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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
255/468

【GAME36-9】地底に飛んでった打ち上げ花火!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆〔銃司 HP800 手札1枚 EG:②〕

 ・武器:《ACS・マグナサモナー》

 ・ユニット:【真紅の吸血帝王―BLOOD(ブラッド)EMPEROR(エンペラー)―】


 ★〔大山杏美 HP1000 手札1枚 EG:16〕

 ・武器:《ACS・ゴルドサモナー》

・ユニット:なし


※銃司のユニット、【EVOLUTION】!!

ゲームはいよいよクライマックス!!!!

 

 ――立海銃司の魂に宿る、もう一つの誇り(プライド)


 亡き兄の立海丈の意志を宿し、時代に廃れた種族に遅れを取らぬと、魂のみならずユニットに()()の力を与えた!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 <進化ユニットカード>

【真紅の吸血帝王―BLOOD(ブラッド)EMPEROR(エンペラー)―】

(《鮮血の貴公子―BLOOD(ブラッド)LOAD(ロード)―》を進化)

 AP:800 DP:1000 AS:10

 属性:黒/赤 ユニット/ヴァンパイア

 ・能力:[フライヤー]

 ①このユニットが攻撃しダメージを与えた時、

 相手のデッキの上から20枚墓地に送る。

 ◎――――――――――――――――――◎


 喰らいついた牙は血だけでは足りないのか、精神をも吸収する! 戦闘ダメージを与えた瞬間デッキの大半が削ぎ落とされる帝王の真紅牙。

 多大なダメージとデッキ切れした瞬間にゲームは敗北する、そんな恐怖に打ち勝てるか!?



「……さぁ、決着を付けようか大山!! 吸血鬼の帝王よ、時代遅れの鬼を(むさぼ)り喰らうがいい!!!」

「阿呆か、私が御馳走にされてたまるかいな!!!」


 メインディッシュは酒呑童子の踊り食いか!? 進化した吸血鬼は漆黒のマントをも翼に変えて、地底の暗がりに音もなく忍び寄り獲物を鋭利な牙で仕留める。


「―――む゛んッッ!!!」


 しかし大山女将も丸腰ではない。唯一の武器で鬼に金棒、《ゴルドサモナー》をバットのようにブンブン振り回して迫る敵をも威嚇する。


「交わせ、吸血帝王ッ!!」


 ユニットとて捨て身で攻撃するだけの単細胞ではない。


 時に主人の司令で身を交わして次なる攻撃までの回避行動を取るが、吸血帝王の場合は地下の鍾乳洞の尖りに逆さになりながら身を潜める。コウモリか、お前はコウモリか!!?


「狡猾なやっちゃなぁ〜、私の金棒喰らいとう無いからって高い所でおねんねかいな、臆病者!」


 などと吸血鬼とて恐れぬ大山女将はユニットに煽る。


「知らぬのか、臆病は時として次の襲撃への起点となる!! 故に貴様への攻撃は()()()()()()()()!!!」


「なっ―――」


 気配を察した所でもう遅い! 零距離で迫った吸血帝王の牙が大山女将の首筋に突き刺さった!!


「がッ……?!!!」


 〔大山杏美 HP1000→200 デッキ枚数29→9枚〕


 遂に喰らわれた大山女将。牙から吸いつくされる身の感覚は血の気を引くどころか、脳に放出した熱をも吸われて低体温に陥る程。

 その時身の危険と、喰らう方が喰らわれる屈辱に陥った大山に怒りの鉄槌が――!



「―――汚い牙で私に触んなやボケェ!!!!!」



 首元に引っ付いた吸血帝王の首根っこを掴み、振り払ったその刹那に《ゴルドサモナー》の必殺技コマンド『鬼神一徹』、根性バット炸裂!!



 ―――鬼神撃(ゴスッッッッ)!!!!


 吸った血は返っては来ないが血反吐を吐いて吸血帝王、鬼の一撃に破壊!

 しかし帝王の与えたダメージは多大なもの。大山のHPは残り200を差し掛かった所で銃司が動く!!



「やはり最後まで抗ったな大山。だがこれが最後だ、俺の兄の霊幻を出すまでに至った敬意を称し、この技で貴様を討つ!!!」


 ドロータイムまであと僅か、敵に可能性を見出さない内にチェックメイトを決める銃司、残り1枚の手札を使ってカードスキャン!!



『ツールカード、【クリムゾンバズーカ】!!』



 紅蓮色のカラーに土管かと見まごう程の大筒大砲。アメイジング登場には存命していなかったが、かつて兄・立海丈が覚醒していたPASは【クリムゾンバズーカ】、紅蓮色の大砲の形の魂。


 それから没した後のアメイジングゲーム始動で、なんの因果か兄の面影を思わせる大砲のカードが世に出ていた。誰が造り給うたか運命のカード。


 偉大なる兄、立海家の先代城主へのリスペクト。銃司はそれを担いでこのゲームに決着を付ける!!!



 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ツールカード〉

【クリムゾンバズーカ】EG:X

 属性:赤

 ・効果:①ユニット1体かプレイヤーを対象にし、

 EGを支払ったX分の数値×100のダメージを与える。

 発動後、このカードは墓地の代わりに

 除外フィールドに置かれる。

 ②このカードの発動に対し、相手は

 打ち消し・ブロックは出来ない。

 ◎――――――――――――――――――◎


「……私のHPは200、そうでなくてもお前さんの今のEGは⑩だから最大1000ダメージで詰み……か。―――終わりやな、心臓なり頭なり好きに狙って撃ちぃや」



 大山女将の手札も1枚。そしてこのリアクションを見るや対抗するカードが無いと悟ったか、鬼神に満ちた覇気がみるみると失っていった。


「…………」


 ――そして、発動解決前に銃司は何を思ったか。我々は確認出来なかったが、彼は悪意に満ちた笑みを浮かべて最期の料理の仕方へと移る。



「……散々貴様には罵詈雑言を垂れたが、我々遊戯貴族とは慈悲深い者だ。立海の城主を()()も対峙した貴様にはMVPを与えねばならん。

 アンティ条件での情報の提供とて都合の悪い部分もあるだろう、その辺はチャラにしてやる」


「……あぁ? 何ですのいきなり丸ぅなって、気持ち悪い」


 ゲームはまだ終わっていません。この案件は相手にとって舐めきった交渉と取ったのか、位の高い者同士の駆け引きは我々には想像し難い所があります。


「……フン、まぁどう解釈を取ろうが勝手だがな。その代わり俺は貴様を全力で討つ。EG⑩支払って最大1000ダメージで落とし前を付けてやる」


 憎さ百倍のオーバーキルじゃないですか!!?


「我が遊戯貴族に手加減も妥協も必要ない!! 常に頂点、最強を目指すために、MAXパワーで戦わねばならぬのだ!!!」



 そして《クリムゾンバズーカ》の対象が、大山女将に完全にターゲットロック。数刻後には紅蓮の大型光弾が彼女の巨体諸共包み込む!



「これで終いだッッ、《クリムゾンバズーカ》発射(ファイア)ァァァ!!!!!」


 放たれた紅蓮光弾、これには大山女将とてもう為す術もなしかと思われた―――その時!!




「――――ぬ゛ん゛ッッッ!!!!!」




 ……何と、何と?!! ゴルドサモナーの金棒一本、巨大光弾の放出速度を相殺して、()()()()()()()!!!!



「バ、馬鹿な!? 俺の《クリムゾンバズーカ》を金棒一つで何故止められる!!?」


「………お前はんの()、ごっつ重たいなぁ……! 鉛や隕石なんかの比じゃあらん、二人の城主の重みが積もうとるわ――!!」


 ゴルドサモナーをバット代わりに光弾を受け止め耐えている大山女将。PASの発動でもなく、プレイヤースキルも無い状況で何故このような荒業を可能にしたか?


 ―――理由は簡単。既に残り1枚の大山女将のカードが、カウンター・レスポンスによって発動していたからだ!!



『アクションカード、【ファイアクラッカー―怒涛の打ち上げ花火―】!!』



 ◎――――――――――――――――――◎

 〈ツールカード〉

【ファイアクラッカー―怒涛の打ち上げ花火―】

 EG:⑤ 属性:赤

 ・効果:[トラップ](カード発動中)

 ①発動しているカードの効果対象を

 全フィールドのプレイヤー・カードに変換し、

 ランダムに1つずつ発動させる。

 ◎――――――――――――――――――◎


「は………花火……?!!?」



「これが私の最後の切り札、《ファイアクラッカー》!! お前さんの発動した《クリムゾンバズーカ》の対象を私だけでなく、()()()()()()()()()()させる!!!」



 なんとロックオンした筈の光弾を空に打ち上げて、大山女将や銃司を含む全てのフィールドにばら撒こうという豪快この上ないラストカードだ!!


「何故だ……?! 最後の最後で、そんな酔狂なカードを温存していたというのか!!??」


「……せやで。これは小原の大好きやったドンパチ花火のリスペクト、言わばアイツへの感謝の形や。あんがとな遊戯貴族、お陰で約束果たせたわ!!」


 そしてゴルドサモナーを掴んだ両手にグッと力を込めて、光弾花火の打ち上げ準備に入った!



「改めて《ファイアクラッカー》効果解決! 地底に打ち上がり拡散しろ、光弾花火ッッッ!!!!」



 唸る二本の鬼豪腕、一旦大きく金棒を振りかぶりながら……、光弾を上層目掛けて吹っ飛ばす!!!



 ―――――豪雄雄雄雄雄雄雄雄乙(ゴオオオオオオオオッ)!!!!!!!!



 ……私とお前、二人が見た夜空は太陽が無ければ星も月もない。地底空間の日々は遠い夢の中。

 本当の輝きが見たくて、輝いている自分を魅せたくてバカやった青春。


 変わりゆく時代と共に、地底の空に飛んでった打ち上げ花火。―――それが今、拡散する!!!!



「―――がッッッ、あぁぁ………!!!!!」



 〔立海銃司 HP800→0 KNOCKOUT!〕


 銃司、拡散された光弾に倒る!!!

 そして大山女将にも同じく降り掛かる!!!!



(……やったで小原。お前の好きな打ち上げ花火。酔狂一筋に、打ちはったで―――!!!)



「ぐふッッッ、うぅ…………!!!!」


 〔大山杏美 HP200→0 KNOCKOUT!〕


 豪快に打ち放った光弾花火。上のB1層に苦情が来るんじゃないかと心配になる程の轟音と火花を散らした末にゲームは終わった。



 しかし勝敗は異例にも際どい結果となった為、ゲームを制御するCPUがその結果の処理に時間を掛けている。



 ―――勝利を手にしたのは銃司か、それとも大山女将か?


 今はただ、()()()()の疑惑だけが周囲の者を惑わすだけであった……!



 ▶▶▶ JYUJI・OYAMA DRAW……?▽

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