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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME37-7】嫉妬と狂乱のバトルフィールド!!

 

 ――恐るべし、プロレスラー・ギガント鹿賀のアクションカードから織りなす16文キック!!


 強烈な威力は元より、そのインパクトは華奢な倭刀に痛撃なダメージを与え、フィールドの端まで吹っ飛ばされる始末。


「ッ……、痛ったぁ〜!」


 鹿賀の《ビッグ・ブート・キック》の衝撃からようやく立ち直った倭刀。離れた距離に追い詰めようとギガント鹿賀は倭刀に攻め寄りながら、2枚目のカードをスキャンする!


『カスタムツール・カード、【チャンピオンズ・パワーベルト】!!』


 発動後、急接近する鹿賀に降り掛かる巨人の手刀!


「倭刀危ない!!」

「ッッ!!!」


 ―――ドガッッッ


「【脳天唐竹チョップ】―――!!」


 何とここで鹿賀の必殺技コマンド! これは、《チャンピオン・パワーベルト》の必殺技だ!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタムツール・カード>

【チャンピオン・パワーベルト】EG:⑤

 属性:橙 装備:プレイヤー

 効果:装備後、プレイヤーは以下の

 必殺技コマンドを得る。


 ≪必殺技≫

 ・『脳天唐竹チョップ』AP:400 EG:③

 ・『ギガントブロー』AP:500 EG:④

 ・『ジャイアントスロー』AP:600 EG:⑤

 ◎――――――――――――――――――◎


 ベルトの栄光が、鹿賀に3つの必殺技を伝授させるのか!? 黄金のチャンピオンベルトを装着した鹿賀は、まさに本場プロレスのリングに立つ巨人となった!



(やっべぇ……手刀にブローに投げ技の近距離デラックスかよ! こんなんじゃ《轟竜刀》持って攻撃しても危険や!!)


 同じく近距離攻撃を得意とする倭刀にとって、爆発的な破壊力を持つ鹿賀との一騎打ちは分が悪いと判断したようだ。


「……そうだ、そういう時こそユニットだ!」


 EGも溜まった所で一気にカードを2枚装填、スキャン!!


『ユニットカード、【切り込みサムライ】二連発動(ダブルアクティベイト)!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 <ユニットカード>

【切り込みサムライ】EG:②

 AP:200 DP:100 AS:5

 属性:赤 ユニット/サムライ

 ・能力:なし

 ◎――――――――――――――――――◎


 特殊能力は無いが、EG②の軽量でAP200の高攻撃力を持つサムライユニット召喚。だがしかし。


「この戦場(リング)に配下を連れるとは……あまり宜しくはないですな」

「あ……? 何言ってんねん、プロレスや無いんやからユニット出してもかまへんやろ?」


「貴様はそうであろうが、わたしは例えプロレスでも決闘であっても己の身体でッ、ぶつかるのみッッ!!」



 鹿賀の矜持(きょうじ)はプロレスだけでなくアメイジングにも貫く! ユニットを召喚せずに自分の五体のパワー・タフネスを持って敵を制圧する。デカ心臓に込めた魂は伊達ではない!!



「再び必殺技コマンド発動……『ジャイアントスロー』!!!」


 《チャンピオン・パワーベルト》の投げ技唸る! 発動距離は壊滅的に狭いが、倭刀のユニット《切り込みサムライ》の腕をガシッと掴んだが最期。

 グルングルンと巨体を軸にしてユニットを振り回し、その周囲にいたもう一体の《切り込みサムライ》をも巻き込んで同士討ち。ユニット諸共遠くに放り投げてノックアウト!! 倭刀のユニットは全滅。



「スゲェーー!! 鹿賀のヤツ、ユニットを持たなくても全然強いぜ!!!」

「それに比べて倭刀は何だ! ユニットに攻撃を任せてテメーはダメージを逃れようなんざ流石卑怯者らしいな。果てしない程のクズ野郎!!」


 憎さは百倍、恨みは千倍。決闘中の倭刀に容赦無く野次は飛ぶ飛ぶ中指はアンテナのように立つ立つ。

 それを観ていた一般者にも、その憎さは伝染しつつあった。


「あの男の子、すっごい嫌われようだけど何かあったの?」

「過去にシャークトレードしてたんだとさ。嫌われて当然だよありゃ、同情の余地無し」

「しかもあのシャッフルオールスターズのメンバーだってさ」

「嘘? あの有名メンバーで何であんなのも受け入れてんだよ!?」


 こうなってしまっては弁解の余地どころか、ヘイトの余波はより増すばかり。この群がり具合に決闘中の倭刀も気付いた。


(マズイな、どんどん人が集まってやがる。密なんてレベルちゃう、パンデミック並や! 勢い増さんうちに早く終わらせないと……!!)


 終わらせようにもギガント鹿賀の強タフネスに爆発的パワーでは、とてもじゃないが逆転は不可能に近い。ユニット相手でも歯が立たない相手に倭刀の焦りも浮かぶ。


 ―――しかし、そんな窮地劇に更に拍車を掛ける悪い奴がいた!!!


 ▶▶▶ NEXT▽


『ほらよ、あたいの力で充分人が集まったよ。やるなら今のうちにやっちまいな』


 アンダーグラウンドに良からぬ策を(ろう)する正体不明の裏プレイヤーと、妬み嫉みのエンヴィー。ギガント鹿賀の嫉妬心を操る上で更に展開を始める。


(……人の心は愚かな程に醜い。夢を追う者、社会に出向く者は皆妬み嫉みを抱えずに生きてはいけない。上に立つ者を引きずり降ろす事こそ、真の愉悦感を覚えるものよ。―――その醜さこの上ないジェラシー、私に捧げなさい)


 いざとなったら魂を込めろ! 良からぬ事を企むものに禍々しき深緑のPASが動く!!



「――セカンド・ブースト。嫉妬に狂い踊れ、愚民ども!! 【ジェラシー・エナジー】!!!」


 ディープグリーンの危険なオーラが、野次馬観客のみならず、VRフィールドの鹿賀と倭刀を襲いかかる!!


「「?!!!」」


 嫉妬のグリーンに包まれた二人、その時倭刀は心の内に秘めていた()()が異変を起こす。



(………妙な気分や、急にムカついてきやがった―――!!!!)



 エンヴィーのPASによって、抑圧していた嫉妬の感情がここに来て爆発。彼の脳裏に浮かぶのは、シャッフルオールスターズの特定したメンバーであった。



(『天野槍一郎』、いっつもドライな感情で風に受け流しては、無意識に強者ぶったオーラ出しやがって………!! ダチが居ねぇ理由分かってんなら()()した事あんのか、嫌われてる所直す気があるのかこのノーテンキ野郎!!!)


 ちょ……倭刀さん――!?


(ムカつくといえば『桐山剣』もや。切り札を呼び起こすPASだぁ!? んなチートな能力持ってる癖に、謙遜して頼らずに冴え頭で粋がった振りばっか見せやがって、何様のつもりや!!)


 更に倭刀の嫉妬の標的は、他ならぬ彼女にも……!


(そういえば……『大森穂香』も……ホントの姉じゃねぇのに、何でコイツの為に苦労してシャークトレードまでしたのに戦わなきゃならねぇ!? バカにしてんのかよ、孤児の俺に偉そうに説教垂れた奴に、シャークの罪もコイツに払わせればこんな事に―――――――)




「止めろやああああああああ!!!!!!!!!!」




 心を弄んだ感情に怒りの咆哮。『いざとなったら魂を込めろ』パート2、倭刀は無意識にオレンジの【ドラゴンブレード】のPASを発動させ、妬みの波動を振り払った!



「な………何や、今の感情は……?!! 誰かのPASに支配された………いや! ()()()()()()()()()()感情が出やがった―――!!!!」


 思いもよらなかった倭刀の感情放出に恐怖を覚えた倭刀。心の同様にPASの形も歪んでは戻る。



「……凄いPASの波動を感じた……! 水谷さんは!?」



 穂香はこの危険なPASに反応し、すかさず彼女もPASの発動で防御、そして水谷やツッチーも豪樹に影響を出すまいと伏せるように二人のPASを発動させて身を守っていた。


「こ、こりゃ堪らんわ! 気持ち悪ぅて吐きそうなくらい嫌な波動やで!!」

「このままじゃ倭刀くんが危険よ! 急いでゲームを中断して……」


 水谷らは警告に倭刀らのゲームの中止を促そうとするが……


「ふざけんなよ。池谷倭刀が不利になったからって都合良く相手に背を向ける気か?」

「ボーッとしてんじゃねぇよシャーククソガキ!! 戦いに『待った』なんて通用しねえんだよボケ!!!」



 モロにPASの波動を食らったギャラリーの眼は既にPASのディープグリーンに染まっていた!!


(……まさか。ギガント鹿賀は誰かに頼まれたとか自分で決闘を起こしたとかじゃなくて、反吐が出るような腐敗した感情波に喰らわれて、意識を無くしているのか……!?)



 うわあぁ、何ということでしょうか!? 辺り全体のギャラリー達が緑の眼に操られて、嫉妬ジェラシー全開に倭刀に罵っている! 更に酷いものは『死ね』やら『殺せ』やらと精神を故意に汚す者も増加しつつある。これじゃマナーの悪いスポーツ観戦と同じだ!!



(俺は前にもこんな感情があった。妬ましくて、嫉ましくて……、気持ち悪い感じ! 間違いねぇ、あのPASを操ってんのは『妬み嫉みのエンヴィー』や!!)


 倭刀は彼女が留置所送りにされたのを知ってはいたが、この状況からして同胞に脱獄を手伝ったと悟った彼は、穂香に報告する。


「……穂香姉ちゃん! PASの力で、操っている黒幕を探してくれ!! この旧都の何処かに『妬み嫉みのエンヴィー』が居る!!!」

「本当!?」


 穂香も覚えのある波動に合点がいった様子。詳細を知ったからには必死にPASで居場所を探そうとするが……


「……ダメ、掴めない! 鹿賀さんの先の波動の流れが完全遮断されてるの!!」


(掴めない……!?? 穂香姉ちゃんを持ってしてもか!?)


 エンヴィーとの戦いを経験した倭刀は、そのPASの格もここまで有能では無い事を知っていた。

 彼の思惑では可能性として、()()居る事、そして彼女以上の実力を持つゲーム戦士が付いている事を予感した!



(早く見つけ出さないと、倭刀がこれ以上罵倒され続けるのだけは見たくない!!)



 追い詰められる穂香、孤軍奮闘ながらにPASの力で位置を探るにも八方塞がりは否めず、それでも必死で波動の糸口を探す。


 孤独な戦いに思われた…………その時!!



『『穂香ちゃん!!!!』』


「え? うぷっ?!!」



 何と彼女の巨乳目掛けてダブルダイビングしてきたのは、シャッフルオールスターズメンバー・河合みのりと畠田レミではありませんか!!!


「み、みのりちゃん!? レミちゃんまで!!」


「「穂香ちゃん、助けに来たよーー!!」」


 みのりとレミがアンダーグラウンドにて再会。という事は……!?


「よ! 来てやったぜ穂香!!」

「お久しぶりですわ、穂香さん」


 やはり、同じく合流していた桐山剣と立海の時実桜も穂香と再会! これで現時点で倭刀や豪樹も含めてシャッフルオールスターズ、6人が一斉に揃った!!



 しかし、サプライズはこれだけではなかった!



「「「「「え?????」」」」」



「―――暫くぶりだな、大森穂香」

「……これは驚いた、槍一郎を抜いたシャッフルが一斉に揃ってるではないか! 桐山剣!!」

「「ボンジュール、シャッフルオールスターズ!!」」




「「「「「あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!」」」」」




 立海遊戯戦団からは立海銃司を筆頭に、大門史也、更にはシェイパー兄妹もバッタリ再会!!

 外部からは水谷とツッチーも合わせて一気通貫(イッキツウカン)全帯么九(チャンタイヤオチュー)、総勢12人のゲーム戦士が勢ぞろい!!!


 大波乱のアンダーグラウンド、どうなる激闘のブラックホール!! 本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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