【GAME39-3】ファーストキル・影に潜む暗殺者!!
――TIPS――
【アメイジング・サバイバーモード①】
参加プレイヤーはランダムにフィールドの何処かに転送され、カードスキャンブレスとプレイギアを所持し、カードは0の状態からスタートする。
因みにカードを装備・発動していない状態の攻撃はAP10となる。
――今、禁断の扉が開かれ、スタートコールと共に息吹を上げた新ゲーム【アメイジング・サバイバーモード】!
これより地底空間は戦場となり、総勢100人のゲーム戦士達は最後の一人になるまで戦う。
もう躊躇している暇は御座いません! やられたくなければフィールドに落ちているカードを探し、武器を調達しましょう!!
「あ、そっか! カード探さな!!」
開催式を行った旧都のポータルタワーを中央とするならば、フィールド的に北北西の末端に位置する鍾乳洞地帯に転送された桐山剣。
急いでカードを探そうにも、真っ白なトゲのような鍾乳洞が行き場を邪魔して思うように動けない。と、ちょうど近くに横長のカプセルのようなボックスを見つけた!
「……! 中にカード入っとる!!」
透明なカプセルカバーの中にお目当てのアメイジングカードが入ってる事を確認した剣はカパッとカプセルを開く。
「あった!! カード三枚!!!」
幸いにも、敵の気配も全く無い状態でのアイテム獲得。剣の極運が早くも役立った所で、ここからは読者の皆様にこのサバイバーモードにおけるカードの説明も致しましょう!
「俺はチュートリアル役かよ……」
▶▶▶ NEXT▽
さて、先ずスタート直後で何もカードを手に入れていない状態のゲーム戦士のステータスはこんな感じ。
〔桐山剣 HP100〕
「オイオイオイ、HP100はアカンって死ぬわ俺!!」
これでは丸腰も同然、相手に見つかり攻撃を受ければ即死の可能性大。そこで用意されたアメイジングカードの力でステータスや武器、配下等を装って強化していかねばなりません。
――先ずは手に入れたカードを直接ブレスにスキャン。
『カスタムツール・カード、【メタルアーマー】!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【メタルアーマー】
属性:無 装備:プレイヤー
・効果:自分のHPを300アップ。
◎――――――――――――――――――◎
〔桐山剣 HP100→400〕
「よしっ! HPが上がったぜ」
メタリックな胸板で着飾ったボディスーツを纏い、剣のHPがアップ。このカードは元々ゲームワールドにてアバターが見栄え良くする為の装備カードだが、HP増加や特殊能力が備わるのでそのまま新ゲームに採用となったのだそうだ。
そしてもう一枚は、お待ちかね武器カードだ!
『カスタム・ツールカード、【ファルコンブレイク】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【ファルコンブレイク】
AP:200 PP:6
属性:赤 装備:プレイヤー/ユニット
・効果:このカードの攻撃は広範囲の
拡散ダメージとなる。
◎――――――――――――――――――◎
剣が最初に手に入れた武器はFPSでお馴染みのピストル銃! しかも射撃時の反動が多いが拡散ダメージが出来る。早い話が散弾型ピストルのようだ。
「冗談! 銃司じゃあるまいし、俺が銃握る姿なんざ様にならねぇや」
もし気に入らなかったら、またカードを探せば良い話でしょう?
「あ、そっか。よっしゃジャンジャン探そ!!」
せっかく鍾乳洞にポツンと剣さん一人だけなんですから、敵が来ないうちにカードを取らないと勿体ないですよ!
因みにこのサバイバーモード、カードを召喚する際に消費するEGは必要無いのです!! とにかくカードを消費して、有利に固めるのが必勝方だ。
「ヘヘッ、結構探せばカプセルもあるある! カードもーらい!!」
やはり極運の剣は天に恵まれる性質なのか、初手から探索しているうちにカードカプセルを5個も開封し、あっという間に所持カードは15枚に!
「えーとコイツは俺に相性合わんから保留、でコイツは効果が強いから……」
敵に存在を悟られぬよう柱に上手く身を隠して、手に入れたカードから召喚・装備をしつつ自分のステータスを整理する剣。最終的にはこうなった。
〔桐山剣 HP:700 デッキ:11枚
・武器:《RS-707・マシンガン》
・装備:《トレジャーキャップ》《メタルアーマー》《プラチナレッグ》〕
「まぁ理想にゃかけ離れてるが、こんなもんか!」
頭に地下探検用のヘルメット、上半身は兵士の鎧、下半身はキラキラの装飾が目立つズボン装備ではどうにも格好が様にならない剣。でも最初のうちはそんなものですよ。
ビーーッ、ビーーッ!!
と、そこへ刹那にフィールド内に鳴り響くは地底空間のアナウンス。
『―――サバイバーモード近況報告、ファーストキル達成、ファーストキル達成』
「ファーストキル……つまり最初の脱落者が出たって事か。おっと、プレイギアにも通知が来てる」
剣の懐に所持する携帯プレイギアもアナウンスとほぼ同時にヴァイブレーションの通知アラームが響く。早速にして開くと、こちらも参加者のみに一斉通知されるメールが送付されていた。
「どれどれ…………、!!!!??」
剣はプレイギアの通知内容に驚愕した。何故ならメールに記されているファーストキルを達成させたゲーム戦士の名が、剣もご存知なアイツでしたから!!
《――サバイバーモード・近況報告―― 【忍野龍牙】が○○○を撃破、ファーストキル達成。》
「龍牙……!! アイツも来てたんか!!!」
かつて去年の年末に繰り広げたジャスティスオーブを巡っての1VS1の真剣勝負をして以来、龍牙とのニアミス並びに邂逅を知った剣。
しかしメールの内容から撃破した場所は記されていない為何処に居るかは分からないが、近いうちのリベンジの可能性も込めて、剣の表情は険しくなる。
……と、またしても剣のプレイギアの振動音と共に着信が届く。
《――サバイバーモード・近況報告―― 【忍野龍牙】が○○○ら計5名を撃破、『キルリーダー』に選ばれました。》
「…………ヤベェ。アイツこのゲームで血祭りに上げる気だ」
開始から間も無い展開で連続キル報告、驚愕の次は戦慄が迸る剣。
因みに『キルリーダー』とは、ゲーム内で一人のゲーム戦士が現時点で最も多くのプレイヤーを撃破した者に与えられる称号の事。一度でもその称号を与えられたゲーム戦士には特別報酬として3万円獲得されるんだとか。
ではその龍牙が巻き起こした修羅場の詳細を時を遡って見てみよう。
▶▶▶ PLAYBACK▽
――龍牙が一斉転送で送られたエリアは、フィールドの南南東辺り『ウエストOS-11』という濃霧によって視界が不自由するゴーストタウン。
しかも偶然か御都合展開か、龍牙の周りには数名のゲーム戦士達が既に彼の視界に見える程にセットされていた。
通常のFPSでもそうだが、スタート時に各エリアに大勢の敵が存在する戦場では修羅場は必然の展開。つまり誰よりも早くカプセルを開いてカードを手に入れなければ速攻に脱落する。弱肉強食の縮図だ。
―――しかしこの時他のゲーム戦士達は、龍牙の残忍性を知っていてこの場を回避する手段を選んでいたら、恐らくこの地獄は実現しなかっただろう……
〘アメイジング・サバイバーモード START!!〙
スタート直後に展開するカードの争奪戦! 既に視野に入れていたカードカプセルに大勢のゲーム戦士が取り合いになる。カードは丁重に扱うが敵に関しては殴る蹴ると容赦無し、バーゲンセールよりもタチの悪い醜い争いが行われる中、
「――――見苦しいんだよ、雑魚が」
と、凍てつく殺意の声に耳を傾けたが最期。
―――ズバッ、ドシュ、ドンッ、ギリリリ………ドバッッッ!!!!!
その間、僅かに3秒。カードカプセルに弄れるゲーム戦士の背後に忍び寄った龍牙の手元には、既に短刀カスタム・ツール《アサルトナイフ》が。
彼の癪に触った輩は只では始末しない。喉元から突き刺すか腹を掻っ捌き、抉るように捻って引き抜く。女は残酷な真似はしないが、尻を執拗に狙って討つ。
短刀一本でえげつないほどに残虐な始末標本。これにはロンドンの悪夢として伝えられた殺人鬼『ジャック・ザ・リッパー』でさえもシャッポ脱ぐ!
「ひーふーみーよ……五人か。まだ足りねぇ、もっと俺を楽しませろォォォオオオオオ!!!!!」
満たされない欲求に憤る龍牙。時代が、環境が、ここまでの戦闘狂を生み出したのか。それは定かでは無いが、明らかにこの新ゲームの台風の目になるに違いない!!
▶▶▶ NEXT▽
「龍牙が居たんじゃアイツら危ねぇな。早いとこ連絡して警戒をさせんと……」
剣は龍牙の存在を知り、自分はともかく仲間の危険に晒すのではと危惧し、プレイギアでメンバー総員に連絡をしようとする。――――しかし。
――――パシュンッ、ビシッ!!
〔桐山剣 HP700→400〕
「……………え!??」
ヒュン、ヒュンッ
剣の周囲に、遠距離で飛び交った弾道の残影。その前に300ダメージの着弾エフェクトを受けた剣はこの展開を瞬時に悟った。
(ヤバい、どっからか俺を狙ってやがる!!!)
姿なき狙撃手からの挑戦、視界の狭い鍾乳洞エリアの何処かに敵が居る!!
ターゲットは桐山剣、どうなる主人公!! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




