? 人聞きの悪い言い方だ。フローレンはな、ワガママで高飛車で生意気な所も多々あるが、根は優しい僕の可愛い妹だぞ! 兄が妹を守るのは当たり前だ!!」
「そ……うか……ガクッ」
〔残りのゴロツキゲーム戦士×2 HP0 KNOCKOUT!!〕
息絶え絶えに悔しさ滲ませ最期の時。力尽きたゴロツキ共は一瞬にして強制転送され、無数に落ちているデスボックスだけが墓標として残った。
これにて12名全員、シェイパー兄妹によって全滅!
「……ふぅ、どうやらこれで片付いたようだ。助かったよフローレ―――うぶっ?!」
「お兄様ァ〜! さっきはごめんなさいですの〜〜!!」
先程の兄への粗雑な扱いに反省したか、兄の無事な様子に感極まり胸元に抱きついては大泣きするフローレン。対して兄は泣きつく妹によしよしと頭を撫でる。
「お前のいつもの癖だ、僕は慣れっこだし気にすることじゃない。悔しいが、僕だけでは生き残るには難しいと見えた。妹に頼むのもあれだが……フローレン、僕に力を貸してくれないか? やはりここは兄妹で戦いたいんだ!」
「勿論ですの!! 私もお兄様も一緒が良いですの! お兄様が一緒に居なきゃイヤですのッッ!!!」
やはりここは妹の性か、頼りになる兄が居ないと心細くなる甘えん坊のフローレンに否定などはあり得なかった。
ユニットウォーリアーも心強いが、やっぱり堅い縁で繋がった兄妹の絆に勝るものなし。
「よし! ならば善は急げだ、必ずサバイバーモードを勝ち残るぞフローレン!!」
「お兄様だーいすき!!ですの♡」
同盟決裂から転じて仲直りしたシェイパー兄妹。これより彼らはサバイバーモードのダークホースとなりて、戦場にアライブを宣言す!!
ゲーム戦士は残り73名。――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




