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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
1st STAGE ―大冒険!8つの宝玉を求めて!!―
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【GAME3-6】快進撃!エクシード・ストライク!!

 

 ――ゲームの間に揺れ動く倭刀の心、その葛藤が消えない限り、黒騎士への恐れは消えない。宝や金への執着から一転、戸惑う倭刀に先程の威勢の良さは既に無い。


「……どうした侍、切っ先から腕が震えておるぞ? 金よりも命が恋しくなったか!?」

 甲冑の中で倭刀の無様な姿にほくそ笑むブラックガーディアン。


「うるせぇ……うるせぇッッ!! 今更命が惜しくて宝を諦めきれるか!!!!」


「……倭刀……何で、そこまで――?」


 穂香姉ちゃんはとうとう必死で報酬に執着する倭刀が分からなくなった。命をかなぐり捨ててまで戦う理由が。



「……言っとくけどな、俺が金稼いで銭ゲバだ守銭奴だとか言われようが関係ねぇ。何故なら俺が金欲しいのは(てめー)の為とちゃうから!

 ――お前が目ぇ付けてる魔法使い、俺の、穂香姉ちゃんの()()の為に稼いでんねん!!」


「!!!」


 この本音に、一番驚愕したのは無論穂香であった。


 ■■■■■


 ――穂香は倭刀同様に、親が居なかった。


 母や兄弟は先立たれ、父はPASの研究を行う際に家族を失ったショックと能力の暴走により発狂。父は一年前にゲームワールドを震撼させた『アメイジングウォーズ』を引き起こし、異次元空間を創世した神になろうとしていた。


 穂香も父を守る一心からその片棒を担ぎ、事件に共謀したが、剣達シャッフルオールスターズによって手遅れになる前に父や彼女の心を守った。※前作『極限遊戯戦記』第4章参照


 ……しかし、父は心身廃れ朽ち果てたまま異次元の藻屑となって消えた。


 ■■■■■


 この一件で倭刀は自分の無力さに悔やみ、ゲームへの特訓の他に貯めようと考えたのが、金であった。


「金がありゃ、穂香姉ちゃんに旨いもん食わせられる。カードも買える。それに大人の勝手に左右されない権力も得られる――!

 今度は俺が姉ちゃんを救う番なんや、それさえ叶えば俺の命なんざ幾らでも捨てられ」



「――――馬鹿野郎ッッッ!!!!!」


 洞穴に豪樹の凄まじい怒号がエコーとなって鳴り響いた。その声にハッとした倭刀は、我に帰り後ろの二人へと振り向く。


「倭刀、そんなに姉ちゃんを助けたいって気持ちがあるなら、金だとか命を捨てるだとか軽々しく言うんじゃない!! その無鉄砲なやり方で、穂香が喜ぶと思うたか!? 剣がお前に牽かれて仲間になったと思うたか!!?」


 豪樹の渇に自分の愚かさを思い知らされていく倭刀。それが頭の中に駆け巡り、今にも気が遠くなる気分を味あわされた。


 そして、穂香は倭刀の元へ駆け寄る。


「……倭刀、お姉ちゃんまた貴方に心配かけさせちゃったね。でもね、私は剣さんや皆に助けられて元気な自分があるし、そんな皆が私は大好きなの。だから倭刀が稼いだお金は受け取らないし必要無いわ。だって……」


 ――そして、愛にも似た暖かい温もりが倭刀の周りを包み、抱擁されていく……


「倭刀が居るだけで、お姉ちゃん凄く幸せなんだもの……!!」


 抱かれた倭刀の横で雫のようなものが彼の肩を垂らす。穂香の涙が倭刀の涙腺に刺激し、彼もまた雫を流す。泣きじゃくる声を響かせて……



「……何やいつも強情張ってる癖に、中身は純粋な弟やないか。倭刀――!」


 豪樹の嬉しそうな顔から察するに、涙と共に迷いも流した倭刀は完全に吹っ切れた事を示唆していた。


「…………芝居は済んだか?」

「悪ぃ、待たせたな」


 空気を読んで停戦したガーディアンの掛け声で倭刀はいつもの生意気口調に切り替わる。

 そして再び闘志をたぎらせた右手に轟竜刀を握り締める――!



「もう迷いも御託も抜きだ。()()()お前を倒す!!!!」

「ほぅ……面白い――!!」


 それに感化されたか、ガーディアンも黒い大剣片手に構えを取る。


「行くでぇぇぇぇぇぇッッ!!!!!」


 燃ゆる闘魂、駆ける雷。二つの意志が剣となって交じり合い、洞穴の空間に火花散る散る、金属が鳴り響く!


「――姉ちゃん! 今更格好付けときながらあれやけど、俺に力貸してくれ! こいつの動きを止めたい!!」


 それに反応した穂香、丁度≪金縛り≫の効果が切れた事に気付いた彼女は手札を見るなり直ぐに閃いた。


「――分かったわ倭刀! お姉ちゃんに任せて!!」


 倭刀の活力に穂香姉ちゃん大いに張り切る!!先程発動しようとしていたカードを今再びカードスキャン!!


『ツールカード、【ブラインドボム】!!』


「倭刀、目ぇ瞑って!!」


 と咄嗟にガーディアンから離れギュッと目を瞑る倭刀。その隙に穂香はカードで発動した光の玉を振りかぶって投げた!


 ピカーーーーッッ!!!


「ぐぉおおおッッ!!?」


 数百のストロボのフラッシュにたかれたような眩しい光がガーディアンの甲冑下の眼に諸に突き刺さった! これは失明必須、良い子は真似しちゃダメ!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 <ツール・カード>

【ブラインドボム】EG:②

 属性:黄

 ・効果:このカードをフィールドに投げることで

 相手の目を眩ませる閃光を放つ。

 ◎――――――――――――――――――◎


「ぬぅぅぅ……見えぬ、何も見えぬ――!!」


 これでガーディアンは『盲目(もうもく)状態』、つまりフィールドの視覚が真っ暗になって相手を混乱させるのだ。


「貴方がこんな真っ暗な場所で警備してるからもしやと思ってやってみましたが、貴方の弱点は『光』! 的中ですね!!」


 成る程、穂香の勘が冴え渡るタクティクスが見事ガーディアンの弱点を暴いた!


「これで終わりや! 剣さん直伝必殺奥義、カード3枚同時スキャン!!」


『アクションカード……』


 手札に連ねる3枚のカード、それを倭刀は順々にブレスへ装填する。


『――【ウォーソード】、』


 左手に宿る赤い戦士の剣。


『――――【ソニックソード】、』


 右手に宿る青い隼の剣。


『――――――【ビッグソード】!!』


 そして両腕を天に上げて、錬成された緑の巨大剣が更なる剣へと融合させる!


 ――――ガチャッ、ピキュュュュンッッ!!!



超越必殺技(エクシードストライク)ッッ!!!!』


 3枚のカードの力を融合させる事で、本来のカードの力をも超越させた必殺奥義が繰り出せる。それが【エクシード・ストライク】だ!!!


 ◎――――――――――――――――――◎

 〈エクシード・ストライク>

【巨大剣・ビッグバンソード】

 ・融合素材:『ウォーソード』+『ソニックソード』

 +『ビッグソード』=合計コスト⑩

 ・属性:赤 AP:1000


 ・能力:①相手フィールド全体にソード系攻撃。

 そしてカードの付加能力による

 回避、ガードは不可能。

 ◎――――――――――――――――――◎


 祠の天井すらも貫くほどの巨大な剣が、ブラックガーディアンへと振りかぶろうとしている!


 だがそれだけでは倭刀の気迫は収まらなかった!!


「ブレード流PAS発動!! 『龍神の怒り』!!!」


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【ドラゴンブレード】確認。

 PASスキル【龍神の怒り】発動!


 攻撃が2倍にパワーアップ!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 倭刀の橙色の刀の形をしたPASが怒濤のパワーを生み出した!

 エクシード・ストライクの攻撃力1000APからの2倍で2000AP……って、オーバーキルですか!!?



「ぶっ飛べブラックガーディアン!! ――【巨大剣ビッグバンソード】必殺! 『ぶっち斬り大刃斬(だいはざん)』ッッ!!!!!」



 覇気を放つ巨大剣が、フィールドをも翻す衝撃と共にブラックガーディアンへ叩き落とす――!!



「ぅぐぬあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



 〔OVERKILL!! ブラックガーディアン HP700→0 KNOCK OUT!〕


 驚天動地、天地無用、エクシード・ストライクの後に敵の跡無し。……いや、倭刀の目先には祭られているピンクの珠に、先程まで無かったアメイジングカード。


 そのカードの名は【ブラックガーディアン】。


 倭刀の全身全霊の一撃に『参りました』と言わんばかりに、彼の手元にカードが渡って更に約束の珠をも握り締める。



「――――報酬は確かに頂いたぜッ!!」



 ▶▶▶ YAMATO IKETANI WIN!!▽

▶▶▶▶▶ NEXT GAME WARRIORS ▽


戦い終わって、帰るまでがGWクエスト! クリアした後に待ち構えるオーブのヒントや如何に!?


この世界観に『気に入った!』『すっげぇ面白い!!』『追っかけますぜ旦那!』と魂が揺れ動いたらば、

是非とも下の「ブックマーク追加」や「☆評価」、感想等を何卒お願い致します!!

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