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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME39-4】スナイパーを討て!!

――TIPS――

【アメイジング・サバイバーモード②】

 カードを取得し、温存する事が出来る枚数は30枚まで。しかしカード使用時は墓地に置かれず消滅する仕組みとなっており、ユニット召喚から3分後には自動的に消滅する。


 ただしユニット・ウォーリアーに至ってはHPが尽きるまで半永久的にフィールドに留まる。

 ――開始早々、忍野龍牙によるファーストキル並びに連続撃破に気を取られている剣。

 そんな彼に視界には見えない狙撃手(スナイパー)が、その命を狙わんとターゲットロックされていた!


(……さっき俺が交わした弾道の先から見て北西、距離はざっと2〜300メートルくらい、か……)


 敵に狙われた側に立たされた剣。しかしこのような危険な立場に晒されようとも、冷静に迅速な行動を行うのが彼の利点。

 地形は平らだが、天井には鍾乳洞の柱があちらこちらに生るエリア。その死角を利用しつつ己を狙うスナイパーに急接近し、返り討ちにしようと動いた!


 ……ァン、ビッッ、ビュッッ!!


「……っと!」


 遠距離かつ時間差で攻撃してくる弾を瞬時に避ける剣。


(今度は北東に弾道、それにちょっとだけスナイパーライフルの発射音が聞こえた。て事はそう遠くはねぇな。100メートル以内)


 流石、ゲームになると己の五感・直感をフルに稼働して、確実に勝利へと掴んでいく桐山剣のファイティングスタイル。この反撃までに精神を尖らせた緊張感からの力量の開放が剣にとっては最大のエクスタシーを感じるらしい。


 ―――剣は移動しながらも常に敵の出処を予測し接近する。ライフルの弾道の位置から逆算し、その距離・気配を見計らい、かつ直撃を防ぐために柱の影に隠れて位置を敵に悟らせない。


 カード発動への準備を整えつつ、恐らく敵との距離も数十メートルまで近づいたと予測する剣に、何処か()()()()()PASの波動を察知した。



(……待てよ、もしかしたら前に俺とやり合った記憶があるなこの敵のPAS。色は無いけど透けていて、形はカメレオンみたいな……保護色に纏って姿を隠すやつ!)


 彼が相手のPASの波動を読み取るうちに、かつて剣と戦った事のあるゲーム戦士達を思い出していく。



 そして記憶の奥で辿り着いたゲームの記憶は、偶然にも今行っているサバイバーモードと同じくサバイバルゲーム! 時系列で纏めるなら約二年前、前作・極限遊戯戦記の第28話とかなり前!! 即ち―――


「……あ!! 思い出した、おま」


 バァァァンッッッ!!!!


 剣が思い出した素振りで閃いた矢先、飛び交う轟音はスナイパーライフルの射撃音。

 その音の大きさからして約数メートル、方向は南西付近、剣の半ば背後の位置……!



「―――そこか“木江田(きえた)”ッッ!!!!」


 バスッッッ!!!


 振り向きざまに後ろから散弾ピストル《ファルコンブレイク》を抜く剣、広範囲に広がる散弾の雨をまともに受けたゲーム戦士にダメージエフェクト、並びにクリアーウィンドウが表記される。


 〔木枝田隆正(きえた たかまさ) HP500→300〕


「ぐ、く……! 散弾銃か――!!」


 片目を長い髪で隠した茶髪ロン毛の華奢な男が、ダメージ負荷による保護色解除によって姿を現した。


「……約束、果たしちゃったな木枝田! またサバゲーでお前と逢えるなんて!」


「俺も視界にお前が入った時ビックリしたよ。あの時の勝負がフラッシュバックしたと同時に―――お前を()()()()()()()()!」


 彼こそ木枝田隆正(18)、ゲームワールドオンラインのサバイバルゲーム【サバイブクロス】にて、剣とタイマン勝負をし、PASの力によって破れたゲーム戦士。


 だがあの決戦後、彼も独学でサバイバルゲーム型にシフトチェンジした上で強化を重ね、気がつけば《A◯EX》《C◯D》《バトル◯ィールド》とFPSの3大ゲームの三冠王にまで登り詰めていた!!



 ……しかしココ最近、前作に登場したゲーム戦士が軒並み再登場してますが、作者の性分で捨てキャラに出来ないのが利点というか欠点というか。読者の皆様には一応覚えて頂ければ幸いです。



「俺を仕留めるなら、一発でノックアウトせな。頭ぶち抜きゃクリティカルヒットだぜ?」


「クリティカルを撃った所で、結果論ではお前のHPは残るだけだ。そして俺の存在を気付いたお前は警戒し、あれよあれよという間に俺の領域(テリトリー)まで侵攻した。……遠距離射撃の弱点を知ってたのか?」



「まぁな、FPSの要素は大体掴んだ。遠距離型のスナイパーライフルはリロード・射撃までの間合いが随一に長いのがデメリットや。

 スコープで遠くのものを覗く間は視界が一点に集中し、他の気配に気づかれ難い。近距離に迫った時には隙だらけって訳」


「……ズバリ、御名答だ」


 剣のFPS理論には、木枝田とて否定はしなかった。


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタムツール・カード>

【ロングシューター】

 AP:300 PP:6

 属性:青 装備:プレイヤー


 ・効果:装備《8倍スナイパースコープ》

 このカードは約300メートルまでの距離を

 見渡すことが出来る。

 ◎――――――――――――――――――◎


 木枝田が攻撃に使ったスナイパーライフル、6発しか打てないが事前に内蔵装備されているスコープによって、剣を居場所をサーチしていた。


 だが既に4発も撃っているライフルに近距離で迎え撃つ事は厳しい。剣はその事も把握した上で木枝田に近付き、ケリを付けようと考えたのだ。


「………俺が遠距離ライフルしか武器を持ってないと思ってるのなら、この勝負は――――俺の勝ちだ」


 木枝田は話を遮るように、再びバックの背景を保護色に利用し姿を隠す。いざとなったら魂を込めろ! カメレオン顔負けのステルスパワーだ!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【ステルス】確認。

 ・PASスキル【カメレオン・アーミー】発動!

 永続的に自分の姿を隠す!!

 ◎――――――――――――――――――◎



 ――――ガガガガガガガガガガガガ!!!!!!



「うぉっ?!!!」


 姿なきカメレオン・アーミー木枝田がうち放つはアサルトガン型LMG(ライトマシンガン)、『M335/ブロードウェイ』。1秒間80発の速さで敵を機関連射させるマシンガンの雨あられ。


 〔剣 HP400→350→300→250〕


 この戦法で最も厄介なのは、掃射する相手の姿()()()()()()事。弾道を気にして警戒はしても途切れぬ連射に戸惑う内にダメージは蓄積される。

 これには桐山剣とて数発か被弾し、装備に関わらずノックダウンも近し!!



「どうだ剣!! 俺はFPSの全てを制した男だ、長距離・中距離・近距離の要素もマスターした俺に死角は無い!! あの時のリベンジは俺が貰ったああああ!!!!」


 マシンガン掃射に透明姿、完全に戦況を制圧したと思った木枝田に大きな落とし穴が。


 ――――カチッ、


 マシンガンの弾切れによるリロードタイム。その隙を剣が見逃す筈が無かった!!


 ガシッ!!!


「!!!!」


 剣は透明の筈の木枝田の腕をホールドし、片方の手刀でマシンガンを握る手を打ち武器を落とした!


「死角が無いのは、()()()()()()()()()()()だろ? ここは全てのゲームの頂点に立つアメイジングの決闘だぜ」


「……………」


 剣に銃を落とされ、丸腰になり透明姿も晴れた木枝田。APは弱小だが近距離での格闘は可能と知ってはいるが、剣のその威圧に木枝田はどうする事も出来ない。



「あぁ、もう気づいてたか木枝田。俺のもう片方の腕に長剣(こいつ)を持ってて、討たれるって事が……!」


 実は木枝田のマシンガンに翻弄していた際に、剣は壁に隠れながら温存したカードをスキャンし、カスタムツールを装備して反撃の準備を伺っていたのだ。リロードで隙が生まれるのを狙って……!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタムツール・カード>

【シルバーソード】

 AP:100 PP:30

 属性:無 装備:プレイヤー/ユニット

 ◎――――――――――――――――――◎


「FPSの三冠王、結構なこった。だけどな、俺らが目指しているゲーム戦士の世界ってのはお前でも想像の付かない強い奴が沢山おんねん。最強を目指す俺にしちゃ、まだまだこんなの甘い! それに――――」


 生き残りを掛けたサバイバーモードに躊躇は無し。剣は木枝田の脇場を狙って、目にも見えない三枚卸し!!!


 ――――ズバババッッ!!!!




「俺はやっぱ銃より、()派だぜ!!」



 〔木枝田隆正 HP300→0 KNOCKOUT!〕



 FPS三冠王カメレオン、木枝田隆正・撃破!!

 やはり桐山剣は名の通り、剣を握って接近攻撃が一番肌に合うと感じた1キルでありました!!!


 そして、破れた木枝田は……


「………やっぱ、嫉妬は努力の種になるが、度が過ぎると退化するなやっぱ」

「嫉妬? まさかお前、一昨日の裏ゲームに……」


「あぁ、俺も裏プレイヤーのPASに操られたよ。無様なもんだ、サバイブクロスでもあっちでも、ジェラシーしててもロクな事にならん」


 しかしこう悔やみ口を叩きつつも、木枝田の表情は清々しさを感じさせるものがあった。


「――――でもさ、やっぱお前と二度もやりあって両方負けようが俺は後悔はしてねぇよ。俺はやっぱFPSで戦うのが一番様になるようだ」


「……どうしてそう思うん?」


「前のゲームで、『お前のPASはサバゲーに合う』ってお前が言ってくれたから。俺はそれを糧にして三冠王まで辿り着いた。お前にはちっぽけな目標に見えたのなら、俺は更にその上を行こうって気になる。


 ―――結局は桐山剣、お前が俺を導いた()()なんだよ」


 剣のあの言葉は、サバイブクロスで始めて対峙した時に放った純粋な言葉に過ぎないが、彼にとっては思い返せば、アイデンティティの確立を思わせる金言でもあった。


 そして過去に剣が英雄のように持て(はや)されたのを嫉妬していた彼も、剣はいつしか自分を導いてくれた英雄であった事を実感していたのだった……!



「目標なんて人それぞれ価値が違うもんだ。俺の次の目標は、サバイバルゲームの頂点に立つ事! 土俵は違うかもしれんが、俺はお前と同じく高みを目指すつもりだ。だから………お前もなっちまえよ、最強のゲーム戦士ってのを!!」


 戦い敗れるも、健闘を称える証に剣に向けたサムズアップの親指ポーズ。それを眼に刻んだ剣も満面の笑みでサムズアップを木枝田の拳に合わせた。


「……じゃ今度の目標はTPSだな、フォ◯ナ的な! サバゲーの頂点楽しみにしてるぜ、ナイスファイト!!」



 決闘終えてのリスペクト、時程なくして木枝田は撃破脱落のルールに従い、フィールド外への強制転送によって姿を消した。

 そして、プレイギアの報告ログにまた一つ撃破の形跡が残された。



 《――サバイバーモード・近況報告―― 【桐山剣】が【木枝田隆正】を撃破。》



 ゲーム戦士、残り91名。まだまだ続くサバイバーモード、一先ずは本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


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