【GAME3-5】ソード&カウンター!黒騎士の脅威!!
――TIPS――
ゲームにもボスユニットにも、必ず『弱点』が存在する。
攻略ポイントや、相手の特徴・属性等を見極めて有利に立てる戦略を企てて見よう!!
「くっ……ぁぁは――!!!」
〔クサナギ HP1000→800〕
ブラックガーディアンのユニットスキル【騎士の構え】の発動後、『クサナギ』こと倭刀の攻撃の隙を突いてカウンター攻撃を仕掛けた!
【騎士の構え】は、30%の確率で相手の攻撃を受け流し無効にした後、AP200のダメージを相手に与えるスキル。幸い急所から外れたものの、腹部へのダメージが痛烈な衝撃が倭刀を襲う。
「隙だらけだぞ侍。パワーに己の能力を全て注ぎ込んだ分、攻撃の荒が激しいと見た。守りも固めずただ突っ走るなど片腹痛いわ!!」
その時ガーディアンの発言から何か察したのか、豪樹は穂香に確認した。
「なぁ穂香ちゃん、倭刀のヤツスタート前のステータス割り振りどんな感じにしたんや?」
「倭刀は攻撃に関連する『アクション』に極振りしたんです。倭刀曰く『攻撃は最大の防御』だって……」
また極振りですか!! 剣が運の『ラック』で、槍一郎が速さの『スピード』、そして倭刀が『アクション』に極振りと極端な個性を遺憾なく出している。
しかしそんな無謀は命知らずか玄人がやること。初めてのシステムに慣れないうちは利点と欠点も極めて目立つものなのだ。
「それで動きにムラがあったんか……」
豪樹と穂香は欠点も補いながらバランス良く割り振ってはいるが、彼女らも実は満身創痍の状態。
ダンジョンを進んでいくうちにカードも消費し、思うように動けない。
「畜生め……張り切って攻撃カードばかり使うんじゃ無かった!!」
破天荒な戦法で売りの豪樹も、モンスターハウス等魔物相手に迎撃のカードを殆ど使ってしまった為に本来の力が出せずにいた。
そして穂香も、パワーよりも味方の補助に使うカードしか手札に残っていない、現状動けるのは倭刀のみ……!
「仕方ありません、せめて倭刀にサポートを……!」
と穂香が手札のカードをスキャンさせようとした、その時!
「させぬぞ女魔法使いめ!!!」
何とブラックガーディアンもアメイジングカードを持っていた! それを手に、ブレスが無いためカードの名称を詠唱させて発動させる!!
「アクションカード、≪金縛り≫!!」
唱えたカードから神経を張り詰めた針のような弧の線が穂香目掛けて迸る!
「くっ……?! カードが、持てない――!!」
それを受けた穂香はカードを持つ右手の感覚がプツリと切れるかの如く、カードが使えなくなってしまった!!
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【金縛り】EG:③
属性:黒
・効果:プレイヤー1人を対象にする。
そのプレイヤーは1分間、手札のカードを
発動出来ない。
◎――――――――――――――――――◎
「貴様は黙って見ていろ。その実りに実った果実を汚すわけにはいかんからな」
(何だか複雑な気分だわ……)
……ったく、ガーディアンもジェントルメンなんだか只のすけこましなんだか。カッコつけりゃ良いってもんじゃないぞ!!
そこで募りに募った時間経過でようやく、豪樹にカードドローの機会。そして引いたのは……
『カスタム・ツールカード、【ニードルクロー】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタム・ツールカード>
【ニードルクロー】EG:②
AP(攻撃力):50 PP(使用回数):20
属性:無 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『ストレートフィスト』EG:① AP:100
・手前の相手に渾身の正拳パンチ。
『スカイアッパー』EG:③ AP:200
・天高く舞い上がりアッパーショット。
空を飛ぶ相手にも有効。
◎――――――――――――――――――◎
これは凄い! コストが軽い上に必殺技も二つ付属のお得なトゲを固めたメリケンサック。これを豪樹は両手に装着し、満を持してガーディアンに突撃!!
「覚悟せぇよ黒騎士野郎!! 今度は格闘王・豪樹様が相手じゃ!!!」
目にも止まらぬ豪樹の閃光ピストン、唸る左腕に高鳴る右腕。ところが洞穴の暗さと、黒鎧の色が浸透してガーディアンに上手く狙いが定まらない!
「ほほぅ中々やるなモンク。しかし当たらねばどうって事はない」
「――じゃ、これなら当たるかいな!?」
「ぬっ!?」
――――ゴスッ!!
決まった、豪樹のファーストアタック! 光の速さで撃ち放つ必殺技『ストレートフィスト』だ!! これでガーディアンが怯んだ時が戦況はこっちのもの!
「オラララララララララッッ!!!!」
豪樹の必殺技からのパンチ連発タコ殴り。格闘王はこのような連携技を繰り出す事が一種の芸術、ハメ技あっての格ゲーとプロは語る。
〔ブラックガーディアン HP1300→700〕
HPも大幅に削った、さぁ最後のフィニッシュ!
「止めの『スカイアッパー』ッッ!!!」
力を貯めた右手に放つ天への正拳!!
――しかし、アッパーに触れた瞬間またしてもあのウィンドウが……
◇――――――――――――――――――◇
・ブラックガーディアン
ユニットスキル【騎士の構え】発動!
◇――――――――――――――――――◇
――ガシッ!!
「ッッ!!?」
――――斬ッッ!!!!
「ぐふぁぁああああああ!!!!!」
〔CRITICAL HIT! 覇豪丸 HP1000→600〕
カウンターで無防備になった覇豪丸こと豪樹に襲う悲劇。
通常5%の確率で攻撃の際にエフェクトされる『クリティカルヒット』。これにより豪樹への200ダメージの倍、400ダメージを受けてしまったのだ。
更に装備していた≪ニードルクロー≫も使用回数を越えて消滅してしまった。これでまた動けるのは倭刀のみ……!
(……何なんだよこの感覚は!? 姉ちゃんは動けねぇし、豪樹さんはこの通り武器を失った。俺しか頼りは居ねぇのも分かっているのに……! ――何で身体が動こうとしねぇんだ……!??)
突如倭刀に襲った目に見えない己への『恐怖心』!
それは焦燥と欲望の狭間での心の葛藤が生み出した恐れであった――!!
奮い起て倭刀! この窮地を救えるのはお前しかいない!! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




