【GAME37-1】集え、誘われしゲーム戦士!!
――さぁ次なるゲームは、ゲーム戦士に過酷な試練が待ち受けております。テーマは【因果応報】。
過去に良い行いをすれば後から良いことが自分にもやってくる意味を表しますが、逆も然り。悪い事をすれば後から自分にも降り掛かってきます。
そのターゲットとなるのは、再び推参・池谷倭刀!
彼が何を仕出かしたかって? それは、前作読んだ方には分かるかもしれません……! それではッ!
―――『オープン・ザ・ゲート』!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――ここは現実世界・地底空間『アンダーグラウンド』、その関西エリアコード:ウエストOS-7・B1階層。
地下の層に天井を閉じ込めた地底に、夜はあれども朝は無い。代わりといえば、住民達の手によって創設された紫外線と輝きを放つ照明器具のような人口太陽の数々が、時刻に応じて爛々と光照らすだけ。
そんな地底空間より、表から突入したゲーム戦士が。
シャッフルオールスターズは池谷倭刀、大森穂香、そして髙橋豪樹の三勇士。
アンダーグラウンド出身で豪樹の知り合い、仕事仲間の水谷トレーナーと、レトロゲーム商人・土屋ことツッチーの出会いもあって、地下の事を知らなかった倭刀と穂香は暗がりでも、その暖かな人の繋がりを感じていた。
地下の宿屋にて戦いの疲れを癒やす倭刀達。アンダーグラウンド潜入2日目は、人口太陽の輝きによって幕を開ける――!
〜〜〜♪♪
……宿屋で夜が明けたならば、RPG好きな方なら思い浮かぶあの音楽。頭に流れてきたら読者の皆様方も立派なゲーム戦士です。
▶▶▶ NEXT▽
――地下の宿屋でリフレッシュした倭刀達。身支度を終えて、三人は水谷やツッチーの案内でアンダーグラウンドの探索に出ることになった。
夜の時とは違って、人口太陽のスポットライトによって昼間のように明るく照らす地底空間。発展途上の建物並ぶ街並みを歩けば、表の大阪にも負けない程の人々が屯していた。
「随分賑やかやなぁ。いつもあんな感じすか、ツッチーさん」
「うんにゃ? 何かデカイイベントが無い限りは、そない集まる事もあらへんが……まさか」
「孔雀さんの言っていたビッグゲームの影響ですね」
穂香のお察し通り。この街の近辺に彷徨く人々は皆、鳳凰堂孔雀がプロデュースする新ゲーム【アメイジング・サバイバーモード】に出場する裏表問わず力に覚えのあるゲーム戦士ばかり!
目を凝らして辺りを見渡せば、皆建物や地形をキョロキョロ見ては移動を繰り返すばかり。観光にしてはやや急かし過ぎな程に、忙しない雰囲気が目立つ。
「もしかしたら、そのビッグゲームとやらに関連ありそうやな。よっしゃ地底の有名人のワテが話聞いとったるわ」
そこでアンダーグラウンド出身、商人であり地下の巷じゃ名の通るツッチーが、先手打って近くのゲーム戦士に尋ねた。
「何や、ツッチー兄ちゃん知らんのかいな? 皆孔雀さんのビッグゲームの為に、近辺のフィールドの地形やら確認しに行ってるんすよ!」
「何で今更確認すんねや?」
「今日の朝一番から、孔雀さん本人からゲームの趣旨が明らかになったんよ。【アメイジングの新モード・100人一斉参加のFPS方式】で戦うって!」
「「「「「FPS!!!!?」」」」」
FPS、別名『ファーストパーソン・シューティング』。一人称視点で銃器片手にドンパチやりあうサバイバルゲームの事。
開催2日前になって初めて、ゲーム戦士達の前でそれが明らかとなった。
そんな殺気バチバチのFPSの要素を、カードゲーム・アメイジングで取り入れたとなれば戦士達にとっては未知との遭遇、ココロも踊る。
特にこの類のゲームは地形の高低や、室内外での得意不得意などによって適正フィールドが異なる為、FPSをやり込んでるゲーム戦士は、先立って戦うに最適な場所を確認しに地下の外に出向いたのだ。
「そうか……新ゲームってのは、FPSの決闘て訳か!」
「しかも100人を相手にするなら、大人数での激突も考えられますね」
「でも銃とかドンパチするんやろ? ワイはこの通り腕でやり合う格闘家や、肌合わんとちゃうかな」
各々新ゲームの詳細が明らかになって交錯するシャッフルゲーム戦士達の思案。更にオマケでもう一つ、
「あ、そういえば水谷さんと土屋さんはゲームに参加するんですか?」
「えぇ。私はトレーニングの一環で参加してみようかな、なんて」と即座に参加を表明する水谷。
「ワテも参加するつもりで地底空間に帰ってきたんや。……アイツらの手助けになれりゃエンヤコラよ」
……ん? ツッチーさん、アイツらと言うのは……?
「あ、いやいやいや! 気にせんとって、ワテの独り言や。そないプライバシーに付け入るもんちゃうで!!」
あ、スミマセンでした。
それは置いといて、この情報確保に誰よりも思案に没頭したのは穂香姉ちゃん。FPSという情け無用のサバイバルゲームに性格上優しい彼女には抵抗がある様で。
(このゲームを主催した孔雀さんは、ゲームの目的を【人々に戦う力を付ける】と言っていた。……確かに色々物騒になっている世の中だけど、皆に戦う事を意識させて何を考えてるんでしょう……?)
圧倒的なタクティクスで悪人を退治する『パニッシャープレイヤー』の資格を持つ穂香とて、罪を憎んで人を憎まぬ道徳のある者。
無闇な闘志を湧き上がらせる事は、時に良からぬ混乱を招く事も知っている彼女は、少なからずこのゲームに危惧を表していた。
「ねぇ、倭刀はこのゲームをどう思う?」
穂香は呼び掛けようとも返事は無い。ただの屍……じゃなくて、いつの間にか居なくなってたようだ。
「あれ、倭刀? 何処行っちゃったの……」
何処かしこに穂香は辺りを見渡し振り向けば、そこ先には倭刀と、何やらプロレスラーのようなガタイの大きいゲーム戦士と張り合っている様子が見られた。
まさか喧嘩か、取っ組み合いになろうかと思いきや、男の方から立ち去ってただ一人倭刀が立ち尽くすだけで終わったようだ。
「どうしたの倭刀? さっきのあの人に、何か用でもあったの?」
「え、あ、いやちょっとな……穂香姉ちゃんには関係無い話や」
「そう……?」
などと形振り隠す素振りをする倭刀、穂香は何の疑問も浮かばず再び豪樹らと合流した。
「ともかく、皆が地形選びしてるなら俺らも探索しなくちゃな。ツッチーさんもいるし、メインスポット探して対策を練ろうや」
「そうね、参加するからには最後まで頑張りましょう」
と、シャッフル勢計5名。新ゲーム対策の為にこれから探索行こうとした時、しゃしゃり出たのは颯爽登場、本日お披露目・新ゲーム戦士!
「―――あ、いたいた! シャッフルオールスターズの面々ですよね! 始めまして穂香さんに豪樹さん、それに倭刀さんも、お久しぶりです」
現れたのはエメラルドグリーンのショートヘア、男ながらにロリっ気目立ってチャラさも目立つ。
まるで黄金虫のようなイメージで登場は、綾小路 優(15)。
彼の登場を筆頭に、徐々に波乱のゲームへと巻き込んでいく訳なんですが……その続きはまた次回。
――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




