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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
261/468

【GAME37-5】巨人暴走!復讐のリングマッチ!!

――TIPS――

【ゲーム戦士・プレイヤーステータス】


☆――――――――――――――――――☆

 ・ネーム:ユカタン(水谷由香) ♀


 ・プレイヤーレベル:40

 ・ジョブ:『体操選手』

 ・PAS:【プルプルゼリー】


[プレイヤーステータス]

 ・アクション:A・シューティング:B

 ・ロールプレイ:B・タクティクス:A

 ・スピード:A・ブレイン:B

 ・ハート:A・ミュージック:A

 ・ラック:B


[プレイヤースキル]

 ・【新体操フォーメーション】【プルプルボディ】など


[エンブレム]

 ・『リングフィットアドベンチャー』『Wii Fit』

公認インストラクター など

☆――――――――――――――――――☆ 

 

 一年前、大好きな姉貴分を守る一心で自ら枷を背負い、シャークトレードを行っていた倭刀。

 その因果は廻り廻って地底にて多くのゲーム戦士からヘイトを掻っ攫う事になった。


 カードとはいえども、己の力の象徴と言える1枚1枚の結晶。その価値を漬け込んで詐欺する行為は、ゲーム戦士達の裏切り・傷心を意味する。

 いくら姉の為とはいえどもツケに回ったその罪は()()()()と言う他はない。


 ――故に探索をすればするほどゲーム戦士達にその悪行は拡がり、倭刀の良心の痛みが強まる。それでも庇う仲間は居れども、限界があった。


「――もう仕方ない……すんません皆、俺やっぱり別行動取りますわ。こっからは俺独りで戦います」


「な、何を言ってるの倭刀……!?」


「もう観りゃ分かるやろ穂香姉ちゃん! 俺がヘイト集めてるせいで探索が思うようにイカン、足引っ張るぐらいなら俺なんか居ない方が良い」


 豪樹や水谷、ツッチーといった大人の受容は受け入れつつも、やはり他人を巻き込みたくない一心で孤立を決めた倭刀。それに対し穂香は、


(倭刀がシャークトレードさせたのは、元は言えばカード集めに加わった私が原因なのに……そうでなくても私は裁判を立てるほどの罪を犯したのに。どうして倭刀だけ……?)


 穂香さんのやるせない気持ちも分かりますが、仮に裁判で罪を収めようとしても、被害者の心まで癒せるとは限らない。今はその精算がまだ済んでない為のツケを払う意味で、受け入れるしかないのでしょうか。


「それは、倭刀が蒔いた種を責任持って回収する意味で決めた事やな?」

「そうです豪樹さん。俺は嫌われて当然の事をした。自業自得は正論やし、んな事で凹んでたら独りで戦ってる槍一郎先輩はどうなんやって話になるから」


 何かに(すが)り付く事はなく、自分の意志でその罪を受け入れようとする。今まさに自立進行中の倭刀。


 ところがそれを良しとはせず、依存しているかのように不安を駆り立てたのは、穂香姉ちゃんだった。


「………駄目よ。私は倭刀だけ切り捨てるような事はして欲しくない。なら私も倭刀と一緒に行きます」


「ちょッ、姉ちゃんまで付いてくことねぇだろ!? 常にクールに周りを見ろつったの姉ちゃんやろ!!」

「貴方が孤立してトラブルになったらどうするの!? 独りで危険を背負い込まないで!」


(いや、二人共アカンな……知らん間に冷静さが失いかけとる)


 豪樹さんの思惑通り、周囲からの蔑みから冷静に判断する力が失いつつある倭刀と穂香。

 このまま別のトラブルは出来れば起きてほしくない思いも抱えながらも、その願いは爆音を皮切りに微塵となりて消えた。



 ―――ドォォォォオオオオオン!!!!!



「な、何や!?」

「あっちの方から叫び声が……!!」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――倭刀のいた方角から北北東、エリアウエストOS-4にて野獣の如し叫び声が轟いた!



「うぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!」



 何と2メートル超えの巨人が一人や二人のゲーム戦士の首根っこをむんずと掴むや否や、背負い一本遠く彼方へ投げ飛ばしている。人間ボディスラム!!



「お、オイあれ……元プロレスラーのギガント鹿賀じゃないか!? 確かゲーム戦士期待のホープって呼ばれてて……」

「解説してる暇あるか!? 下手すると俺らも投げ飛ば……おぉぉッッ?!!」


 鹿賀の目線に入った者を、片っ端からちぎっては投げちぎっては投げ。投げる方向には傍観する人々をも巻き込んでのグラップラーアーム。

 そして彼の眼は、()()()()()()()()()迸る。我を忘れて暴走状態!



「一体、何が起こったんですか!?」


「――――ぬっ、ホァアア!!!!」


 駆けつけた穂香らシャッフル勢、それに目をつけた鹿賀は殺気をそちらに向けて猛接近!!


「危ない、伏せろ!!!」


 先陣切るは豪樹、彼が盾となり猛進する鹿賀を力ずくで止めようとするが、対して鹿賀は豪樹の巨体の一部を力強くグリップ。からの―――



「ウォォォルアアアアアア!!!!!!」


 ―――ゴスッッッ


「がはッッ……」


 驚天動地、豪樹を逆さに持ち上げての怒涛のプロレス技『ブレーンバスター』炸裂!! 強固な地底の地に豪樹は脳天かち割れ寸前に叩きつけられた!!!


「豪樹さん!!!」

「てんめっ、何しとんねんな!!」


 シャッフル随一のタンク・豪樹が軽々と持ち上げられた。その鹿賀の剛力に恐れをなしながらもその暴挙に怒るは穂香と倭刀。

 そして鹿賀は振るう力を抑えきれず、吠えに吠えながら彼らに布告する。



「そこの青二才、このわたしと決闘しろ」


 鹿賀の巨大な指から突き出した相手は……池谷倭刀だ。


「あ……俺!? アンタ頭大丈夫かよ、新ゲームも控えてる中で決闘か!!?」


「構わんよ、元々わたしはゲームでの賞金などに興味は無いのだ。……しかし、過去の過ちを拭いきれぬ貴様をわたしは許す訳にはいかない。今ここで禊の意味を込めて、貴様と決闘を申し込む」


 他のゲーム戦士を含め、ギガント鹿賀も倭刀のシャークトレードの被害者。故にそれ相応の報いを受けずにのうのうと地底を屯する彼が許せないのか、怒りを込めての宣戦布告だ。



「さぁ決闘を受けるのだ。貴様が負けた時は、この地底から即刻立ち去って貰う。そして持てるカード全てを手放してでも奪った分のカードを主に返還しろ」


「そんな……!?」


 制裁にしては最もなアンティを持ち込む鹿賀。だがしかし、それを挑む時と場合が余りにも宜しくない。



「アンタが怒るのは当然だけどな、今やる事じゃ無いやろ。新ゲーム控えてる中でのトラブルは、アンタ自身にもそのペナルティを受ける事になるんやで!?」


「ペナルティでも何でも受けるつもりだ。わたしが仕掛けた喧嘩に仕方なく受けたと貴様が勝って主張すればいいだけの事だ」


「マジかよ……!」


 ギガント鹿賀は本気、復讐の成就の為ならどんな後始末も受ける覚悟で倭刀に決闘を申し込んだ。

 そしてそれを傍観する他のゲーム戦士達は彼の行動をこう解釈する。



「そうか……! ギガント鹿賀は被害にあった皆の分まで奴をぶっ潰す為に敢えてあんな悪役を買って出たのか! これは好カードだ!! 思う存分やっちまえーー!!!」


 野次馬が跳んで出てきたようにギャラリーが急に騒ぎ出し、それが波紋となりて辺り一面にその様子が知らされ、数相応の観客を集めていった。


 鹿賀がプロレス装束を装うのならば、今の地底の旧都は一変し()()()()()()と化した!!



(……? あの男の周辺から、微かにPASの波動が――??)



 穂香のPASの洞察力から、何やら以前にも感じ取ったような既視を思わせる微弱なPASの波動を感じ取った様に感じた穂香。対して倭刀は、



(プロレスラーの性つったらそれまでだが、あのオッサン、こんなに攻撃的な奴なのか? 過去にプロレス界を騒がせていたギガント鹿賀ってのは……?

 ――まさか他の誰かに唆されたか、俺を恨んでる奴なんざ五万と居そうだが、その中で最も殺意を持っていそうなのは………)


 倭刀特有の人間らしい鋭い思考回路が冴え渡る。ギガント鹿賀は操られていると踏んだ彼は、その黒幕の存在を視野に入れ始めた。


「……どうしたのだ。貴様がわたしの決闘を受けないと言うのなら、わたしはこの旧都を破壊し尽くすまでだ」


「アカン、それだけは駄目や!! 分かったやってやんよ、その決闘受けて立つ!!!」

「倭刀!?」


「ここは俺がやるしかねえよ姉ちゃん。奴の殺気がギラギラしてんのが俺にも分かる。ここで受けなきゃ、何を仕出かすか分からない……!!」


 ゲーム戦士の脅威を制圧するのはゲームだけ。二次被害を出さぬと自らその決闘に買って出た倭刀。


「それにこの原因を作ったのは俺だからな。詐欺の精算がこれで少しでも出来るなら、受けて立つぜ。変なもんに()()()()過去の決別も込めてな」


「…………分かったわ。負けちゃ駄目よ、倭刀」



 穂香からの許可も降りて決闘を受ける体制に入る倭刀。水谷とツッチーは伸びた豪樹の手当をしつつ、穂香は倭刀の決闘を見守る事となった。


 ―――前回、裏プレイヤーの『妬み嫉みのエンヴィー』に勝利した倭刀。

 己を振り返り直し、決闘におけるスタイルの確立やアイデンティティを手に入れた彼は丁度成長過程真っ盛り。だからこそ、そう容易く負けるわけにはいかない意地がそこにはあった。


「……あと周囲に警戒しといて。このゲームの裏には何処か()があるかも知れへんから」


「分かってるわ。だから貴方はゲームに集中しなさい」



 デッキのセッティングを終え、カードスキャンブレスを装着した倭刀。アンティはシャークトレードの件とは無関係に、『ギガント鹿賀の制止』。これを引っ提げてゲームの舞台に立つ!!



「プロレス引退以来、久々の()()だ。貴様がわたしに勝てたら、シャークトレードとやらの件は潔く全て忘れよう」

「……アンタが良いんなら、それでいいぜ」



「――――では、尋常に……勝負!!!」




「「アメイジングバトル! READYレディ!!」」



『――――STARTスタート UPアップ!!!!』



 世紀の対戦、ドラゴン侍・池谷倭刀VS暴乱の大巨人・ギガント鹿賀の亜流決闘マッチ!!

 展開したVRフィールドが、燃える闘魂のリングと化す! ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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