【GAME3-3】アメイジング・ダンジョンを攻略せよ!!
――TIPS――
プレイヤーの特徴として【ジョブ(職業)】の概念が存在するが……
これはステータスの上下を関係するだけでなく、『騎士』や『魔法使い』といった特定のジョブにのみ獲得できるプレイヤースキルにも影響する。
作中にて剣達がどんなスキルを得るのか、しかと見届けよう!
――テーブルトップシティ、近代ヨーロッパの洋風な街並みとは雰囲気外れな灰色の洞穴があった。
その洞穴の名は『古の遊戯洞穴』。
穴の奥は今にも吸い込まれそうな闇の彼方、その深さは地下10階と摩訶不思議なダンジョンと化した洞穴に、好奇と勇気を片手に潜入するオールスターズ三人。
名の知れたプレイヤーとはいえ、ダンジョンの中には危険も潜み、ましてやRPG仕込みな世界では魔物だっているかもしれない。
……何、それは言い過ぎか? とんでもない!
ホントにいるんですよ、ゲームワールドに魔物が!!
ほら彼処の倭刀達三人を囲む、数十匹の魔物達をご覧なさいな!!!
「すいませーん!! 三密なんで数減らして退室とか出来ませんかねぇぇぇぇぇ!!!?」
倭刀も何をアホな事を仰る!魔物相手にそんな思いやりがあると思いますか、今にも殺気立てて襲い掛かりそうだってのに!
スライム、ゴブリン、オークにゴースト。異世界ファンタジーなら皆勤賞狙えそうな伝説の生物達が血走った目で、彼らを煮ようか焼こうか始末した後のご馳走を想像中。
それもこれも、倭刀が宝に眩んで入り込んだ魔物の巣窟【モンスターハウス】に入っちゃったのが悪いのよ!!
「そんなに責めんといて! ちょっと誘惑に負けただけやがな!!」
誘惑で三人の命賭けられちゃ、身が持たないでしょうが。
「どうする? 倭刀……」
「どうするったって……、逃げるか戦うしか法が無いやろ姉ちゃん!」
とは言っても魔法使いジョブの穂香に使う魔法や、侍ジョブの倭刀に担ぐ刀も無し。丸腰のプレイヤーに成す術は無いのか…………いや! 何のためにカードがあるのだ!
「ワイだったら戦って、一気に片付けたるわな!!」
戦う方法はただ一つ。暗く広大なダンジョンをフィールドとし、カードバトルゲーム『アメイジング』で決闘に挑み、魔物やボスと戦うのだ!
――――――――PLAY GAME――――――――
☆アメイジング特殊ルールその①☆
【アメイジング・ダンジョンモード】
概要
ゲームワールドにおける洞窟、塔、森など広大なフィールドダンジョンとされるエリアに潜入する際に、自動的にセットされる戦闘システムである。
★主なルール★
①ダンジョン潜入時にゲームスタート。
通常と同じくリアルタイムカードバトルではあるが、シンボルエンカウント(目に見える敵)との戦いであるため、場合によってはブレイクタイムが存在する。
②『魔物』『ボス』と称されるユニットが出現した際に自動で手札とフィールドが展開され、勝利した後に賞金と経験値、運が良ければカードがゲット出来る。
③またダンジョンのフィールド内には【宝箱】と呼ばれるミステリーポイントが隠れており、調べると賞金やカード、また様々な付加能力を得られる。※ただし逆に罠の可能性も有り。
◇出動プレイヤー全員のHPが0になったらリタイア。ボスなどの討伐など目的を達成した時点でクリアとなる。
――――――――――――――――――――――――
――シュッ!
豪樹が勇んで『アメイジング』のカードスキャンブレスを片手に、そこに装填されているカードデッキの束から風を切るようにカードを1枚引く。そして今までのダンジョンで蓄積したEGを使って、カードスキャン!!
『アクションカード、【百烈拳】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<アクション・カード>
【百烈拳】EG:⑤
属性:黄
・効果:フィールド上のランダムな
相手ユニットにAP100×20ダメージ
を与える。
◎――――――――――――――――――◎
この場のユニットは今眼前に立ちはだかる魔物を指す、豪樹は岩石と見まごう巨大な鉄拳に力を込めて撃ち放つ!
「ぅらららららららららァァァァァッッ!!!!」
目にも止まらぬ豪樹のピストンパンチ! 取り囲んだ魔物に鉄拳制裁、精根消滅。あっという間に半分も群れを一掃させた!
「私も加勢します!!」
穂香も後に続いてカードスキャン!
『カスタム・ツールカード……【マジェスティック】!!』
◎――――――――――――――――――◎
<カスタム・ツールカード>
【マジェスティック】EG:④
AP(攻撃力):100 PP(使用回数):20
属性:緑 装備:プレイヤー
≪必殺技≫
『エレメントマジック』EG:③ AP:150
ランダムな属性を持つ広範囲の魔力弾を打つ。
◎――――――――――――――――――◎
カードの力で呼び出したるは柏の木で作られた古びた魔法の杖。
穂香がこれで魔法使いらしくなった所で、蓄積したEGをフルに使って必殺技を解き放った!
「必殺技発動!『エレメントマジック』!!」
魔力集中エネルギーを込めた弾が敵に当たった瞬間に広く爆散。赤い弾青い弾と何が出るかお楽しみとか言ってる間にも、既に敵は御霊の元、魔物軍団全滅だァ!!
……ってちょっと倭刀、あんた何もしないで突っ立ってたわけ!?
「何でこんな時にだけ手札事故起こすんだよ~!!」
今日は倭刀はツイてないようで……しかし他の二人は魔物を倒したことによって、経験値とお金がザクザク。
◇――――――――――――――――――◇
・決闘勝利により 経験値670 獲得!
・勝利賞金 3982円 獲得!
覇豪丸は
LEVEL6 にレベルアップしました!!
◇――――――――――――――――――◇
一番魔物を倒した覇豪丸こと豪樹は一気にレベルアップしたようだ。
「中々えぇ感じに仕上がってきとるで!」
穂香も魔物を倒して着々とレベルアップ。一方何も出来なかった倭刀は?
「ほっとけってんだ! ……ん、これは――!」
もぬけの殻となったモンスターハウスにキラリと輝くミステリーポイント。倭刀は近寄り調べてみると……
「――あ、あった! 封印されたゲームのパーツ!!」
それはピンクに輝く真珠のような珠であった。
そもそも封印されたゲームを解放させる為には『18個の珠』と『4つの石盤』、計22個のパーツを集めないといけない。
倭刀達がゲットした珠は現在10個。石盤も一欠片のみで、残り11のパーツをこのダンジョンで探さねばクエストクリアにならないのだ。
「もっと奥まで行ってパーツを探さなアカンのか……しゃーない、これもカードと金の為――!」
今の発言から聞いて、どう考えてもオーブよりもお金や物流に執着している感じが否めない倭刀。そこへ穂香姉ちゃんが直接質問した。
「――ねぇ倭刀、今日はどうしちゃったの? 前の倭刀はそこまでお金の事考えたりしなかったわよ?」
「……そんな事ねぇよ、俺の小遣いでどう稼ごうと構わねぇだろ姉ちゃん」
――倭刀は何かを隠している。今度はそれを察した豪樹が話しかけた。
「……別に若いうちからお金を貯めることは悪いとは言わへん。でもそないに固執してると皆から『金に汚い』とか言われちまうぞ?」
「だからそんなんじゃ無いですってば! 金さえ持ってりゃ旨いもんも、カードも幾らでも買えるし、それに――」
「――じゃ、金で親友は買えるか?」
「……!!」
不意に打たれた指摘が鋭く倭刀の心に突き刺さった。これには図星を突かれた様子だ。
「少しは金とか手元の物を離して周りを良く見てみぃや。倭刀に必要なのは金じゃなくて、別のもんにあるって今に分かるから」
「…………そんなもん、一体何処にあるんすか――!」
倭刀は気分が晴れない様子のまま、一人突っ走ってダンジョンの奥へと進んでいった。
「倭刀…………」
空白の一年の間に、何が倭刀を歪ませたのか?
封印ゲームのパーツを全部集め、ダンジョンを踏破した時にその答えは明らかになるのだろうか!?
――いや、決して一筋縄では行かないだろう。
何故ならこの遊戯洞穴の最深部には、番人が待ち構えているのだから……!! ――本日のゲーム、これまでッッ!!
▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽
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