【GAME30-4】3on3ゲームの真意……!?
―TIPS―
今回弥風綾乃が使用した新型召喚機【ACS・ロッドサモナー】は攻撃手段にも使えるだけでなく、特殊能力も備えている。
その効果は《ゲーム開始時EG⑤以上のカードを3枚ランダムで初期手札に加わる》。
3on3では初手から手札削除で発揮する事は無かったが、このようなメリット機能が新型召喚機の特徴だ。
――樹海囲む大自然豊かな町【リロードバックリバー・タウン】。
先刻まで白熱を繰り広げたアメイジングチーム戦・3on3モードの決闘も無事に終えて、VRフィールドは晴れ、再び平静な町に戻っていく。
さて、戦いを終えた剣・綾乃・桜と、ムーンリバーバンド三兄妹の健闘を讃えつつ、その直後の様子を見てみる事にしましょう。
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「うぇえええぇ〜〜ん!! フルムーン兄ちゃんが死んじゃったよぉ……」
「ちくしょう、兄貴の居ないバンドなんざ枝豆の無いビールみたいなモンだぜ……」
……えーと、読者の皆様は存じてると思いますが。
今回のゲームは正式なもの、裏プレイヤー等の小細工無しで命までは賭けない正当な決闘。要は次男と末女が大袈裟に言い過ぎって事!
「仕方が無いだろう。私達よりも彼らの絆に勝った結果なのだ。無論戦いの約束も果たせねばならない」
ほらフルムーンさんもピンピンしてるじゃないですか。
今回のゲームの約束というのは当然、剣達が迷えるリロード樹海を彼らの案内の元で抜け出すという事なのです。
さて今回の勝者であるゲーム戦士チーム、剣達はと言うと、
「お見事でした。瑞鳳旋風堂を代表する【信頼】の魂の力、とくと拝見させて頂きましたわ」
「いえ大した事ありませんって……! 二人が居なければ何も出来なかったですし、やっぱり剣さんの心があってこそ、ですよ!!」
「おっ、早速俺の強さが分かって来たってか? 益々気に入ったぜ綾乃!」
「「少しはこっちの言い分を聞けや、リア充共!!!!」」
今のは剣さんらが悪いですね。
「……約束の件の事ですが、我々とて案内するだけではこの樹海を抜け出すのは難しいのです。しかし勝者には無碍な報酬はさせません。――ハーフムーン、クレセント。彼らを樹海の外まで案内しなさい」
「えぇ〜!? 面倒くさいなぁ!」
「俺だってメンドイわ、特に騎士ヤンキーからタカられそうで怖いし。金せびられそうだし」
「テメェら俺の事何やと思ってんねん……」
う、うん……まぁ、分からなくは無いですが……
「少しは否定してくれやGのオッサン(泣)」
「ではムーンリバーバンドの皆さんのお言葉甘えて、そうさせて頂きましょう」
「これで樹海から抜け出せるんですね!」
なにはともあれ、激闘の末にようやく剣と綾乃がリロード樹海を脱出する事を確約されて一先ず安心。
「済まないな二人共。私が代表して雇い主に報告しないとギャラは貰えないからね」
「あ、そっか。それなら仕方ないね。素直に案内するよ」
「お客3名様御案内、お帰りはリロード樹海の出口〜っと」
兄の言う事なら絶対、渋々ながらに剣ら三人を樹海の出口へと誘うハーフムーンとクレセントであった。
……でも、あの癖のある次男と末女の事です。陰では剣達の事をどう思っているのでしょうか?
(ったくエラソーにふんぞり返っちゃってさ、あの騎士のクソガキが)
(止めといた方が良いよ兄ちゃん。あんなR−18満たない坊やを相手するの疲れるよ。どーせ音楽も新喜劇のヤツしか聴かなさそうだし)
(ってか俺ら山梨出身で、作者の故郷のゲーム戦士なのに扱い悪くね?)
(自分も高校でジャズやってたからって採用したのは分かるけど、本人そんな楽器吹けて無かったじゃんね。低いトーンやってる割には姿勢だけ達者で)
「オイ自惚れ二人組。ヒソヒソしてるとこ悪いけど作者からメッセージの手紙が来てっぞ」
「え! 作者って慶さんから!?」
「もしかして人気の俺らにスピンオフの依頼か!?」
何故か空から降ってきた作者からのダイレクトメッセージを剣から渡されたハーフムーンとクレセント。
何やら出番の確約やら吉報と勘違いしてる様ですが、とんでもない!
《ハーフムーンとクレセントへ。
お前等モブなんぞに執筆時間を割いてスピンオフを書けると思うなよ!! あと俺の悪口言ったから、二人共当分の間出番は無いと思いなさい。
―4月17日で小説デビュー2周年の慶より―》
あ~あ、作者からの出禁宣言はガチの奴ですよ。ご愁傷様!
※自惚れ二人組、風化中。
「やっぱアレやな。作者とか読者に愛されないキャラが人気を気取るなんざ十年早いって事だ!!」
……剣さん、逆襲の仕方もだいぶクレバーになりましたな。
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――変わって場面は一人残されたフルムーン。
こっちは作者からの出禁は食らってないので今後の活躍に期待せよ、と言いたい所なのだが。
彼の言っていた雇い主とは一体誰なのでしょうか? と気になっている所にご都合展開だ。
「……これで良かったんですか?」
フルムーンの振り向く先にはいつの間にか出現したワープホール、瞬時に目的地へ転送する『トランスホール』から現れたのは……さぁ誰でしょう!?
「――うん、決闘結果共に申し分無し! 大丈夫よ、お疲れ様」
そこに現れたのは銀の背広スーツを羽織った長身かつスレンダーなショートボブスタイルの女性。そのスーツにはなんとWGCの地球型マークが付けている! という事は彼女はWGCの役員の一人。
―――WGC治安防衛管理長を務める、凪原茜(17)である。
「今回依頼したのは勝ち負けの問題じゃないよ、フルムーンさん。どっちとも良く頑張ってたし、しょうがないよ」
「しかし言われた事は守りました。『誰であろうとも妨害する事』、あの鳳凰堂と協力関係にある瑞鳳旋風堂のゲーム戦士であっても」
……え、鳳凰堂!? ちょっと待って下さい?! 鳳凰堂って、あの鳳凰堂孔雀の居るってゆーあの……!??
「そうです、あの弥風綾乃は鳳凰堂孔雀さんにとっては味方の筈。彼女まで巻き込んで何を企むのかは知りませんが、理由でもあったんですか?」
「それは私にも知らないよ。本宮マサト社長が貴方達三人に支給したデッキの事も、対戦相手の提案も全然聞いてない。まぁでも……読者の皆にはある程度予想は付くんじゃないのかな?」
…………いや、どーなんですかねそこの所は? 読者の皆様はどう思いますか?
取り敢えず今分かった事は、弥風綾乃が所属している『瑞鳳旋風堂』が、あのゲームワールドの副管理者・鳳凰堂孔雀と協定を組んでいたという事!
そうでなくても何故剣のみならず、綾乃まで刺客を呼んで立ち向かわせていたのか? これじゃまだまだ謎だらけだ、もっと他の事を探らなければ……と思いましたが丁度読み終わりの時間となりました。
次回はそんな疑問点に着手する事に致しまして、本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽




