【GAME33-1】土壇場勝負だ、レベルアップユニット!!
――夏色の気配漂い始める皐月の初旬、二十四節気で例えるなら丁度今日が『立夏』の節気。
立夏とは即ち、ゲーム戦士達の熱き戦いもヒートアップする予兆でもあります!!
さぁ表裏のゲーム戦士・大決闘。後半戦、張り切って参りましょう!! ――――それではッッ!!!
『オープン・ザ・ゲート』!!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――ここは現実世界、浪速の平穏な町並みに突如訪れた悲劇。
裏プレイヤーによる裏ゲームを阻止し、その首謀者である『妬み嫉みのエンヴィー』。緑髪の女との決闘に挑むは池谷倭刀。
若気の至りか意地の強さ故か、裏プレイヤーをこの手で成敗せんと意気揚々に挑んだは良いものの、エンヴィーの底の強さに一時は窮地に立たされた倭刀。だがしかし、
『【ブラックガーディアン】LEVEL UP!!!!』
起死回生飛び出すはユニットの本質を成長させて強化する特殊カード《レベルアップ》。
かつて倭刀をも苦しめたカウンター攻撃で有名な黒甲冑の剣士が『レベルアップユニット』、《オニキスブレイド・ガーディアン》へとパワーアップした。ということは、倭刀は凄まじく心強い味方を得た事に等しい。
ーーではバトルの整理として現在の状況の説明を。
〔倭刀 HP1000 手札0枚 ユニット:《オニキスブレイド・ガーディアン》〕
〔エンヴィー HP1550 手札6枚 ユニット:《ホウセンカのエルフ》※《嫉妬の底力》装備中〕
……なに全体のステータスじゃなくて、レベルアップユニットの詳細を教えて!ですって。分かってますとも短気は損気ですよ!
◎――――――――――――――――――◎
<レベルアップユニットカード>
【オニキスブレイド・ガーディアン】LV.5
AP:500 DP:600 AS:10
レベルアップ元:《ブラックガーディアン》
属性 黒 ユニット/ナイト
・能力:[カウンター:50%]
★LV.7召喚条件:
①《レベルアップ》の発動。
②このユニットが相手ユニットを5体
戦闘ダメージで墓地に送った時。
◎――――――――――――――――――◎
「――まぁこれだけじゃ読者の皆も分かんねぇから、も一つ俺が説明を付け加えとくぜ!」
おぉ、倭刀さん自らが説明フォローとは! これも《レベルアップ》の恩恵でしょうか?
「『レベルアップユニット』はさっきの《レベルアップ》のカード発動によって、普通のユニットから進化させる事が出来る。
だがこのタイプのスゲェ所は《レベルアップ》をもう一度発動させるか、場に出して条件を達成すれば、またレベルの高いユニットを特殊召喚させられるんだ!!」
つまり条件が揃えば、倭刀の《オニキスブレイド・ガーディアン》の格上のレベルアップユニットを出せるという訳。無限に広がるレベルアップ、恐るべき力!
「それだけじゃなくて、オニキスの効果は[カウンター]。戦闘ダメージを確率的にガードして自分のAP数値をぶつける攻撃を50%、つまり半々の確率で敵を完封させられる効果を持つ! 黒刃の剣士は伊達じゃないぜ!!」
EGの概念は消えてレベルで進化する『レベルアップユニット』。この状態でもかなり強いのに、戦いを通じて更に基礎能力も上がるというのだから恐ろしい。
しかもエンヴィーにとっては不運にも、デッキの相性上ではかなり苦手な能力タイプの導入に動転していた。
(……私のエルフはほとんどが防御が低い。嫉妬パワーで押しても1/2の確率で[カウンター]が発動されれば無駄死になるわ……! 何で、何でこんな土壇場でヤバいの出してくるのよ、妬ましい――ッッ!!)
まさに嫉妬の思うがままの展開! ギリリと唇を力一杯噛み締めて苦虫を食い潰す勢いのエンヴィー。『ざまぁ』とは良く言ったものか!
「よっしゃ快進撃行ったらぁ!! 掛かってこいやエンヴィー!!!」
普通のプレイヤー代表として裏プレイヤーに、意地を見せんと威勢を放つレベルアップ途上の倭刀。覇気もみるみるうちに蘇らん!
「舐めんのも大概しなさいよクソガキ! たった一体のユニットで太刀打ち出来ると思うな!!」
そこでエンヴィー、倭刀とは対象的に6枚も手札がある中で1枚をカードスキャン!
『パーマネント・ツールカード、【執念栽培促進機】!!』
っとこれは? 何やら妬みでガーデニングしようという趣味悪すぎるカードがフィールドに展開されたぞ!?
◎――――――――――――――――――◎
〈パーマネント・ツールカード〉
【執念栽培促進機】
・属性:緑/黒 EG:③
・効果:自分のトークンでないユニットが
墓地に置かれる度、フィールド上に
《怨根トークン(AP・DP100)》を1体召喚する。
◎――――――――――――――――――◎
「なるほど、俺のガーディアンに潰されるよりかは根を出して凌ごうって訳かい。丁度5月末が収穫時だからって、そないに食ったら口臭くなるもんを育てて――」
「ニンニクじゃないわよ馬鹿!!!」
今のボケ良く分かりましたねエンヴィーさん。
「うるさい!! 二度とそのボケ言えないくらいボコボコにしてやる!!!」
エンヴィーのクールな美人の素顔も本性表しへちゃむくれ。妬み嫉みがエスカレートし逆上する彼女に攻撃コマンドが《ホウセンカのエルフ》に下される。
「っとと、そいつァ勘弁! 《オニキスブレイド・ガーディアン》でブロック!!」
嫉妬深い攻撃には当然ユニットで防ぐ。レベルアップユニットに軽型のエルフユニットでは赤子も同然。そしてダメージは、
◎――――――――――――――――――◎
・《オニキスブレイド・ガーディアン》
[カウンター]発動!
◎――――――――――――――――――◎
――完封制裁!! 《ホウセンカのエルフ》の嫉妬攻撃に[カウンター]が発動され無傷で勝利のガーディアン。
「まだ終わって無いわよ!!」
ここで執念深いのはエンヴィーのカード、ユニットが墓地に送られた事で二枚のカードが起動型効果を発動した。
「先ずはエルフに装備していた《嫉妬の底力》を墓地から手札に戻す! そしてエルフが墓地に送られた事で《嫉妬栽培促進装置》の効果で、トークンを一体召喚!!」
エルフの亡骸が養分となり、芽が出て膨らんで〜♪からの足が出て二足歩行。苗の形をした怨恨の根、略して怨根のトークンの出来上がりだ。
「ひぇえ〜ホンマにしぶといな。だがもう俺は退かないぜ、束になっても俺とオニキスが相手になってやる!!」
――さぁ群がる怨恨のデッキに敢然と立ち向かう池谷倭刀と《オニキスブレイド・ガーディアン》!
裏プレイヤーの嫉妬が尽きるまで、突破口を掴めるか!? 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




