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【GAMEWORLD ONLINE】真・極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー ~ULTIMATE SOUL OF ACE〜  作者:
3rdSTAGE―プレイヤー心・裏表! ゲーム戦士の試練を超えてゆけ!!―
207/468

【GAME29-8】切り札騎士・信頼で結ぶ絆!!

◐AMAZING MIDWAY RESULT◑


 ☆①〔エース(剣) HP500 手札5枚 EG0〕

  装備:《ファイティングブレード》《ナイトシールド》

  ②〔ウィンディ(綾乃) HP300 手札1枚 EG⑤〕

  ユニット:《太陽の騎士》

 カスタム:《ロッドサモナー》


 ★①〔フルムーン HP4200 手札4枚 EG⑥〕

  カスタム:【ビッグベースシールド】

  ②〔ハーフムーン HP400 手札3枚 EG④〕

  ③〔クレセント HP1750 手札3枚 EG⑧〕


※桐山剣によるアクションカード《インフェルノ・バーン》発動処理前。

 

 ――決闘全体に広がる驚愕の極致!!

 敵味方問わず業火の大ダメージを食らわせる《インフェルノ・バーン》の発動にゲーム戦士達は激震が止まらない!


「はぁ!? 《インフェルノ・バーン》!? こんな土壇場に何凄いの使ってんのよ!!」


 相変わらずギャーギャー騒いでブーイングを散らす末女・クレセント。


「……チェッ、成程ね。俺が大歌龍を出す前にHPを減らして撃つ作戦だったか」


 と意外にも諦めは早く往生しているのは若干大人思考の次男・ハーフムーン。

 更に重要なのは三人とも、それを遮断させるためのカウンター・レスポンスが無い事! よって《インフェルノ・バーン》は無事に解決処理されるのだが、我々が言いたいのはそこでは無い。


「……良いのですか? 貴方は《ナイトシールド》があるから、ある程度ダメージを低減して生き残りますが、片方の巫女は……」

「…………」


 フルムーンの問いに剣は何も答えを返さなかった。

 これも彼にとっての作戦の内なのか、それとも……



 ――――どう思いますかね? 先に脱落して、VRフィールドから離脱されて遠目で展開を観覧中の時実桜さん!


「何で成り行きで私がMr.Gの解説役されてるんですか」


 いーじゃないですか、やらされたからって出番減るわけじゃないし。剣さんの心境は如何なものか第三者から聴いてみたいんですよ!


「仕方ありませんね。私から言える事は決まってますが、剣さんは仲間を無碍に扱う方では絶対に御座いませんわ」


 そーら桜さんもこう言っていらっしゃる! しかし剣に限ってそんな事はあり得ないだろうとは言っても、どうやって乗り切るのでしょうか分からない。まぁ最後まで読んで頂戴。



「――――《インフェルノ・バーン》の効果処理解決!! 怒りの業火を受けてみやがれッッ!!!」


 樹海の町に突如としてブアァッと広がる炎の海。フィールド全体に業炎の700ダメージが襲う!

 剣は装備していた《ナイトシールド》のDP500をダメージ分に引いて、盾を犠牲に傷浅しと生き残る。


 〔エース(剣) HP500→300〕


 そして対戦相手、ムーンリバーバンドの三人衆。抗うカードも無くただ無抵抗に業火のダメージを耐え受ける。


 〔フルムーン HP5400→4700〕

 〔クレセント HP1750→1050〕


 ただし致死ダメージ以下のHPのハーフムーンは残念ながら為す術無く二人目の脱落。あんなに人気云々言ってたのに特に魅せた場面も無いまま決闘から離脱だ。


 〔ハーフムーン HP400→0 KNOCKOUT!〕


「くっ……人気者の俺とした事が、締めも送れずに脱落かよ……! だが構わないさ、そっちの冴えない巫女ちゃんと道連れ。ザマァ見ろだ!!」



 ――さぁここからですよ皆さん。サックスの次男は捨てといて、問題は剣を信頼してたにも関わらず《インフェルノ・バーン》の影響を受けてしまう弥風綾乃も、一緒に脱落してしまうかどうか。


(オイ『捨てといて』って何だよ)


 このまま何もしなければ綾乃はHP300の状態からダメージオーバーで脱落は確定。どうなる事やら答え合わせ!!


「………………うん。しょうがない、ですよね……」


 信頼に信頼を傾けすぎた反動か、剣の判断に呆然、半ば失望にも似た感情を描き始める綾乃。そして例の打算思考が、唯一その非情を和らぐ行動として彼女の脳裏にぐるぐると過る。


(これでサックスの兄さんも倒して驚異を減らせた。引きの悪い私なんかが犠牲になってもやれる価値はあるわ。これはチーム戦、戦線に見放された者は自滅する運命なんだもの。―――でも……)


 癖になっている打算思考も、考えれば考える程ネガティブになり、彼女の念に『後悔』の字が浮かんでいく。



(あと数十秒早かったら、私も桐山さんを守れた筈なのに。頑張れたのに……悔しいよ…………!!!)


 幾度となく己の力を魅せる事が出来ず、不完全燃焼を続けていた綾乃の眼にポロリと涙の雫が落ちる…………って、あれ!!?


 ちょっとちょっと綾乃さん! 一人で泣いてトラジディーな雰囲気になる前に、自分のステータスを確認して見てくださいよ!!



「え…………!!?」


 〔ウィンディ(綾乃) HP300→1800〕


 綾乃のステータスを確認して見るや驚き、自分は何もしてないのにギリギリのHPだった数値が、いつの間にか初期数値に戻っているではないか。いやいやもう一つ凄いのは!


 綾乃に包み込む筈だった業火は遮断され、彼女の眼前には白の巨大な盾!! この盾から放つ覇気はそう、PASのパワーだ!!!



「PAS発動、【セイントシールド】!! 綾乃を全力で守ってくれッッ!!!」


 ◎――――――――――――――――――◎

 ・PAS【セイントシールド】確認。

 PASスキル【絶対なる盾】発動!!


 対象のプレイヤーを全回復、かつ

 全てのダメージを0にする!!!

 ◎――――――――――――――――――◎


 ――いざとなったら魂を込めろ! 切り札を呼び起こす剣のロングソードの魂は皆様御存知ですが。

 龍牙との戦いで覚醒した()()()()()()()()が剣には宿っていた!!


 おぉこれは凄い! 白い盾の魂は味方への全ての驚異を振り払い、尚且癒やしをも施してしまうから見事なものだ。


 結局剣の《インフェルノ・バーン》で朽ち果て脱落したのはハーフムーンさん。アンタだけだよ!!



「な……、なんじゃそりゃああああ!!!!!」


 ジーパ◯刑事の真似したって人気は上がりませんよ。



 それはともかく剣の凄まじやPASの力で業火を完全に防いだ綾乃は、これは一体どういう事なのと言わんばかりに目をきょとんとしていた。


「桐山さん、どうして……?」

「どうして、ってそんなん言われても俺だって知らんがな」


「そのPASを使えば自分の《ナイトシールド》を犠牲にして、ましてや少ないHPも減らずに済んだのに……。私なんかにそこまでして貰う価値なんか――!」


「……確かに、仲間の為に自分を顧みず必死で守るのはゲームじゃ打算的じゃねぇかもな。でも俺は騎士(ナイト)だぜ? 場の状況を見て大事な仲間も守れねぇんじゃ、アバターで切り札騎士を名乗る資格は無い」


 自らが『切り札騎士(エースナイト)』と名乗る以上、自分の中に守るべき信念がゲームの中でしっかりと刻み込まれている剣。そして仲間と交わした約束も必ず果たす男だ。



「さっき綾乃が言うてたやん。次のドローで必ずやるって。それにお前が俺に信じて欲しいって伝えてくれたから俺もこう言った。

 ――【綾乃も俺の事を信じてくれ】ってさ!!」


「…………!!!」


 ――――見ましたか、読んでましたか読者の皆さん!!


 これが“切り札騎士クオリティ”ですよッッ!!!!


 大事な仲間は死んでも守り通す、シャッフルの仲間と培った騎士道精神が生み出した双魂のゲーム戦士の器ですよ……あ、ほらほら私のお隣の桜さんも、静かに流石と言いたそうにドヤァと微笑んでますよ分かりやすい!



 さぁ切り札騎士・桐山剣の心意気に弥風綾乃はどう動くのか!? また話長くなりそうなので、一旦下がって次回お送りします!!


 ――本日のゲーム、これまでッッ!!



 ▶▶▶ TO BE CONTINUED...▽


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