【GAME37-3】繋がる因果・嵐の前触れ!!
――TIPS――
【ゲーム戦士・プレイヤーステータス】
☆――――――――――――――――――☆
・ネーム:覇豪丸(高橋豪樹) ♂
・プレイヤーレベル:47
・ジョブ:『格闘家』
・PAS:【アイアンフィスト】
[プレイヤーステータス]
・アクション:SS・シューティング:B
・ロールプレイ:B・タクティクス:A
・スピード:A・ブレイン:B
・ハート:A・ミュージック:D
・ラック:C
[プレイヤースキル]
・【金剛のホライゾンロード】【精神統一】など
[エンブレム]
・『SUPER ストリートファイターⅡ』完全制覇
・『THE KING OF FIGHTERS 2002』完全制覇 など
☆――――――――――――――――――☆
――アンダーグラウンドの空間は底知れず広い。
表の世界とは違って、県や地方に囚われずエリアコードで分けられた地底空間では、閉じ込められども国境は無しの開拓地。
故にこの空間にて、シャッフルは穂香・倭刀・豪樹と、立海は銃司・史也・シェイパー兄妹といった名のあるゲーム戦士達が、エリアコード:ウエストOSへと集結していく。
――そしてもう一組、彼らも例外では無かった!
▶▶▶ NEXT▽
「驚いたよな、まさか桜が知らんうちに大阪来てゲームワールドに転送してたなんてな」
「はい、私は剣さんの手助けに来たのですから。現実世界に戻って、皆様と合流の可能性も込めて大阪に来ました」
「それにしても桜ちゃんって身長高いのね」
「160はあるんじゃない? いーなーあたし牛乳飲んでも150止まりだもん」
はい、この一連を読んで誰か察した方は素晴らしい!
シャッフルからはご存知、桐山剣・河合みのり・畠田レミ。そして立海から派遣された時実桜の四人も別ルートからアンダーグラウンドにやって来た!! 主人公、久方振りのご登場だ!
……しかし、来た理由やら何やら聞く前に確認を。貴方達何処で地底に行くための“黒パスポート”を手に入れたんですか?
「んぁ? 俺はおじいちゃんから聞いたら知らんうちに俺のパスポート造ってたらしいから貰った」と剣。
「私も何でか家に黒パスポート作ってあったの」とみのり。
「私は立海の侍女ですから、もしもの為に作成はしておりました」と桜。
「普通に持ってた」
……レミさん。素っ気なく言わないでくれます? 巷じゃ希少なアイテムで通ってますから。
「だって物心付いた時から作ってあったんだから、これが普通だと思ったんだもん!」
というような訳で、都合良く通行手形は主要キャラの手に持ってたようで。
そもそもこうして皆が地底空間に出向いたのには、例の新ゲームが関わっていたからでした。
「アメイジングのFPS型新ゲームだってさ! レミが誘わんかったら気づかなかったぜ」
「あたしの勘なんだけど、多分その新ゲームで探してるオーブが優勝賞品で出る可能性が高いと思うの。――まぁ100人一斉参加でしょうから、それなりに期待しても良いかもね」
流石は女の勘と言うべきか、意外な所で鋭く察するレミに皆が納得をせざるを得なかった。
「じゃレミちゃんもそれに参加しようって訳なの!」
「勿論よ! みのりちゃんに自信付けてくれたんだもの、シャッフルにコーケンしないと女が廃るわ!!」
レミみの百合パワーで覇気を取り戻したレミはやる気満々。それに誘われみのりや剣、桜もその新ゲームに興味が湧いてくる。
「オーブが関わってくると言う事になれば、いずれ銃司様達と合流する可能性もある訳ですね。それなら私も参加する意義はありますわ。――銃司様、もし地底に来られるのならば、何か仕出かして無ければ良いのですが……」
桜さん、もしかしなくても銃司さんは大いにやらかしてます。そんな主を心配する桜に剣が話し掛ける。
「……やっぱ、城主の事が心配か桜?」
「い、いえ……銃司様が先立って、私を剣さんの元に送り出してくれた以上、私はその使命に徹するだけですわ。それに……私も一度は城を出て世間の事を勉強したいですから」
「そんじゃ俺は、桜の課外授業の先生ってか? それもエェな! もし地底で銃司に会ったら挨拶しに行こうぜ」
かつて心に傷を負い人間不信に陥った桜が、自ら思い立って世間を広く見渡そうと決心するまで至った。
こういう意味でも桜にとって剣は心の恩人。和気藹々とする二人に少しだけ嫉妬の意を込めたのは、みのりの方ではあるまいか。と言った側から、
「……ん? ねぇねぇ皆、彼処に誰か居るよ」
みのりは何を気付いたか、暗がりで彼女ら以外誰も居ない筈の通り道にキラッと光る気配を察した。
それにしては何やら初見の気配が無い。何処ぞで合ったような合わないようなと、みのり達はその影を恐る恐る近づいてみると……
「――ちょっと!!」
「わあああああッッ!!! 待って待って待ってお金はあるから勘弁してぇぇえ!!!!」
失礼にも剣らに金をタカられると勘違いしたこの女の子。実はこの方、
「……あれ!? アンタ、愛実じゃない!!」
「へ……、あ!! そーゆーアンタは私のライバル認定人物のレミじゃないの!!!」
―――えー、2作に渡って3年目に突入してますゲーム・ウォーリアー。その間に登場した人物・ゲーム戦士は数知れませんが、この【愛実】という女の子。
実は随分前に一度登場した事があるのです。過去の作品読んでパラリコセ……あ、ありました。
前作『極限遊戯戦記』の第30話にて、畠田レミと音ゲーで勝負したっきり、何と2019年の9月以来の再登場!! 覚えてる人はいるんでしょうかねぇ??
―――そう、彼女の名は綾小路 愛実(17)!!
剣らの住む大阪浪速区ではちょいと知れたお金持ちの綾小路家で、それなりに名の知れたゲーム戦士。音ゲー関連では特に長けているのが彼女。
ちょいと幼い頃にゲームで手違いやらジェラシー案件あってから、レミとは宿命のライバルとなっていた訳なんですが、お察しの通り一年以上出番が無かった為に作者に忘れられたんじゃないかと疑惑を持たれたキャラの一人。
でも安心下さい、忘れたんじゃないんです。物語の構成上出せなかったんだそうです、作者曰く。
「……あ、そんな事よりもレミ! アンタうちの弟見なかった!?」
出番なかったのに『そんな事より』で済ますとは穏やかじゃないですね愛実さん! それに弟って……?
「弟? あの生意気そうなショタ面した優の事?」
「酷い言い方だけどそう! アイツまた何か仕出かしたに違いないのよ!!」
愛実の弟、綾小路の名字で優と来たらば……まさか!!
▶▶▶ NEXT▽
(――まさかとは思ったけど……新ゲームにシャッフルの奴らが参加してる以上邪魔な事に変わりないよな。何とか嵌めて落としてやらないとなぁ)
倭刀らとスタコラと離れて、またしても良からぬ事を企むは、登場早々印象悪しの綾小路優。正々堂々決闘が出来ない体質ではロクな事を考えない彼に、例の姉との鉢合わせ。
「あ、優!! こんな所に居た!!!」
「チッ……考えてる側からバカ姉……。それにシャッフルの剣達も居るのかよ!?」
どうやら優が煙たくしていた姉とは、愛実さんの事だったんですね!
「丁度えぇやん愛実、ショタの弟がこっちから来たで」
「随分見ないうちに感じ変わっちゃって……」
剣もレミも変わった物を見るような目で優を見つめる。
「……フン、そうやって変な目で見るのも今のうちですよ剣さん! ここで行われる新ゲームで貴方からコテンパンに―――」
「アンタいい加減にしなさいよ!! そうやって煽り文句でゲーム戦士を挑発するの止めなさい!!!」
もう既に悪行は姉にも伝わってた様ですね。
「そっちこそ止めなよ、お母さんみたいな口で僕を止めようだなんて。親が生んだ借金が増える間に姉さんは何か家族の為にしてやったの?」
「やるにしても方法が横暴過ぎるのよアンタは! 中学もロクにいかないで大会出ては賞金稼いで……私の家が借金かさばってるからってお金とか名誉にしがみついて、自分でおかしいと思わないの!?」
おや……何やら、綾小路家でワケアリなようで。深くは掘り下げませんが、ご想像にお任せしましょう。
「………説教するだけなら僕は行くよ、新ゲームの準備しに忙しいんだから。優勝して莫大な金で借金を返す。家族の期待を背負ってるのは僕なんだ。バカ姉と違って僕は暇じゃないんだよ」
「待って、優!!」
「良いから放っといてくれ!!!!」
と、またしても優はゴキブリなりに素早く立ち去り、そのついでに剣らに中指立てた様子も見逃さなかった。
「………随分やさぐれちゃったわね、アンタの弟」
「一年前にうちのバパが事業に失敗して、借金が利子と一緒に増える一方になった時に、優ってば人が変わったように金と名誉にしがみついちゃって。バカはどっちよって話よ」
前回お嬢様キャラで高飛車な性格は何処へやら、弟の変貌に愛実までもしおらしくなってしまい、劇的変化の連鎖であった。
「剣くん……どうする?」
「どうするってみのり、そんなんは俺が手ぇ出す話ちゃうよ。俺に中指立てるほど礼儀知らずな奴は、一片痛い目見ないとアイツの為にならんしな。それに……愛実はこれをどうするか、だ」
それを聞いたレミは、これ以上言うまでもなく愛実に近寄り言い諭した。
「―――愛実、弟の事止めたいんでしょ? だったらあたし達と一緒に、新ゲームに参加しない?」
「え、レミ……?」
一年の歳月は優・愛実のみならず、今を戦うゲーム戦士達の心も変えた!
二日後に開催される新ゲームの拠点、エリアコード:ウエストOSを中核に集まるゲーム戦士。そんな彼等を開催前に良からぬ事を企てようとする奴等がいた!!
―――断言しよう。その主犯とは綾小路優ではなく、復讐に燃える裏プレイヤーだ!!!
▶▶▶ NEXT▽
『“妬み嫉みのエンヴィー”、アンタもこのままブタ箱に収まるのは癪に触るだろ? セカンドチャンスだよ、生意気な表のゲーム戦士を妬み殺してやんな』
浪速警察署の留置所にて、何者かによって裏プレイヤーが脱走したという通知が入った!
何やら途轍もなく嫌なゲームが、始まろうとしているのでした……!!
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




