【GAME33-3】頼みの札と更なる強化!!
◐AMAZING MIDWAY RESULT◑
☆〔倭刀 HP1000 手札2枚 EG:⑩〕
・カスタム・ツールカード《轟竜刀》
・ユニット:《オニキスブレイド・ガーディアン》
★〔エンヴィー HP1550 手札5枚 EG:②〕
・ユニット:《シャドートークン》《ビッグツリータイタン》
・パーマネント・ツールカード《執念栽培促進機》
――引けば魂の欠片も飛び散る、運と熱意に込められたドローカード。
その一閃に勝利の女神が応えたのか、倭刀がカードを確認するや否や、輝くは恍惚と期待に満ちた笑みだった!
「ほんじゃ、とっておきのドローカード発動してやっか!!」
早速にして倭刀は獲得した1枚のカードをデッキから引き、そのままブレスに装填・スキャンした!
『アクションカード、【横暴たるクレーム】!!』
な、何だその傍若無人なカード名は!?
◎――――――――――――――――――◎
〈アクションカード〉
【横暴たるクレーム】
属性:赤 EG:④
・効果:相手プレイヤーを対象に
『そのプレイヤーに500ダメージを与える』か
『このカードを発動したプレイヤーは
カードを3枚ドロー』のいずれかを
選択しなければならない。
◎――――――――――――――――――◎
「簡単に言うならこのカードは駆け引きや。態度の悪いお前が俺に500ダメージを食らわせるか、謝罪込みでカード3枚請求させてくれるか、どっちかを選びな!!」
態度の悪いって……接客じゃ無いんですから。
とにかくどっちを選択しても、リスクを負うのはエンヴィーの方。HPを取るか、倭刀の手札支給を取るのかは彼女次第。
「直接に500ダメージ!? それを断ったらアンタに3枚ドローですって……? インチキ効果もいい加減にしなさいよ!!」
「そんじゃ裏ゲームで壊したアメリカ村のリアル賠償金でもエエけど?」
それは大阪府が要求する事なので大丈夫です。
(私のHPは1550はあるけど、それを嫌がってアイツに3枚引かせたら結局それ以上の火力を飛ぶ可能性もあるわ。何よりもアイツに札を持たせる事自体ムカつく!!)
嫉妬の塊のエンヴィーには私情が絡んだ思考がチラつく様子。そこで悩んだ結果導き出した答えがこれだ。
「アンタに3枚もドローさせられるのは真っ平だわ!! 私は500ダメージを選ぶ!!」
〔エンヴィー HP1550→1050〕
ここは私情に勝ったか。今は手札を5枚所持しているエンヴィーだが、倭刀がそれを追いつかんと手札を施される事すらも妬み、嫌悪した彼女はダメージを選択したのだった。
「あーりゃりゃ、やっぱりダメージを選んだか。俺に札を持たせて逆転されたか無いからって感じか」
「当然よ、アンタみたいな生意気なガキなんか1枚たりともカードを持たせたくないわよ妬ましい……!」
独占欲にも侵されているのか、嫉妬の圧を強めるエンヴィー、そこで倭刀が思い切ったコマンドを《オニキスブレイド・ガーディアン》に下した。
「オニキスで《ビッグツリータイタン》に攻撃!!」
ここはプレイヤーではなくユニットに攻撃を仕掛ける倭刀。
(今更ユニットに……? 《嫉妬の底力》を装備する前に仕留めるつもりなのね!)
等と透明な倭刀の思惑を自分なりに解釈するエンヴィー、《シャドートークン》による妨害は無しでそのまま戦闘へ。
〔《オニキスブレイド・ガーディアン》DP600→100〕
「危ねッ……、先に攻撃しといてよかった!」
ガーディアン御得意の[カウンター]も50%の確率からは連続発動はならず。首の皮一枚残して《ビッグツリータイタン》を破壊。
しかし墓地に置かれたことによってタイタンの効果、《嫉妬の底力》同様に墓地から手札に戻るリターンバックで再びエンヴィーの懐に戻った。
「もう一つ、《執念栽培促進機》でユニットが墓地に送られたから《怨根トークン》も一体出すわ」
あ、そうでした。私が処理状況を忘却するほどに倒しても倒しても増えるエンヴィーの配下。実にしつこいですね。
「幾ら攻撃もブロックもしてこようと無駄よ。アンタを始末するまではタイタンも何度も蘇るわ」
「どーやら、そうらしいな」
捨て台詞に流し台詞、タイタンによって深傷を負いつつも再びフィールドはユニット同士で睨み合う硬直状態。……と壮行している内に30秒が経過。再び二人の元にドロータイムの時が訪れる。
《CARD DRAW》
ガーディアンの召喚によって大分余裕が取れるようになった倭刀。
手にしたドローカードを見るが、今回は特に反応は見せずに保留する形で、エンヴィーに一言申す。
「ホンマにしつこいつーか、つくづくお前がネチネチイライラ野郎だって感心するが……大事な事を一つ忘れてやいないか?」
「……は?」
それを言われてエンヴィー、条件反射にフィールド状況を把握し始める。
手札も無し、ユニットは黒い用心棒、後は憎たらしいと思う倭刀の懐に自慢の名刀あるだけ……と思った矢先に察した。――――墓地!!
「発動から1分経過! アクションカード《レベルアップ》の墓地効果発動!!」
倭刀に逆転の兆しを導いた《レベルアップ―LEVEL UP―》、レベルアップユニットを召喚する以外に用意されたもう一つの効果!
墓地に《レベルアップ》が眠る時、【EG③支払うことでこのカードを手札に戻す】! これによって倭刀はEGを③支払って、再び倭刀の手の元に切り札が舞い戻った!!
「そんな――!? また《レベルアップ》カードが戻るなんて!!?」
「下から這い上がって気付く事は幾らでもあらぁ、『成長』ってヤツは、意志次第で何処でもついて回るもんだってな!!」
そして再び、盤面をひっくり返す怒涛のカードスキャンへ!!
『アクションカード、《オニキスブレイド・ガーディアン》・【レベルアップ―LEVEL UP―】!!!』
驚異のユニット二段階成長!! オニキスの黒甲冑から更に成長を遂げた剣豪が倭刀の前に光臨した!!!
―――その名も、【ブラックダイヤモンド・ガーディアン】!!
◎――――――――――――――――――◎
<レベルアップユニットカード>
【ブラックダイヤモンド・ガーディアン】LV.7
AP:700 DP:800 AS:10
レベルアップ元:《オニキスブレイド・ガーディアン》
属性 黒 ユニット/ナイト
・能力:[ファーストアタック][カウンター:100%]
◎――――――――――――――――――◎
「2段階のレベルアップ……! 黒甲冑が更にパワーを上げたというの――!!?」
これには流石のエンヴィーも驚嘆の域。先程までの強がりも何処からか飛んでって、明らかに弱腰になりつつあった。
しかもこの黒ダイヤモンドの剣豪、戦闘前に先立ってダメージを与える[ファーストアタック]と、戦闘ダメージを防いで相手を仕留める[カウンター]、今度は100%の確率で仕留めるまでに強化された!
まさに攻めと守りを極に降った剣豪の熟練レベルアップ! これでは最早エンヴィーの隠し持つ《嫉妬の底力》でさえも太刀打ちは出来ない!!
「じゃ、試しに斬られてみっか? 《ブラックダイヤモンド・ガーディアン》!!」
おおっと情け容赦無いぞ倭刀! 勝機あらばと臆せず攻撃コマンドを剣豪に下す!!
「冗談じゃないわよ!! 《シャドートークン》でブロック!!」
「無駄や! [ファーストアタック]で完封返り討ちや!!」
ただでさえ[カウンター]は100%当たるのに、先制攻撃も付けられては太刀打ちはほぼ不可能。中堅トークンされも細切れ状態。残るは怨根トークンのみだが、
「ニンニク邪魔!!」
貧弱トークンは倭刀の刀で料理。エンヴィーもユニットでガードしたいが皮肉にもEGが足りない!
すかさず攻撃コマンドを再び下し、ブラックダイヤモンドのセカンドアタック! 漆黒ダイヤモンドの特大剣が、エンヴィーの華奢な身体をぶった斬る!!
―――ザシュュッッ!!!
「あああああぁぁぁあぁあッッッ!!!!!」
〔エンヴィー HP1050→350〕
遂にここまで裏プレイヤーを窮地に追い込ませた倭刀! 漆黒の矛と盾を味方に、いよいよ彼が王手をかける!!
「何てことなの……! この私が、こんなガキ相手に遅れを取るなんて……!! ホントに、ホンッッットに…………妬ましい、妬ましい、妬ましすぎる――――ッッ!!!!」
そしてエンヴィーの沸点にも極限まで来ていた。その妬み嫉みがピークに達したその瞬間、『いざとなったら魂を込めろ』宜しく、彼女の深緑な嫉妬色のPASが自動的に発動した!
◎――――――――――――――――――◎
・PAS【ジェラシー・エナジー】確認。
◎――――――――――――――――――◎
だがまだ肝心のPASスキルは発動されていない。エンヴィーの怒りが頂点に達した事で、半ば理性を失いかけた状態での発動。即ちPASの暴走寸前まで追い込んでいた。
(やべぇ……この心の奥底からグワッと来るような圧迫感! 俺が初めて銃司に会った時みたいに……物凄いPASの波動や――!!)
「この可愛げのないクソガキが……人が大人の嫉妬の態度をしていれば調子付きやがって……! もう赦さないマジでブッ殺すわ!! 骨が粉々になるくらい嫉妬に塗れて死ぬがいいわ!!!」
美人のメッキは砕かれ本性表し大逆上! エンヴィーのPASによる負のエネルギーによって理性がブチ切れ暴言もキレキレ。
裏表決闘・終盤戦、この結末に待ち受けるのは破滅と暴虐の狭間か、それとも――!? この続きはまた次回申し上げましょう! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




