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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME36-4】酒呑女将・覚醒の盃!!

――TIPS――

【ゲーム戦士・プレイヤーステータス】


☆――――――――――――――――――☆

 ・ネーム:シュヴァルツ(大門史也) ♂


 ・プレイヤーレベル:54

 ・ジョブ:『技師』

 ・PAS:【アンサイクロペディア】


[プレイヤーステータス]

 ・アクション:B・シューティング:B

 ・ロールプレイ:A・タクティクス:SS

 ・スピード:B・ブレイン:SSS

 ・ハート:B・ミュージック:C

 ・ラック:C


[プレイヤースキル]

 ・【アイテム生成】【百計の博識】など


[エンブレム]

 ・『ナンバープレース』レベル11・解読タイム新記録保持者

 ・『I.Q.』完全制覇など

☆――――――――――――――――――☆ 

 

 ――裏プレイヤー東の総長・小原恵美(おはらめぐみ)は、鳳凰堂孔雀らWGCの計略により精神崩壊された。ただ始末するのでは無く、愚かな行いを二度と起こさせぬよう脳神経を破壊するとは誠に恐ろしい事です。


 ……しかし、犠牲になったのは実は彼女だけでは無かった。


 以前【GAME1】にて、テロリスト集団『ブラックヘロン』の生き残りの鳩山照雄が、剣たちシャッフルの激闘後に尋常ではない程の断末魔を上げて姿を消したでしょう。彼も鳳凰堂孔雀に始末された犠牲者だったのです。


 鳩山も脳神経を引き裂かれ、今や脳神経外科病院にて一生車椅子状態、廃人にされたまま。時々フラッシュバックで彼女の鳥の眼を思い出しては『助けてくれーー!!!』と喚くんだとか。


 そういった犯罪者、或いは曰く付きの悪党は、皆鳳凰堂らWGCによって粛清され深淵の闇に葬られた。それも新体制になった本宮社長になり、鳳凰堂が側近になってからの話である。



「――だが、あの後小原の方は病院搬送された後、直ぐに脱走して全く音沙汰は無くなったそうだ」


 こういった話は大山組はおろか、表の人々にもあまり知られては居なかった。真っ黒な話はマスメディアや報道陣には口を封じられやすいと言いますが……末に恐ろしい時代になったものです。


「あの小原恵美の見せしめは、WGCがカードゲーム『アメイジング』をゲームワールドの決闘システムに採用させる為のデモンストレーションに仕立て上げた。

 それだけではなくこの行為は、鳳凰堂の底知れない財政・勢力・智謀を、その場にいたゲーム戦士達に知らしめる結果となった」


「なんて恐ろしい事を……」

「ですのー……」


 まさに一石の裏プレイヤーの餌に、鳳凰堂は二鳥以上の利益をもたらした。

 立海参謀・史也が言うにはあの一件以来、反WGC派のプレイヤーは著しく減り、そういった過激派の者たちは鳳凰堂に逆らわなくなった。知恵と権力は愚鈍な暴力をも制するとは言ったものです。


(……鳳凰堂の“孔雀の眼”は()()()()見えるかは誰も知らない。――小原、あんたのPASを上手く使えば出し抜けた筈なのに、相当キレてたんだねぇ……)


 最後まで銃司の回想に耳を傾け、思いの丈に更ける酒呑女将・大山杏美(おおやまあずみ)。親友の殺生な無念に悔しさの念が滲み出る。


「私も聴いてて覚悟はしとったが、想像以上に最悪な結末やったんやねぇ……」

「鳳凰堂は河合麗子を復権させる条件を無理ゲーに持ち込み、小原がそれに乗せられ挑んだ時点で敗けだったのだ。そんな無様に負け伏した馬鹿者に、俺は同情する気はなれん」


 銃司もキツイ言い方ですが、例えるなら自分から乗っかってきた詐欺話に引っ掛かり、明らかに自業自得なのに慰めてというのは何かおかしいものがあります。勿論騙す方が100%悪いんですけどね。


「……さぁ話は終わったんだ、続きのゲームをどうする? 小原のように惨めに俺にやられるか、最後まで足掻くか、挑んだ喧嘩に興醒めして俺を落胆させるなよ」


 ……読者の皆様は忘れてませんよね? 大山と銃司は絶賛決闘中と言う事を。


 中断したゲームのフィールドでは、銃司は召喚機のアサルトライフルと、マグナム武器の2丁拳銃に加えて吸血鬼ユニット。

 対して大山女将は召喚機の金棒一本携えるのみ、HPはまだたっぷし。鬼に金棒とは言うものの、その威勢は長くは持たないであろう。


「ヨイショっと……!」


 さぁゲーム続行だと思いきや、大山女将何を考えたか、フィールドの片隅から持ってきたのは一升瓶の清酒。カードではない本物の酒を垂直に傾けて瓶ごとガブガブ呑み干してるではないか!?

 ちょっ……ちょっと待って!? もしかしてマジ飲酒!!? ゲームの最中ですよ!?


「……何をしている。決闘の最中に酒を呑むなど……俺を舐めてるのか貴様。それとも鬱はらしにヤケ酒か?」


 そうですよ良い子のゲーム読者も居るんですよ、お酒は二十歳になってから!!


「俺は普通に食前酒のワイン呑んでるが? 17だが」

 それはもっと駄目!!! 皆さんは銃司の真似しないでね。


「………別にそんなんじゃ無いんよ。私は()()()()んや」

「何の事だ?」


「小原がな、鳳凰堂に復讐するって話。2、3日前に小原が私の所に来て協力してくれって頼まれたさかいに断っちまったが、ヤバいことをやりはるって事は知っとったんや」


 それで小原さんの話を聞きたがってたんですね、結果を知らないから……


「お前さんらもイベントで見たんなら、鳳凰堂がどんだけ恐ろしい輩か分かったやろ? 私も相手するんは怖かったんや。若い連中ら守る義理もあるし、ソイツを盾にして私は小原を見殺しにした。……その矢先に頭パーにされるんは殺生やで」


 関東と関西の壁を超えて、似た者同士で繋がりあった裏プレイヤーの奇妙な縁。しかしそれが長くあろうと太くあろうとも、ふとした事から直ぐ切れるもの。

 その友人を失った無情感は、酒だけでは忘れる事は無いでしょう。


「貴様等の身内はどうあれ、小原恵美は只の無謀をさらけ出した愚か者だ。断った貴様の方がマトモだっただけの話だろう」


「……ホンマになぁ、小原も20年頭が遅れとるとゆーか、石頭な頑固モンや。―――でもそれが、アイツ()()()ってもんやろ……!!」


 ……と、再びフィールドの端から空っぽの酒瓶を捨てつつ、もう一本開けてない酒を開けて呑み干す。

 おかわり転じてイッキ飲み、危険ですから良い大人の酒飲みのゲーム読者も真似しないで下さい!!


「いい加減にしろ貴様。大の大人が清酒かっぱらって酔った状態でゲーム出来ると思ってるのか!?」


「……何ゆーてんのお前はん、素入れたら()()()すっから酒の力借りるだけやて」



 ……え、まさか大山女将。酒を呑んで本来の力を最大限に発揮するつもりじゃ――!?


「お前はんがアイツの事を時代遅れの大馬鹿と蔑もうと構へんけどなぁ、時に遠い所からうちの組遊びに来て一緒に酒呑み明かした親友らったんよ―――!!!」


 清酒一升瓶三本目、イッキ飲み……!!


 過剰なまでに酒を呑み尽くし、呂律が回らなくなり顔が真っ赤になる。()()と言ってしまえばそれまでだが、彼女には酒に因んで曰く付きの敬称があった。



 ――【酒呑姐御(しゅてんあねご)のオオヤマさん】。それ即ち、()()()()を加護とするゲーム戦士の称号なり……!!!



(あて)親友(ダチ)を馬鹿にすんなよ。たとえあの無様が犬死に扱いされようが、小原は一人の親友の為に戦ったんや。

 ………高み見物してる鳳凰堂にWGCさんよぉ、折角やしこの際、貴族のガキの決闘ついでに鳥目かっぽじって良く見ておくんなはれ。




 ――――この酒呑童子の鬼畜生を、ナメんじゃねぇぞグォルラァァァァァアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」




 遂に、酒呑童子の魂が目を覚ました!!!

 大山女将の般若の如し鬼の形相、怒りの咆哮が波紋となりて地底に轟き、銃司よろしくギャラリーの者共々、業火色のPASの波動に(おのの)いている!!


「……! あれが、酒呑童子のゲーム戦士のPASか――!!」


 お待たせしました、いざとなったら魂を込めろ! 鬼・オーガの気迫は全てこの魂にあり、紅花染めた唐紅(からくれない)色のPAS!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【シュテンドウジ】確認。

 ・大山杏美のPASスキル

【修羅場前の御神酒盃】発動!!


 HPを1000支払い、

 自分はカードを10枚ドローする!!

 ◎――――――――――――――――――◎


「堪忍な、もう一杯酒呑ませてくれんどすか?」


 PASの波動より生成された御神酒、それをまたしてもグーッと一気に呑み干せば、その酒の強さ故にキツい表情残すも、大山女将の手札には満杯の宝札が!


 〔大山杏美 HP2000→1000 手札0→10枚〕


「バ、馬鹿な!! 己の身を削って10枚も手札を肥やすだと!?」

「……何を驚く事あるん? PASの力は極限を超越するんは先刻承知のハズやろが。―――本当の地獄宴はこっからやで遊戯貴族。酔い潰れて死になさんな!!!」


 ――さぁ、さぁ〜猛撃の開始だ大山女将!!

 酒呑童子の御加護は彼女にどんな霊幻を表し、盤面をひっくり返すのか!?


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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