【GAME3-4】心揺らぐ者にガーディアンが襲う!!
――TIPS――
【ゲーム・モード選択】
ゲームワールドのゲームには、PASやプレイヤースキルの使用を制限する『リミテッドモード』というルールが存在する。
特殊能力抜きで己の力を試したいプレイヤー用のルールで、見事勝利すると通常の2倍の報酬・経験値が貰えるぞ!!
{古の遊戯洞穴 地下5階}
――地下3階でのモンスターハウスでの激闘から数十分。特に何か変わったことがあったのか、と言われても『特には無い』って返すほど何事もなく、ただ魔物にちょっかい出されて退治するくらい順調に進んでいた。
「だったら描写する必要無くないか? ……お、これは」
なんて倭刀がぼやいてる側から、見つけたキラッと輝くミステリーポイント。調べてると……
◇――――――――――――――――――◇
・クサナギは アメイジングカード
≪影分身≫ をGETした!!
◇――――――――――――――――――◇
「ラッキー! アメイジングカードや!!」
何とダンジョンの中には時たまアメイジングカードやお金が落ちていることもある。
一応これはゲームなので、『お金拾ったら警察に届けましょー』なんて事はしなくても宜しい。だってドラ◯エの勇者だって無言で人ん家のタンス開けてアイテムガメちゃうし。それに貰うものはとことん貰う倭刀の性格からして尚更だ。
{古の遊戯洞穴 地下7階}
その後も率先して倭刀はミステリーポイントを探ればクエストのパーツや、先程のカードを獲得して自分のものにしていた。
穂香や豪樹は遠慮してるってのもあるが、欲張りに抵抗が無いのも問題だ。そこで豪樹はもう一つ質問を仕掛けた。
「――なぁ倭刀、もしかして日常でも自分の金貯めといて使わない性格とちゃうか?」
倭刀はこれに若干ドキッとしながら、さりげなく質問した豪樹の目を反らす仕草をした。非常に分かりやすい。
「……そーいやお前、槍一郎の家で居候してる立場にも関わらず、飯代とかケチって奢らされてるって彼から聞いたで」
(グサッ!)
倭刀の心から矢のような指摘が突き刺さる。……ってかマジすか? 先輩後輩の間で奢られてるの! 割り勘じゃなくて!!
「あんまりこれも言うべきじゃないけど、倭刀ったら私の居候先でもお邪魔になっては、紗由理さんのお菓子をタッパーに溜め込んで帰るんですよ。ほぼ毎回!」
(グササッ!!)
結婚式や祝賀会でお呼ばれして、ご馳走詰めて食費浮かそうとしてるオバチャンですか貴方は!?
……ねぇ穂香さん、豪樹さん、もしかして倭刀のケチな性格って元からそうですか?
「「一年以上前からずーーーーっと!!」」
(ザクッ!!!)
「ッッさいなぁ!! 何やねん二人してさっきから!!!!」
ありゃりゃ、とうとう倭刀の堪忍袋の緒が切れましたよ!
「何を怒っとんのや? 本当の話やろが」
「倭刀、ここまで言われて腹が立つならお金の事とか考え直したら……?」
「じゃかぁしい!! 俺がどう金貯めようが勝手やろ、余計なお世話や!!!」
何か思春期の息子を相手するお父さんと姉の会話みたい。実際穂香や剣達は皆17歳と倭刀より年上の立場で、豪樹はそれより9つも上の26歳だからある意味保護者と言っても過言ではない。
故に冷静な二人には倭刀の焦燥も手に取るように分かっていた。
「大分荒れとるな」
「多分これは倭刀自身のコンプレックスなのかも知れませんね……」
うむ、私もこれには絶対訳アリと見た。
▶▶▶ NEXT▽
――さて、ここからはダイジェストでお送りしよう。
{古の遊戯洞穴 地下8階}
この時点で、ゲームに使う石盤の四つの欠片が全て揃った。このボードは、大・中・小の四角い管のような溝と、丸い窪みが特徴的で、きっと集めた珠に窪みを填めながらゲームに使うのだろう。
……途中穂香が色スケベな使い魔におっぱい鷲掴みされたが、倭刀が細切れにしたので次に進もう。
{古の遊戯洞穴 地下9階}
――段々と魔物の強さが増していく。
アメイジングは現在進行形でゲームが進むため、HPやデッキの枚数も消費されたまま。残り1階最深部まで力を温存できるかが、クエストクリアの要となる。
……途中穂香のパンツを盗人魔物にパクられそうになったが、彼女の炎系カードで消し炭にしたので次に進む。
{古の遊戯洞穴 地下10階(最深部)}
――そして辿り着いたダンジョンの終点!
(何か私にだけ変態魔物に追われてばっかな気がする……)
穂香は度重なるスケベの魔の手でくたびれていた。
何しろ現実でも女子高生でEカップもある巨乳で金髪美人と来ちゃ、色男も彼女無しのプレイヤーさえも狼になる。更にアバターにも反映されてゲームワールドでは魔物をも悩殺する色気マジシャン。それが『リーフ』こと大森穂香なのだ!
「前作は私こんなキャラじゃないのに……」
穂香さんが仲間になったの前作の終盤ですからね、作者のkazuが若干キャラの路線を変えたんだそうな。
――残るパーツはピンクに輝く珠一つのみ。それは終点を飾るゴール、黒水晶で祭られた祠に隠されていた!
「……あ、あった! 最後の珠!!」
祠の殿舎に祭られたピンク珠を倭刀が手に掛けようとした、その時!!!
――――ヒュンッ!!
「!!?」
ジャキィィィィン!!!
珠を取ろうとした倭刀目掛けて突き刺さったのは黒い大剣。その刺さった深さと鈍い音からして重量級の重さであろう。
間一髪倭刀は避けて、警戒体制に入る。そこへ大剣を取ろうと現れた艶やかな黒鎧の男――!
「誰だ……? 我が眠りを妨げ、祠を荒らす輩は――!!」
騎士の鎧で纏った黒いボディ、黒い兜の裏にギラリと光る殺気の目。彼こそこの洞穴の番人ユニットにしてボス『ブラックガーディアン』だ!!
「……あんたが最後の難関ってか?」
その倭刀達に宿る闘志を察したブラックガーディアンは何かを申し立てた。
「その炎の如く輝く魂、貴様らはプレイヤーだな。この祠の秘宝が欲しいか? ならば我に挑み、力ずくで奪ってみるがいい! ただし貴様らが負ければ……!!」
敵ながら騎士道精神を持ち合わせているブラックガーディアン。負ければ命を捧げよとも言いそうな雰囲気だが……?
「そこの女魔法使いの胸に宿るたわわに実った果実を我に奉仕するのだ!!!」
…………へ? 果実?? 穂香にそんなもの有るわけ――――『胸』、あ、巨乳か!!
「また私のおっぱいですか!!!?」
――――結局この鎧野郎もムッツリスケベじゃねぇか!!!!!
「冗談じゃねぇ、姉ちゃんのおっぱいは誰にも渡さねぇぞ!!」
いや誰のものでも無いから。穂香のだから。
「ならば我と……勝負だ!!!」
☆――――――――――――――――――☆
・ネーム:ブラックガーディアン
・HP:1300
・ジョブ:『騎士』
[プレイヤースキル]
・【黒き大剣】【騎士の構え】
☆――――――――――――――――――☆
これがブラックガーディアンのステータス。若干多いHPとプレイヤースキルが気になる所だ。
更に1VS3とはいえ、倭刀達三人の使えるデッキのカードもまちまち。HPこそ全快だが果たして何処まで通用出来るのか。互いに手札を5枚引いて、どちらかが動いた瞬間決闘が始まる――!
「ほんじゃ、行くでぇ!!」
覇気を込めて放った掛け声と共に駆け出した倭刀!
『カスタム・ツールカード、【轟竜刀】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタムツール・カード>
【轟竜刀】EG:③
AP:150 PP:10
属性:黒 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『逆鱗斬』属性:黒 EG:①x
・効果……x分払ったEG×100のダメージを
相手のユニットまたはプレイヤーに与える。
◎――――――――――――――――――◎
黒い刃に黄金の鞘、竜殺しとも名高い轟竜刀を片手に侍アバターの倭刀が先陣を斬る!
――ガキン!!
「!?」
ガーディアンの片手には既にあの黒い大剣、プレイヤースキル【黒い大剣】の効果で既にカスタム・ツールカード≪ブラックカリバー≫を装備していたガーディアン。二つの黒い武器が交じり合い、騎士と侍のせめぎ合い。
「騎士様は剣が無いと戦えねぇってか!?」
「馬鹿め、この戦場に丸腰で戦う騎士がおるか!!」
パワーで押しきる倭刀に対し、ガーディアンは流し攻めての軽やかな剣さばき。
力に注ぐ分ブレや疲労も溜まりやすい状況下で、倭刀に早くも焦りが襲う。そしてガーディアンはその心境を見破った。
「どうした若造。渾身の一撃が決まらんあまりに集中が途切れておるぞ? ――そんなに早くこの決闘を終わらせて宝が欲しいのか!?」
ガーディアンの囁く煽り、それが倭刀の理性を大きく乱れさせた。
「うるせぇぇぇぇぇ!!!!」
煽りの隙を見計らい、倭刀の憤る一撃がダメージエフェクトと共に遂に決まった!!
〔ブラックガーディアン HP1300〕
……いや、ちょっと待った!!
「欲望に囚われた心など……我の前では無力だ!!!!」
◇――――――――――――――――――◇
・ブラックガーディアン
ユニットスキル【騎士の構え】発動!
◇――――――――――――――――――◇
――ドスッ!!
「倭刀――――――ッッ!!」
倭刀の攻撃から一転、彼の腹部に突き刺さるブラックカリバーのカウンター! ――危うし、池谷倭刀! 本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
【挑戦ゲーム 募集中!】
ゲーム・ウォーリアーでは、作中剣達が遊び、挑戦するゲームを読者の皆様に募集してます!
レトロも最新も懐かしのあのゲームも出来る範囲で劇中に登場させてやらせますので、
ブックマーク・評価等を含めて、感想欄にてゲームのリクエストもお待ちしております!!




