【GAME36-7】オーガユニット総進撃!!
◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔銃司 HP2000 手札1枚 EG:④〕
・武器:《ACS・マグナサモナー》
・ユニット:《不死の炎のケルベロス》《肥大する飛影―FLY・D―》
★〔大山杏美 HP1000 手札10枚 EG:⑩〕
・武器:《ACS・ゴルドサモナー》
・ユニット:《鬼ヶ山大明神》
※《鬼ヶ山大明神》の起動能力により、大山の手札よりユニットを任意数召喚!!
――鬼たちの住処にて母なる大地の鬼ヶ山。その山に御霊を残したユニット、《鬼ヶ山大明神》が我が魂を捧げ招来するは大山杏美が出すユニットとは!?
「私の出すん鬼はちと豪快やで、ビビる間も無く潰されんよう気を付けなはれや!!」
と言いながら大山女将のカードスキャン、飛び出すユニットは……5体!!
『アカオーガ!!』『アオオーガ!!』『クロオーガ!!』『キンオーガ!!』『ギンオーガ!!』
「5体揃って、【鬼神戦隊オーガレンジャー】!!!」
って、戦隊ものですかッッ!!?
驚天動地しておいて鬼のヒーローとは拍子抜けしちゃいますよ!!
「バカ、おちょくられてるがツッコむならステータスを見てからにしろ」
あ、はい。驚く私に立海参謀・史也から注意を受け、咄嗟にカードデータを確認するならば、成程“鬼神”と呼ばれる訳だ! 一斉に5枚のカード召喚なので半ば省略でご説明。
――カード名は『五大鬼神』の名で連なる赤・青・黒・金・銀の5体の鬼。オーガと呼ばれる鬼神ユニット。
共通しているのは5体ともEGを⑩使うヘビー級、そしてステータスもASは15秒、AP/DP共に900とこれまたヘビー!!
しかし、各々カラーが異なる鬼は特殊効果も異なっていた。
――赤・《アカオーガ》はユニットのブロックをも貫く[貫通]。
――青・《アオオーガ》は通常の他フライヤー効果も含めた拡大ブロックが可能な[ビッグガード]。
――黒・《クロオーガ》は何と一度の攻撃コマンドに2回攻撃が出来る[デュアルアタック]。
――金・《キンオーガ》は戦闘では破壊されない。
――銀・《ギンオーガ》は効果で破壊されない。
以上攻守共に申し分無しの鬼神戦隊。何処ぞのヒーローショーとは訳が違う。間近で激突する怪獣映画と化したこの修羅場!
対して銃司のユニットは血を流す毎にステータスを拡大する吸血鬼と、蘇生されたケルベロスのみ。
怪獣もとい鬼神オーガ総進撃に対し余りにも多勢に無勢なこの状況。狂気駆られた貴族は抗えるか!?
「フン、デカい鬼どもがゾロゾロと……とすると俺はさしずめ、山から降りた鬼神らを鉄砲掲げて鬼退治か。―――面白い……!!!」
などと修羅に臆せず、逆にエクスタシーを昂らせるは立海銃司。
「こういうのを“一進一退”と言うんだ。流石に東西南北で四天王として鬼の名を語っていただけあるな。一流の遊戯貴族にも一歩も引かないゲーム戦士がまだ居たのか……!」
「……史也様はあの二人のどちらが勝つと思いますの?」
「それは『勝利の女神のみぞ知る』だ。イメージでしかないが、このゲームは言わば鬼と悪魔との戦い。我々が介入する余地は無いのだ」
―――例えばの話。桐山剣は“騎士”のイメージで戦うとする。彼の場合は勝ちも負けも経験した事や技量センスで補って、強敵と互角以上に戦える。
というのは、理論結論で培った人間らしい強さを持つからだ。
しかし銃司や大山女将は、人の道を外した種族を力にしたゲーム戦士。つまり人間のセンスよりも恐ろしい化け物のように、力を最大限に発揮しぶつかり合うだけを極振りしたパワー系ゲーム戦士だ。
理屈抜きで力に全てを注いだ者を、俗に『鬼』『悪魔』と称された脅威のゲーム戦士。
しかし破壊を糧とする者に、それを意地でも喰らう為の【知恵】があるとしたらどうなるか……!?
「幾ら鬼が束になろうとも、俺には魂に掲げた銃がある。貴様ら脳筋風情には鉄砲弾で貫かれるくらいで十分だ!!」
と、誇らしげに掲げるはアサルトライフル型召喚機【ACS・マグナサモナー】。
手札も1枚しかない中でユニットも召喚しない所を見ると……まさか。
「お前はん……まさかその銃だけで、このオーガ戦隊を討とうって企んどるとちゃうか?」
「……フッ、単細胞は殺気だけは敏感らしい。ズバリその通りだ、貴様の金棒召喚機同様に隠し弾は幾らでもある」
そう、大山女将の《ゴルドサモナー》同様に銃司の《マグナサモナー》にも特殊効果があった!
◎――――――――――――――――――◎
<カード召喚機>
【ACS・マグナサモナー】
AP:50 属性:無
能力:300発までバスター系無属性攻撃
≪必殺技≫
①『バーストモード』EG:0
一発に3連射撃を放つ。
②『ショットガンモード』AP:100 EG:①
発射時広範囲に拡散する射撃攻撃が可能。
③『チャージモード』EG:②〜⑤
最大AP100〜500までのチャージショット。
◎――――――――――――――――――◎
通常のアサルトライフル同様、弾丸節約にシングル・バーストを分けただけでなく、散弾銃やチャージライフルも同時に兼ね備えた3つのモードに変換できるマグナサモナー。これはFPS好きなプレイヤーなら誰もが憧れる代物だ。
「そのFPSを制覇しているのが銃司だ。一人称視点のシューティングのノウハウを吸収した彼が、この召喚機を持つ事は何を意味するのか」
……史也様の言う通り。これはもしかしたらもしかするのかも……!!
「これはこれは……私のオーガらの馬鹿力に飛び道具で対抗するとは。仁義に欠けてやしないかい?」
「黙れ、貴様の仁義などに拘って死んだら元も子もないわ。悪魔は時として人類の神器を使っても戦う度胸がなければな!!」
などと煽りに煽るは減らず口は叩くは、傲慢人間の怒りはエスカレート! ならばその憂さをアクションでぶつけてやろうじゃないか、カードだけではないガチンコ勝負。今週のベストバウト開幕!!
「さぁ掛かって来んかい、若造ッッッ!!!」
「ほざけ百貫鬼畜!!!!」
5色の鬼に構えるは色とりどりの金棒、勿論長は大山女将。そんな鬼集団にアサルトライフル召喚機のみで立ち向かう銃司。
間合いは近寄りすぎず、中距離で鬼に銃口を向ける!
「まずは小手調べだ。『バーストモード』!!」
―――B、B、BANG!! B、B、BANG!!
疾風のように撃ち乱れる3連射撃! デカい図体の鬼ターゲットでは撃たれた事すらも気づかない150ダメージ、赤と青のオーガに先ずはファーストアタック!
「ッ……怯むな、迎え討て!!!」
大山女将も黙っちゃいられない。攻撃コマンドをオーガに繰り出しながらも、銃司は後方へと身を交わしながら金棒の猛攻を避けていく。ユニットの攻撃は回避に難しいと言うが、巨体な相手に対し華奢な身体。身軽さは銃司のが遥かに上だ!
「群がってきたな脳筋共……!」
銃司の獲物をサーチする視野に一点に集中するオーガ集団。すかさずマグナサモナーのモードチェンジ、『ショットガンモード』へ!!
―――BLASH!!!
AP100の散弾がオーガ達の身体を刺激する。近距離ながらも広い攻撃判定にダメージが確実に入り、再び距離を離す銃司。
「……さて、そろそろ下僕にも狩りの支度をさせねばな。――行けケルベロス、FLY・D!!」
血と殺戮に飢えた吸血鬼とケルベロスが銃司の一声に答えて一斉攻撃!
「……阿呆か、鬼を獲物にするなんざ1000年早いわボケェ!!」
当然迎撃ブロック宣言! FLY・Dにはフライヤーをも通さぬアオオーガで、ケルベロスはアカオーガでブロック。しかし――!
「阿呆は貴様だ、獣が既に何発か撃たれてるのも知らずに」
〔《アオオーガ》・《肥大する飛影―FLY・D―》相討ち!!〕
「何やてオーガのがステータスが上回っとん………! ――マグナサモナーの蓄積ダメージか……!!」
「力に自惚れる者は、己の受けた傷も忘れる愚か者だ。火遊びするなら青バケツか救急箱くらい用意しておけ!!」
そしてオーガの中でも深手を負っているアカオーガに銃司は標的を絞る。マグナサモナーのエネルギー弾のパワーをチャージさせた『チャージモード』炸裂!!
―――WEEEEEE………BOMB!!!!
〔アカオーガ 破壊!!〕
橙色の放射線を貫かれたチャージショット、終いに爆発したありったけのエネルギーを放出させてアカオーガを仕留めた銃司。
しかし次なる鬼が弔い合戦に銃司に迫る!!
「クロオーガ、アカとアオの仇を討ってやんな!!!」
黒の鬼は一度のコマンドに2回攻撃できる『デュアルアタック』効果を持つ。
銃司は鬼の攻撃を見切ったか、ヒラリと交わす鬼金棒。だがその後ろはフィールドの端のホールで行き来は不可能。袋小路になった事を迂闊にとうとう銃司は鬼の攻撃を腹部に直撃した!
―――ゴスッ!!!
「がッッッ………!!?」
〔立海銃司 HP2000→1100〕
痛撃の900ダメージに翻筋斗打つようにふっ飛ばされた銃司。
……しかし直ぐに立ち上がった彼の眼はドス黒くクロオーガを睨みつけ、狂気のスイッチを起動するようにゼロ距離で鬼の腹部にマグナサモナーが風穴を開ける!!
―――――ガガガガガガガガガガッッ
「YYYYEEEEEEッッッッ!!!!!!!!」
〔クロオーガ 破壊!!〕
マグナサモナー・シングルモード、目にも留まらぬガトリング射撃で蜂の巣にされたクロオーガも破壊!!
――あと残す鬼は金と銀。キンオーガ、ギンオーガが大山女将の護衛のように立ちはだかる!!
「鉄砲玉掲げて鬼を3体も退治するとは大したもんやな。だが金銀の鬼はそない玩具には屈せへんで!!!」
キンオーガは戦闘ダメージ無効、ギンオーガは効果による破壊を無効にするクセ者。
マグナサモナーでは太刀打ち出来ないと知った銃司は逃げの体制に入る。金銀の金棒が右往左往に迫るかと思いきや、大山女将も代表して銃司を襲う!!
3本の金棒が猛威を振るう中で銃司は己の五体をフルに使い神回避、ムーンサルトやマトリックス避けも何のその。鬼の攻撃を意地でも受けんと銃で威嚇射撃しては金棒を交わし距離を離していく。
「成程これは一筋縄ではいかん。ならば俺も宝札を潤すとしようか!」
《CARD DRAW》
偶然にも3回目のドロータイム、瞬時にそのカードを手に取った銃司がカードスキャン!!
『ツールカード、【渇望する糧】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<ツールカード>
【渇望する糧】EG:④
属性:黒
・効果:①自分はHPを300支払い、
カードを3枚ドローする。
◎――――――――――――――――――◎
〔立海銃司 HP1100→800 手札1→4枚〕
「ほ、ホントに手札補充引いちゃった……ですの」
これにはフローレンも唖然愕然家内安全。銃司に宿った札がまたしても運命を切り開いた!
『ツールカード、【ブラッディーホール】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<ツールカード>
【ブラッディーホール】EG:⑥
属性:黒
・効果:①フィールドのユニットを
2体まで対象にし、除外する。
◎――――――――――――――――――◎
突如出現した赤と黒が混じり合った血の色に似たブラックホール。その対象にキンオーガ、ギンオーガを引きずり込み、除外空間へと追放。破壊はされないが除外されれば意味は持たないのだ!!
「「「お、大山姉御の鬼が全滅ゥゥゥ……!!!??」」」
裏プレイヤー一同も当然唖然に安全保障に気をかける程に不安に駆られる者もいた。
まさに立海銃司の有言実行、5体のオーガをアサルトライフル一つで片付けた。即ちこのゲームも、
「――そろそろ決着だな」
はい、史也様の言う通りッッ!!
「貴様がどれだけ手札を蓄え、巨漢のユニットを構えようとも貴様の運命にツキが落ちたように見える。この俺と相対した時点で、ゲームの結末は決まっていたのだ!
―――時代遅れの種族共、酒と幻惑に溺れながら朽ち果てるが良いわ!!!!」
「くっ……?! このワレ、私らが時代遅れの種族だとぉ――?!!」
これには大山女将、煽りに怒りが倍加されて沸点突破に達したかと思ったその矢先。意外な事が……!
「…………まぁ、当たっとるわな」
シュゥウウウウ……
「…………!? 奴の覇気が、消えた――――!!!?」
あれだけ張り詰め解き放った、大山女将の唐紅色のPASが、突如殺気諸共その波動が失った……!!
一体大山女将に何が起こったのか、決闘の最中に悟った彼女の真意や如何に!? ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




