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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
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【GAME33-4】倭刀・賭けの駆け引き!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑ 


 ☆〔倭刀 HP1000 手札2枚 EG:①〕

 ・カスタム・ツールカード《轟竜刀》

 ・ユニット:《ブラックダイヤモンド・ガーディアン》


 ★〔エンヴィー HP350 手札7枚 EG:⑤〕

・ユニット:なし

・パーマネント・ツールカード《執念栽培促進機》

 

 ――裏プレイヤー・エンヴィーの堪忍袋の緒が切れた!!


 倭刀によって二度も《レベルアップ》を許してしまった事により、嫉妬のしつこさを諸共せず、返り討ちされての形勢逆転。これが不味かった。


「私をここまで怒らせたアンタに魅せてあげる……地獄よりも奥底に眠る嫉妬力で成した、裏プレイヤーの力を!!!」



 決闘場のアメリカ村が深い緑に染まる程に、滾るは禍々しきエンヴィーのPAS。緑の眼は嫉妬の印と言いますが、それよりも深いディープグリーンは何れ真っ黒になるのでは無いかと思う程に怨とした魂だ!


 かと言う私もこのPASの波動に影響されかねない! 思えばここまで私が熱く語らっても、なろうランキングにのさばる作品の足元にも及ばない!!

 あぁそれが誠に妬ましい、作者の意を込めてジェラシーを――――


 ……ってダメダメダメ!! 裏プレイヤーの同じ穴のムジナになっちゃダメ!!! 小説仲間は皆兄弟なのだ!!



(ヤベーよ、Mr.Gのおっちゃんまで影響出てらぁアイツのPAS! ゲーム上で勝ってるのは俺だが、アイツのPASの原動力は言わずもがな()()。負の感情が反比例されて強くなってくるとなりゃ、逆にそれじゃ不利だ!!)



 このままではゲーム関係無しに嫉妬のPASによって心が押し潰されてしまう。どうしたものかと危惧した倭刀はその時、ある妙案を思い付いた。


(……そうや! そんならいっそ試して見る価値はあるな)


 と思い立ったが吉日とばかりに妙案とやらを仕掛けに入った倭刀。


「オイ待てやエンヴィー、そのへんにしときや! お前が理性失ってまで戦う理由なんざもう無い筈だぜ!!」


「ナン……デ、すって……!?」


 PASの影響によって倭刀の思惑通り、暴走状態になりつつあったエンヴィー。何とか対応するくらいの理性は保っているようで、ノイズの雑音が混じりながらも応答した。

 それよりも倭刀さん、一体何をする気なんですか?


「アイツが嫉妬心でPASを操るのなら、その負の感情を俺の手で抑えつつ、戦意も取っ払ってやんのよ!」


 ははぁ、交渉話術による駆け引きですな。しかし三癖以上ある裏プレイヤー相手に成功するでしょうかねぇ?

 ともあれお手並み拝見、倭刀の心理カウンセリングだ。



「……もうそこまでだ。これ以上PASを発動しても自傷行為するようなもんや。そないせんでもお前の実力と意地は痛ぇ程に分かったわ。

 それに俺はお前らの住むアンダーグラウンドを荒らしに来たんやない。裏ゲームを止めに闘ってるだけや」


「ふざけないでよ! 私もさっき言ったわ、アンタみたいな表柄のゲーム戦士に邪魔される事自体が迷惑だって!!」


 ありゃこれは、ちょっと逆効果じゃないのかな……?


「それは十分に痛み得てるぜ、互いに事情有気でここにいる。そんでこちとら裏ゲームで迷惑千万食らってるから戦ってる! 俺だってお前らの裏ゲーム程に大事な事情があるだけや」

「何を……!?」


「お前にも故郷ってもんがあんやろ、そこは裏表無いぜ。――お前がこうして()を生きてるのなら、地底空間の人々の恩恵とかが積み重なって出来てるからやろうが!!!」


「…………それは―――!」


 おっと!? 倭刀の説得が通じたのか、エンヴィーのPASの力が弱まって彼女の理性も戦場も深緑一色から元に戻りつつあった!


(……よっしゃ! 手応えありだぜ、もーちょいもーちょい!)


 己の話術に効果アリと見るや、更に攻め込もうとする御調子者の倭刀。こころなしかヤな予感するのは私の気のせいでしょうか?



「……まーなんつーかアレや。見た感じここも裏表とかの差別みたいなのって少なくなって来ただろうしさ、悔い改めりゃお前も受け容れられると思うで。―――もーちょい気楽に生きようや、でなきゃせっかくの美人で綺麗な顔が台無しになるで?」


 …………え、倭刀さん?? まさかまた女心ハントしてるんですか!? 一度フラレた相手に二度も同じ手は……


「な――――!?! 何よ、いきなり何言い出すのよ!? 今更そんなの言われたって妬み通り越して……は、恥ずかしいじゃない……!」


 え、待って、待ってエンヴィーさん。貴方……ツンデレ!!!?

 何すかこれ、決闘やってるんですよね。三角公園の並木道で何を恋愛ゲーやってるんですか!!!


「俺は嘘は嫌いや。お前が裏ゲームに走らんかったら、俺ぁアンタとピンボール誘ってやったのに。裏プレイヤー仲間とはやってんのか?」



「え、まぁ……アンダーグラウンドじゃ時々……。彼処のピンボール場も暇あれば良く言ってたし、それに……アメリカ村の若い男の9割がたはナンパされてるし、スタイルは良いと良く言われるし、裏プレイヤー内じゃミス・ユニバースにスカウトは3回くらいされたけど謙虚に断ってたし――」



(根暗の癖してモテモテじゃねぇかこの野郎(殺意))



 さり気なく自慢話をさせられてイラッと来た倭刀。エンヴィーよりも一瞬だけ強い妬みに入ったのは内緒にしておこう。


「……ま、まぁともかくだ! お前ンとこの裏プレイヤー仲間だって、マジで嫉妬に狂って俺と戦う事なんざ望んでないはずや。―――お前が裏ゲームを遂行した罪を償って終わりにしよう! 命賭けて勝敗を決する必要は無い!! それともお前の嫉妬ってヤツは表にも裏にも居ても敵を陥れな収まらんのか!!!」


 一旦は己の欲を抑えてエンヴィーのPASの抑制と、裏ゲーム制圧の為に雄弁に説得を試みる倭刀。


「うぅ…………」


 最初は不安視もしてましたが、その懸命な呼び掛けによってエンヴィーのPASの波動も弱まり、戸惑いを始めているようだった。

 裏プレイヤーとて元は真っ白な真人間。良心と欲の狭間にエンヴィーは揺れる。



 ―――その時、彼女の脳裏からアンダーグラウンドで暮らしていた頃の記憶がフラッシュバックを起こす。


 ■■■■■■


『――何だよ田美子(たみこ)ォ、全然笑てくれないやないの、綺麗な顔して勿体ないやろ?』


 エンヴィー、本名は『翠川 田美子(みどりかわ たみこ)』。

 何の因果か超次元ゲーム時代での波に乗り遅れたばかりに物心付いた頃から地底空間・アンダーグラウンドにて育った。


 太陽もろくに拝めず、薄暗く湿った土地にて笑う事を忘れた女。だがこんな地でも恩を抱くべき同胞は数多く居た。そして彼女らと過ごした日々は忘れることなき至宝の記憶でもあった。


『……まぁ良いさ、無理に笑う事もないよ。私もアンタも人には言えない訳あって地底にいるんやろうし。アンタだけじゃない、皆そうなのさ。信頼とか友情ってのは、手間隙かけて初めて価値あるものに熟成されるんだ』


 エンヴィーと話しているのはアンダーグラウンドにて格上な者でありましょうか? 裏プレイヤーか、サザンクロスの幹部か、それとも別の強者なのか。


『安心せな、アンダーグラウンドは上の世界と違って差別も偏見も無いパラダイスやさかい。裏切りも欺きもうちらには必要の無い場所さね。勿論嘘だって邪魔な場所さ!』


 ■■■■■■


 ――エンヴィーの記憶を辿る限り、アンダーグラウンドは我々の住む世界と違った価値観があったようだ。


 故にそこで育ったエンヴィーにとっては、ルールで縛られた固定観念の無い考え方、生き方を心得ているようだが……、そんな記憶が彼女にどんな変化をもたらすのでしょうか?


「……確かに、最初はアンダーグラウンドでさえも私は認めなかった。こんな嫉妬強くて性格も歪んだ私でさえも、受け容れてくれた人が居た……!」


「ほら見ろ、裏んとこだってお前を受け容れた奴がいたじゃんか。今度はお前が、表の人間の事をちょこっとでも受け容れてくれりゃエエ話や。俺も裏ゲームの恨みもさっと水に流すからさ、これで万事解決ゲームセットや!」



 などとサラッと軽口で説得を終結させる倭刀。それを証拠にエンヴィーの怨々としたPASの波動は消えている。…………消えてる、よね?



「……そう、分かったわ。それなら私は――――――






 お前のその浮ついた余裕が、余計に妬ましくなったわッッッ!!!!!!!」





 えええええええええええええええ!!!!!???

 PASが依然よりも色増して強くなってますよ!? 結局逆効果じゃないすか倭刀さん!!


「あ、やっぱ駄目だったか」


 しかもダメ元でやってたの!!?



「こんのクソガキが、三文芝居以下の茶番に付き合ってりゃ、あの人と同じ口説き文句吐きやがって!! ブチ殺すぞ!!!!!」


「アカン、地雷も踏んでたらしい」


 もぅ何やってんですか倭刀さんや!!!!


 で、一応エンヴィーさんの心の内を説明すると、所詮は二人の抱えてる問題に接点が合うわけもなく別問題扱い。そうでなくても彼女は実力云々も関係無しに表のゲーム戦士を受け容れる気はサラサラ無し。


 とにかく自分を邪魔するゲーム戦士は皆目障りだと、エンヴィーは芯に釘打って心に留めていたのでした。つまり倭刀のやった事は『火にガソリン』ぶっかけたも同然なのよ!!



「だーーーーーめんどくせぇなどいつもこいつも!! だったらこっちも殺す気でやっかんな、この優勢をひっくり返せるなら返してみろやボケカスゥ!!!」


 あんたら二人揃って子供の喧嘩ですか……もう付き合いきれませんよ私!!



「ボケはガキのアンタの方でしょ? 自分が有利だって心が緩んだ隙が作った致命的なプレイングミスをね……!」


「な、何やと……!!?」


 強力なレベルアップユニット、《ブラックダイヤモンド・ガーディアン》を持ちながらも、エンヴィーが告げる致命的なミスとは果たして何か!?

 ……ごめんなさい、もう少しだけこのゲームお付き合いの程を。Mr.Gからのお願いです!



 まだまだ引き起こす大波乱、この続きは一旦引き下がってまた次回! 本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽

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