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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME36-10】傲慢決闘の結末……!!

 ――悪魔のような遊戯貴族と、鬼のような遊戯極道。

 二つの同類で同族嫌悪に陥りやすい族共が意地を賭けて戦った傲慢決闘、決着の時。


 その結果は、銃司の《クリムゾンバズーカ》の特大光弾を大山女将の放った《ファイアクラッカー》の打ち上げ花火によって拡散され、()()()()という事でゲームセット。


 しかし実際の勝敗はまだ明らかにされていません。本来ならば、前回の時点で結果を見せるつもりだったのですが、構成の都合によりこの回に持ち越し。

 光弾打ち上げ花火でもたらした結果は、果たして如何に……?


 ―――それでは参りましょう、答え合わせ!!


 ▶▶▶ NEXT▽


「……史也様、一体ゲームの結果はどうなったんでしょう……?」

「二人共HPは0になっちゃったから、やっぱり引き分けなのですの……?」


 正式な勝敗が未だ分からず、ただゲームを管理するCPUの応答を待つばかりでシェイパー兄妹はやきもきと参謀の史也に急かす。当然大山側の裏プレイヤーも同様。



「いや………残念だがこの勝負、()()()()()()


「「えぇっ!?」」


 と驚愕するシェイパー兄妹、その数刻後に正式にアメイジングのVRフィールドからゲーム結果を表記するクリアーウィンドウが現れた!



 〔GAME RESULT(結果)...大山杏美 WIN!! 〕



 正式な表記に確信したギャラリーの一同、裏プレイヤー側は歓喜に踊り、シェイパー兄妹らはただ呆然とするばかり。


「これは一体どういう事なのですか!?」

「えぇと、やっぱり鬼オイランの《ファイアクラッカー》が優先されたから? それと……あぁ〜頭が混乱するですの〜〜!!」


 はい二人共、一旦落ち着いて。何故このような結果になったのか、私と()()()の史也様が説明しましょう!


「だから私は解説役になった覚えは無いぞ」



 ――先ずは大山女将の繰り出した《ファイアクラッカー》のカードテキストをもう一度。


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ツールカード〉

【ファイアクラッカー―怒涛の打ち上げ花火―】

 EG:⑤ 属性:赤

 ・効果:[トラップ](カード発動中)

 ①発動しているカードの効果対象を

 全フィールドのプレイヤー・カードに変換し、

 ランダムに1つずつ発動させる。

 ◎――――――――――――――――――◎


「確かにこのカードは、事前に発動した他のカードの対象を個から全体に変えるのだが、

 ――要は全体で同時に拡げるのではなくて、ただ単に一つのカードを()()()して全体に乱れ撃つ効果なのだ」


 そしてもう一つのポイントは【ランダム発動】。


 銃司の《クリムゾンバズーカ》は、《ファイアクラッカー》によって全体に対象を向けられたが、ユニットもカードも存在しないフィールドで対象になったのは大山女将と銃司のみ。


 コピーされた《クリムゾンバズーカ》が、先に攻撃対象に選んだのは皮肉にも銃司から!


 先にダメージを受けた銃司は既にHP0。次に攻撃対象になった大山女将もダメージを受けたのだが、この時既にHPを失った銃司が倒れた時点でゲームセット。

 仮に拡散した光弾の攻撃対象が大山女将になっていたら、自滅と見なされ彼女が破れていた。


 この1/2の確率を分かつ対象の運が、大山女将の勝利に繋がった訳なのです!



「……ありゃまぁ、そういう事かいな。細かいルールはガン無視してたさかい、最後の最後で儲けたわ! アッッハハハハハハハハ!!!!」


 思いがけない勝利に大山女将の晴れ渡ったような高笑い。そして大皿の盃を再び持ち込んで残した清酒を良い気分で飲み干した。


 ――――これぞ後味スッキリ、大山女将の勝利の盃!!



 ▶▶▶ NEXT▽


「……俺の負けだ。ほら手足の小指4本、思う存分詰めていけ。あと『鬼ころし』10本イッキ飲みも」


 あ、そう言えば忘れてました。銃司が負けたらアンティで指詰めと酒イッキ飲みの約束したんでしたっけ。

 若気の至りとはいえ無謀な約束はするべきでは無いですが、そこは潔い銃司。無愛想ながらも手足を差出し覚悟は決まっていた。


「―――済まなかったな大山杏美。癪な話だが、極道を時代遅れだとか下等種扱いした事は撤回する。この立海当代城主の俺に全力を出させ、貴様は打ち倒した。

 即ち貴様を侮辱する者が他に現れようものなら、それは我々立海への挑発に繋がると、高みで見物している連中にも認識するだろう」


 大変乱暴なやり方であったが、このゲームはかつての極道や、裏に住む者の威厳を再認識させる為に企てた立海の交渉だったのです。


 鳳凰堂やらWGCの件で肩身の狭い想いをしていた事に勘付いたのか、銃司なりの計らいでしょうか……?


「…………そりゃどうも。負けた途端に素直になっちゃって」


 と、徐に差し出したのはドスの小太刀。これで銃司の小指を切り落とす……かと思いきや。



「……オイ、何で俺の()切ってんだ」


「お前さん、妙に爪長いで。指詰めよ思たけどそないな指じゃ詰める気にならん。女に嫌われるわ」

「は!? 何を今更……」


 急に気の良いおばちゃんと化した大山女将。良く考えれば17の銃司に30代の女将では仁義抱えるにも抵抗を感じたのだろうか。


「はい、あとその兄ちゃんには『鬼ころし』10本! 飲むなり料理の足しに使うてや」


(要らねぇ……)


 更にはイッキ飲みどころか史也に清酒の瓶を渡すだけで済んだ。だが史也にとっては御荷物となり別の意味で罰ゲームとなったようだ。


「どういう事だ大山! アンティと話が――」


「どういう事やって、私からのMVP賞や。私ら遊戯極道も優しい御方で通っとんねん。そちもさっき無謀なアンティをチャラにしたろ? 私もチャラついでにB1層の一本道、譲ったるわ」



 ――思いがけない所で交渉は成立! 雨降って地固まる、互いに良き方向に持ち込めて史也も納得の表情。


「その慈悲、心より感謝する。お陰で私の血圧も上がらんで済んだ」


 史也様、身体だけはお大事に……


「……これは俺だけの問題では無い。極道の施しなど一生の不覚ものだが……史也兄に説教は嫌だからな。甘んじて受けよう」


「じゃ不覚ついでに忠告したる。あんたらがアンダーグラウンドで何しに行くか知らんけど、万が一鳳凰堂孔雀に対峙するなら、中途半端な甘さは捨てときや。奴は強さとはまた違った次元を持つヤバい化け物やから」


「どういう意味だ? 俺は甘さは見せぬがそれ以前に、鳳凰堂らと対峙する気はサラサラ無いが」

「……まぁ気にせんでえぇよ。心配性な鬼からの言葉で取ってくれりゃ宜しおす」


 遊戯極道の鬼までも恐れをなす鳳凰堂孔雀とは、明るみは剥がれども未だ怖いオーラを放ってますねぇ……


「まぁ遊戯貴族に遊戯極道、互いにやりにくい所もあるけども、頑張っていきましょ」


「……貴様に言われるまでも無い。行くぞ皆」



 何はともあれ、互いの面子を守り合いながらも戦い興じて一件落着。

 半ば裏プレイヤーからは未だ中指立てる輩もいるが、それを止めとけと促すお利口さんもいる。


 極道一同に銃司は振り向きも握手も交わさず、譲られたB1層への一本道を突き進むのだった。


 ▶▶▶ NEXT▽


「全く……あの曲芸まがいの鬼も大概だが、お前もそれによく綱渡り出来たものだな」

「何の事だ、史也兄」


「さっきの《ファイアクラッカー》、大山は既にHPが200しかないのに、一気に1000ダメージ振り込むとは。反転反射に警戒はしなかったのか?」


 ……確かに。銃司の《クリムゾンバズーカ》は支払ったEGでダメージも変わる。あの時に一気に⑩も支払わないで②くらいで支払えばジャストキルで、反射で返り討ちされずに済んだのだ。

 カードの本質からして、銃司も諸刃を喰らう事を警戒しなかったのでしょうか?



「……史也兄、一年前のアメイジングウォーズでもし剣に勝利したとして、あの戦争の主犯の大森賢士郎を打ち倒せたか?」


 そりゃ貴方、剣さんが勝たないと前作の盛り上がりが


「そーゆー事を言ってるんじゃない馬鹿者」


「そんなIF(もしも)な話ししても時は戻らんぞ。あの時は異次元の神も勝つつもりで、お前が戦争を引き起こしたんじゃないのか?」


「当たり前だ。我ら立海が奴を甘く見ていた事は否定出来まい。いずれにしても……何の因果か戦友の仲になって、こうしてシャッフルオールスターズを助けに向かう間柄になる事は、夢にも思わなかったがな」


 あの時剣らシャッフルと戦っていなければ、あの時共闘する決断をしなければ、現代の自分は存在しない。


 勝利、敗北が幾多も重なり合おうとも、己にとっては最善とは限らないかもしれない。銃司はあの戦争以来心の中で悟っていたのかもしれません。


「お前の兄もそうだったよ。交渉にしてもゲームにしても、相手を信じて事を運ばして、最後は自分だけが深く傷付くだけ。それが甘さと隙にならねば良いがな」


「俺は勝つ前提でゲームを挑む事に変わりは無い。だがこれが負け戦になろうと、これが最良の運命ならそれも良かろう。勝敗など己を強くする為の通過点に過ぎん」


「だったら今度は私やシェイパー兄妹に巻き込まんようにしておけ。新入りに破天荒なプレイを魅せるなど悪影響この上ない。私も心臓に悪いわ」


 そう史也が言ったからには、同席するシェイパー兄妹の二人も苦笑いで同調せざるを得なかった。


「安心しろ、俺のプレイはテストには出さん。……しかしあの遊戯極道とやらめ、全く面倒くさい輩だ」



(((いや、アンタも同類だよ……)))



 立海ゲーム戦士一同、同じ想いのツッコミが飛んだ。


「しかし道を通したとはいえ、B1層に入って穂香らと合流するのは地道で行くしかない。早く合流するぞ、良い加減兄妹(コイツら)に俗悪なものを魅せるわけにもいかん」


「何が俗悪だ史也兄。この俺こそ遊戯貴族として至高に立つに相応しき男だ。そうであろうシェイパー兄妹諸君?」


「え……と、フローレン何か褒め称えなさい!」

「お兄様!? あ、あの、えぇ全く素晴らしいですのッ! 破天荒とゆーか滅茶苦茶とゆーかシッチャカメッチャカなトコロもなんたらかんたら……」


 それは褒め称えではありません。()()()()と言うんですよ。



「兄妹には我々の前に一般のゲーム戦士のプレイを観たほうが良いだろう。極端なプレイスタイルよりも、地道に戦うノーマルなスタイルを習った方が為になる。例えばそうだな―――()()()()とか」






「―――びぇあッくしょいッッッ!!!!」




 地下B1層に鳴り響いたくしゃみ一発。これは風の噂か、それとも新たなゲームの前触れか……?


 次なるゲームも舞台は地底空間・アンダーグラウンド。新ゲーム【アメイジング・サバイバーモード】開催に向けて、続々と集まるゲーム戦士達。



 そんな彼らを巻き込んで、次回は地底空間でとんでもない事件が勃発します!!


 本日は【GAME36/傲慢決闘・後半戦】にて読み終わり。またお逢いしましょう、ネクストゲームッッ!!



 ▶▶▶ SEE YOU NEXT GAME...!!▽

▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


――新ゲーム開催を前に、集まる未知のゲーム戦士達!

曲者揃いで仲良くなるにも抵抗あり、そして過去の因縁引っ提げて、狙われたのは誰だ!?


―――ゲームセンシヨ……イカリクルエ!!!!!



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