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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME34-3】鳳凰堂からの招待状!!

―TIPS―

地上からアンダーグラウンドへ続く秘密の門は各所ランダムに設置されている上、半年に一回は設置場所を変更する事がある。


これは地上での無闇な外出・行動は地上内のトラブルになり得ない為だそうだ。

 

 ――地底空間・アンダーグラウンドが、想像していたイメージとはまるっきり違ってビックリ!

 豪樹とは縁の知り合いであった商人の土屋と、ゲームジムでお世話になっているインストラクターの水谷が地底の住民であり、陰ながら社会貢献をしていた事に驚いた倭刀と穂香。


 更にはこの地底空間はなんと地下7階までの広い地層で、想像し得ない未知の領域が存在するという。


 そしてそんな地底空間と表の現実世界とでは、最近になって社交的に交流する目的で開放条例も出された。果たしてそんな事を言い出したのは誰か? その答えは()()に聞くのが早い。



「裏のこの空間と表の住民との行き来を解放したのはこの私、WGCの副管理者にして京都のゲームチーム『鳳凰超勇士』の長・鳳凰堂孔雀ですよ! またお会いしましたね、倭刀さんに穂香さん。そして読者の皆様☆ ようこそアンダーグラウンドへ」



 これまた驚き二度目のビックリ! 何せ孔雀さんが出たのはこの前の総集編からそんなに経ってないんですよ?

 しかし倭刀らに至ってはGAME22以来の御対面。度々色んな所で噂される御方でもあり、同年代とは言えど否が応でも恐縮してしまう倭刀と穂香。


(おいでなすったな……)


「……重ね重ね驚きました。アンダーグラウンドがこんなに賑やかなのと、まさか孔雀さんが自ら出向くなんて」

 半ば驚かされた動揺を抑えつつも、穂香は孔雀に挨拶を交わす。


「えぇ、ここの区域は私達鳳凰堂の団体の()()でもありますから。我が愛しの故郷でもある故、このアンダーグラウンドの繁栄の為に推進で積み重ねた努力があっての成果です」


 何とこの広大な地底区域は鳳凰堂の団体がWGC等で活動する為の拠点。

 というのも、彼女らの城でもある鳳凰堂本部・霊鳥殿(れいちょうでん)が最深部B7の層に位置し、そこを核としてアンダーグラウンドの発展・繁栄を主に推進してきた。


 鳳凰堂孔雀の政策は裏表両方の区域に多大な貢献をしてきている事に他ならない。我々の出来ない事をやってのける、そこに痺れる憧れるぅ!!な御方なのです。


「……しかし、浪速警察署の方々から話は聞きましたが、新世界とアメリカ村で二度も裏プレイヤーのゲームで襲われたというのは本当ですか?」


「はい、彼らは『サザンクロス』に入団し、アメイジングのブレスに違法チップを使って裏ゲームを行ったのは事実です。孔雀さんから頂いたデータカードのファイルにも載っていました」

「……あぁ、まぁ俺と穂香姉ちゃんの力で二人共成敗してやったけどな」



 ――その刹那、孔雀の眼が一瞬瞳孔を見開いて()()()に変わった。

 その瞬間は僅か0.0005秒に過ぎず、当然倭刀らには気付かれず事なきを得る。これぞ人々の心を見通すと言われる心眼、鳳凰堂孔雀の能力“孔雀の眼”だ。



「……そうでしたか。申し訳ございません、二人には大変危険な目にあったようで。今後は警察側のフォローも強化するよう要請いたします」


 一体彼女はどんな理由でこの能力を使って心を見通した事でしょうか。嘘を見抜く為の警戒か、それとも利用価値を見極める故か……?


「おっと……孔雀さんや、ひょっとして込み入り話かい? 何ならワテらはちょいと席外しときましょか?」


「大丈夫ですよ土屋さん、退屈でなければ貴方も水谷さんも聞いて頂ければ。またレトロゲームの仕入れお願いしますね」

「へへ、孔雀さんの頼みとならば。毎度おおきに!」


 商人の土屋にとっては、孔雀はこの上なく大切なお客様なんだそうです。売上収益の6割は彼女からの購入なんだとかとか。

 倭刀と穂香にプラスして、豪樹・水谷・土屋の5人とで孔雀との話に付き合う事に。


「……それで、ここの貢献者であるアンタが何用で赴いたんや?」

「勿論、()()()()()()を行う為ですよ」


「ビッグゲーム!!? ここで!?」



 ―――そうです! 前回の総集編にて先行で説明致しました、孔雀さんプロデュースのニューゲーム・【アメイジング・サバイバーモード】をいよいよ実行せんと、参加プレイヤー集めやフィールド整備の為に自ら主催者が赴いたのでした。


「私はこのアンダーグラウンドを更なる繁栄と再認識の為に、ここを舞台に大規模なゲームを実行させに来ました。

 ―――貴方達もお気付きになりませんか? 貴方達の他にも表と裏、どちらの地域からやってきたゲーム戦士がいる事に」


「何……?!」


 暗い旧都の街並を、倭刀は目を凝らして確認するならば、一般とはかけ離れた衣装で放つ異様なオーラ。

 更に右腕片腕にはアメイジングのカードスキャンブレスを装着している者が、倭刀の肉眼からは既に7、8人も確認された。と言う事は更に人気のある所へ移動すれば、それ以上のゲーム戦士がいる事だって不思議じゃない!


「待てよ……よく見りゃゲームワールドでも記録を掻っ攫ってる強豪プレイヤーがそこかしこに居らぁな」

「孔雀さん、これは相当規模のビッグゲームと捉えても宜しいのですね?」


「そうです。このビッグゲームはアメイジングのバトルサバイバルを目的に新設したルール、【サバイバーモード】のβテストを勝ち抜いた有力なゲーム戦士達です。この公式開催の前試合としてちゃんと報酬も授与してのサヴァイブ、謂わばシード枠ですね」


「って事は、ワイらも参加を促す為にこのまで来たんか?」

「えぇ、私が招待状を出す前に既に倭刀さん、穂香さん、豪樹さんのシャッフルチームが来てくれて助かりました。しかしゲームはまだ準備段階ですので詳細は3日後、このB1旧都の大広間にて詳しく説明しますわ。それまではゲームが行われるという事を覚えて頂ければ」


 孔雀が言うには、参加は強制では無いが出来るだけ実力に覚えのあるゲーム戦士に参加して欲しいという要望だそうで、その気であれば土屋も水谷も参加は可能だそうだ。


 このビッグゲームを制すれば勿論特大の報酬、いやそれ以上のものが手に入る事だろう。


「随分大盤振る舞いの大胆なゲームを考えてんな。でもアンダーグラウンドが舞台なら裏プレイヤーに襲撃される可能性もあるだろうに、大丈夫か?」

「ご心配なく、WGCの護衛班総員でプレイヤー達を御守りします。このゲームの名目はアンダーグラウンドのPRのみならず、寧ろ貴方達表のゲーム戦士達の戦いの機会を与える事が本命ですから」


「……戦い自体が、ゲームの目的なのですか?」


 穂香はゲームの主旨に、何処かしら疑問を抱きながら孔雀に質問した。勿論それには彼女の願望込みの答えがあった。


「―――私が今掲げている活動の主軸は、【表と裏の共存】です。超次元ゲーム時代を迎えてから半世紀の年月が経った今の時代、固定観念で縛られた古い時代の主権者による支配を、私は共存と呼ぶには相応しくないと思っています。

 ですから私は万人が主役と成り得るこのゲームの力で、非力な人々に戦う力を付けて頂く必要があると考えたのです」


 その為に孔雀は、ゲームの文化を全国各地で広めつつ定期的にゲーム大会も主催に回って開催し続けた。ゲームに挑む全ての者に、脅威と戦う戦士として育てていくために。


「力とは時に、強者をも認める魔力を持っています。それらの実力を底上げしてくと同時に、地域に境無い交流を図る事で偏見意識や誤解を取り払う。

 こうして裏と表が互いに対等な関係を築く事で、このゲーム時代に手を取り合う真の共存を目的に活動しているのです」


 ……何と、ご立派な意思表明で。ちょっと難しい話でしたが、皆さんは理解出来ましたでしょうか、ねぇ倭刀さん?


(何というか……孔雀の考え方に対しちゃ、俺は『良心的で正しい』に尽きるぜ。普通のプレイヤーの力をもっと高める考えは俺と一致してらぁ。そうすりゃ槍一郎先輩みたいに、オフィシャルに頼りっきりな圧も無くなるだろうしな)



 ―――そしてまた刹那、“孔雀の眼”は見開いたのだった。


「……さて、難しい話は読者の皆様に毒でしょう。今日はこの辺にしてゆっくり休んでくださいな。この旧都には宿屋も多数御座いますから」

「あ、ありがとうございます。気を遣わせて頂いて……」


 孔雀は何を考えたか話を一区切りし、孔雀は倭刀達とここで別れて次の目的地へ向かう所で、その倭刀が割って出た。


「……なぁ孔雀さんさ、アンタ裏と表の人々の共存を目指して、仮にそれが成就した時は今度は何を目指す?」

「や、倭刀!」


 副管理者に対して半ば無礼な口を聞く倭刀に穂香も慌てる。そこでも冷静に孔雀はこう答えた。



「…………仮にですが、貴方はまだ私を信用出来ないとお思いでしょうが。私は現実の地上と地下、そしてゲームワールドの秩序を守るのが勤め。私の目的が成就して成す事とすれば……【世界平和】でしょうか」


「…………………」


 孔雀の答えに無言で突き通す倭刀。別れ際に会釈し立ち去る彼女の後ろ姿を見て何を思うか……?



(………公務に誠実で、完璧な君主ってか? どうにも()()()()


 だが下手に追求を深めると土屋さんと水谷さんに疑念がバレちゃうしな。……多分それで孔雀は彼らを留めたとか? 穂香姉ちゃんはゲーム強いけど腹の探り合いするにゃ優しすぎるし、やっぱり今の状況じゃ眼を常に光らせるのは今は俺しか居ない。―――もし剣さんなら……どう対処するんやろか?)



 前回のエンヴィーとの激闘以来、常に考えて考え抜くスタンスに確立した倭刀。相手の心理と周囲の状況を分析し、真実を突き詰める彼の脳裏に、目標である桐山剣の面影。

 直接・間接、どちらも照らし合わせて疑う事を止めない倭刀は、鳳凰堂孔雀の立場からして味方にするにはグレーと判断した。真相が明らかになるまで、彼の警戒の意は緩めない――!



 ――――さて、長い事謎のベールを羽織っても時期はもうじき夏。嘘や秘密を隠し通してもいずれは剥がれてくるもの。


 鳳凰堂孔雀が思い描く理想とは何か、そして彼女を取り巻く者の詳細は何か。

 次回よりは、孔雀率いる『鳳凰堂』の秘密、そしてゲームチーム『鳳凰超勇士』のゲーム戦士も少しずつ明らかにしましてのゲームウォーリアーまた次の更新まで

 のお楽しみに。――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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