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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME38-5】一念天に通ず!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆〔倭刀 HP1 手札0枚 EG:②〕

 ・カスタム・ツールカード:なし

 ・ユニット:《ダークフォース・ドラゴン》


 ★〔ギガント鹿賀 HP2050 手札3枚 EG:0〕

・カスタム・ツールカード《チャンピオン・パワーベルト》

・ユニット:《シャイニング・フレイムドラゴン》


※池谷倭刀、PASの【極限進化】によって新能力【双龍刀ダブルドラゴンブレード】が覚醒!!

 

 ――さぁさぁ皆様お立ち会い、ゲーム戦士の要・ゲームに戦う魂が力となる不思議な能力『PAS』の複雑怪奇摩訶不思議!!


 ライブ並みの人々の群れに嫉妬の波動で操られ、これでもかと妬み嫉みの精神ダメージを受けた倭刀。

 しかし、しかしそれでも挫けまいと過去の自分への罪の精算を付けて、幾度も立ち上がり己の意志を高揚させたが御覧じろ!


 龍の刀が二つの刀に変貌を遂げた倭刀のPAS、これぞ人間の心が成長して魂の形が変わる現象【極限進化】、これなりッッ!!


 倭刀の両手には、PASの力で生成された金の真剣と銀の諸刃。この輝きは禍々しい裏プレイヤー達のPASの波動も威力を弱める。これぞ邪悪な波動をも打ち消す二刀流!!!



「ん~~……あまり宜しくないね、この覚醒展開。PASが奴の波動で押され始めてるっぽいかな?」


 倭刀の覚醒に不穏を感じ始めたのは裏プレイヤーの御悪方、嫉妬と人を集めさせるPASの存在を隠すデルタのデクルックスが真っ先に劣勢感を覚えた。


「分かってるわよ……! それよりも小原さんが――!!」


 エンヴィーも必死に嫉妬のPAS波動を放出させて足掻くも、一番危惧すべきはもう一方、小原恵美。


「はァ、ハァ、ハぁ………!!」


 呼吸は荒く深いものになる小原、精神にガタ来ている状態での永続的なPASの酷使は、この上ない疲労を生む。最早小原の力も限界に近づいていた。


「もぅ、何なのよもおおおお!!!!!」


 予定外の展開に憤り、過剰にPASを強めるエンヴィー。

 VRフィールド内では倭刀の覚醒に見惚れた者達が、再び野次と煽りとのイタチごっこが継続される。


「くぅ……ッ!!」


「みのり、しっかりしろ!!」

「マズイな。彼女はPASを覚醒していないから抗体も無く諸に嫉妬の波動を浴びている。応援した時までは耐えてはいても、所詮は痩せ我慢か!」


 最前線で応援していたみのり達にも影響された! そして純粋な彼女の心に苛立ちの念が抱くとき、剣と銃司の前で本音を呟く。


「……ず、ズルいよ剣くん……!! 桜ちゃんが応援に来たからってそっちに乗り気になっちゃって……、私も剣くんの事()()()なのに!!!」


「―――――!!」


 思い掛けないカミングアウトに心が揺れる剣。だがこれ以上裏プレイヤーによって心を汚す事は許すまじ事。そんな時、水谷やツッチーに看護されたシャッフル・豪樹がようやく復帰した!


「でぇい!! これ以上ワイの教え子を傷付けはさせへんで!!! ―――覇アアアアアア!!!!!!」


 唸る左腕、豪樹のヴァイオレットカラーの拳PASが、遠方の剣やみのりのいるエリアに解き放ち、嫉妬のオーラを相殺した!!



「………はっ、あれ、私どうしちゃったんだろ?」

「助かった……! 豪樹さん!!」

「流石、瑠璃が好敵手に認める訳だ」


 〜〜♪♪


 剣や銃司が仲間の応援に救われる中、二人のプレイギアに着信が掛かった。


『銃司、たった今穂香が裏プレイヤーの出処を見つけたようだ。今から総員で拘束に向かう!』

『あたし達も加勢してくる! 剣くんはみのりちゃんを頼んだわよ!!』


「分かった史也兄」

「やりゃ出来んじゃんか穂香め。レミも気を付けろよ!」


 ▶▶▶ NEXT▽


 他の仲間達も一同にアクションを起こす一方、いよいよ裏プレイヤー側もその完全犯罪の連携コンボに亀裂が入り始めた。



「もう無理しちゃダメ、小原さん。ラストは私が全部押してやるわ」


 小原もエンヴィーもPASのエネルギーは尽きようとしている。だが嫉妬を生み出すという不幸しか呼ばないエンヴィーのPASを意地でも使い切ろうと、彼女は最後の力を振り絞る。


「【ジェラシー・エナジー】MAXパワー!!!!」


「いい加減にしなさいッッッ!!!!!」


 エンヴィーの最大パワーを放とうとしたその刹那、瞬間移動で矢のように飛ぶ穂香の高速平手打ちが炸裂した!!



 ――ビシィィィッッ!!!!


「はぅ?!!」


 右頬は以前倭刀に殴られたアザ、そして左の頬には穂香の平手の痕を残して美女の顔は傷だらけ。PASの力は完全に遮断された。さらに、


 ピュン、ピュピュンンン!!


「グっ……?! こ、こレハ――!!」


 そして小原とエンヴィーの周囲には、四方八方にPASのエネルギーを吸収する抑制トラップの機械モジュールが張り巡らす。立海・史也があとから駆けつけ小原の動きを停止させた!


「嘘だろ……!? もう僕達のPASを探知したのか!!?」


 あと残ったのはデクルックス。桜がPASで空間を捻じ曲げ、レミと豪樹、そして上方からはシェイパー兄妹とゲーム戦士が一同に裏プレイヤー達を包囲した!!



「その点は、切り札騎士に喝を入れられたそこの()()魔導師がMVPだ」

「史也さんまで……何はともあれ裏プレイヤーの皆さん、これ以上の狼藉は私達が許しません!!!」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ―――さぁ、ゲーム戦士達の活躍によって裏プレイヤー達の裏ゲームは潰えた。人々を一点に集める能力と、嫉妬を増強させる能力は無効化された事により、人々から禍々しい妬みと殺意は消え去った!


「……あれ、急に心が晴れてきたぞ?」

「え、俺ら、何を興奮して変な事言ってたんだ!?」



 読者の皆さんご覧下さい。裏プレイヤーに操られてたとはいえ、VRフィールドに寄って集って倭刀をこれでもかと罵った事に困惑し、後々に罪悪感に苛まれる者も現れています。


 本音とはいえここまで怒りを露わにして醜態を晒した羞恥心と、『死ね!』『殺せ!!』と罵詈雑言をぶつけた事への後悔はシャークトレードと同じく()()()()()()()を犯してしまったのです。


「ほら言わんこっちゃない! ゲーム終わるまで自責の念でも込めて静かに反省してな!!」


 剣さん、貴方も容赦ないですねぇ……



(周囲の殺気が抜け殻のように落ちてる……! そうか、穂香姉ちゃんがやってくれたんだ!!)


 裏プレイヤーの成敗を人々の変化によって察し、耐え抜いた事への実感を湧き始める倭刀。

 そして眼前に視野を向ければ、ギガント鹿賀からもディープグリーンの嫉妬の波動はすっかり消えていた。


「よっしゃ、戻ったか!!!」


 すると倭刀、覚醒したばかりの白と黒の刀のPASを一旦沈めて戦闘態勢から解除した。


 ………ありゃ、読者の皆さんから『えーーー!!?』やら『逆転劇見せろや!!!』と嫉妬では無いけどブーイングの嵐。ちょっと待って待って、説明しますから!!



 そもそも倭刀がこの決闘を挑んだのは、裏プレイヤーによって暴走したギガント鹿賀の制止が目的。

 つまりアクシデントから成ったゲームで、暴走から解き放たれた今となっては倭刀にとって戦う理由が無くなったからなのです。



「……気が済んだか。色々言いたい事はあるかも知れへんが、もうゲームはお開きだ」


 と倭刀が自らノーコンテストを主張し、ゲーム終了を促すが……



「…………それはならん。わたしは最後までゲームを続ける!」


 そうは問屋が卸さなかった!


「は!? まさかまたエンヴィーのヤツ……」

「違う。わたしは正気だ。ゲーム続行はわたしの意志で決めた事だ」

「でもこれ以上何を……?」


 とそこでギガント鹿賀、ブレスの装填口から一枚のカードを手に取ってこう言った。



「しかし、わたしに勝てたのならば、この《シャイニング・フレイムドラゴン》を君にあげよう」


 何とアンティの増加にレアカードを譲渡するという鹿賀の主張とは裏腹に、倭刀は自責の意が浮かぶ。



「………そうか。こんな命とも言える切り札を譲渡させてまで、そんなにシャークトレードした俺の事を許せないか…………」


「そうではない、最後まで話を聞きなさい!」


 ありゃ、妖気が消えてすっかり真摯な大人になってますね鹿賀さん! すると彼もまた戦闘態勢を崩し、とある昔話を語った。



「わたしもプロレス時代は、四角いリングで暴れる強いレスラーに憧れ入門し、トレーニングは欠かさず戦いは最高のコンディションでリングに上がり勝ち上がったものだ。―――()()()()()をするまでは」


(怪我………!?)


「レスラーはガタイが強いのが売りだが、試合で負傷した身体を引きずって戦う事は、プロレスにおいて“死”を意識せざるを得ない。危険な技を身体張って打たれ打つ事は己の寿命を縮める事になるのだ。わたしはその怪我が完治せぬまま、時代の流れでプロレスが端に追いやられるようにわたしもレスラーを引退した。


 ……だがこの超次元ゲーム時代は、そんな破れた夢を再び求める事の出来る時代。わたしは決闘カードゲーム『アメイジング』の存在を知り、仮想空間でも現役のように戦える場を求めてゲーム戦士になった。その出発の際に出会ったのが―――池谷倭刀、君なのだ」


「………………」


 倭刀はギガント鹿賀がゲーム戦士として再出発しようとした事など知らずに、自分の浅はかな欲に溺れシャークトレードを勧めた事に対し、沈黙に徹しながら己を恥じた。



「無知なわたしを利用した君を許せぬと思ったのは事実だ。だが直接手を出さず、わたしはゲーム戦士の頂点に立つ事で復讐の代わりをしようと考えた。

 ………しかしそれでもプロレスでの恍惚を思い出す事など無い。進歩など何もしてなかったのだ。君には本当に、済まない事をしてしまった……!!」


 巨漢の男が自らその高い頭を地面まで下げ、騙した倭刀に向けて土下座をする……!



「何言ってんすか……何でアンタが先に謝るんすか!? 俺に騙し取られたアンタがまたカードを譲るとかする以前に、話聞いてたら尚更ゲームを続ける意味は無いじゃないすか!!?」



「漢が命を掛けた勝負に、同情も遠慮も要らぬッッッ!!!!!!」



 ――地を揺るがす低く太いギガント鹿賀の叫びに、倭刀の魂も震えた。


「ゲーム戦士もプロレスラーも皆、戦い勝つ為に努力するもの。故にわたしのリングに刻まれた傷は勝利の時のみにしか光らぬ、栄光は勝つ者に眩く光るものだ。


 そしてこの《シャイニング・フレイムドラゴン》は、そんな過去のプロレスでの栄光、復讐魂の象徴だ。時代は変わった今わたしはこれを手放し、本当の意味で出発を果たさねばならんのだ! 池谷倭刀よ、君はこの太陽龍を手にする程の()()はあるか!!?」


「―――!」


「『一念天に通ず』! 君が大事な人を守る、強い者を越えようという強い信念があれば、その思いは天に通じ、太陽をも掴むことが出来るのだ!!

 今観客は君に悪意をぶつけた事に戸惑い、或いはそれをも否定する者もいる。その者達に見せ付けてやれ、君がどんな思いでシャッフル・オールスターズの旗を守り、強さを手にしてきたかを!!


 ――――君が培ってきた努力は、必ず太陽に届くッッッッ!!!!!!」


(ギガントのおっちゃん………!!!)



 その時、倭刀の胸奥から熱い鼓動が鳴り響く……!!



「アンタの言う通りだ、ギガント鹿賀。俺が努力して戦う理由は俺の好きな姉ちゃんを守りたいから。俺を仲間だと思ってくれる奴等に格好エエ所を魅せたいから。

 そして何よりゲーム戦士としての目標、桐山剣さんを超える自分になりたいから!!


 ―――俺は勝つ。双龍宿る魂をもって、絶ッッッ対に勝つ!!!!!!!!!」



 さぁ、ご唱和下さい!! ――いざとなったら魂を込めろ!!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【双龍刀ダブルドラゴンブレード】確認。

 ・PASスキル【光と影の二刀流】発動!

 カスタム・ツール《闇黒龍刀》《閃光龍刀》を装備!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 PASの力で招来したるは閃光を放つ光の刃と、影を生む闇の刃。これらは皆太陽の元で光を呼び、時に影を生み出すとするならば、紛れもなくPASの二刀流は()()()()()()()()()()()()()!!!



「行くぜぇギガント鹿賀!! ファイナルラウンドのゴングを鳴らせええええええ!!!!!」


 さぁいよいよクライマックス! 今こそ互いの重苦しい過去から決着を付ける時!!


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


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