【GAME31-1】切り札騎士、新たな吉報!?
気付けば今年はゲーム・ウォーリアーシリーズ3年目!
勢い衰えずにエンヤコラ、ゲームバトルのウーバーイーツ……いや、出前館をも真っ青なデリバリーサービスで読者の皆様にお届けします!!
さぁネクストゲーム、次は誰が主役だぁ〜!?
テーマは【裏プレイヤーの巣窟】! それじゃ前置き置いといて張り切って参りましょう!! それではッッ!!!
『オープン・ザ・ゲート』!!!
▶▶▶ NOW LORDING...CONNECT!▽
――幾千のゲームと、幾多のゲーム戦士たちで繰り広げる極限の遊戯物語『ゲームウォーリアー』!
約一ヶ月に渡って繰り広げた剣と桜の新ゲーム戦士の弥風綾乃とで繰り広げたチーム戦・3on3モード。
しかしその綾乃は実は鳳凰堂孔雀の関連で近いうち、間接的にもオフィシャルプレイヤー内で剣の仲間である天野槍一郎と、対峙する事になる運命になる事になろうとは……嗚呼、因果は廻るが余りにも苦痛だぁ!
ほら、綾乃と別れた桐山剣さんの顔。絵文字で『ショボーン』って打ったら浮かび上がるあの顔そっくり!!
『どよ~ん』だか『ぼちょ~ん』だかとにかく落ち込んでる効果音もおまけに付きそうなくらい落ち込む剣。これには同行していたみのりとレミ、更には銃司が帰還命令を出すまで同行している時実桜でさえもが、気まずい雰囲気。
(ねぇみのりちゃん……こーゆー時こそ空気読めってのは分かるけど、いい加減あたし沈黙が辛くなってきたわ。話しかけてきてよ!)
(そんな事言ったって……)
親友とて顔が地面に付きそうな程落ち込んでいる剣には、みのりとて話し難い状況だ。だが彼女もレミ同様シーンとした空気が苦手な為、しびれを切らして思いきって話し掛けた。
「……ねぇ剣くん。綾乃ちゃんと槍くんとで同じオフィシャルの試練受けてたのがショックなのは分かるけど……敵になった訳じゃないんだし、そんなに気にする事ないよ!」
「……はぁ……んな事言われてもよぉ……」
いつも陽気で覇気ある声は何処へやら。剣は消沈さながらかすれた声でみのりに返した。ホントにショックだったようで。
「でも剣さん、確かに綾乃さんが嘘言ってるような素振りでも無かったですが……本人も事情は把握していない様子でもありましたよ」
桜も続けて剣にフォロー。前回のあの気まずい雰囲気からどのように展開したか簡単に説明すると、
――――槍一郎が本気の覚悟でオフィシャル試練に挑んでいる事に対して、綾乃も試練を通じて所属する『瑞鳳旋風堂』がWGCに認めて貰える事を耳にはしていたようで。互いに退けない状況に立たされていました。
その事を既に察していたのか、綾乃はログアウト寸前の別れ際に剣にこう言ったのだった。
『剣さんは仲間の心配を第一に考えてください。貴方の持つ切り札騎士の盾で、槍一郎さんの事を守ってあげて下さいね……!』
二人がオフィシャルプレイヤーの試練に打ち勝ち、頂点にて受け容れられるのは【継承されし熟練者】か、或いは【時代を変える新参者】か。それは神だけが知っているのかもしれない。
「……ホントはな、槍ちゃんの事を全力で応援したいってのは当然あるんやけど、綾乃も一緒に守ってやりたいってのが本音なんよ。でも結局力もカリスマもないんじゃ、どっち付かずの情けない男で終わっちまう。そんなん切り札騎士とちゃうわ……」
「剣くん……」
『大事なものを守りたい』という剣の魂が、余計に二つの掛け合いに葛藤を生んでいるのだった。……と、その時。
――――♪♬〜♪
懐かしや、ソルバルウでも飛び交いそうなエイトビットの電子ミュージック。剣のプレイギアからメール着信が無音の空間に鳴り響いた。
「……ん? WGC運営からメール来てらぁ」
何かのゲームのインフォメーションかと削除前提でメールを開く剣。しかしそのメールはメッセージR・Sでもなく桐山剣本人から受信したものであった。
「……オイマジかよ、本宮社長御本人から直メールや」
「「えぇっ!?」」
これにはみのりもレミも驚き。早速そのメール内容を調べて見た所、ご覧のようになっていた。
◇――――――――――――――――――◇
【WGC代表取締役社長 本宮マサトからの報告】
・本宮社長の意向により、桐山剣(アバター名:エース)に特例として特別GWクエスト《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》の開放クエストの受注を許可する事に決定しました。
クエスト参加の準備が出来次第、《プレイヤーバザール》のインフォメーションにて受注申請をお願いします。
◇――――――――――――――――――◇
「剣くん、《大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―》ってアメイジングウォーズで貰った【Gパーツ】のカードじゃない!?」
「あぁ、正確にはWGCから預かってるって話や。あの聖剣が余りにも強大な力やったから、改めて獲得する際には所有権を得るクエストを設ける話になって……」
その時急に剣は話を遮り、一旦考え込んだかと思いきや。何かを閃いた様子でニヤッと不敵な笑いを浮かべた。
(コイツぁ……受けてみる価値は十二分にあるぜ――!!)
何と剣は早くも開放クエストに挑む方向に傾き始めた!
しかし桐山剣とその仲間の活躍、その展開の模様を語るにはまだ先の話とさせて頂きます。悪しからず……
今回のゲームの主役は別のお方。そして舞台は現実世界に移す事と致しまして、長くなっちゃいましたが閑話休題!!
▶▶▶ NEXT▽
――――ここは現実世界、関西の中心核・大阪。
そして久方ぶりの登場は、巨大アミューズメントパーク『ギャラクシー』内のゲームジム【ビッグウェーブ】にて経営を賄いながら、何やら熱心にパソコンとにらめっこしながら調べ物中。シャッフルオールスターズ・高橋豪樹だ!
「ホンマに久々の出番やでしかし! レミちゃんも引っこ抜かれて、ワイは一人でせっせと裏プレイヤーの件でググり中やがな。大人の仕事は孤独なんやでぇ〜」
何て愚痴を溢してますが、メンバーに負けじと使命感の強い豪樹さんは少しずつ裏プレイヤーの動向をニュースやら近辺の情報を元にして核を探らんと奮闘中! ……といっても、自らも表に出て可愛い教え子らも守ってあげたい優しい大人なのです。
と、そこへ検索中の事務所からバタンッ!と大きなドアの音。
「ワッ!? ……何や、倭刀と穂香ちゃんかいな。脅かさんといてぇ!」
「ごめんなさい、倭刀ったらまた張り切っちゃって」
「それよりも豪樹さん! 俺達すっげぇ情報手に入れましたぜ!!」
「まーたスマートボールで菓子拵えたんか?」
「いやそうじゃなくて……【裏プレイヤーの巣窟】を特定したんっすよ!!!」
倭刀が手にしているのは何と、難波警察署より特別に配布された裏プレイヤーの資料! これを元に明日よりは、裏プレイヤーの根本を討つ為の正面突破に動き出します!!
そしてこれは、倭刀にとって大きな一歩となる……!!
一先ずは一旦下がってまた次回、本日のゲームこれまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




