表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
247/468

【GAME36-1】空白の一年にて……!!

 ――さぁ豪快かつ傲慢なパワーゲームを繰り広げております銃司と大山女将さん。


 ところが不意に出た裏プレイヤーの名が飛び出るや否や、ゲームは中断。大山女将の友人である【小原恵美】の身に起きたある事件を探っていきます。


 回想舞台は今作と前作『極限遊戯戦記 ゲーム・ウォーリアー』の間に出来た“1年間の空白”まで遡ります……!


 ―――『オープン・ザ・ゲート』!!


▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽



 

 ※ここからの回想は、立海銃司による一人称の語りでお楽しみに下さい。by Mr.G


 ■■■■■■


 ――時は今から一年前。

 俺の好敵手・桐山剣率いるシャッフルオールスターズと、我ら立海遊戯戦団との全面戦争『アメイジング・ウォーズ』終結から一月経った頃だ。


 ……まぁメタい話になるが、俺らの中断してるゲームを口に出さぬが楽しみにしている読者の諸君の為に解説しておこう。


 この時期から現在に至る“空白の一年”とは、WGCがゲームワールドオンラインの存亡が掛かった大事件を二度も発生した責任に問われて、一旦この電脳世界を閉鎖し、リニューアルするまでの時間に当たる。


 このゲームワールド充電期間は全国のゲーム戦士達にとっては、闘志の行き場を無くして落胆する者が大半であったが、中には次なる戦い備えて精進する期間でもあった。我々もその一角だ。



 ――そんな空白の一年で、ゲームワールドを管理するWGCは何もしないのかと言われれば決してそうでは無い。と云うのも、WGCの主催でとあるビッグイベントがこの東京の情報発信源・東京ビッグサイトにて行われていたのだ。


 そこで退屈していた俺は、暇潰しにそのイベントとやらに参加する事にした。史也兄と、桜の三人でだ。



「―――成程、思ってた以上に賑わってるではないか。WGC主催と言うから、堅苦しい説明会でもやるのかと思ったが……随分と楽しそうなゲームブースばかりだ」



 会場の入口開けば、溢れんばかりのゲームデフォルメミュージックの詰め合わせ。各ゲーム会社のブースを寄せては最先端のゲーム筐体に巨大モニターやらがぎっしり会場を包み込む。

 しかし低俗なパチンコ屋程では無いが、会場に響く喧騒が喧しくもあり眩しくもありで、人によってはどうも落ち着かない。史也兄がそうだった。


「私はこういうのは駄目だ、うるさくてたまらん。何で我々まで来なくちゃいけないのだ」

「このイベントはWGC様からのご招待だ。万が一の為に参謀は用意しておかねばな」



 本来このイベントの名目は、最新ゲームの紹介のみならず、新役員任命やらゲームワールド閉鎖の慰安やら等色んな意味があった様だが。

 我々までも招待した事に至っては、幾つかの疑問があった。


 我々は『アメイジング・ウォーズ』の引き金を起こしたゲームワールドの秘宝・Gパーツを、シャッフルの大森穂香とその父と手を組んで間接的に強奪し、半ば私的に使用した。


 本来ならばWGCからの制裁によって重い罰が下されるかと思いきや、我々の総資産の1/3程の罰金のみでお咎めは殆ど無かった。

 あんなに不安と騒ぎを引き起こしといて我々を許し、イベントに招待したWGCは何を企んでいるのか。


 ……なに、WGCに()()をあげた? 馬鹿言うな。俺は決闘と約束には律儀に果たす誇り高き遊戯貴族だ。端金は貧乏人にくれてやる!

 それにゲームワールドは閉鎖されて、俺の城である『バスター・キャッスル』にも入れなくなったからそれでも十分な罰と言えるがな。


「だがイベントに招待された輩は、時代を担うゲーム戦士として名高い人物も揃っている。ゲーム以上に興味深い」


 俺が指を刺す先には現実・電脳にて名を馳せるゲーム戦士の一同。実はこの時既に、読者の諸君が聞いたことがあるであろうゲーム戦士達がこのイベントに多数見られた。


 宮城の【瑞鳳旋風堂(ずいほうせんぷうどう)】や、あの鳳凰堂孔雀のゲームチーム【鳳凰超勇士】の面々。その他この先の物語で現れるであろう強豪たちが、ブースのゲームを嗜み、休憩にて揃えたご馳走を喰らう輩も居た。


 ……しかし、この時何故か桐山剣らシャッフルオールスターズが招待されなかったのかが分からなかった。

 剣がいればこんな晩餐も暇しないで済んだのに。……それにあんなにプレイヤー嫌いだった桜の開心にも礼を言いたかったしな。


「――ようこそ、立海銃司殿。そして立海遊戯戦団のメンバーも」

 そんな俺の語りの終わりを見計らったかのように現れたのは、ご存知WGCのお偉方。


 先頭に立つは、右側・WGCの防衛管理職者の凪原茜(なぎはらあかね)。左側・このイベントを期にWGCの副管理者に昇進した鳳凰堂孔雀。

 そして正面に新WGC代表取締役社長・本宮マサト。


 この時点で大改革として、WGCの役員の大半が代わり、本宮に主導が変わった後。その変化を我々立海はこの時初めて知ったのだった。


「……これはこれは、あの戦争以降WGCが総替えしたと聞いたが、風格も一層派手になって新社長自らが直々に歓迎されるとは、痛み入ります」

 我々遊戯貴族は何事にも礼儀を弁えねばならん。俺や史也兄、桜共々社長殿に一礼を交わす。


「しかしどういう訳ですかな。アメイジング・ウォーズと関連した我が遊戯貴族が、咎めもなしに何事も無かったかのように招待を受けるとは。気になって美酒も喉に通りませんな」

「はぁ? 何この人感じ悪いわね! 十分過ぎる温厚判決受けといて、社交辞令っての習ってないの!?」


 などと故意に多少の嫌味も交えての俺の会話にしゃしゃり出たのは茜だった。


「なんだ小娘? 今の台詞そのままコピーして貴様に返すぞ。WGCの権力を盾にするガキ風情が俺に文句でも垂れるほど、責任を取れる自信があるのか……!?」


「ひぃ!? こ、怖い………」

 これでは茜とて、野獣に睨みつけられ怖気づいた猫も同然。あの雌もすっかり怯えて本宮社長に後ろに潜めた。


「これは失礼。茜も就任から間もない故、こちらの礼儀を弁えなかった未熟さを御容赦頂きたい」

「……フン、社長がそう仰るのなら」


 ここは本宮社長のカリスマが光る。多少苛立った俺をいとも容易く丸く収めた。


「アメイジング・ウォーズの件は大半は、私達WGCの責任でもある。言わば君達は()()()に過ぎないのだ。その責任を取ってゲームワールドの閉鎖した事も重ね重ねで申し訳無いが、その詫びも兼ねてこのイベントに招待した」

「その為の面白い催しも用意しておりますので……これで退屈も紛れると思います」


「催し? ガラポン抽選会でもするのか」

 おっと、その冗談に関しては若干庶民的であったかな?


 それを示唆した鳳凰堂孔雀は特にその詳細を教えずに居たのだが、追加で要らん忠告も釘づけてきた。



「……時に立海銃司さん。亡き先代城主の兄に代わって忠告をしておかねばなりません。――アメイジング・ウォーズのような、G-パーツのみならず無関係の人々をも巻き込むようなゲームはお控え頂きたいのです。

 己のエゴで巻き込まれる人々とて決して無意味な者などは存在しません。あのゲームに亡き兄の意を込めたのでしょうが、それを何度も成した兄君の欲求は、傲慢かつ滑稽であると言わざるを得ません」



 間接的ながらも、俺の亡き兄貴・立海丈の信条を貶した孔雀に、桜が殺意を向けていたのが俺には分かった。その彼女の憤りを俺は前に遮るように(なだ)める。


(――抑えろ桜。【廻る因果の運命を己の魂で覆す程に、誇り高き魂を持て】だ。お前が一番分かっている言葉だろう)

 それは兄貴が俺や桜に、耳タコが出来る程に諭した言葉だった。


(……分かっております。不快ですが、この程度で激するような桜では御座いませんわ)


「……兄貴の無礼も加えて、返す言葉もない。ゲームワールドも閉鎖された今は大人しくしておく事にしよう。当然、貴殿らと敵対するつもりも無い」

 ――その刹那に、孔雀の眼が一瞬代わったような気がしたが、恐らく気のせいだろう。


「……それは良かった! 私も安心しました☆」


 孔雀は満面の笑みを浮かべてこの件は穏便に収まった。……若干胡散臭かったけどな。


「……うむ。ともかく、我々が立海に忠告するのはその件だけだ。大事な時間を邪魔して申し訳無い。我々はこれで失礼する」


 こうして、WGCは我々の元に去った。


「……どう見る史也兄? あのWGCの新顔ら」

「どうって、釘刺しの警告だな。丈みたいに弟も調子乗んなって感じだが、丈はその点も配慮して暴れていたらしい」

「史也様は分かるのですか?」


「アイツの主な目的は、立海を名誉ある貴族として平民の前に立つ事を知らしめる事。権力があれば弱者を守る事も出来るし、逆に利用も出来る。その大きな存在の価値観をコントロールしたという訳だ」

「……流石兄貴だ。己の欲も満たし周囲の者共も立ち回らせる。俺も見習わなければな」


 ……だが兄貴の機転も、今の本宮社長の思想にはそぐわない様だった。俺も兄貴も常にポーカーフェイスを装い、誇りを守りつつ野望を果たす。立海家の誇り、それが俺のライフラインだからだ。


 鳳凰堂孔雀らが俺らと離れて何をコソコソ話してるのかは知らんが、果たして奴らにとって【無意味な者】とは誰を言うのか、お手並み拝見したい所だ。


 ―――俺達は絶対に生き抜いて頂点を目指す。たとえ超次元ゲーム時代が波乱なものになろうとも……!



『………御来場の皆様、メインステージの方へ御注目下さい。只今より当イベントのゲストをご紹介します!』

 ……どうやら始まるみたいだ、WGCの催しとやらが。


 会場中央にセッティングされた、大型ステージの袖で司会を務める鳳凰堂孔雀の横に例のゲスト。



 満を持して現れたゲスト兼ゲーム戦士が―――小原恵美(おはらめぐみ)だった。



『――立海銃司の語りはまだまだ続く。WGC自らが小原恵美を招き入れた真の理由や如何に、本日のゲーム、これまでッッ!!』



 何で俺の回想に突っ込んで来てるのだ、この語り部ピエロが。


『だからピエロじゃないってば!!!!』



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ