【GAME36-6】鬼か、悪魔か? 紅き血の決闘!!
◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔銃司 HP400 手札1枚 EG:③〕
・武器:《ACS・マグナサモナー》
・ユニット:《不死の炎のケルベロス》
★〔大山杏美 HP1000 手札9枚 EG:15〕
・武器:《ACS・ゴルドサモナー》
――立海銃司のクリムゾンカラーのPASが血の色染まるとき、極限の力に狂気が重なる!!
かつて銃司はPASの力が凄まじいが故に、生まれつき自我をコントロール出来ず、暴走しやすい体質であった。その凶暴かつ制御不能の狂気に兄の自害という修復出来ない傷を作った。
そして心身の成長とPASの覚醒によって、その狂気の器は制御されたのだが……
その狂気を開放した。即ち彼も魂のリミッターを解除して、酒呑童子の魂を宿す大山女将に立ち向かう!!
「何という凄まじき力だ銃司様……!」
「はわわわ……ふ、史也様、あの好敵手の桐山剣は本当に以前銃司様と決闘して勝ったのですの!?」
そういえばシェイパー兄妹は知らなかった。
幾度も好敵手との宿命の戦いを繰り広げた剣と銃司。ガチンコ勝負は三度行われたが、剣が勝利したのはアメイジング・ウォーズの時のみ。※『極限遊戯戦記』第51話参照
「確かにあの勝利を勝ち取ったのは桐山剣だ。無論銃司も本気で戦っただろう。だが今回の決闘で決定的に違うのは、桐山剣は善のゲーム戦士だという事だ」
あの時は今の狂気で駆られた化け物の銃司とは戦っていない。だとしたら狂銃司の姿が真の姿であるならば、絶対に負ける気は無いという意味なのか。それとも……?
「―――そうだ、俺は力を得るために悪魔に魂を売った男だ。だがいずれは桐山剣のように正義を志し、勇気を手にした者によって敗れる時も来るだろう。だがッ、その者とは断じて貴様ではないッッ!!
―――化け物が化け物に敗れる道理など皆無!!! デカいだけの貴様の傲慢など、俺の強さの血肉となって食らい尽くしてくれるわ!!!!!!!」
力の頂点を目指す立海銃司、たとえそれが表の道を外した悪魔に成り下がろうとも屈してはならない矜持がある。
それを阻む者あらば情け無用に貪り喰らう。狂う程に昂るゲーム戦士の美学か……!!?
「―――コイツぁエエわ、腐れきったこの時代にまだこんな阿呆ゥが居たなんてなぁ!! オモロいやないか!!!
肴は炙った馬鹿悪魔貴族でエェ、立海の名共々酒と一緒に頬張ってやるわ!!!!!」
だが対して大山組女将も黙っちゃいられない! 同じく仁義を掲げた誇り高き種族が、西洋貴族に黙っちゃ居られんと狂気の覇気交えて唐紅。
赤に赤を混ぜ合わせた波動の波紋は、全体見下ろせば真っ赤な血溜まりのように見え、修羅場は一層エスカレートする!!
「せっかくうちもEG溜まっとるやさかい、ここらでいっちょデカいの出したろか!!」
と言いつつ大山女将、蓄積したEG16から⑨消費してのユニット召喚!!
『ユニットカード、【鬼ヶ山大明神】!!』
招来せしユニットは山の一部が霊魂となりて意思を宿した神のユニット。
山や畑や川など幾多の自然に神が宿るように、このユニットにもその母なる大地に鬼を住まう事を許した、女神のような霊幻を宿す魂があった!
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【鬼ヶ山大明神】EG:⑨
AP:800 DP:800 AS:20
属性:緑 ユニット/スピリット/ゴッド
・能力:①このユニットは破壊されない。
②このユニットをリリースする事で手札の
任意の数のユニットをフィールドに召喚する。
◎――――――――――――――――――◎
「……ほぅ、弩級のステータス。それに鬼風情が神のユニットに手を出すとは」
かつて酒呑童子も鬼の住処として名高い大江山にて生活を共にした。外道は行えど山々の神への恩恵は忘れず。今もこうして山神の霊魂ユニットを従い悪魔貴族を制圧せんと戦場に立つ。
戦闘・効果では破壊されない《鬼ヶ山大明神》、そして巨大なステータスが銃司の首を締めようとしている。
「……大したジョークだな。この立海銃司に対し“破壊されない”加護を持った神を相手にさせると来た。―――だが、俺の首は神ごときに渡さんぞ!!!」
すると銃司、カード発動ではなくここにきて『プレイヤースキル』発動のコマンドに入る!!
◎――――――――――――――――――◎
・銃司のプレイヤースキル
【墓地喰らいの晩餐】発動!
自分の墓地にあるカードを除外し
1枚につきHPを200ずつ回復!!
◎――――――――――――――――――◎
これはHP回復スキルだ! 現在銃司が使用・破壊されたカードの枚数は8枚、よって200×8=1600の回復。そのカードエネルギーを銃司は手掴みで口の中に放り込む!!
「WYYYYYYYYY!!!!!」
飢えに飢えた獣が待ち侘びた血肉養分を貪り喰らうような野蛮かつ狂わしき様、貴族転じて屍食鬼か!? 吸血鬼ではなくグールか!!?
〔銃司 墓地8→0枚 HP400→2000〕
そして機を熟すように運命の別れ際、互いに1枚のカードが渡る2回目のドロータイムだ!
《CARD DRAW》
「……来たな、ならば俺の勝利の為に神などという幻想を潰してくれ!!」
糧を喰らい肥やし、満たされた悪魔貴族に期待の札。それを迷いなく召喚機に装填、カードスキャン!!
『ユニットカード【肥大する飛影―FLY・D―】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<ユニットカード>
【肥大する飛影―FLY・D―】EG:⑨
AP:700 DP:500 AS:15
属性:黒 ユニット/ヴァンパイア
・能力:[フライヤー]
①自分または自分のユニットが
相手に戦闘ダメージを与えた時、
このユニットはその数値分AP/DPをアップする。
◎――――――――――――――――――◎
飛来し羽ばたく黒いマントが影のように蠢き、血の香りに誘われてその影が大きくなる脅威として恐れられていた吸血鬼ユニット。“FIY・D”、神よりも上に立つフライヤー能力持ちの執政だ!
「マズイぞ、大山姐さんの神ユニットは[フライヤー]能力に適していない!」
「このままダメージを通されれば敗北は確定だぞ……!?」
今まで巨漢のHPを誇っていた大山女将、現在1000のHPで攻撃も素通る状況では逆王手状態。これには同胞の裏プレイヤーも不安の意が過る。
「……何や、鬼に対して貪欲の吸血鬼が2体かえ。ハエたたきにはもってこいやな」
吸血鬼をハエ呼ばわりとは、銃司に負けず劣らずの怖いもの知らずですね!
何度も劣勢に立たされようとも戦う覇気、気力も衰え知らず。貴族の運命を真っ向から叩き潰す気か。
(……なぁ小原。アンタも本当はこんな風に暴れたかったんちゃうか? 鬼や爆走民族が、人の迷惑顧みず盛大に騒ぎたい。モラルやルールに縛られた腑抜け共に実験台にされるんは、最大級の屈辱だったろう。
――えぇで、逃げ怯えた私からの手向けや。アンタの好きな隅田川の花火よりもド派手な大筒花火打ち上げたる………!!!!)
乱暴者だが闘志と情には熱い。似た者同士の鬼と悪魔。
第三者が語るには千年も早い情熱滾る修羅戦。
酒呑童子・大山女将に宿る宝札束が光るとき、再び地底が驚天動地、轟に轟く!!
「《鬼ヶ山大明神》の起動効果!! このユニットをリリース、つまり墓地に送る事で、私の手札から複数のユニットを呼ぶ!!!」
「な、何……!!?」
大山女将の手札は10枚!! 任意数のユニットの特殊召喚を可能にする大明神の力、果たして飛び出て現れるは鬼か蛇か!?
……いや流れからして鬼でしょうけども!! その詳細は次回のお楽しみに。――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




