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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME34-1】地底空間・アンダーグラウンドへ!!

 さぁ皆さん、三回に渡るゲーム・ウォーリアーおさらい編に御付き合い頂いて誠にありがとう御座いました。今日から閑話休題、本編に突入ですよ!


 さて今回のゲームはついに、ゲーム戦士達が現実世界の地下空間【アンダーグラウンド】へ突入する事になりまするが、そこで激突する喧嘩上等・強行ゲーム。どうなりますやら!? それではいつものようにご唱和ください!!


 『オープン・ザ・ゲート』!!!



▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽

 

 ――現実世界も電脳世界も、はたまた我々のまだ知らない世界の何処かにも、ゲームが蔓延る落ち着かない世の中。

 世は正に【超次元ゲーム時代】、己の欲望をゲームに乗せて金も名誉も命すらも賭け(ベット)して戦いに挑むは修羅の道。


 さて、そんな時代もとうとう平穏安全と言うには程遠い程に、人々の生活に危険を晒されてせっかくのゲームも楽しめない日々に悩まされていた。


 早い話が治安の侵害。現実の街の地下に『地底空間・アンダーグラウンド』なる空間を作り、時代の波に阻まれた者を寛容する地が存在したが、太陽を拝めぬこの地を楽園と呼ぶには余りにもかけ離れていた。



 まさに起こるべくして起きた格差社会、そんな傲慢な世に喝を入れんと立ち上がるは“裏プレイヤー”なる反逆レジスタンスゲーム戦士達。

 彼らの暴動により、表に住む者にただならぬ恐怖と不安が押し寄せる。このまま裏の者によって立場は変えられてしまうのか……いや否!


 己の平穏を守るべく、身を挺して戦う善のゲーム戦士達が居た!!


 ▶▶▶ NEXT▽


「……随分長ぇ前置きやったなぁ。散々総集編でしゃべくったのに、まだ口が止まらんかMr.Gのオッサン」

「良いじゃないの、喋ることが語りのお仕事なんだから」


 ――本編開始早々から、私の事で倭刀と茶々を入れてるようですが……再開どころは現実世界。それも二度目の登場の浪速警察署からだ。


「白鳥さんと杉並部長が俺たちに渡したいもんあるゆーから、あの決闘から直ぐに来たのに。まーたカツ丼も何もないやん!」

「お馬鹿、取り調べじゃないの!」

「何や倭刀また腹減っとんのか、んな事ならアメリカ村でたこ焼き買うたったら良かったわ!」


 前回アメリカ村にて決死の思いで裏ゲーム乗り切った倭刀・穂香・豪樹の三人。倭刀に至っては裏プレイヤーとのギリギリの決闘をしてきたのにも関わらず、呑気に談話しながら個室で白鳥達が来るのを待つ。

 修羅を乗り越えた先の心境というのは、我々には想像も付かない精神が鍛えられているのかもしれない。


 ――ガチャッ


 そこへ丁度ドアノブを回す音が聞こえたかと思えば、やってきました倭刀達の協力者、白鳥巡査と杉並部長だ。


「いや済まないね三人とも! 先程の決闘で疲れ果ててる所で署に来てもらっちゃって。でも犯人逮捕に貢献した礼はちゃんとするよ」

「さっき杉並さんから出前を頼んでたんです。特上のカツ丼定食三人前!」


「おぉ〜☆☆ 流石白鳥さん分かってらっしゃる!!」


 黒豚トンカツを山のように乗せて、串カツ並の味の濃さを誇るソースでだぁ〜っと掛けた大盛り丼に味噌汁・お新香のおまけ付き。

 浪速・新世界を誇る特上カツ丼に、穂香と豪樹は余りの豪華さと場所故に食べるのを躊躇いそうになるが、腹を空かせた倭刀には全く関係無し。ペロリと平らげ大満足。


「警察署の個室でカツ丼出されて、よう平気で完食出来んな、倭刀のヤツ……」

「え、えぇ……あの子はお腹に入れば後は何でも良いタイプですから」


 等と呆気に取られながらも、倭刀らは腹を満たして心も落ち着く。そこで杉並部長と白鳥は本題へと移った。



「……さて、君達に署に来てもらったのは他でもない。地底空間・アンダーグラウンドへ行くための()()()()()を渡す為に来たんだ」


「「パスポート!?」」


 倭刀と穂香は「まさか!」と思わんばかりに驚いた。だってパスポートって言ったって、海外行く訳じゃあるまいし。彼らの驚く傍らで豪樹は、意外にも知ってた顔で説明した。


「ほら穂香ちゃん、裏ゲームが始まる前にあのひょんひょろ眼鏡の裏プレイヤーが黒いパスポート持ってたやろ? アンダーグラウンドは各所に万人には知られていない場所で地底に繋がる門が設置されて、門番の検問が通って初めてアンダーグラウンドに行けるんよ」

「……それを杉並部長が作ってくれたんですか?」


「勿論WGCの協力もあって、発行にゴーサインを出せたんだよ。君達のような表のゲーム戦士がアンダーグラウンドに向かう事は稀なケースだから、副管理者の鳳凰堂孔雀が快く同意してくれた」


((鳳凰堂孔雀……!))


 倭刀達に思い浮かぶ鳳凰堂孔雀への感情。裏プレイヤー討伐にシャッフルオールスターズを協力を要請した傍ら、彼女自身が一体何を思って行動しているのか、胡散臭さも含めて信憑性が問われていた。


「……まぁ、でもさ! その鳳凰堂とやらが俺らにパスをタダで発行してくれたんやから、有意義に使わんと。で、パスポートはどんなんですか?」


 そう言われて杉並部長、倭刀と穂香にそのアンダーグラウンドへのパスポートを手堅く渡した。


「随分……真っ黒ですねこのパスポート」


 真っ黒なら男性用の海外パスポートなものだろうと思うでしょうが、何しろこちらのパスポートはページを開いても中身も内容も真っ黒け。

 オマケに表面も向きを変えると、何やら紋章のような絵が光反射で浮かび上がるではないか。デス◯ートとも見まごうような禍々しさが浮かばれる。


「仮に偽物を作ったとしてもこのパスポートには偽造防止のICチップが埋め込まれています。それで下手に通ろうとしたら門番に何されるか分かりません」

「それとアンダーグラウンドの門に突入する事だが、場所が限られてる上、開く時間が限られた仕組みになっている。そして君達が行くに近い門はここだ」


 杉並部長は大阪府の地図を開いて指を差す。その場所は何と大阪・淀川区西三国付近にある小さな公園であった。そして開門時刻は夜の8時。


「三国っていや、梅田から宝塚本線乗って、三国駅降りりゃ直ぐだぜ!」

「今夜そこで、アンダーグラウンドに行きましょう」


 早速黒パスポートを受け取り、意気揚々にアンダーグラウンドへ向かう決意を固める倭刀と穂香。……しかし、ここで一つ気掛かりな事が。


「……あ、そーいや豪樹さんのパスポートは?」

「そうですよ、豪樹もアンダーグラウンド行くんですよね?」

「ん? 当たり前やがな」


 ならば何故に豪樹のパスポートは発行してないのか。その答えは杉並部長から告げられた。


「あぁ、豪樹君は既にパスポートを()()()()()そうだ。それに三国に門がある事を情報提供したのも彼のお陰だ」



「「え……、えぇぇぇえええ!!?」」



 ▶▶▶ NEXT▽


 ――時は刻まれ時刻は午後8時、その5分前を切った所。

 宝塚本線の電車経由で三国駅を降りた倭刀ら三人は、2キロ以上もある長い商店街を跨いで公園へと向かう。


 夕刻が過ぎた事もあって、中には店じまいのシャッターが閉じた店もあれば、これからが本番のバーの店もあり。大阪では良く見る自転車のツーリングの人々も見られない静かな商店街を抜けて、例の目的地へとたどり着いた。


「……ってか豪樹さんさぁ、何でアンダーグラウンドに行った事を隠してたん?」

「そういえば豪樹さんって昔、天翔道流に弟子入りする前って筋金入りのヤンキーだったって聞きましたよ?」


「あーあー皆まで言うなっての! 大人には教え子でも隠さなアカンことは沢山あるんやて! ――ほれ、噂をすれば何とやらや」


「「――――ッッ!!?」」


 正確には『噂をすれば影が差す』。噂をしてるとその当本人が不本意に現れる意味を表しますが、そのことわざの通りに三人の前に亡霊にも似た男がぬっと現れ、それを見た倭刀と穂香は驚き通り越して言葉をも殺した。

 この男こそがアンダーグラウンドを案内する門番なのだ。


「……そこの御三方、そなたの胸元に黒い波長を確認したり。念の為その証明を私に見せよ。さすれば裏の道は開かれん」


 どうやらこの門番は眼に見えずとも、搭載されたICチップによって黒パスポートが確認できるようだ。再確認とばかりにパスポートの証明を催促する男に、倭刀ら三人は黒パスポートを改めて提示した。


「……我、しかと確認した。では裏の空間に参るがいい……」


 すると不思議やら、遊具で取り囲む公園の中央からゼル伝宜しく、地下へ繋がる()()()()が現れた!

 いよいよこれより、地下空間・アンダーグラウンドの道が明らかとなる。


「足元に気を付けや。ワイが先頭に立ったる」


((ゴクリ……!))



 ――倭刀も穂香も、無意識に固唾を飲む。


 階段を降りれば降りるほどに高まる緊張の鼓動。表の夜中よりも更に深い闇に、恐怖心で抑えきれなくなりそうになるが、それを互いに支えつつ奥深くへと進む。



 そして辿り着いたのは、古き文明の歴史まで遡ったかのような、西洋の古びた町並み・旧都にも似た街並みだった!


「……着いた、な」

「えぇ……ここが裏プレイヤーの故郷、アンダーグラウンド……」


 これをゲームに例えるなら何を浮かぶやら。ナル◯ェか、はたまたミッド◯ルか。とにかく夜の闇と薄明かりのネオンが蔓延る発展途上の地に、ゲーム戦士三人が降り立ったのだ。


「思ったより随分広くて、廃れてるイメージかと思ったけど……」

「ネット記事が如何にでたらめ言ってるか分かるな。下手すりゃ表以上に文明が栄えてる所もあらぁな」


 等と口々に自然な感想を漏らす倭刀と穂香。

 ところが街並みは栄えているにも関わらず、薄暗いのもあってか気配はあれども人々が住んでいる様子が無い。


「……穂香姉ちゃん。分かってるやろうけど俺ら黒パスポートがあっても油断は禁物や。ブレスの準備はしとこうぜ」

「えぇ、分かってるわ」


 と、言った矢先に……


「――ぬぬっ!? お主ら見たことの無い連中やな! さては表の人間か!?」

「何!?」「奴らか」「あの三人や……!!」


 と第一住民が倭刀らを発見するやらたちまちその知らせは辺り一面にまで広まった!


「やっべ、言ってる側から……!」

「何て強い覇気なの……!?」


 刀光剣影(とうこうけんえい)、今にも決闘が起こりそうなアンダーグラウンドのプレイヤー達の殺気に戸惑う二人…………ところが。





「アンダーグラウンドへようこそ! ウェルカーム☆☆」


「「「YEAHHHHHHH(イエーーーーイ)!!(ドンドンパフパフ)」」」



「「…………………………」」



「……あっ、倭刀くんに穂香ちゃん! お二人も来てたんですね!!」

「おー奇遇やな水谷君、丁度えぇトコに来た!」

「あららぁ〜!? 豪樹あんちゃんやないすか!」

「ありゃツッチー久々やな! 裏は儲かりまっか?」

「ぼちぼちでんな、発展途上の街やさかい、思うような商売が出来へんねん!」

「そらしゃーないわなレトロゲームもマニア受けやしな」

「あっそうだ倭刀くんも穂香ちゃんも良かったら『アンダーようかん』あげる! よかったら食べて」

「ほんであんちゃん、この『忍者じゃじ◯丸くん』どう売ったら宜しいんでっしゃろ?」

「アカンそんなんメジャー向けや、もっと『忍者◯ん』とかもっと上行くなら『影の伝◯』辺り――――」




 …………あの倭刀さん、穂香さん。何か言う事があれば最後にどうぞ。



「「あの、これは一体どーゆー事ですなんでありますかでしょうね???」」


 パニクって助動詞を付けまくるんじゃありません!!




 何故に地底空間・アンダーグラウンドがこんなにフレンドリーか、その疑問はまた次回ご説明しましょう。本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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