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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME37-6】暴乱の大巨人・ギガント鹿賀!!

――TIPS――

【ゲーム戦士・プレイヤーステータス】


☆――――――――――――――――――☆

 ・ネーム:ギガント鹿賀(ギガント鹿賀) ♂


 ・プレイヤーレベル:30

 ・ジョブ:『プロレスラー』

 ・PAS:【???】


[プレイヤーステータス]

 ・アクション:S・シューティング:D

 ・ロールプレイ:C・タクティクス:A

 ・スピード:D・ブレイン:B

 ・ハート:A・ミュージック:C

 ・ラック:B


[プレイヤースキル]

 ・【ハートビート・パンプアップ】【野生本能覚醒】など


[エンブレム]

 ・『アメイジング・サバイバーモードβ版』本戦出場シード獲得

☆――――――――――――――――――☆ 

 

 ――地底空間・B1層の旧都に、ドーム状の半透明なVRフィールドが展開されております。


 しかし近くまで寄って観るならば、中にはヤンキーな若者と大巨人! リングマッチのサプライズかと見まごう決闘が開始されていた!!


 池谷倭刀の罪への禊もこめた復讐マッチ、アンティは彼が行ったシャークトレードの償い、片や何やら禍々しい波動によって暴走しているギガント鹿賀の制止。

 何かと釣り合わない賭け分ですが、今はこの修羅を終わらせる事が先決か。そんな二人のステータスはこちら!


 〔池谷倭刀 HP1400〕

 〔ギガント鹿賀 HP2800〕


 倭刀のHPステータスは前回のマッチと変わらず、だが対するギガント鹿賀はその倍!! プロレスラーの性か大山女将以上のタフネス。


 さぁ地獄のエンドレスタイトルマッチ、開幕だ!!!



 ▶▶▶ NEXT▽


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・倭刀のプレイヤースキル

【刀は己の魂】発動!


 デッキから《轟竜刀》を呼び出し、

 そのまま装備します!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 おおっと! 開始早々招来したるは侍の魂。カスタム・ツールカードの《轟竜刀》が、鞘付き一丁で倭刀の懐に宿る。


 ◎――――――――――――――――――◎

 <カスタムツール・カード>

【轟竜刀】EG:③

 AP:150 PP:10

 属性:黒 装備:プレイヤー


 ≪必殺技≫

『逆鱗斬』属性:黒 EG:①x

 ・効果……x分払ったEG×100のダメージを

 相手のユニットまたはプレイヤーに与える。

 ◎――――――――――――――――――◎


(……この心境に状況、懐かしいぜ。剣さんと初めて会った時を思い出す。だがあん時のチンピラだった俺とは違う。心構えとやらもレベルアップした俺が、そう簡単に負けるかよ!!)


 かつて、シャークトレード件で剣とのファーストコンタクトを取った頃を思い出す倭刀。廻り廻ってその状況やら立場、そして相手の立ち位置でさえもデジャヴのように脳裏に駆け巡る。


 対して、ギガント鹿賀は……!


 ―――グッ……!


「………!?」


 何と鹿賀、両手を前にして握りながら、上半身の体勢は背筋真っ直ぐでそのままに、膝を曲げては伸ばしの繰り返し。どうやらこれはヒンズースクワットの運動のようだ。


(何や……? あのオッサン、急にスクワットなんざやりやがって。そんなんはゲーム前にやるもんちゃうんか?)


 などと彼の行為を不思議に思う倭刀。と、そこへ声を掛けたの豪樹の手当をしている外部のツッチー。


「倭刀はん、ボーッとしてる場合とちゃう! ありゃプロレスの準備運動にゃ欠かせん“パンプアップ”や!!」


 ―――パンプアップ。筋肉の一部に宿る血液を逆流・逆入する事によって、身体の強度とサイズを向上させる行為。プロレスや格闘技といった五体をフルに使う為には欠かせない運動だが、このアメイジングのゲームにおいても例外では無かった!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・ギガント鹿賀のプレイヤースキル

【ハートビート・パンプアップ】発動!


 プレイヤーステータスの『攻撃力』

『守備力』が3段階アップ!!

 ◎――――――――――――――――――◎


「いけない、倭刀! 鹿賀さんのステータスが強化されてる!!」

「マジかそんなプレイヤースキルがあったなんて!!」


 穂香の号令で危険を察知したか倭刀、武器やユニットを持たない鹿賀に《轟竜刀》片手に攻撃をするが……


 〔ギガント鹿賀 HP2800→2725〕


「はっ?!!」


 何と不思議やら、《轟竜刀》のAPは150ある筈の斬撃が、半減して75しかダメージが通っていない!!


「アカン、パンプアップの効果で防御力が強化されよったわ!」


 実はゲーム時にはプレイヤー自身にも強化できるステータスがある。『攻撃力』『守備力』『速度力』『回避力』『運力』の5つに、5段階で構成されたプレイヤーステータス。


 先程の鹿賀の【ハートビート・パンプアップ】により、ダメージを軽減する『防御力』が3段階強化した事によって、50%即ち半減する強度を得たのだった!


「ウソだろ、クソッッ!!」


 得意の攻撃戦法もダメージ半減されては持ち味が消える。仕方なく刀でがむしゃらに乱斬りしようとしてもこの通り。


 〔ギガント鹿賀 HP2350〕


 そんな倭刀の斬撃にも苦にもせず、ひたすらパンプアップを続けた鹿賀の運動は終わった。


「ハンディキャップはその辺で良いか、若僧」

「な……何――――?!!」


「プロレスにも反則行為は日常茶飯事だが、わたしのパンプアップも邪魔する事は無かった」


 パンプアップを終えて立ち上がった鹿賀の姿は、倭刀にとっては途轍もなく巨大な壁に見えていた。



「ショー・スポーツなら反則しようと構わんのだが、わたしはここに()()をしに来ている。貴様に切り刻まれた傷は―――」



 ギガント鹿賀、巨漢の腕に装着されたカードスキャンブレスにカードを1枚装填!!


『アクションカード―――』


「ギガント級にして、返すまでだッッッ」



『――――【ビッグ・ブート・キック】!!』



 ドカァァァァッッッ!!!!



「おおおぶふゥゥゥ?!!!!」


 ギガント鹿賀の16文級の巨大脚で繰り出されたキック、嗚咽の断末魔を上げてフィールド端部まで吹っ飛ばされた倭刀! 前代未聞だ!!



 〔倭刀 HP1400→650〕


「750ダメージ!!? 何て攻撃力なの!?」


 穂香でさえも驚愕する驚異の破壊力。そのカードの詳細はこうだ。


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈アクションカード〉

【ビッグ・ブート・キック】EG:④

 属性:橙

 効果:ブロック不可の500ダメージ。

 その後自分はデッキの上から5枚カードを

 墓地に送る。

 ◎――――――――――――――――――◎


 多少のデメリットがありつつも高い攻撃力。しかし500ダメージの所を750も過多に受けたのは、これもパンプアップのプレイヤースキル。


『攻撃力』が3段階上昇で、カードの効果も50%アップ。したがって倭刀のHPを半分以上削れた。

 開始早々揺らぐVRフィールド、この騒ぎに意識を失っていた豪樹すらもこの光景を目にし、微かに呟く。



「あ、アカン……! 強すぎて、倭刀が太刀打ち出来へん――――!!!」


 ――そして、半透明なドーム状のVRフィールドとキックの衝撃に目撃・耳にしながらギャラリー達が続々と集まってきた。


「……なぁ、一体こりゃ何の騒ぎだ?」


「池谷倭刀の公開処刑だ! シャークトレードの常習犯を今からギガント鹿賀が徹底的に粛清してやんのさ!」

「こんな街のド真ん中で決闘か!? 正気かよ!」


「えぇいこれじゃまだまだ客が少ない! 仲間にも急いでこの見世物を知らさなければ!!」


 止せば良いのに過剰な程の野次馬根性。一人のゲーム戦士がこの事を人脈使って更に多くの者に知らせ、その様子を見ていた一般人もその動きに足を止めた。


「オイオイオイ、やってるよアイツら……」

「ちょっとあれ……プロレスラーのギガント鹿賀じゃない!? 何で彼がアメイジングを……!?」


 その動きが更に集客に拍車をかける。


「期待のホープ・ギガント鹿賀が詐欺野郎の池谷倭刀と決闘だってよ!!」

「頑張れーギガントーー!! 人様のカードを騙し取るクズなんかぶっ潰せーーー!!!」


 人の群れがまた群れを呼ぶように、VRフィールドをプロレスリングに例えて四方八方に野次馬観客が集まり、決闘の見せしめ格好を晒す!!


「やっぱり、集まってきましたね……」

「無理もないわな。あのギガント鹿賀はプロレスはおろか、ゲーム戦士としても功績を上げたあんちゃんやからな」


 水谷やツッチーも傍観するように、2つのリングで名を馳せるギガント鹿賀は周囲にとっては()()と称される程のゲーム戦士。対して倭刀はブーイングにファッキンポーズの嵐。


(これじゃ倭刀が、()()の様じゃない……!)


 ……穂香さん。残念ですが倭刀は()です。シャークトレードの償いが成せてないツケが残ってる以上は周りの者が許す訳がありません。


 ―――ゲームはまだまだ続きます。



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――倭刀と鹿賀の決闘の様子を観ようと、各所からぞろぞろとゲーム戦士や一般市民も混ざって群がる中、たった一点微動だにせず傍観する者がいた。



「……よし、第一段階は成功。まさか池谷倭刀が関わるとは思わなかったけど、私の復讐も込みで巡った縁なら、悪くないわね」


 はい出ました、この決闘を引き起こした張本人『妬み嫉みのエンヴィー』!

 ギガント鹿賀に急接近したのは、彼の嫉妬心を生むPASの力によって、彼の心を操り暴走させる為であった。


 しかし、脱獄してアンダーグラウンドに戻った彼女が何故こんな真似をするのか。それは脱獄を手伝った()()の影があった。



『凄いねぇ、裏プレイヤーの若いのも大したもんだ。マッチョレスラーの嫉妬心を炙るだけで抗うことも無く操作してるんだから。下手すりゃ野次馬ども共々戦争だって引き起こせる』

「うるさい、自分が優れてないと他人を褒めようとしない癖に妬ましい」

『いや世辞じゃなくてマジな話。アンタの能力が無きゃ策は始まらないんだから助かってるよ』

「私は私のやりたいようにやってるだけ。アンタの恩義にやってる訳じゃないから」


『あーどっちでも構わない。―――平和ボケしてるゲーム戦士達に思い知らせてやろうぜ、このアンダーグラウンドは裏プレイヤーのナワバリだってな。鳳凰堂孔雀をぶっ潰して古き良き時代を取り戻すんだ!!』




 ―――果たして、妬み嫉みのエンヴィーを脱獄させ、野望を果たそうとする者は一体誰か!?


 それぞれの嫉妬と良からぬ企みが交錯するアンダーグラウンド、激震は止まらない!! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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